No.782050

真・恋姫無双 覇王伝 第十三話

ZSANさん

汜水関の戦い②

2015-06-06 23:13:42 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3758   閲覧ユーザー数:3167

~一刀視点~

汜水関の戦い初日で唯一の戦果 鞘姉による高順の捕縛

この高順の処遇は俺達に委ねられている

その高順を捕えてある天幕に入る

高順は後ろ手に縛られながらも、俺が入ると睨みつけて来た

「怪我は大した事が無さそうで何より」

「怪我の具合などに何の意味がある

 さっさと殺せ!」

と、高順が俺に言い放つ

「その前に言いたい事が有る

 俺達の目的に協力して欲しい

 『董卓さんを秘密裏に保護する』と云う目的のね」

「なっ?!」

高順が驚いた声を出す まあ当然か

「ふざけた事を!」

「ふざけた事でもないさ

 この連合は諸侯の嫉妬から始まった

 ”真実”がどうであっても董卓さんはまともな方法では助からない

 ならば洛陽で善政を引いていた董卓さんを助けるには秘密裏に保護するしかない

 筋が通っているだろ?」

簡潔に説明するが

「ならばこの連合に参加しないか、董卓様に付けばよいだろう!」

「連合に参加しなければ、助ける機会は無い

 董卓さんに味方した所で共倒れになるだけ

 ならば、他に選択肢は無いだろう?」

高順の反論を論破する

「しかし、信用できるか!」

「董卓さんを救う方法は他に無い」

「・・・」

「しかし、直ぐに俺達を信用しろと云うのも無理な話だ

 だから連合軍が虎牢関を抜けるまでに決心してくれ

 連合軍が虎牢関を突破した時点で、董卓さんには二つの選択肢しか無くなる

 連合軍に討ち取られるか、秘密裏に俺達に保護されるか

 高順が後者を望むなら、俺達に一縷の望みを託すしか無い」

高順は押し黙ってしまった

「まあ、洛陽に着いてからでは間に合わないかもしれない

 だから虎牢関を突破するまでに決断しておいてくれ」

俺はそう言って天幕から出た

翌日の汜水関攻めは俺達が先鋒になった

軍をある程度まで進め、

「さてと、言って来るか」

俺は単騎で汜水関に接近する

「汜水関に籠っている呂布、張遼、華雄に告げる!

 昨日の戦いで我等が捕えた高順は処刑した

 我等に付く意思は無い、と云うので止むを得ない 見事な忠誠心だ

 貴様達に高順の仇討をしようとする意思があるなら受けてたつ!

 返答は如何に!」

そう言って軍の所に戻る

「さあ、どう出る?」

 

~汜水関にて~

(高順が殺されたか・・・

 戦やから恨みっこ無しやけどな・・・)

張遼が感傷に浸っていると

「張遼様!」

兵が慌てた様子でやって来る

「うん?」

「華雄様が出陣されようとしています!」

「なんやて!?」

張遼が華雄を止めようと華雄の元へ向かうが時すでに遅し

門を開けて華雄が突撃して行った

「あの阿保が~!

 恋!汜水関はもう持たん!

 虎牢関へ撤退や!うちは華雄を連れ戻してから向かう!」

「ん(コク)」

 

~一刀視点~

俺の言葉が敵に火をつけたのか、華雄の部隊は猛烈な勢いで突っ込んでくる

(高順を殺したのは嘘なんだから、多少気が引けるな)

そんな事を考えながら指揮をする

真っ直ぐ突き進んでくる華雄部隊を弓の斉射で迎え撃つ

それでも速度を緩めない華雄部隊とぶつかる

華雄の部隊は目測で1万 此方は2万

張遼と呂布の部隊も一緒に出て来たら後ろに流す事も考えていたが華雄の部隊しか出て来なかった

勢いは有るが数では此方の方が多いので華雄部隊を受け止める事が出来た

後は指揮官の華雄を倒せば終わる

「あ奴はどこだー!」

大声で斧(の様な武器)を振り回す人物を発見 彼女が華雄だな

「探してるのは俺だろ」

「そこに居たかー!」

俺が進み出ると一目散に向かって来た

華雄の上段から振り降ろす攻撃 威力は有りそうだが大振りだ

「そんな攻撃を躱せないとでも」

華雄の攻撃を躱して、側頭部に上段回し蹴りを決める だが

「そんな攻撃が効くか!」

と、反撃をして来る 効かない?

その攻撃を後退して躱しながら華雄の腕に峰打ちの一撃を当てる しかし

「うおー!」

全く効いて無い様に武器を振り回してくる

(これは、怒りが痛みを凌駕しているな

 それならば・・・)

俺は示現流の蜻蛉の構えに似た構えをする

「む?」

何かを察したのか、華雄も一瞬動きが止まる

そこへ斬撃を振り降ろす

「はー!」

「ぐっ!」

その斬撃を華雄は受け止め、押しもどそうと力を込める

それを察した俺は力を緩める

華雄はいきなり力を抜かれた為、押し戻す力で両腕を上に上げてしまう

俺はそのがら空きになった華雄の顎を下から蹴り上げる

如何に怒りが痛みを凌駕していても、顎を蹴り上げられ脳が揺さぶられてはまともに立っていられない

ふらつく華雄に柔道の大外刈りを掛けて倒し、止めに鳩尾に正拳突きを決める

「敵将、華雄を討ち取ったりー!」

俺が宣言を上げると華雄の兵も戦意を失い撤退を始める

そして、汜水関を攻め落とした

張遼と呂布の部隊は虎牢関へ撤退

これで汜水関の戦いは終結した

華雄を高順と同じ所に連れて行くように指示をする

ちなみに高順は連合軍にも処刑したと伝えてあり、隠している

董卓さん保護の時、死んだ事にしておいた方が良いかもしれない為だ

指示を終え、一息ついた所へ

「北郷さん!」

劉備が関羽を従えてやって来た

「華雄さんを捕えたと聞きました

 北郷さんに要求します 華雄さんを私達に引き渡してください!

 殺さずに済ませる方法も考えずに高順さんを殺した貴男の元に置いておく事は出来ません!」

何を言ってるんだ、と呆れていたら

「何言ってるの

 貴方達は昨日、今日と何にもしてない癖に!

 大体そんな事を言うなら、昨日の戦いで貴方達が華雄を捕えれば良かったんだから

 頭に行く栄養がその巨乳に行っちゃってるんじゃないの?」

と巴が反論する

「貴様~、桃香様を侮辱する気か!」

関羽が激昂するが、俺は巴を手で制しながら

「劉備、まるで自分は人を一人も殺して無いとでも言いたげだな」

「え?」

劉備が怪訝な顔をする

「君自身は殺して無いだろう 武の心得がまるで無いような感じだからな

 だが義勇軍だった君が太守になれたのは黄巾の乱での戦功によるものと聞いている

 ならば君の義勇軍はどれだけの黄巾賊を殺した?

 一人も殺していないとは言わせないぞ!」

俺の厳しい言葉に劉備は口ごもる

「捕えた敵の処遇は捕えた部隊に一任される これは連合軍での軍議で決まった事

 だから華雄の引き渡しをする必要は無い

 更に自分の事を棚に上げての発言は慎む事だ

 今までの自分の行いを省みない人間が他人を幸せには出来ない

 『皆が笑って暮らせる世の中』を造る事もな

 こんな乱世を治める為には大なり小なり悪行を行う事は必然だからな」

俺はそう言って踵を返す

これで劉備がどう変わるか、変わらないのか

それによって乱世の行方が大きく変わると思いながら

 

~あとがき~

 

高順の説得は、返答は一先ず保留に

信用が得られないなら信用するしかない状況になるまで、という事です

ちょっと狡いですかね

 

華雄はやっぱり釣られました

仇討と云う大義がある、そう思い込ませて引っ張り出す策略でした

 

桃香に関しては意見する人が居ないので一刀に説教されました

これで桃香がどうなるかは今後にて

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
24
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択