No.781743

ソードアート・オンライン アクチュアル・ファンタジー STORY 36 それぞれの動き

やぎすけさん

最近は亀更新になっていますが続きです。

2015-06-05 10:41:38 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1242   閲覧ユーザー数:1196

前回のあらすじ

ギラスに襲われて眠っていたアルゴが目を覚ますと、そこにはキリトたちと戦い、最後は2人を助けた男ベリルの姿があった。

これからのことを迷うアルゴに、一緒に来るかと問うベリル。

元々宛てのない旅だったアルゴはベリルに付いて行くことを決めた。

一方その頃、セリアの案内でグローレストの村に辿り着いたキリト一行は宿屋で休息。

部屋に入った途端にいちゃつき始めるバカ夫婦に呆れたデュオは外へ出て行き、2人きりになったキリトとアスナは離れていた分を取り返すように甘い時間を過ごすのだった

 

 

 

 

 

 

STORY ⅩⅩⅩⅥ それぞれの動き

 

 

 

 

 

通常視点

デュオ「さて、あの2人がいちゃついてる間どうするか・・・」

 

デュオは町中を歩きながら小さく呟く。

あまりのんびりしているつもりはなかったが、アスナの様子を見てデュオはキリトとアスナを2人にしようと決めていた。

短い間でも離れ離れになり、アスナは記憶を抜き取られて危うく2度と元に戻らなくなるところだった。

早くシリカたちと合流したいデュオだったが、お互いに辛い思いをした2人をすぐにまた戦わせるべきではないと考え、2人の気が休まるまではゆっくりさせようと焦る自分を抑える。

今無理をさせれば2人が不安定な状態になりかねないと感じ取っていた彼の、2人に対する優しさだった。

とはいえ、特にすることのないデュオは適当に町中を宛ても無く歩き回る。

その途中で彼はある店を見つけた。

 

デュオ「ガンショップか・・・ そう言えば銃はフォルスで落としたままだったな・・・」

 

呟いた後、デュオは店に足を踏み入れる。

店の中に広がっていたのは、ショーケースの中にきちんと整頓されて並ぶ様々な銃だった。

そこには拳銃のような小型のものから猟銃のような長物まであり、その種類は旧式のマスケット銃から未来型の光線銃、果てには魔法弾を撃ち出すマジックガンと数多くのものが揃っている。

それらの1番奥にあるカウンター内の椅子に1人の老人が腰を下ろしていた。

老人は羊の毛にも似た癖の強い白髪で眼は隠れており、身につけるのは所々ペンキなどで汚れた青いエプロン。

サンタクロースを彷彿させるような白い髭を蓄えた口には古びたキセルを咥えている。

老人は一瞬だけデュオの方に視線を向けるが、そのまま何も言わずに再び目を閉じる。

その様子を気にすることなくデュオはショーケースに並ぶ銃器に視線を向け、自分にあった銃を探し始めた。

 

デュオ「ここにある銃は手に持ってみてもいいのかい?」

 

問い掛けに老人はゆっくりと頷くがそれ以外は何も返さない。

デュオは視線を戻し、陳列されている銃から自分に合うものを探す。

次々と取り出しては構えてその後ケースに戻す。

単調な作業を繰り返し、やがて選び取ったのはアンダーフレームに台形型のクリアブルーのブレードが取り付けられたSFチックな大型ハンドガンだった。

 

デュオ「これは・・・?」

 

老人「それはソルブラスター、太陽光をチャージして弾丸に変える銃だ。ダイアルで威力も調整出来る」

 

カチャリと音を立てて構えたデュオは、照準器に視線を向けたままニヤリと口元を歪めた。

 

老人「決まりじゃな?」

 

誰にもわからないほど小さい笑みを浮かべた老人がデュオに問い掛け、デュオもそれに頷く。

 

デュオ「あぁ、これにする。お代はいくら?」

 

老人「いや、金はいい・・・」

 

デュオ「は?いやだって・・・」

 

老人「何、セリア()を助けてくれた礼じゃ。遠慮せずに受け取れ」

 

そう言って老人はホルスターをデュオに投げて笑った。

飛んできたホルスターをキャッチしたデュオは、それを見て穏やかな笑みを返す。

 

デュオ「それじゃあ、ありがたく受け取るとするよ」

 

銃を収め、それをベルトの留め金で左腰に固定する

 

デュオ「そういえば、セリアが襲われたことについて何か心当たりは?」

 

老人「いや、何も」

 

デュオ「そうか・・・ありがとう」

 

最後に礼を言ってデュオは店を後にした。

 

キリト視点

キリト「ん、ううん・・・」

 

目が覚めた俺は2,3回瞬きしてから顔を横に向ける。

そこには可愛らしい寝息を立てて眠るアスナの姿があった。

 

「そうか・・・あのまま寝ちまったのか・・・」

 

俺は眠る前のことを思い出す。

アスナに甘えられているとデュオがいなくなっていたので、そのまま2人でベッドに横になったのだ。

 

キリト〈そう言えばアスナのパジャマ姿なんて久しぶりに見たな〉

 

最後に見たのがSAO内なので、かれこれ1年近く見ていない

若干懐かしい感覚に陥りながら彼女の髪を撫でると、ゆっくりした動作でアスナの瞼が開く。

 

キリト「おはよう、アスナ」

 

アスナ「うにゅ・・・キリトくん・・・?」

 

まだ夢見心地なのかトロンとした瞳をしているアスナ。

愛らしい彼女のその姿は思わず抱きしめたくなるほどだが、同時にこのまま眺めていたくもなる。

 

キリト「よく眠れた?」

 

アスナ「うん・・・」

 

未だ眠そうな眼をしているが、その表情は穏やかな微笑みに変わる

 

キリト「どうした?」

 

アスナ「なんだか新婚の頃みたいだなって思って・・・」

 

キリト「そうだな・・・」

 

常に死と隣り合わせの世界で得た束の間の安らぎ。

その時間を思い出して笑みがこぼれる。

だが同時に、残してきてしまった愛娘のことを思うと胸が痛んだ。

 

キリト〈早く帰らないとな・・・〉

 

そう思って天井を見上げる。

 

アスナ「キリトくん?」

 

キリト「なあアスナ?」

 

アスナ「ん、何?」

 

キリト「早く他のみんなとも会いたいな」

 

アスナ「そうだね・・・でも・・・」

 

不意に頬を両手で挟まれ、そのままアスナと向き合う格好にされる。

 

アスナ「今は休まないと。キリトくんたちが倒れちゃったら意味無いよ」

 

穏やかな口調で言ってはいるが、アスナの瞳には心配と不安の色が浮かんでいた。

俺はそっと手を差し出し、アスナの頬に触れる。

 

キリト「俺は大丈夫。あんまり無茶なことはしないから」

 

アスナ「約束だよ・・・?」

 

キリト「ああ、約束だ・・・」

 

俺たちはどちらからともなく手を顔の前に出し、小指を絡ませて指切りをする。

幼い子供のようなそのやり取りに、俺たちは互いに微笑むのだった。

 

通常視点

???サイド

キリトたちがそれぞれの時間を過ごす中、近くの大木の上からグローレストを見下ろす3つの影があった。

1人目はセリアを襲っていた亀男グートであり、甲羅の傷は既に修復されて消えている。

その横に浮ぶ2人目はベリルと戦ったギラス、そして3人目は大振りな2本のブロードソードを交差させて背中に吊っているくすんだ銀色の髪の男。

 

ギラス「グートを倒した者はあそこにいるようですね」

 

グート「あの野郎、なぶり殺しにしてやる!

 

ディフォア「待てよ」

 

ギラギラと殺気立った眼で吼えるグートを銀髪の男が片手で制する。

 

グート「なんだよディフォア!」

 

ディフォア「おめえがそこまで言う相手に興味が湧いた。そのガキ、俺に殺らせろ」

 

グート「そりゃあねえぜディフォア。こっちは奴を殺したくてうずうずしてるってのによ」

 

ギラス「仕方ありませんよグート。私だって殺したい相手がいるのを我慢しているのです。貴方も少しは我慢なさい」

 

グート「ちっ、しゃあねえな」

 

肩を落とすグートだが、その間も眼から殺気が消えることは無い。

そして同時にギラスの眼も殺気立った光を湛えていた。

しかし、その中でも最も強い殺気を放っていたのはディフォアと呼ばれた銀髪の男だった。

 

ディフォア「どんな奴かは知らねえが、せいぜい頑張ってくれよ。俺たちの (にえ) としてな」

 

狂気に満ちた瞳で村を見下しながら、ディフォアはそう言って凶暴な笑みを浮かべるのだった。

 

あとがき

リアルが忙しくなっている、やぎすけです。

最近、作画を出来る友人ができまして、そちらに絵の方を依頼しています。

さて今回デュオのサブアームとして加わったソルブラスターですが、形状イメージはガンダムサバーニャのGNライフルビットIIです。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択