No.774950

本編補足

根曲さん

・必要事項のみ記載。
・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。

2015-05-03 09:10:37 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:276   閲覧ユーザー数:275

分岐点

C0 見据える先は

C1 女傑

C2 宣言

C3 討伐軍

C4 介入

C5 激情

C6 対峙

C7 タイミング

C0 見据える先は

 

ロメン帝国。首都ロマン。フォルム・ロマニズム。ユピトリス神殿に続く主要道に溢れる人混みに向かい、路地から駆けていく子供達。彼らの後を歩いていく母親に手を引かれた幼児。

 

花吹雪がふり撒かれる中、主要道の両脇を進むケントウリア級人型機構。先頭を進む数十機の槍先にはロメン帝国僭称皇帝の首が突き刺さる。路地の隙間。人混みの後ろで飛び跳ねる子供達。母親は幼児を抱き上げる。

 

拳を握り、手を上げる人々。

 

隙間からラティクラウィウス級人型機構を頭上に頂く人型機構の5倍の大きさを持つタロス級人型機構の姿が見える。幼児はそれを見上げ、指をさす。

 

ユピトリス神殿の最上階にはロメン帝国皇帝タルキィサスとその息子のロムルスとレムスが見える。ラティクラウィウス級人型機構の開かれたコックピットのハッチに立つ白馬に騎乗した名門ファビウス貴族の血筋を持つ貴族で長い金髪を靡かせた、碧眼の女軍人ベアトリックス。

 

ジュリアス凱旋門を潜り、ユピトリス神殿下の広場に整列するケントゥリア級人型機構。そのコックピットのハッチが開き、そこに出た騎乗したベアトリックス配下の将校がラッパを吹く。

 

最上階で玉座に座るロメン帝国皇帝タルキィサスとその両脇に立つ息子のロムルスとレムスが見える。ベアトリックスの眼はユピトリス神殿の最上階の両脇に立つ光り輝くアウグストゥス級人型機構とインペラトル級人型機構を映す。馬を嘶かせるベアトリックス。彼女のラティクラウィウス級人型機構は弧を描いて飛び、タルキィサスの前に跪く。

 

ラティクラウィウス級人型機構のコックピットのハッチから出て来る下馬したベアトリックス。拍手するロムルスとレムス。階段を登るベアトリックス。立ち上がり両手を広げるタルキィサス。ベアトリックスは一段下の階段に立ち、タルキィサスを見つめた後、階下を見下ろす。

 

C0 見据える先は END

C1 女傑

 

ロメン帝国。首都ロマン。マルス駐屯地に止まる後部に巨大な格納庫を持つカストラ級起動城塞ベアトリックス軍仕様。格納庫内。タロス級人型機構の横にラティクラウィウス級人型機構。両脇にはケントゥリア級人型機構が並ぶ。それを見上げるベアトリックスの傅役で巨人のライオネス。

 

靴音。

 

格納庫の第二艦橋へ続く扉が開き、丈の短いストラを身に纏い、胸帯で胸をあげ、胸を肌蹴さすベアトリックス。

 

ベアトリックス『相変わらず仕事熱心なのね。他の者達は宴に出かけたのに…。』

ライオネス『留守を預かる者が居なくてはなりません。それに私の体は大きすぎて宴の邪魔かと…。それよりも…。』

 

ライオネスはベアトリックスの姿を見て、後ろを向き、背筋を伸ばす。

 

ライオネス『…お、お嬢様。その格好は如何なものかと…。』

 

ベアトリックスはストラの裾の端を持ち、少し上げる。

 

ベアトリックス『そう?』

 

一回転し、自身のストラを見るベアトリックス。

 

ベアトリックス『かわいいと思うんだけどなあ。』

ライオネス『いけません。その格好で宴など…とても純潔な乙女とは…。』

 

ベアトリックスは微笑んでライオネスの肩に飛び乗り、肩に座って、両上腕で胸を押さえて、谷間を作る。

彼女の方を向いた後、すぐ眼を背けるライオネス。微笑みライオネスを見つめるベアトリックス。

 

ベアトリックス『ライオネスったら。』

 

笑うベアトリックス。彼女は暫くして笑うのをやめる。

 

ベアトリックス『式典の場で、太古の女傑と同等と…。』

 

ベアトリックスの方を向くライオネス。

 

ベアトリックス『ふん。私は名将トラヌスやアウレリウス、そして、あのジュリアスにも及ぶぞ。』

 

ベアトリックスを見つめ、頷くライオネス。

 

 

ロメン帝国皇帝宮殿。夜。硝子のドームを支える三階建ての柱廊に囲まれた星降りの広間に集うロメン帝国市民達。奥にはオベリスクタワー。柱廊の三階の廊下を進むロムルスとレムスにベアトリックス。

 

彼らの後ろから現れるロメン帝国百人隊長のユーカサスとロメン帝国ヌメ・ファヴィウス領共同統治官の一人で壮年の中肉中背でトガを身にまとうレピドゥス。ユーカサスはロムルス、レムスの方へ駆けていく。

 

ユーカサス『皇子。』

 

ユーカサスを見つめるロムルス、レムスにベアトリックス。ユーカサスはレピドゥスの方を手で指す。

 

ユーカサス『ヌメ・ファヴィウス領統治官レピドゥス殿がお見えに…。』

ロムルス『レピドゥス?』

 

レピドゥスの方を向く一同。レピドゥスは軽く頭を下げる。

 

レピドゥス『いや、突然のことで申し訳ない。』

 

ロムルスたちの方へ向かうレピドゥス。

 

レピドゥス『凱旋式の報を聞き、急ぎ、ヌメ・ファヴィウス領を私とアルガロン殿と共同統治する今戦乙女と名高いベアトリックス殿の御尊顔を拝見しようと思いまして。』

 

ベアトリックスはレピドゥスを一目見、軽く会釈する。

 

ベアトリックス『そうですか。宜しくお願いします。』

 

タルキィサスの座るオベリスクタワーの最上階を見つめるベアトリックスを見つめ、笑顔を作るレピドゥス。

 

レピドゥス『ではよしなに…。』

 

レピドゥスを見つめた後、彼に背を向け、オベリスクタワーに向かうロムルスにレムスにベアトリックス。ベアトリックスはオベリスクタワー最上階を見つめる。ベアトリックスを眺め、首を傾げて顎に手を当てるレピドゥス。

 

 

ロメン帝国皇帝宮殿。夜。硝子のドームを支える三階建ての柱廊に囲まれた星降りの広間に集うロメン帝国市民達。大歓声と喝采と共にオベリスクタワーの最上階に現れるベアトリックス。市民達が歓声を上げる中、肉を食べながらベアトリックスを見つめるレピドゥス。

 

C1 女傑 END

C2 宣言

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地を進むカストラ級起動城塞ベアトリックス軍仕様の飛行板に立つベアトリックスとロメン帝国ヌメ・ファヴィウス領共同統治官の一人で、名門ファビウス貴族の本筋でフルフェイスの髭をはやし、トガを身にまとうアルガロン。

 

ベアトリックス『わざわざ叔父様が出向かれるとは。』

アルガロン『なに、お前を迎える準備で式典にはでられなかったからな。レピドゥスの奴が行って、俺が行かぬのではな。』

ベアトリックス『いえいえ。そんなことはございません。あの方は式典で市民達と一緒に食べ物を貪っておりましたわ。』

 

笑い出すアルガロン。

 

アルガロン『ははは。奴らしい。卑しく、前線に出る勇気も無い。大した手柄も立てられない癖に、英雄ジュリアスの配下だったという理由だけで出世した取るに足らない男。』

 

前方に映えるヌメ・ファヴィウスの主要都市ファビヌスムス。アルガロンはファビヌスムスの方を向く。

 

アルガロン『ベアトリックス。見よ。あの熱気を。』

 

ファビヌスムスの方を向くベアトリックス。ファビヌスムスの城壁に溢れかえる人々。

 

アルガロン『ヌメ・ファヴィウスの地は僭称皇帝達の横暴を止められず、他国に軍事支援まで依頼するふがいないタルキィサスなぞよりお前を新皇帝として求めている。』

 

笑みを浮かべるベアトリックス。ファビヌスムスの前に止まるカストラ級起動城塞ベアトリックス軍仕様。ベアトリックスは飛行板の前方に進み、ファビヌスムスの市民達を見つめる。

 

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地。主要都市ファビヌスムス。ファビウス神殿に集うファビヌスムスの市民達。ファビウス神殿の最上階に現れるベアトリックス。大歓声が上がる。

 

ファビヌスムス市民A『皇帝陛下万歳!』

ファビヌスムス市民B『ベアトリックス皇帝万歳!』

 

ファビヌスムスの市民達を見下ろし、笑みを浮かべるベアトリックス。

 

C2 宣言 END

C3 討伐軍

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地。主要都市ファビヌスムス。城壁に配置されるベアトリックスにアルガロンにベアトリックス皇帝軍の兵士達。前方にはレピドゥスのウェリテス級人型機構を主とする軍勢。上空に現れるレピドゥスのホログラム。

 

レピドゥス『ベアトリックス!ひいてはアルガロン!これはいったいどういう了見だ!共同統治官に任命されるやいなや、皇帝を僭称するとは!』

ベアトリックス『僭称したのではない!民が望んだのだ!混乱するロメンを治められぬタルキィサスよりもこの私を!』

 

眉を顰めるレピドゥス。

 

アルガロン『レピドゥス。軍を引くならば、同僚だった好として追撃はせぬ。お前とて、その様な弱小人型機構の軍勢で我々に勝てるとは思うまい。』

 

アルガロンとベアトリックスを睨むレピドゥス。

 

レピドゥス『ふざけたことを!貴様らの動きを看過することはできん!』

 

レピドゥスのホログラムが消え、動き出すレピドゥスの軍隊。顔を合わせ頷く、ベアトリックスとアルガロン。後方から、飛び出る掌にコックピットのハッチの開いたラティクラウィウス級人型機構を乗せたタロス級人型機構が飛び出す。

 

ベアトリックスはそれを見上げ、タロス級人型機構の装甲を蹴りながら登り、ラティクラウィウス級人型機構に搭乗する。止まるレピドゥス軍の軍勢。笑うアルガロン。

 

アルガロン『…若いな。』

 

城壁から飛び出すベアトリックス配下のケントゥリア級人型機構。アルガロンは城壁のベアトリックス皇帝軍の兵士達の方を向く。

 

アルガロン『よし!レピドゥス軍に向けて総攻撃だ!』

 

ベアトリックスの魔法士達が呪文を唱え、手前のレピドゥス軍のウェテリス級人型機構を吹き飛ばす。アルガロンの天空軍の戦闘機と共に編隊を組む爆撃機が、レピドゥス軍の後方を爆撃する。タロス級人型機構に踏みつぶされるウェテリス級人型機構達のコックピットのハッチが赤く染まる。

 

ベアトリックス機の剣攻がウェテリス級人型機構を吹き飛ばす。逃げ出すレピドゥス軍。コックピットのハッチを開き、その様子を見つめるベアトリックス。

 

ベアトリックス『たわいのない…。』

 

横につく跪くタロス級人型機構のハッチが開き、現れるライオネス。

 

ライオネス『陛下。これよりどうなさいます。』

 

ライオネスの方を向き、再び、逃げていくレピドゥス軍を見つめ剣を振り上げるベアトリックス。

 

ベアトリックス『このまま奴の根城を落とすぞ!続け!!』

 

鬨の声を上げるベアトリックス配下達。大歓声をあげるベアトリックス皇帝軍。

 

C3 討伐軍 END

C4 介入

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地。レピドゥス居城カルパ城に駆け込むウェテリス級人型機構を主とする軍勢を入れ閉じる城門。カルパ城を取り囲むエクティス級人型機構を主とするベアトリックス皇帝軍。

 

前方に立つタロス級人型機構の手に乗り、ラティクラウィウス級人型機構の開かれたコックピットのハッチに乗り、カルパ城を見据える白馬に騎乗したベアトリックス。タロス級人型機構のコックピットのハッチが開き、現れるライオネス。

 

ライオネス『陛下。包囲完了致しました。』

 

ライオネスを見つめる微笑むベアトリックス。

 

ベアトリックス『そう。』

 

ベアトリックスは頷き、カルパ城を見下ろす。

 

ベアトリックス『このままカルパ城を攻める!レピドゥスの首を上げよ!』

 

頭を下げるライオネス。

 

ライオネス『はは。』

 

後方よりあがる大歓声。

 

ベアトリックスの横に壮麗な装飾を施したプリムスピルス級人型機構を寄せ、開かれたコックピットのハッチに立つ栗毛の馬に乗ったアルガロン。アルガロンの方を向くベアトリックス。

 

ベアトリックス『ははは。凄まじい勢いだな。それにしてもレピドゥスめ、不甲斐ない男よ。』

 

アルガロンはベアトリックスの方を向く。

 

アルガロン『突撃前に我が天空…。』

 

アルガロン機のコックピットより駆け出るアルガロン配下A。

 

アルガロン配下A『アルガロン様!大変でございます!』

 

眉を顰めアルガロン配下Aの方を向くアルガロン。

 

アルガロン『どうした?』

 

アルガロンの前に跪くアルガロンの配下A。

 

アルガロンの配下A『は!我が天空軍は…セレノイアの天空軍と交戦に入りました!』

 

アルガロン『セレノイア…天空軍だと!馬鹿な奴らはマクシムス討伐の為に、アッシアに駐屯しているはずだぞ。』

 

顔をしかめるアルガロン配下A。

 

アルガロン配下A『…そして、報告によると奴らは、我らの背後のアッカン草原にてゼムドとの戦闘で使用された魔砲を展開中とのこと!』

 

汗を垂らし、歯を食いしばるアルガロン。アルガロンの方を向くベアトリックス。

 

ベアトリックス『叔父様。セレノイア等取るに足りない敵、このままレピドゥスの息の根を止めて…。』

 

ベアトリックスを睨むアルガロン。

 

アルガロン『後方を脅かされては士気に支障が出る!』

 

白馬の手綱を握りしめるベアトリックス。

 

ベアトリックス『しかし…。』

アルガロン『兵士はお前達の様に勇猛果敢ではない者も多い。』

 

アルガロンを見つめ、頷くベアトリックス。

 

ベアトリックス『…はい。』

 

アルガロンは馬の手綱を引く。

 

アルガロン『我々はセレノイア軍へと向かう。カルパ城を落とした後に合流しよう。』

 

ベアトリックスはアルガロンを見つめ、頷く。

 

ベアトリックス『分かりました。ライオネスをつけましょう。』

 

ベアトリックスの方を向くアルガロン。

 

アルガロン『ほう。それは心強い。』

 

ライオネスの方を向くベアトリックス。

 

ベアトリックス『ライオネス。叔父様を頼むぞ。』

 

ベアトリックスを見つめた後、頭を下げるライオネス。

 

アルガロン『はは。』

 

去って行くアルガロン機とその配下のエクティス級人型機構群。ついていくタロス級人型機構。カルパ城を見つめるベアトリックス。彼女は剣を振り上げる。

 

ベアトリックス『突撃!』

 

ベアトリックスを先頭にカルパ城に攻めかかるベアトリックス皇帝軍。

 

C4 介入 END

C5 激情

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地。城壁が崩れ、傭兵達の死体が四散するレピドゥス居城カルパ城。本丸に立つベアトリックス機のコックピットのハッチに立つ白馬に乗ったベアトリックス。横につくコックピットの開かれたハッチに乗る馬に騎乗したベアトリックス配下Aを乗せたベアトリックス皇帝軍のケントゥリア級人型機構。

 

ベアトリックス配下A『駄目です。レピドゥスは見つかりません。』

 

鼻で笑うベアトリックス。

 

ベアトリックス『情けない。城を見捨てて逃げるとは…。よし…。これ…。』

 

ベアトリックス機に駆けてくるベアトリックス皇帝軍通信兵A。

 

ベアトリックス皇帝軍通信兵A『ベアトリックス陛下!ベアトリックス陛下!た、大変であります!』

 

ベアトリックス皇帝軍通信兵Aを見下ろすベアトリックス。

 

ベアトリックス『何だ!?』

 

ベアトリックスを見、後ずさりするベアトリックス皇帝軍通信兵A。ベアトリックスは自機のコックピットのハッチから白馬に騎乗して飛び降りる。尻もちをつくベアトリックス軍皇帝軍通信兵A。

 

ベアトリックス『どうした?』

 

震えだすベアトリックス皇帝軍通信兵A。

 

ベアトリックス皇帝軍通信兵A『そそそそれが。そそそその…。』

 

ベアトリックスはベアトリックス皇帝軍通信兵Aの傍らに寄り、見下ろす。

 

ベアトリックス『だから何があったというのです!』

 

頷くベアトリックス皇帝軍通信兵A。

 

ベアトリックス皇帝軍通信兵A『は、はい…。アルガロン様とライオネス殿が…。』

 

眼を見開くベアトリックス。眉を顰めるベアトリックス配下A。

 

ベアトリックス皇帝軍通信兵A『クランケンシュタインを総大将とするセレノイア軍に討ち取られました。』

 

眼を見開くベアトリックス。手綱が彼女の手から落ちる。

 

ベアトリックス『う、嘘だ。そんな…。』

 

ベアトリックスはベアトリックス皇帝軍通信兵Aを睨み付ける。

 

ベアトリックス『嘘を言うな!』

 

両手を左右に振り震えるベアトリックス皇帝軍通信兵A。

 

ベアトリックス皇帝軍通信兵A『私だってこんな報告はしたくありません!』

 

歯ぎしりをし、自機に飛び乗るベアトリックス。

 

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地、アッカン草原を疾走するベアトリックス機とベアトリックス配下のケントゥリア級人型機構を先頭にするベアトリックス皇帝軍。前方に現れる破壊されたセレノイア軍の魔砲と、人型機構の残骸、そしてベアトリックス皇帝軍の兵士達の遺体を運ぶセレノイア軍の兵士達。

 

彼らはベアトリックス皇帝軍を見て唖然とする。遺体を投げ、逃げるセレノイア軍の兵士達。止まるベアトリックス機、逃げ惑うセレノイア軍兵士達を踏みつぶし、切り払うベアトリックス皇帝軍のエクティス級人型機構。

 

ベアトリックス機のコックピットのハッチが開き、白馬と共に駆け降りるベアトリックス。彼女は周りを見回し、ライオネスの遺体を見つける。

 

ベアトリックス配下B『お嬢…。陛下!』

 

一斉に自機のケントゥリア級人型機構から騎乗し、駆け降りるベアトリックス配下の兵士達。

 

ベアトリックス『…ライオネス!』

 

傷だらけのライオネスの遺体に駆け寄るベアトリックス。俯き、ライオネスを見つめるベアトリックス配下の兵士達。

 

ベアトリックス『ライオネス…。』

 

ベアトリックスはライオネスの頬を触る。

 

ベアトリックス『ライオネス、ライオネス、ライオネス…。』

 

ライオネスの顔を叩き、涙を流すベアトリックス。共に涙を流すベアトリックス配下の兵士達。

 

ベアトリックス皇帝軍兵士B『…アルガロン殿。』

ベアトリックス皇帝軍兵士C『駄目だ。もう…。』

 

歯を食いしばり立ち上がるベアトリックス。彼女は逃げていくセレノイア軍兵士達を睨み付ける。

 

ベアトリックス『おのれ!クランケンシュタイン!おのれセレノイア!』

 

逆立つベアトリックスの髪。手綱を引き、自機に乗り込むベアトリックス。共に自機に乗るベアトリックス配下達。駆け出すベアトリックス機とベアトリックス配下のケントゥリア級人型機構を先頭に続くベアトリックス皇帝軍のエクティス級人型機構群。

 

C5 激情 END

C6 対峙

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地、アッカン草原。激突するベアトリックス皇帝軍のケントゥリア級人型機構及びエクティス級人型機構とセレノイア軍のヴェルクーク級人型機構。

 

ベアトリックス機の剣撃がセレノイアのヴェルクーク級人型機構を斬り飛ばす。自機の装甲を白馬で駆け、跳びながら銃弾、砲弾を切り払って時折、セレノイアのヴェルクーク級人型機構に跳び移り、脚部や腕部を切り落とすベアトリックス。

 

ベアトリックス機の勢いに続くベアトリックス皇帝軍の軍勢。押されるセレノイアの軍勢。ベアトリックス配下のケントゥリア級人型機構が前方のセレノイアのヴェルクーク級人型機構を薙ぎ払う。

 

ベアトリックス機の前に出るセレノイアの群青色のパラディン・ヴェルクークとコバルトブルーのウィザード・ヴェルクーク級人型機構。群青色のパラディン・ヴェルクークの剣撃を受け止めるベアトリックス機。

 

馬に乗り、ハルバートを振り上げ、ベアトリックスに向かい群青色のパラディン・ヴェルクークの装甲を疾駆するダックスフント獣人。コバルトブルーのウィザード・ヴェルクーク級人型機構より放たれる電撃を避け、

 

自機の脚部を白馬に蹴らせ、跳ぶベアトリックス。電撃がベアトリックス機の脚部に当たり、そこを焦がす。空中で切り結ぶ、ダックスフント獣人とベアトリックス。押し返し、ベアトリックス皇帝軍に攻めかかるセレノイア軍。

 

コバルトブルーのウィザード・ヴェルクーク級人型機構のロッドがベアトリックス機に振り下ろされる。群青色のパラディン・ヴェルクークの剣を薙ぎ払い、コバルトブルーのウィザード・ヴェルクーク級人型機構のロッドを受け止めるベアトリックス機。

 

電撃魔法が飛び交う中、ハルバート沿いに剣を滑らせ、ダックスフント獣人を斬るベアトリックス。胴を真っ二つに切断され、血しぶきを出しながら落ちていくダックスフント獣人。呪文を唱えながら群青色のパラディン・ヴェルクークの装甲を蹴り、コバルトブルーのウィザード・ヴェルクーク級人型機構のコックピットの前で緑の光を放つベアトリックス。それに貫かれるコバルトブルーのウィザード・ヴェルクーク級人型機構のコックピット。

 

押され、逃げ出すセレノイア軍。ベアトリックスは自機のコックピットのハッチに飛び乗り、追撃する。

 

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地、アッカン草原。逃げるセレノイア軍、追うベアトリックス皇帝軍。ベアトリックスの前方の遠くに映る逃げるセレノイア軍の中のモンクヴェルクーク級人型機構アイコニノニイ・ジャアクカスタムの脚部パーツを脚部に流用した空色のジェネラル・ヴェルクーク級人型機構。

 

その開かれたコックピットのハッチに立ち、白い壮麗な装飾が施された鎧に身を包み、ベアトリックス機の方を向くセレノイア王国議長のクランケンシュタイン。隣には、男ハーピーで情報総監のイナフォがクランケンシュタインの腕にしがみつき、青ざめている。ベアトリックス機の隣につくベアトリックス皇帝軍のケントゥリア級人型機構。コックピットのハッチに馬に騎乗して立つベアトリックス配下A。

 

ベアトリックス配下A『ベアトリックス様!』

 

ベアトリックスはベアトリックス配下の方を向く。

 

ベアトリックス配下A『あの白い鎧を着た男こそクランケンシュタインでございます!』

 

ベアトリックスはクランケンシュタインの方を向き、睨みつける。

 

ベアトリックス『クランケンシュタイン…。あれがクランケンシュタインかぁ!!』

 

勢いを上げるベアトリックス機。続くベアトリックス皇帝軍。

 

C6 対峙 END

C7 タイミング

 

ロメン帝国。ヌメ・ファヴィウスの地。ミッドヴェル森林。セレノイア軍のヴェルクーク級人型機構が大量に打ち捨てられたドウナウ川。対岸に立つセレノイア軍の旗が掲げられた急造のセレノイアの砦。

 

櫓に立つ白い壮麗な装飾が施された鎧に身を包むクランケンシュタインと頭を抱えるイナフォ。砂煙を上げ凄まじい勢いで突撃するベアトリックス機とベアトリックス配下のケントゥリア級人型機構続くベアトリックス皇帝軍のエクティス級人型機構。

 

セレノイアの砦の櫓の上に立つクランケンシュタインを睨むベアトリックス。イナフォはクランケンシュタインの方を向く。投棄されたセレノイア軍のヴェルクーク級人型機構を踏みつぶし、セレノイアの砦に向かうベアトリックス皇帝軍。

銃弾がクランケンシュタインの頬をかすめる。伏せるイナフォ。

 

イナフォ『もう、あんなとこまできてる。魔砲はほとんど破壊されちまってるし、徒手組の将は斬られ、頼みの綱のスプ・リヴァはでか物との戦いで重傷を負ってるし、兄貴。どうすりゃいいんだよ。』

 

頭を抱えるイナフォ。喉を鳴らし、セレノイア土軍とセレノイア工兵隊の旗を見つめるクランケンシュタイン。

 

クランケンシュタイン『…私はセレノイア軍を信じる。』

 

クランケンシュタインの目に映るセレノイア土軍とセレノイア工兵隊の旗。ブースターから火を放ち、ドウナウ川の上空に飛び上がるベアトリックス機とその配下のケントゥリア級人型機構。

 

振動。

 

バランスを崩すセレノイア軍兵士達とベアトリックス皇帝軍のエクティス級人型機構及び兵士達。

 

大音。

 

地面を抉った魔砲の閃光が彼らを包み込む。ベアトリックスの鎧と衣服が吹飛び、消し炭になる。消滅するベアトリックス及びベアトリックス配下達。立ち尽くすベアトリックス皇帝軍のエクティス級人型機構と兵士達。

 

鬨の声が上がり、森林から出てベアトリックス皇帝軍に襲い掛かるレピドゥス軍のケントゥリア級人型機構とエクティス級人型機構で編成された大部隊。後方で指揮を執るケントゥリア級人型機構と同じ塗装をしたプリムスピリス級人型機構。

 

息を吐き、その場に崩れ落ちるクランケンシュタイン。彼の腕輪にセレノイア土軍の将アホロテトカゲ人のゲリムが映る。

 

C7 タイミング END

 

END

 


 
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