No.776379

寂しがりやな覇王と御使いの兄54話

あなたまさん

長安・洛陽・幽州の情勢

2015-05-10 03:15:38 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:8134   閲覧ユーザー数:6042

長安

 

侍女「賈詡様、張遼様、曹仁様がご到着いたしました」

 

 

霞「か~~ずと!」ダキ

 

一刀「おっと、よく霞は抱きついてくるな」

 

霞「それがうちやもん~うち今回も頑張ったで?偉い、偉い?」

 

一刀「霞率いる騎馬隊が無かったら、危なかったと聞いてるからな。よくやってくれたよ」なでなで

 

霞「えへへ~一刀の手あったかいわ~」

 

 

凪「ソワソワ...ソワソワ」

 

霞「一刀~凪も構ってあげな~あっちで構って欲しいそうに見てるで~?ニヤニヤ」

 

凪「わ、私はそんな」ソワソワ

 

霞(・・・すれば凪喜ぶで)

 

一刀「ふむ、凪おいで」

 

凪「は、はい」トコトコ

 

一刀「凪も、霞を良く補佐してくれたね。お疲れ様」デコチュ

 

凪「はわわわわわわ!きゅーー」バタン

 

一刀「凪?凪ーーーー!」

 

霞「凪はいつでも純情やなあ~凪はうちが見てるさかい、他の子も褒めたりな」

 

一刀「お、おう、頼んだ霞。次程遠志、波才、鄧茂」

 

程遠志「へ、へい」

 

波才「へい」

 

鄧茂「いるんだなあ」

 

一刀「劣勢の中、詠と王允に従ってよく戦って守ってくれた。波才はよく敵を調べ、情報をいち早く入手。鄧茂は先頭に立って兵を鼓舞していたと聞いている。それと・・・程遠志!」

 

程遠志「へい!?あっしがなにかしでかしましたか?」

 

一刀「いや、お前には感心したさ。お前が水の生成法を思い出さなければ、我が軍は窮地に落ちていた・・・いや、敵の虜になっていたかもしれん。だから、この勝利の立役者はお前だ」

 

程遠志「あっしにはもったいないお言葉です!あっしは教えていただいた技術を、使わせていただいただけでして」

 

一刀「技術は使い手によっては生かされも、死んだりもする。それを見事に使いこなしたお前の手柄だよ。」

 

程遠志「大将・・・」

 

一刀「程遠志!波才!鄧茂はこれより”副将”から霞達と同格の一人前の”将軍”として扱う!これからも研鑽を重ね、民のため、天下泰平の世を作るために力を尽くすのだ」

 

 

程遠志「あっし達が・・・将軍・・・」

 

波才「黄巾党の一員だった俺達が・・」

 

鄧茂「将軍・・・信じられないんだな」

 

 

一刀「もちろんまだまだうちの将達に比べ、実力は劣っている。我が軍の豪傑達からいいところをどんどん盗み、実力をあげてみせよ!・・・期待しているぞ」

 

 

程遠志「ッハ!我ら三名は必ずや!」

 

波才「そのご期待に!」

 

鄧茂「答えてみせるんだなー!」

 

 

一刀「いい心意気だ。だが、今は下がってゆっくり休むといい」

 

 

程遠志「わかりやした。何かありましたら、すぐお呼び下さい」

 

 

 

 

 

 

王允「見事だ、曹仁殿」

 

一刀「王允殿か、貴公も長安防衛の人力いただき感謝します」

 

王允「なに、わしはなにもしておらぬ。若い奴らの働きだ、張任にはしてやられたしの。歳は取りたくないものだ」

 

一刀「それでも、経験豊富な王允殿が居てくれるのは助かりますよ」

 

王允「この老兵でも役に立つならば、これからも使ってくだされ。それでは張任を連れて参ります、その間詠を頼みましたぞ」

 

 

 

一刀「さて・・・詠」

 

詠「ピク」

 

一刀「そんな端にいないで、こっちにきな」

 

詠「その・・・ごめん」

 

一刀「ん?何に謝ってるんだ?」

 

詠「僕の力不足のせいで・・・長安を危機に晒したことよ。僕がしっかり見抜いてれば、もっと楽に勝てたはずなのよ・・・こんなんじゃ軍師失格よ」

 

 

一刀(ん~ほんとに抱え込んじゃうタイプだな~桂花に似てるかな?)

 

一刀「1回も失敗をしない軍師なんかいないさ。桂花も風も稟も失敗はする。でも、その失敗を糧にして成長してきたんだ。失敗を、負ける怖さを知っている人は必ず強くなれる。詠はまだ成長途中なんだ、これからもっと強くれればいいんだよ」抱きしめ

 

詠「僕・・・まだここにいてもいいの?」

 

一刀「1回してやられただけで、風達3軍師に並ぶ当代きっての知将を捨てるわけないだろ?これからも力を貸してくれ」

 

詠(そっか・・・あんたは僕の事をそこまで評価してくれるんだ)

 

一刀「どうかしたか?」

 

詠「もう僕は負けない!今はまだ劣ってるからもしれない。でもいずれ荀彧・郭嘉・程昱を・・・一刀を追い抜いて、当代最強の知将って一刀に言わせてみせるわ!」

 

一刀「そっか、楽しみにしてるよ詠」

 

詠「こうしてはいられないわね!もっと研究しないと!」ダダダダダ

 

(ありがとね・・・一刀、僕頑張るから)

 

一刀「元気が出たみたいだな・・・よかった」

 

 

 

霞「流石一刀やな、上手く励ますもんや」

 

凪「隊長は普段は鈍いですが、こういう機敏を感じ取るのは得意ですからね」

 

霞「良いのか悪いのかわからんなあ」

 

凪「ですね」

 

 

 

王允「曹仁殿、張任を連れて参りました」

 

張任「貴方様が曹仁殿・・・私が張任です」

 

一刀「曹家棟梁・曹仁、字は子孝です。流石蜀一番の勇将、見事な策でしたよ」

 

張任「どんなにいい策であろうと、破られれば愚策と変わりありません。この度の敗戦は、私の力不足です・・・一つお聞きしたいことが」

 

一刀「なんでしょうか?答えられる範囲であれば、お答えいたします」

 

張任「私達はあなた達の補給路を完全に遮断し、補給部隊も叩きました。ですが、城兵は動揺する事無く戦っていました、これの理由をお聞きかせ願いたいのですが」

 

一刀「報告を聞いただけなので、少しずれがあるかもしれませんがお聞かせします」

 

 

一刀「補給路の遮断と補給部隊を潰したのは確かに効果的でした。実際詠は困り果ててましたからね」

 

張任「では・・・なぜ何事も無く戦えていたのですか」

 

霞「それはうちから説明するで。うちらが長安に到着した時には、既に包囲されてたんよ。補給物資も持って来てたから、強引に突破するわけにもいかなかったんよ。」

 

霞「そこでうちらは賭けに、蜀兵に混ざってた漢中兵の部隊に接触したんや」

 

張任「漢中兵の布陣場所は、正門に陣取りをしていた我らの反対側・・・そうか、そういうことだったか」

 

霞「簡単に寝返ったわけじゃないけどな、最初は発覚を恐れてしぶっとったしな。そこで、一刀と漢中出身・華陀の名を出して、必ずや漢中を救い出してみせると説得したんや」

 

張任「漢中の民からすれば、我らは張魯を殺した侵略者にすぎないか・・・」

 

霞「漢中兵の協力を得て、城まで行くのを黙認してもらったんや。あとは兵糧を運び入れて問題解消や」

 

張任「食料に関してはわかりました。ですが、水はどうしたのですか?長安の水は飲み水に適さない、川まで汲みに行かないと水は確保できないと踏んだのですが」

 

一刀「それに関しては、独自での水生成法があるんですよ。それを部下に教え、それを覚えていた部下が実践したんですよ」

 

張任「独自の水生成法・・・そんなものまで手中に収めていたのですか」

 

一刀「作り方は極秘なので言えませんが、供給は止まったりしないぐらいの最低限は確保できます」

 

張任「この策が決まれば、長安は落ちると確信していたのですが・・・私の見通しが甘かったみたいですね」

 

一刀(この方法知ってるの旅してたメンバーだけだから、実際危なかったんだけどね)

 

張任「完敗ですね。私程度でどうにかなる相手ではありませんでした。いたずらに民を傷つける戦を続けてしまった責任を取りたい・・・一思いにやって下さい」

 

一刀(ここで斬り捨てるのは簡単だが・・・さてどうするか。確か正史でも演義でも忠義を貫いて死んでいったよな~説得は難しいか?)

 

華琳「兄さん~街道封鎖の撤去終わったわよ」

 

美羽「山道の撤去も済んだのじゃ!」

 

 

一刀「華琳と美羽か、お疲れ様」

 

華琳「兄さん、この人が張任?」

 

美羽「ん、取り込み中じゃったか?」

 

一刀「張任すまない、少し席を外す。華琳はちょっと来てくれ」

 

 

 

 

 

華琳「どうしたの兄さん」

 

一刀「張任は民思いで忠義に厚い人物でな、民を傷つけた責任を取って処刑してほしいと言っていてな」

 

華琳「なんでそんな死にたがるのかしら」

 

一刀「そういう人だっているさ。だが、張任をここで死なすのは惜しくてな。華琳に説得してほしいんだ」

 

華琳「兄さんじゃダメなの?」

 

一刀「恐らく俺が言っても頷くと思えなくてな。」

 

華琳「兄さんの頼みなら喜んでやるけれど・・・期待はしないでね?」

 

 

 

 

華琳「待たせたね張任、私は兄曹仁の妹の曹操、字は孟徳よ」

 

張任「貴女が曹操殿、反連合では申し訳なかった」

 

華琳「別に謝る必要はないわ、今更気にしてないもの。それより責任を取って殺せと言っているみたいだけど、正気なの?」

 

張任「民を傷つけ、無益な争いを続けていたのです。その指揮官を殺さなければ、民は納得しません」

 

華琳「呆れた・・・あなたね、それはただ自分が楽になるための逃げでしょう?どうしてあなたが死ぬことが、民への責任に繋がるのかしら?あなたが本当に民の事を思うのならば、生き恥を晒しても、泥水を啜りながらでも生きなさい!生きて蜀と漢中の民の生活を豊かにする、それがあなたに科せられた責任(罰)よ。それが果たせるまであなたの命は預かるわ、死んだほうがマシと思えるぐらい扱き使うから覚悟しなさい!勝手に死ぬことは許さないわ!」

 

張任「・・・」

 

美羽「張任よ、お主が磨いた能力は民に使うものじゃろ?その能力を正しく使わないまま死ぬつもりかえ?民の事を思うのならば、その能力を発揮してみせろなのじゃ!二君に仕えろとは言わないのじゃ。一人の蜀の民として、その能力を使うのじゃ」

 

張任「あなたは」

 

美羽「妾か?妾は南陽太守・袁術公路なのじゃ」

 

張任「袁術殿でござったか・・・袁紹殿と似ても似つかないですね」

 

美羽「それはよく言われるのじゃ!」

 

華琳「それで、張任どうするの?言っておくけれど、拒否は認めないわよ?”はい”か”わかりました”で答えなさい」

 

張任「そこまでお膳立てされると断れませんね。曹仁様、非力な私でよければ、民のためにお使いください」

 

 

一刀「その返答に嘘偽りはないな?」

 

張任「武人に二言はありません、これからは曹仁様のために尽力いたします」

 

一刀「その言葉を信じるぞ張任」

 

張任「ッハ!」

 

一刀「華琳と美羽もよく説得してくれた、さすが自慢の妹達だ」

 

華琳「もっと私に頼ってもいいのよ?にーさん♪」

 

美羽「華琳ねーさま落ち着くのじゃ。妾も力になれたならよかったのじゃ」

 

 

霞「か~ずと~話しまとまったん?」

 

一刀「あぁ、力を貸してくれることになったよ」

 

霞「そかそか。これからどうするん?」

 

一刀「幽州の情勢が気になるから、数日長安で待機する。だけど漢中に攻め入る姿勢だけは見せておくさ」

 

霞「じゃあ!酒呑んできてもええ!?」

 

一刀「今日だけだからな、明日に響かないようにしろよ」

 

霞「やったー!流石一刀や~話わかるー!凪いくでー!」

 

え、また呑むんですかー!

 

もちろんやー!うちから酒とったら何も残らんで?

胸はって言わないでくださいよ

 

 

一刀「張任も下がって休んでくれ、数日は見張りの兵をつけるが、自由に過ごしてくれ」

 

張任「わかりました、何かありましたらお呼びください」

 

 

 

一刀「俺は菓子を食べに街に行くが、華琳達も来るか?」

 

華琳「もちろん一緒に行くわ!」

 

美羽「妾も同席させてもらうのじゃ!」

 

一刀「じゃあいこっか」

 

 

華琳ねーさまは何食べるのじゃ?

 

迷うわね・・・店主の自信あるのにしようかしら

 

 

一刀(張任との応対・・・以前の華琳ではあんな言い方しなかった。春蘭や秋蘭に続いて、華琳も記憶が戻ってきてるのか?)

 

 

華琳「兄さんどうかしたの?」

 

一刀「いや、なんでもない。いま行くよ」

 

(華琳達の記憶が戻ったら・・・どう接するべきなのかな)

 

 

 

 

 

洛陽

 

伝令「張遼様・楽進様の援軍を加えた長安守備隊が蜀軍の撃退に成功!敵の主力・張任の生け捕りにも成功しております!曹仁様はこのまま漢中平定に向かうとの事です!」

 

風「ご苦労様なのです~下がって休んでください~」

 

伝令「っは!」

 

 

稟「詠殿とあの3人組みがやってくれましたね」

 

風「正直厳しいと思っていましたが~やってくれたみたいですねぇ~実際危なかったみたいですが」

 

稟「詠殿に悟られず、長安の補給線をすべて潰した張任の手腕を褒めるべきだと思いますよ」

 

風「それでもお兄さん抜きで危機を乗り切った、これは大きな自信になりますねぇ」

 

稟「蜀に残された将は李厳と黄権ぐらいでしょう、もはや一刀殿の敵ではありませんね」

 

風「そうですかね~風は何か”嫌な予感”がするのですよー」

 

稟「あなたがそういう事を言うと、洒落にならないから辞めてほしいのですが」

 

 

 

月「風さん、稟さんいらっしゃいますか?」

 

風「おや、月ちゃんですか~入ってきてもいいですよ~」

 

月「失礼します、幽州の劉備さんからの使者が参りました」

 

稟「幽州から・・・会戦してから情報が入ってきてなかったですから、ちょうどよかったですね」

 

風「使者には誰がきたんですか~?」

 

月「えっと・・・こうそ・・・こうそん・・・だったと思うのですが」

 

稟「公孫讃ではないですか?」

 

風「あぁ~あの影が薄い人ですか~とりあえず会いにいきましょ~~」

 

稟「あなた達は将をここに集めてください」

 

侍女「かしこまりました」

 

 

 

 

 

稟「お久しぶりです、公孫讃殿。ご無事にたどり着けてようでなによりです」

 

風「お久しぶりですね~影の薄いハム子さん~」

 

ハム子「影薄いっていうな~~ハム子ともいうなああーーーー!」

 

月(また風さんにしかわからない事でしょうか?風さんの言ってる意味がわかれば、一刀さんともっと話せるでしょうか)

 

風「月ちゃんは充分話してると思うのですよ~」

 

月「え、いま声に出てましたか?」

 

風「風ぐらいになると、人の心を読むのは簡単なんですよ~ふふり」

 

月「怖いですよ!」

 

風「例えば・・・月ちゃんが、真桜ちゃん特製のお兄さん抱きマクラで、悶えるとか知らないのですよ~」

 

月「わーーーわーーーーわーーー!それ以上言わないでくださいーーーー!」

 

 

まだあるのですが~言ったらダメですか~?

 

ダメに決まってるじゃないか!

 

女同士なのでいいじゃないですかー

 

そういう問題でもありません!

 

 

ハム「あの・・・本題に入りたいんだが」

 

稟「用件は私が聞きますので、お話ください」

 

ハム「幽州に桃香が帰って着てからすぐに、袁紹軍迎撃のために出陣いたしました。私達の軍は士気が高く、この戦は勝てると誰もが思っていました・・・ですがその驕りをつかれ、逆に私達が撃破されてしまいました。それに加え遼東の公孫度が袁紹側に寝返り、重要な防衛拠点だった易京の要害も地下から突破されてしまいました」

 

稟「袁紹軍は主力の盧植達を向かわせたと聞きます、経験豊富な将にしてやられたと言う事ですか」

 

ハム「公孫度の寝返りで北平も陥落し、今は本拠地・琢郡の要塞で篭城しているんだ。曹仁殿が不在でそちらも厳しいとは思うが、恥を忍んで頼む、私達を助けてほしい!」

 

風「いいですよ~風が行くのですよ~」

 

稟「風!?そんな簡単に決めては」

 

風「劉備さんはお兄さんの盟友であり、これからの世に必要な人物なのですよ~こんなところで死なせる訳にはいかないのです」

 

稟「ですが、あなたが行かなくてもいいでしょう?私が行っても」

 

風「劉備さん陣営と一番面識がある風が行くのが、一番だと判断したのですよ~なので、愛紗ちゃん、明命ちゃんを連れていきますね~」

 

稟「風にしては慎重な編成ね、愛紗だけで良いと言うかと思いましたが」

 

風「稟ちゃんは風の事馬鹿にしてますねぇ。相手は劉備さんを圧倒してるんですよ~?ワンコ隊の二人を連れて行くのは妥当な判断です」

 

ハム「こちらとしたら、援軍を出してくれるだけありがたいんだが」

 

風「ふふふ、やるからには全力で叩き潰すだけですよ~」

 

 

 

 

 

明命「大変、大変ですー!荊州の劉表が挙兵しましたー!真っ直ぐ南郡に攻め込み始めました!」

 

稟「やはり劉表も動いてきましたか、予想通りですね」

 

風「袁紹・劉焉と来てますから~連動して親連合を叩くつもりだったんでしょうねぇ」

 

明命「お二人とも予想してたのですか?」

 

稟「これぐらい予測できないと、軍師など務まりませんよ。風が幽州に行くならば、南郡には私が行きます」

 

ハム「洛陽から更に人員を割るのか?大丈夫なのか?」

 

月「洛陽の周りに外敵は居ませんので、恐らく大丈夫だと思いますが・・・万が一に備えて、恋さんは残してくださいね」

 

稟「そうですね・・・ならばこちら流琉と紫苑殿・亞莎を連れて行きましょう。」

 

風「洛陽の守りは、月ちゃん・恋ちゃん・太史慈さんにお願いするのです」

 

稟「いざとなったら、一刀殿に派遣してもらいましょう。明命は一足先に劉備陣営に、決まった事を伝えてください、私達が動くと解れば士気は回復します。報告が済んだらそのまま劉備軍に手を貸してあげてください」

 

明命「わかりました!最近見せ場が無かったので、張り切っていきます!でわ!」ッサ

 

 

 

 

 

 

愛紗「いま出て行ったのは明命か?あんなに慌ててどうしたんだ?」

 

流琉「只事ではないと思いますが」

 

亞莎「はぅー!事件ですか!?」

 

紫苑「お呼びですか~?」

 

恋「・・・・眠い」

 

太史慈「お呼びにより参上仕った、何事でござろう」

 

 

風「実はですね~幽州の劉備さんから救援の要請が来たのですよ」

 

愛紗「桃香様から?戦況はどうなっているのだ」

 

稟「袁紹軍の策略により、北平・易京が陥落しております。今は琢郡の要塞で防衛中です。それと同時に荊州の劉表も挙兵、南郡に攻め込んでいます、そちらにも救援を送る予定です」

 

流琉「思ったより深刻ですね」

 

亞莎「南郡にもですか!?」

 

紫苑「あらあら~これは・・・お仕置きが必要みたいね」ゴゴゴゴゴゴ

 

亞莎「紫苑さん落ち着いてください~~~!」

 

 

風「なので風と愛紗ちゃん、明命ちゃんで幽州の救援に向かうのです~」

 

稟「私と流琉・紫苑殿・亞莎で南郡の劉表軍を叩きにいきます」

 

月「私と恋さんと太史慈さんは洛陽で留守を守ります」

 

愛紗「洛陽の守りがだいぶ薄くなるが、大丈夫なのか?」

 

風「恋ちゃんがいるんで大丈夫ですよ~恋ちゃんを負かせる人なんて限られますからね~」

 

愛紗「それもそうだな」

 

稟「劉備殿も孫策殿も現状ゆとりはありません。すぐに出陣しますよ」

 

紫苑「そうね、あの子達の兵力はさほど多くないわ」

 

亞莎「美羽様の代わりに守ってくれてるんですから、絶対に救い出します!」

 

 

風「それとついでなのですが、長安守備隊が撃退に成功。お兄さんはそのまま漢中に攻め入るそうです~」

 

流琉「兄様の情報はついでなのですか!?」

 

風「今更ですよ~流琉ちゃん」

 

太史慈「殿であれば、漢中の劉焉など敵ではありませぬな」

 

稟「そういうことです。漢中・益州の平定が済みましたら、恐らく劉表を叩きに行くはずです。私達は一刀殿が来るまでの時間稼ぎが最低限の義務になります。もちろん一刀殿が来るまでに決着をつけさせてみせます、この郭奉孝の名にかけて」

 

風「おぉ~稟ちゃんが燃えてますね」

 

稟「今回の同行は桂花に譲りましたが、次も譲るつもりはありませんからね」

 

風「それは風も同じですよ~?大きな功績を挙げるのは風が先です~」

 

愛紗・明命・流琉(手柄をたてれば・・・一刀様(兄様)に同行できる・・・)

 

 

愛紗「フフフフ、袁紹軍メ、覚悟シロ」

 

流琉「兄様の傍は譲れません!」

 

明命「私だって一刀様の傍にいたいんです!」

 

 

 

愛紗・明命・流琉「「「一刀様(兄様)からご褒美を貰うわのは私です!!!」」」

 

 

亞莎「凄い熱気です」

 

紫苑「頼もしいわね~」

 

 

風「ワンコ隊が盛り上がってますね~これは敵さんが気の毒にですねぇ」

 

恋「愛紗達ずるい・・・恋もにぃにと一緒にいたい。」

 

月「恋さんは洛陽をちゃんと守って、一刀さんに褒めてもらいましょうね」

 

恋「にぃに....恋も褒めてくれる?」

 

月「一刀さんですから、ちゃんと褒めてくれますよ」

 

恋「恋頑張る」

 

稟「良い感じにまとまりましたね。では、一刀殿に仇名す敵を討ちにいきましょう!」

 

 

 

 

 

 

幽州

 

伝令兵A「長安守備隊が蜀軍の撃退に成功!曹仁様も長安に入り、曹仁様自ら漢中に攻め入る構えです!」

 

桃香「ご苦労様、下がって休んでください」

 

 

 

 

 

 

桃香「一刀さんは順調そうだね、援軍を頼みにいった白蓮ちゃんはどうしてるかな・・・無事洛陽についてれば、返答が来る頃だと思うんだけど」

 

明命「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!です!」

 

桃香「うわ!びっくりした!」

 

明命「お久しぶりです!曹仁軍が将・周泰参上致しました!」

 

桃香「周泰さんか~もぉ~~!驚かせないでよー!」

 

明命「すみません。ちょっとはしゃいじゃいました」

 

桃香「周泰さんがはしゃぐのも珍しいね?それと、さっきの台詞はなんなの?」

 

明命「あれは一刀様がお決まりの時に、言えと教えてくれました!」

 

桃香「そ、そうなんだ。。。それで、周泰さんはどうしてここに?」

 

明命「はわわ!肝心な事を忘れてました!えーと、援軍の件は承知しました!風様と・愛紗さんと私でお助けに入ります!」

 

桃香「本当に!?程昱さんと愛紗ちゃんも来てくれるんだ」

 

 

明命「それと別件ですが、荊州の劉表が挙兵、袁術様領の守将・孫策様を攻め立てているようです!これを察知した稟様が黄忠殿・流琉さん・呂蒙殿を引き連れ増援に向かいました!」

 

桃香「荊州でも反連合の劉表さんが動き出したの!?」

 

明命「そうみたいです!あと稟さんから言付けです。荊州の事は私達に任せなさい。あなたは幽州の事だけ考えろ、他の事気にしてる場合じゃないとの事です」

 

桃香「郭嘉さんに読まれちゃってるか。でも、各地で反連合の人達が挙兵してる・・・これは余計に負けられないね」

 

 

韓当「桃香様!戦の準備が整いました!我ら一同いつでも戦えます!持ち場を教えてください」

 

桃香「それじゃあ発表します、朱里ちゃんと雛里ちゃんもよろしくね」

 

孔明・士元「「はい!」」

 

 

桃香「程普さんは西門に!顔良・文醜有り!狙いは文醜です!」

 

程普「お任せあれ」

 

孔明「焔耶さんは東門をお願いします、張郃さんと公孫度さんがきてましゅ!」

 

魏延「任せろ!張郃とは決着をつけてやる!もちろん慎重に対応する」

 

孔明「はわわ!お願いします!」

 

士元「徐栄さんは城内に罠の設置・柵の補強、城内に侵入した敵軍の対応をお願いします。一番要の部分になるでしゅ!簡雍さんは補助をお願いします」

 

徐栄「城内に侵入するねずみを一人残さず駆逐してくれん」

 

簡雍「私もたまには戦で働きましょうかね」

 

張飛「お姉ちゃん!鈴々はどうするのだ?」

 

桃香「鈴々ちゃんは、私と一緒に正門で盧植先生達・・・袁紹軍主力四将と対峙するよ」

 

張飛「わかったのだ!お姉ちゃんも、城のみんなも守るのだ!」

 

桃香「朱里ちゃんと雛里ちゃんは、沼地地帯の北門の警戒と各門への指示をお願いね」

 

孔明「わかりましたが、桃香様自ら正門はやはり危険です」

 

桃香「戦況を見ながら指示を出すだけだよ、槍を持って戦うわけじゃないから安心して?」

 

士元「桃香様の性格ですと、安心できる要素が少ないでしゅ」

 

桃香「でも、正門で戦わせて。先生に私の・・・私達の覚悟を見せ付けたいの」

 

簡雍「・・・まあ?ここで総大将が引きこもれば?敵がますます勢いづきますからね~いいと思いますよ?」

 

程普「お主はまた軽く言いよるの」

 

簡雍「おや?程普さんは、私達の主を信じられないとでも?曹仁殿とはまた違った形ですが、桃香様は間違いなく当代随一の英傑なのですよ?私達は英傑を信じて、戦うだけですよ」

 

程普「わしが悪者みたいに言うでない!居心地が悪いじゃろうが!」

 

桃香「え~と・・・英傑って私の事なのかな?」

 

孔明「・・・本気でいってますか?」

 

士元「まったくです。」

 

韓当「桃香様じゃからのお」

 

張飛「お姉ちゃんだからしょうがないのだ!」

 

魏延「桃香様は・・・そういうのを気にしないお方ですから・・・(目逸らし」

 

徐栄「少しは世間の評価、自己能力の高さを自覚してほしいものです」

 

簡雍「クク、この方は本当に・・・一緒にいて退屈しませんねえ」

 

 

桃香「・・・え?え?え?」

 

 

簡雍「変なところで抜けているところは、相変わらずですねえ~ですがみなさん?入りすぎていた力が抜けたんじゃないですか?」

 

韓当「お主はそれを狙ってか!そういう所は抜け目ないな」

 

簡雍「それほどでもありますよ」

 

魏延「でかい態度もそのままですね」

 

孔明「ですが・・・いい状態になりました!」

 

明命「劉備様の事は私にお任せください!ワンコ隊の一員として、劉備様をお守りいたします!」

 

簡雍「ふむ、曹仁殿の主力部隊・ワンコ隊の一角に護衛していただけるのでしたら、安心できますね」

 

韓当「曹仁軍は化物揃いだからのお」

 

 

 

幽州兵「し、失礼いたします!敵将盧植が皇甫嵩・朱儁・董承を引きつれ正門に現れました!城壁に来い!劉備様と会話したいと申しております!」

 

桃香「舌戦かな・・・みんなついてきて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

董承「劉備は出てくるのか?出てきたとしても、いきなり襲ってくるのではないか?」

 

朱儁「逆に襲ってくるような器であれば、我らの敵ではないさ」

 

皇甫嵩「将だけではなく、兵にもあれほど慕われる劉備だ、それは絶対にありえん。董承は少しは観察眼を養え」

 

董承「随分と劉備の肩を持つではないか」

 

皇甫嵩「敵軍に少数で孤立しても闘志を失わず、死ぬ間際まで心から君主を心配する、そんな兵達を率いるのだ。敵ではあるが・・・称賛に価する」

 

盧植(皇甫嵩がここまで桃香を恐れるとはな、天下に覇を唱えるだけの器はあると思っておったが、予想以上に成長しよったな)

 

盧植「全軍に攻撃停止命令は出してあるじゃろうな?」

 

皇甫嵩「もちろんだ、好敵手相手に卑怯な真似はせん」

 

 

 

袁紹兵「盧植様、敵総大将劉備及び配下の将が出て参りました」

 

 

盧植「きよったか、いくぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盧植「こうしてお話するのは久しぶりじゃな、桃香よ」

 

桃香「お元気そうでなりよりです、このような形で会いたくはありませんでしたが」

 

 

盧植「お主とわしの主は別勢力、いずれ戦う事は自明の理よ。防衛拠点の北平・易京が落ちたのだ、幽州の地を戦火に晒す前に降伏せい」

 

桃香「・・・私達は侵略者には屈しません。民を愛し、民に愛される”名門”袁術さんにならともかく、民に重い税をかけ、自らは栄華を極める”駄名門”の袁紹さんに降るとお思いですか?本当の”名門”の袁術さんならそもそも、大義名分の無い民と兵を傷つけるだけの侵略戦など興したりしませんけどね」

 

盧植「いまこの世は黄巾党の出現から乱れておるのだ、漢の名族たる袁家が天下を纏める。これのどこにおかしなところがあるというのだ」

 

桃香「それは先生側の一方的な主張ですよね?先生の言うとおり、袁紹さんが天下を救う”義軍”だとするならば、どうしてこんなにも各地で争いが続いてるんですか?蜀の劉焉さん、荊州の劉表さんも孫策さんを攻めていると報告がありました。袁家が天下を纏めるならば、どうして劉焉・劉表が挙兵する必要があるんですか!」

 

盧植「戦の無い世を作るためには、再び漢王朝の力を盛り返すのが必要なのだ、そのために名族・袁家が天下の盟主となる。それがわからぬお主でもないだろう」

 

桃香「私は・・・醜い虚栄心と自己顕示欲の塊で、何の非も無く・・・十常侍の策略で最愛の母親・兄と離ればなれとなった曹操さんを攻めた事を知っています。そのような人物が天下の盟主?笑わせないでください!」

 

盧植「どうしても意思を変えないつもりか」

 

桃香「当たり前です、ここで暴力に屈したりすれば、一刀さん・曹操さん・袁術さん・孫策さんに顔向けできません。これからの世に・・・みんなが手を取り合って生きていく世に・・・名族の威光や死に体の漢王朝などいりません!」

 

 

盧植「漢王朝に弓を引く・・・それが桃香の判断か」

 

桃香「・・・・」

 

盧植「無言は肯定と捉え、逆賊として扱うぞ」

 

桃香「構いません。あの方達を裏切るよりマシです。それに・・・飾りの皇帝に興味が無いといっていましたが、洛陽はいま一刀さんが抑えています、逆賊になるのはどっちでしょうかね」

 

盧植「もはや言葉は必要ないな、決着をつけるぞ桃香」

 

桃香「望むところです・・・先生とはもう呼びません!覚悟してください盧植!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「みんな配置について!自分達の為の大義を掲げ天下を乱す”逆賊”に私達の底力を見せ付けるよ!」

 

 

ウオオオオオオオオオ! 

 

 

 

盧植「西門・東門に攻撃開始の合図を送れ!わしらも正門に攻めいるぞ!漢王朝に弓を引く”逆賊”劉備を滅ぼすのだ!」

 

 

オオオオオオオオオオ!

 

 

桃香・盧植「「全軍かかれええええーーーー!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はここまでです

 

話しの展開上はいえ、桃香が目立ってますねー

出番はこれからですが、現状ですと一刀の影が薄くなってる気がw

 

風の不思議ちゃんと慌てる月をちょこっと描きましたw

 

 

 

 


 
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