No.774637

【獣機特警K-9ⅡG】トリッカーズ絶体絶命!(後編)【交流】【戦闘】

古淵工機さん

前編:http://www.tinami.com/view/774489

というわけで、後編は俺が担当することになりました。
騙し騙されこの世は回る…。

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2015-05-01 22:17:55 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:595   閲覧ユーザー数:574

「おらっ!いつまで寝てんだ!!」

H地区の廃ビル。その地下室に、スレイ・ブラッドの怒号が響き渡る。

 

怪盗ディアをはじめとするトリッカーズの4人は目隠しを外された状態であったが、今度は頑丈な鋳鉄製の椅子に縛り付けられていた。

「ヒャハハハハ!目が覚めたか?マヌケなトリッカーズども!」

「くっ…一体何をするつもりなの!?」

「フン、前からテメーらにはさんざん振り回されていたからな。もうここまでされちゃ手段を選べねえ…だからここで確実にぶっ殺してやる!」

と、喚き散らすスレイに、ルプスが声を上げる。

「おい、何か忘れちゃいねえか?」

「あ!?」

「トリッカーズは5人だぜ。1人足りねーよ」

「ハハハ!んなこたあ知ってんだよ!仲間意識の強いテメーらのことだ、嫌でも助けに来るだろうさ…もっとも!」

目をぎらつかせるスレイに、一同は戦慄する!

 

「…助けに来たところでまとめて始末するだけだがな!クヒャハハハハハハハハハッ!!」

狂ったように笑うスレイ。その目の前で、ディアは奥歯を噛みしめるだけだった…。

(お願い…セリナさん、ここに来ちゃ駄目…これはあなたをおびき出すための罠よ!!)

一方その頃。

黒一色で塗装された一台のトラックが、H地区の廃ビルに向かって走っていた。

「…ねぇ黒井さん」

「ん?なんです芹川さん」

運転席にはエゾシカ形ファンガーの女性と、アライグマ形ファンガーの男性が座っている。

「…目的の『処刑道具』を届けるという話ですけど…」

「ああ、あれですか。『ボス』もさぞビックリするでしょうね…さぁ急ぎましょう。目的地へ」

「了解」

 

黒ずくめのトラックは夜の高速道路を走っていく。H地区の廃ビルで待つ、ブラッドファミリーのもとへ。

「…フン、どうやら答えが出たか?」

「…」

「あと30分だ。それまでに助けがくるかな?ククク…」

スレイが不気味な笑みを浮かべていると、ビルの外に先ほどのトラックが。

 

「ハッ!処刑人の到着か」

「処刑人ですって!?」

「そうさ。どうせ殺すならハデにってことでオレ様が呼んでおいたのよ!おい、シャッター開けな」

スレイの指示でシャッターが開かれる。廃ビルの一階は道路に直結しており、トラック一台が余裕で入れるスペースとなっているのだ。

 

「ボス、どうもお待たせしました。処刑人の黒井です。こちらは芹川。よろしく」

「フン、なんか胡散くせー野郎だぜ。まあいい、仕事の内容は分かってるな?」

「ええ。そこに囚われているトリッカーズとやらの処刑ですね。ですが一つ提案が」

と、黒井が言いかけたところで、芹川が口を開く。

「処刑の時間についてなんですが、どうせなら今ここでやってしまいませんこと?」

「あン?そりゃどういうことだ?」

「確かあなた、残るもう一人のメンバーにこう仰ったのですよね。『午前0時までに来なければ奴らを殺す』と」

「ああ、そういやあそんなことも言ったかもしれねえなァ」

 

「そうすれば彼女はこの時間までに助けに来るはず。でももし、『時間に間に合っていたのに殺されていたら』…彼女どうなると思います?」

「なるほどな!相手のウラをかいて絶望のどん底に叩き落すってか?ヒャッヒャッヒャ!それも悪くねえ!いいぜ!オレ様が許す!!」

流石はスレイ、極悪非道にして邪知暴虐といったところだろうか。

 

だが、スレイはこの段階ではまだ気づいていなかった。自分が罠にはめられていることに…!

「よし、では処刑を始める。スカルヘッド!」

黒井の指示で、トラックから髑髏のヘルメットを被ったスナイパーが降りてくる。

「…ずいぶん小せえヤツだな」

「普段は暗殺が任務ですからね。体格が小柄なロボットを指名したのです。…やれ、スカルヘッド」

黒井の指示にスカルヘッドは頷くと、そのままトリッカーズが囚われている椅子をめがけ、撃鉄を引いた。

銃口から、ビームの閃光が放たれる…!

 

だが、そのビームがトリッカーズの身体を貫くことはなかった。

ビームが当たったのは両腕・両足を固定していた拘束具だったのだから。

 

「おい!どういうことだボケが!これじゃせっかく捕らえたトリッカーズが逃げちまうじゃねーか!!このヘタクソが!!」

「いいえ、これでいいのです。ねえ芹川さん」

「そうですわね、黒井さん…」

二人は自らの首元に手をかけると、そのまま上に引っ張った。そこには…!

「か、怪盗ノワールに怪盗ヴィクセン…て、テメーらオレ様をハメやがったな!?」

「騙される方が悪いのですよ。もっとも、こうも簡単に引っかかってくれるとは思っていませんでしたがね」

「クソッ!…おい、スカルヘッドとか言ったな。この目障りなコソ泥どもをまとめてぶっ飛ばせ!!」

 

スレイの指示に頷き、再び銃を構えるスカルヘッド。だが…!

「ぎゃっ!?」

「ぐげっ!!」

 

「バカ野郎が!!テメーどっちを撃ってやがる!!」

「ああ、言い忘れていましたがスカルヘッドなどというスナイパーはいませんよ」

ノワールがそう言って指を鳴らすと、スカルヘッドのヘルメットが割れた。その中から出てきたのは…。

「ラミナ警察署K-9隊、ナタリア・天神・フタロイミツィです!」

「ぐっ…てめえ…」

「まだまだいるわよ!」

ナタリアの声に呼応して、トラックの荷台から、K-9隊が畳み掛けるように出てきた!

 

「観念しやがれスレイ・ブラッド!」

「善意を利用して相手を騙すなんて、どこまで卑怯なの!?」

「今日という今日は、お縄を頂戴させてもらうぞ!!」

今回はナタリアのほか、ジョナサン・ボーイング、イシス・ミツザワ、そして隊長の久遠・ココノエの4人だ!

「くそっ、やっちまえテメーら!!この警察の犬どもを一人残らず殺せ!!」

スレイの怒号で、ギャングスターたちが襲い掛かる!

 

「おっと!何人来ようと俺の早撃ちからは逃げられねえぜ!!」

ジョニーの早撃ちが冴える!!

「数を出しゃいいってものじゃないのよ!!」

イシスの杖術が炸裂する!!

 

「今のうちですヴィクセン。4人を」

「ええ!」

「なっ!?しまった!!おい、そいつらを逃がすな!!」

「…ムダですわよスレイ・ブラッド。あなたに捕らえられた仲間、確かにいただきましたわ!」

ヴィクセンの眼光はいつにも増して鋭かった。その瞳の奥には、並々ならぬ怒りがこもっていたことは容易に想像できた…。

「わかったでしょ!?トリッカーズはあんたたちみたいなやつには負けないのよ!べーだ!」

と、スレイを一喝するディア。そしてノワールとトリッカーズは夜の闇へと消えていった…。

「くそっ!あと一歩だったってのに!!」

「どうした!相手はこっちだぞ!?」

周囲のギャングスターもあらかた片付き、クオンがスレイと対峙する。

暫くにらみ合っていた両者だったが、やがてスレイは一つため息をつくや、こんな事を言い出した。

 

「へっ…わかったよ、オレ様の負けだ。煮るなり焼くなり好きにしな」

「やっと自首する気になったか。スレイ・ブラッド、お前を逮捕――」

クオンがスレイに手錠をかけようとした、その瞬間だった。

「がはっ……き、貴様…」

「ヒャハハハハ!油断したなバカが!!オレ様がそう簡単に捕まってたまるかってんだよ!!」

スレイは左掌からレーザーソードを展開し、クオンの腹を貫いていたのである!!

「く、くそっ…」

「おし、野郎どもズラかんぞ!あの柴ヤローはもう助からねえだろうしな!ヒャハハハハハ!!」

「待…て……うっ!?」

スレイは電磁妨害スモークを炸裂させ、そのまま逃げ去っていった。

 

「隊長…そんな…隊長ーーーーーーーー!!!!!」

ナタリアの叫び声が、誰もいなくなった廃ビルにこだました。

…警察の救援が来たのは、それから数分後のことだった…。

ラミナ市内・ロボット病院。

ベッドを取り囲むようにしてイシス、ジョニー、ナタリアが立っている。

「隊長…あなたは立派な警察官でした…」

「俺、隊長のこと絶対忘れねえッス…」

「隊長の仇、絶対とってきますから…」

 

とか何とかやっているうちにクオンが目を覚ました。

「ちょっと……なんで僕が死んだことになってんのさ」

「「「あ…」」」

「勝手に殺すなって言ってるんだよ。クソッ、スレイの奴深く刺していきやがって…!」

 

見ると、クオンの腹はまだ穴が開いており、一部の配線はまた千切れたままでつながっていない。

修理を担当したテレジア・アウディによれば、復帰までにはあと2日ほどかかるとのことだ。

「まあ、でもよかったよ。トリッカーズも全員無事に救出されたし」

「でも隊長、確かトリッカーズって…」

「犯罪者じゃないか、そう言いたいんだろナタリア?」

「え!?…は、はい…」

「だけどそのトリッカーズに僕らは今まで助けられてきたじゃないか。今回はその借りを返したってことにしとけばいいさ」

 

こうして、戦いは終わった。

だがブラッドファミリーは、またどんな卑劣な手段をもって襲い掛かってくるのだろうか!?

負けるなトリッカーズ!戦えK-9隊!

 

 


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