「劇的変化は開幕の証」

ゲイムギョウ界の下界にある四つの浮遊大陸の一つ、プラネテューヌ。

そこはしょっちゅう新しい事が起きている。

最近、この国の守護神が身に纏うプロセッサユニットを基に人用ユニットを開発されたとかその開発者が２０代だとか……

あとこの国の親衛隊に凄腕の戦士が出て来たとか、つい最近そいつが大きめの組織を壊滅したとか……

そんな事が起こりつつ、俺、ユウザはこの国の警備員として日々を過ごしている。

今日も今日とて街中をパトロール、給料も安定してて仕事も比較的楽だ。

訓練や座学はそれなりにこなせば良いし、出世の見込みもない俺に取っては、この先役に立つ様子もない。

何て言うか……このままぼーっと生きているのも悪くないと思うし、俺はそーゆーのが合ってる気がする

……と言うか自分の中にそー刻まれてる気がする。ふと空を見上げる、青い空、白い雲、そして黒いか……げ？

あれってまさか……モンスター！？空からモンスターが振って来た！！

と思ったら警報が鳴り響き、俺にも指令が下った。

『市民を地下に誘導し、避難させろ』か……これ絶対普通じゃない、俺と合わない……筈なのに、筈なのに……何だろう、この感覚は。

街中に入ると、街中を跋扈するモンスター、応戦している親衛隊、逃げ惑う市民、そしてそれを落ち着かせて頑張って誘導する警備員。

俺もその中に入って市民を誘導するんだけどこれがかなりキツい。

錯乱して勝手に逃げ回る人、恐怖心で身動きが取れなくなってる人、泣きわめいて最早それどころでない人（※殆ど子供、偶に大人にもいた）……そんな人達ばっか当たってもー大変。

よーやくシェルター内に大体誘導し終えた所で次なる指令が……ってあれ？送信ミスかな？知らないメールが……

メールの内容はナビマップと一行、『０３の棺の横に希望を』……何だこりゃ？けどこのケータイ職場の支給品だからぜってー国政関連だよな……

まーいっか、行けば分かる。取り敢えずこのマップの通りに目的地に行って見よう。

マップの通りに歩いてみる事３０分（……くらい？）、そこには怪しい金属の棺が三つ置かれていた。

棺には番号が書かれており、その隣にはノートパソコンみたいなものが置かれていた。

俺は０３と書かれていた棺を見つけ、その横にあるノートパソコンを開いた。

画面には『パスワードを入力してください』というお決まりの文章が映っていた。

確か『希望』とか言ってたよな……けどこれ和変換できないから英語で入力しろって事かな……

英語はてんでな俺だがな、某カードゲームのお陰で分かってるんだよぉーっ！！

俺は何故かテンションを上げたまま、『hope』と入力して『OK』アイコンをクリックした。

すると棺が冷気を吹き出しながら開き、バイクスーツらしき物が出て来た。

ノーパソ画面には『despair』という文字が刻まれていた。

「えっと……でぃすぺい……る？ディスペル？これを着て戦えって事だよね？」

俺がスーツに手を伸ばすとスーツが紫色に光り出し、俺に飛び込んできた。

まるで初陣を心待ちにしていた新兵の様に……

目的のモノを手に入れたので、謎の部屋から街に出た。

そこで見たのはまだ避難できてない市民と、モンスターが多すぎて対応しきれていない親衛隊と、援護している警備員だった。

モンスターは殆ど親衛隊に向かっているようで、市民は被害を受けてない……けど時間の問題だ。

あ、何か読めた、これ俺がどうにかしなきゃいけないパターンだ。

つまり逆に言えば今の俺なら何とかなるって事だよな……良し、やるか。

俺は乱闘のど真ん中に飛び込み、一先ず最初の一体を蹴っ飛ばした。その時気付いたけど、これ着てると身体能力上がるんだな、身体が冗談抜きで軽い。

今なら俺一人でモンスターを殲滅出来る気がする！

どうやら一難去らせたよーね……まーそれ位やってくれないと私が困るわけだけど。

とゆーか殆ど親衛隊ってのが倒しちゃったし～、あのユニットの力を理解してないし～先が思いやられるわ……

まーいいわ、ゆっくりじゅんぐりやれば良いし。

それに……

「お前……それは何だ！？」

「え！？いや、このケータイの内容どーりに行ったら……」

「そこってユニット研究施設じゃないか！まさか貴様……その恰好は！！」

「え、え、え？」

「という事は、あのモンスターを召喚したのも……それを奪うためにか！」

「ちょっと待って！話がよく掴めないけど！内容が殆ど分からないけども！」

アイツの事だし、直ぐに済ませちゃうでしょ

「俺は何にも悪くなああああああああああああああい！！！」

女神が人間になるのを阻止され、封印され、下界のどこかで深い眠りについているこの世界で。

次回：裏次元ゲイムネプテューヌReCall　「集い導かれし問題児たち」