No.77081

憂がお姉ちゃんっ子になったわけ

タックスさん

けいおん!アニメ版の7話後日談です。少しでもけいおん!のほのぼの感は伝わればと思います。

2009-06-03 20:39:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:984   閲覧ユーザー数:914

 
 

けいおん!7.5話「憂がお姉ちゃんっ子になったわけ」

 

少し強めの陽射しが一月の冷たい風と混ざりながら音楽室に降り注ぐ。そこで軽音部の一同はいつものように練習前のお茶会を開いていた。

澪とつむぎがお正月はどうしたとかこれからどんな活動をしたいだとか他愛のない、けれど穏やかな語らいをしている。

その脇で律が机にダレテ、唯はお菓子と格闘する。いつも通りの光景だ。

 

「しっかしあんたのとこは本当に姉妹仲がいいよね~」

彼女達のリーダーでもある律が唯に視線を向けて口を開く。

「ふぇっ!!」

つむぎが持ってきたクッキーに夢中になっていた唯は突然話題を振られ動転する。

「んぐんぐ、けほ…」

律の話題に答えるため唯がクッキーを急いで紅茶で流し込むが途中で噎せてしまう。

「あ、いやそんな急がんでも」

案に食べ終わってからでも良いと律は手を前にかざして制する。すると唯も落ち着いたのか一呼吸置いて喋り出す。

「りっちゃん!!」

唯が決意表明をするかの如く手を挙げる。唯のいつものポーズだ。

「話しの内容なんだったっけ?」

「なんじゃそりゃー!!」

唯のあんまりな回答に律は往年のコントのようにずっこけた。 律の質問はクッキーと一緒に消化されてしまったらしい。

一つ何かをすると一つ何かを忘れる鶏少女平沢唯、今日も絶好調である。

 

「だからさ…あんたと憂ちゃんって本当に仲が良いな~って」

律が仕切り直すように再度同じ話題をふる。

「そりゃあ~ね~私たちの仲の良さをそこいらの姉妹と一緒にしちゃいけないよ。」

唯が自慢げに胸を反らす。

「なんせあの子が中学に上がるまで一緒に寝てたくらいだし」

唯が続け様に話すと、今度は律だけでなく他のメンバーも関心する。

 

「美しい姉妹愛って憧れますね…」

「本当に羨ましいよ」

「頼む!一日でいいから憂ちゃんを貸してくれ!!」

三者三様の反応を見せる一同に唯は髪の毛をいじりながら照れ臭そうに答える。

「最初は仕方ない面もあったんだ」

「…というと?」

 

唯の昔話に興味が出てきたのか律が身を乗り出した。

「憂ってばあれで結構寂しいがりやで昔は誰かしらと一緒に寝たがってたんだ」

「ほ~、そいつは意外だね」

しっかり者の憂の意外な過去に律は思わず感嘆する。

「でもうちのお父さんとお母さんっていつまで経っても新婚気分が抜けなくて…」

「まさか、あまり構ってくれなかったとか?」

律があまり当たって欲しくない可能性の一つを口にすると、唯が曖昧な返事を返した。

「半分正解だけど半分ハズレかな、二人とも家族の時間はとても大切にしてくれるよ。但、ちょっと仲が良すぎてさあ」

「そういえば先日もお二人でドイツに旅行へ行ったと言われてましたものね」

クリスマスパーティーの時を思い出してつむぎが相槌を打つ。

「何と言うか、ラブラブ夫婦ですな」

思ったままの感想を口にする律に唯が反応した。

 

「…そうなんだよ!ラブラブ過ぎる上に万年新婚気分だから…」

「憂ちゃんが一緒に寝られないってそういう事か!!」

大きく溜めを作った唯の意味深な発言にようやく合点のいった律は自らの手を叩いてアメリカドラマばりのオーバーリアクションをとった。

「いや本当、困っちゃうよね~」

対する唯はあまり困ってないような曖昧な笑顔を浮かべてはにかんでいた。

 

「「「平沢一家、おそるべし!!」」」

 

「ラブラブカップルなんざ皆滅びてしまえばいいんじゃー!独り身舐めんじゃねえー!」

実は音楽室の片隅でこの話しを聞いていたさわちゃん先生が飲み屋で錯乱したのは別の話し。

 

 

あとがき

アニメ本編ではあずにゃんが加わってるので今更感がバリバリなネタですが…

 

 
 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択