No.766607

黒外史  第十九話

雷起さん

今回のメインは劉備陣営です。
一刀はご休憩中w

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2015-03-24 07:59:20 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2386   閲覧ユーザー数:2105

 

 

黒外史  第十九話

 

 

 徐栄は官渡の小高い丘の上に陣を張って反乱軍の砦を眺めていた。

 

「かなり補強してありますねぇ。前もって準備していたのでしょうが…………奴らは最初からここに誘き寄せるつもりだった?…………それにしては汜水関での戦い方が押せ押せでしたが…………」

 

 呟くその口元は笑っている様に見える。しかし、目は射抜く様に鋭い眼光を放っていた。

 反乱軍の立て篭った砦は壁が岩や丸太で補強され、空濠(からぼり)が二重に掘られている。

 馬で近付く事を困難にしたのは、騎馬戦の得意な涼州兵対策なのは徐栄も直ぐに解った。

 

「外濠の掘り方はどうなっているんでしょうねぇ?まあ、急拵えの濠なら我ら董卓軍騎馬隊には無意味でしょうけど♪」

 

 徐栄は威力偵察をしたい所だったが、早馬で李儒が『増援の到着まで手出し無用』と伝えて来ているので思い止まっている。

 

「徐栄将軍!援軍が間もなく到着致します!」

 

 伝令兵の声に振り返ると、汜水関の方角に砂煙が上がっているのが見えた。

 

「さてさて♪月様もお認めになった諸葛亮殿があの砦をどうやって攻略する策を立てるのか♪楽しみですねぇ♪」

 

 新たな遊びの提案を待ち侘びる子供の様に、徐栄はウキウキと援軍を迎えに向かった。

 

 

 

 

 一方、徐栄が眺めていた砦の中では糜竺と糜芳が曹操軍の新兵器を密かに探っていた。

 劉備が新兵器の情報入手に頭を悩ませているのを見て、二人は自ら間者役を買って出たのだ。

 

「「(呼ばれて飛び出てでででででーん。)」」

 

 二人は物陰に隠れながら小声で登場の決め台詞を口にした。

 

「(別に呼ばれて無いし、飛び出しちゃまずいんだけどね………)」

「(電々達のあいでんてぃてぃーだからねぇ。4月24日発売分でちゃんと出番有るのかな?)」

 

 しっかりと宣伝をした所で二人は仕事に戻る。

 二人が目を付けているのは如何にも怪しげな巨大倉庫。食糧庫や武器庫とは別に建てられたその倉庫は体育館並みの大きさで、十数人の魏兵がその周りを警備していた。

 警備兵のピリピリとした空気が伝わり、よく訓練されているのが解る。

 

「(これは近付け無さそうだなぁ………)」

 

 兄の糜竺が腕を胸の前で組んでむむむと唸る。

 

「(そうだ♪ここはひとりが囮になって警備兵の気を引いて、もうひとりがその隙に中を覗くってどうかな?)」

 

 弟の糜芳が名案とばかりに笑顔で提案した。

 

「(気を引くってどうやって?)」

「(お兄ちゃんが裸で飛び出すの♪)」

「(おお!それなら確実に気を引けるね♪……………あれ?でもそれって、雷々は電々があの倉庫の中を確認するまで気を引き続けなきゃいけないんだよね?)」

「(うん、そうだね♪)」

 

 糜芳は笑顔で頷いた。

 

「(警備兵に襲われるかも知れないよね?)」

「(曹魏兵が噂の通りだったらお兄ちゃんはきっと美味しくいただかれちゃうね。)」

「(…………………抵抗してもいいよね?)」

「(騒ぎを起こしたら桃香様への警戒が強くなるからダメだよ。)」

「(役を交代しない?)」

「(電々はお兄ちゃん程可愛く無いからさ♪ここは可愛くって綺麗で魅力的なお兄ちゃんじゃなきゃ♪)」

「(えへへ♪そうかな~って!騙されないよっ!)」

「(しーーーーっ!気付かれちゃうよ!)」

 

 糜竺と糜芳が兄弟喧嘩を始めそうになった時、その男は突然倉庫の前に現れた。

 

ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

 ギターを掻き鳴らす赤いシャツと黒い革のベストとパンツ。

 黒いテンガロンハットで顔を隠した徐庶である。

 

「な、何者だ貴様っ!」

 

 曹魏の警備兵達は当然槍を構えて警戒する。

 警備兵の徐庶を見る目は、不審者に対する物と言うよりも変人を見る目だったが。

 

ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

「ちょほいと待ちなはぁ。」

 

 徐庶は警備兵の威圧をまるで気にせず笑みを浮かべている。

 彼がこれまで侠としてくぐり抜けて来た修羅場からすれば、こんな物は縁側の茶飲み話と変わらない。

 徐庶はテンガロンハットの前を指で押し上げ、警備兵達に向かって笑顔を向ける。

 

「道に迷っちまってよぉ。騒ぎを起こすつもりはねぇんだ。」

 

 愛想良く気さくに話し掛ける徐庶に対し警備兵は、少しはまともそうな相手だと警戒を緩めた。

 物陰から見ていた糜竺と糜芳はこの奇妙な男が現れた時から呆気に取られて見ていたのだが、突然徐庶と目が合ってしまった。

 

「おおっと!おいらを探しにお迎えが来てくれたぜぇ♪いやいやぁ、お騒がせしてほんとうにすまねぇなぁ♪」

 

ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

 ギターをかき鳴らしてから徐庶は右手をヒラヒラさせて警備兵に背を向けて、糜竺と糜芳に笑顔で駆け寄った。

 糜竺と糜芳にしたら見知らぬ男がニヤケ顔で近づいて来るのだから気持ち悪くてしょうがない。

 しかし、警備兵にも気付かれてしまったので、この男を無視して立ち去ろうとすれば今度は自分たちがここに居た事を問い詰められると簡単に予想できた。

 結局、糜竺と糜芳は引きつった愛想笑いを浮かべて徐庶を知り合いの様に振る舞う演技をしたのだった。

 

「いよぉう♪お迎えご苦労さん♪迷惑掛けちゃなんねぇからさっさと戻ろうぜぇって、おいらが言うなってかあ♪」

 

 徐庶はギターを背中に背負い、両腕を広げて二人の肩を抱き寄せた。

 

「(あんたら少し前から見つかってたぜ。ここは話しを合わせて逃げるべきだ。)」

 

 真顔になり小声の早口で告げられた徐庶の言葉に二人はビクリと背筋を震わせた。

 しかし、それも一瞬で、直ぐに徐庶に合わせて演技をする。

 

「も、もう!こんな所に居るんで出て行けなかったじゃないかあ♪」

「こ、ここは立ち入り禁止なんだよ!こ、困った人だなあ!」

「いやあ、悪ぃ悪ぃ♪どうもおいらぁ方向音痴でよぉ♪」

 

 大声で遠ざかる三人を警備兵達は嘆息して見送った。

 砦の内部を仕切る塀の影に入った所で徐庶が演技を止めて二人に話しかけた。

 

「あんたらこういう仕事に向いて無いぜぇ。俺が出て行かなきゃとっ捕まって二人共美味しく頂かれてたにちげぇねえよ。」

「「助けてもらったのはありがたいけど……………あんた、誰?」」

「ふ………俺かい?ある時は胡弓を抱いた渡り鳥。またある時は団子の伝道師。かくしてその正体は!」

「「その正体は!?」」

 

 糜竺と糜芳は期待を込めた目で見つめる。

 

「水鏡塾にその人有りと謳われた!徐庶元直さぁ♪」

 

ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

 ギターをかき鳴らしてポーズを決める徐庶だった。

 

「「誰?」」

 

 糜竺と糜芳のツッコミに徐庶はズッコケた。

 

「……………………いや、すまねぇ…………孔明や士元程有名じゃねえんだな…………何となく分かってたけど…………」

 

ボロロ~~~ン

 

 自然とマイナーコードを弾いてしまう徐庶の目に涙が浮かんでいた。

 

「孔明って、最近北郷軍の軍師になったっていう諸葛孔明!?『襄陽の伏龍』の!?」

「それじゃあ徐庶さんは北郷軍から!?」

 

 徐庶は慌てて二人の口を手で塞いだ。

 

「(バカ!声がでけぇ!………まあ、そういうこった。あんたらは劉備軍の糜竺と糜芳だろう。玄徳さんの所に案内してくんな。)」

「(何で雷々達の事を知ってるの!?)」

 

 糜竺と糜芳は劉備が青洲の平原の相になってから臣下に加わった新参なので、一刀とは面識が無い。

 それにまだ大きな軍功を上げてもいないのに名前を知られているというのは不気味に感じる。

 

「俺ぁ侠だからなぁ。幽州の侠で『大徳』とまで呼ばれた劉備さんに一目置いてたのさぁ♪大豪族の糜家がそんな劉備さんの人柄に惚れて銭を無心したって話しと、あんたら二人が臣下に加わったって話しは有名さぁ♪」

「「無心じゃなく融資だけどね。」」

 

 仁義で結ばれた(おとこ)の秘密結社。簡単に言えばそれが『侠』である。

 故に『侠』の情報ネットワークは信憑性が高く、伝達速度が早い。

 糜竺と糜芳もそれを知っているので、徐庶の言葉を信じた。

 

「(俺がここに来た理由はあんたらがさっき察した通りだ♪劉備さんに目通り願えるかい?)」

 

 二人は珍しくて真面目な顔で頷いた。

 

 

 

 

 劉備軍の陣にやって来た徐庶は、直ぐに劉備の居る天幕へと通される。

 そこには劉備、関羽、張飛が待っていた。

三人を見た徐庶はその存在感に圧倒される。

 張飛の目が炎の激しさを含んでギロリと睨む。

 関羽はドッシリと構え山の様にそびえている。

 そして劉備は静かに座っているだけなのだが、森林の様に自分をスッポリと包み込む様な包容力を感じる。

 

「(でけぇ………百聞は一見に如かずって思い知ってた筈なんだがなぁ………こんな人達を押さえ込んじまう曹操はやはり化けモンだぜ………)」

 

 徐庶は感じた想いの全てを込めて仁義を切る。

 『仁義を切る』というのは只の挨拶では無い。

 台詞と所作には符丁が込められており、この場合は己が『侠』で有る事を示す身分証明の意味を持つ、いわゆる『合言葉』だ。

 

「御当家、軒先の仁義、失礼しやすがお控えなすって。」

 

 これに対して劉備が和やかに返答する。

 

「ありがとうございます♪軒先の仁義で失礼ではございますが、手前控えさせて頂きます。」

 

 ここで徐庶は中腰になって右掌を見える様に突き出す。

 

「早速ながら、御当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発しやす。」

「手前、当家の主です。どうぞ、お控えなさってください。」

「手前、旅中の者にございやす。是非とも兄さんからお控えくだすって。」

「ありがとうございます。再三のお言葉、逆意とは心得ますが、手前これにて控えさせて頂きます。」

「早速、お控えくだすってありがとうござんす。手前、粗忽者ゆえ、前後間違いしたる節はまっぴらご容赦願います。向かいましたる兄さん方には、初のお目見えと心得ます。手前、生国は豫州頴川群長社県でございやす。稼業、縁持ちまして、身の片親と発しますは、荊州は襄陽に住まいを構えます号を水鏡とする司馬徽徳操を師に仰ぐ若輩者でございやす。姓は徐、諱は庶、字は元直。稼業、昨今の駆け出し者でございやすが、以後、万事万端、お願いなんして、ざっくばらんにお頼申(たのもう)しやす。」

「ご丁寧なるお言葉ありがとうございます。申し遅れて失礼しました。手前、姓は劉、諱は備、字は玄徳。稼業、未熟の駈け出し者。以後、万事万端、よろしくお頼申します。」

「ありがとうございやす。どうぞ、お手を上げなすって。」

「貴方からお上げなさって…」

「それは困りやす。」

「ではご一緒にお手をお上げなすって…」

「ありがとうございやす。」

「ありがとうございました。」

 

 徐庶と劉備の遣り取りを見て関羽は感心していた。

 

「見事な仁義、痛み入る。私は姓を関、諱は羽、字は雲長。劉玄徳様の青龍刀。」

「鈴々は姓を張、諱は飛、字は翼徳なのだ。」

 

 これで自己紹介は終わり、本題に入る事が出来る。

 前述した通り、仁義を切るというのは只の自己紹介ではない。

 お互いが仲間であるという事を確認する儀式なのだ。

 

「いやあ、久々に堅苦しい仁義を切っちまった♪ここからは俺らしく行かせてもらうぜぇ♪」

 

 そう言うと徐庶は背中からギターを取り出した。

 

 ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

 劉備、関羽、張飛の目が点になる。

 

「北郷の大将にはあんたらを助け出すって啖呵を切って来たんだが………」

 

 徐庶の言葉に三人は我に返り、期待に満ちた目で身を乗り出した。

 

「兵を置いていくなら直ぐにでもここから出られるぜ?」

 

 劉備は落胆した顔で座り直し、小さく息を吐いて首を横に振る。

 

「それは出来ません。彼らは私を信じて戦いに身を投じた人達です。置いて行くなど仁義に(もと)ります。」

 

 劉備の返答に徐庶は屈託の無い笑顔を見せた。

 

 ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャーーーーーン!

 

「そう言ってくれると思ってたぜぇ♪」

 

「おまえ!桃香お兄ちゃんを試したのかあっ!」

 

 張飛が反射的に飛び出しかけたのを関羽が手で制した。

 

「落ち着け、鈴々。今のはむしろ徐庶殿が己の勘を確かめたのだ。」

「?………どういう事なのだ?」

 

「徐庶さんは私達と同じ気持ちだって事だよ、鈴々ちゃん♪」

 

 劉備の笑顔に張飛も安心して徐庶に心を開いた。

 

「そっか、徐庶は兵も逃がしてくれるのだな♪…………そういえば、徐庶はどうやってこの砦に入ってきたのだ?」

「汜水関から逃げてきた兵に紛れれば、そう難しくは無かろう。」

 

 張飛の疑問に関羽は答えながら徐庶を見たが、当人が顔の前で手を振って否定した。

 

「ち、違うのか!?」

「愛紗、この格好だと兵隊に紛れても絶対に目立つのだ………」

 

「ええっと………それじゃあ、徐庶さんはどうやってここまで来たんです?」

 

 劉備は単純な疑問として口に出したが、曹操が間者の侵入を簡単に許す筈が無いと思い至って徐庶の答えがとても気になった。

 

「地面の下からだ♪」

 

「「「……………………………」」」

 

 劉備達三人は言葉を失い暫し徐庶と見つめ合う。

 

「徐庶殿…………貴方は土竜(もぐら)の化身か?」

「歌を唄うみたいだからオケラかも知れないのだ。」

 

「ちょほいと待ちなは!訳を話すから聞いてくんな!」

 

 徐庶は膝を叩いて講釈師の様に語りだした。

 

「俺ぁ北郷の大将から汜水関で依頼を受けて韋駄天も斯くやって勢いで官渡目指して飛び出した!途中団子屋のオヤジに団子作りを教えて官渡まで来た所で吃驚仰天(びっくりぎょうてん)!森の中で地面が崩れて奈落の底に真っ逆さま!しかし俺ぁ慌てなかった!腰に佩いた二尺三寸を抜き放ち!壁に向かって突き刺して事なきを得たって寸法だ!下を見てみりゃ穴が横に繋がっていやがる!しかも鍾乳洞なんかじゃ無く、明らかについ最近掘られたモンだ!しかも官渡の砦の方に向かってる!不審に思った俺ぁ、松明かざして突き進んだ!辿り着いた先で地面に出てみりゃ周りは板で囲まれた倉庫!天井の明り取りから見えた『曹』の旗を見ておいらの勘がズバリ的中と小躍りした所で、今度はどうやって劉備さん方の居場所を探そうかと窓から外を見てみれば!糜家のお騒がせ兄弟が物陰でチョロチョロしてるのが目に入った!警備兵に見つかるのも時間の問題だと思った俺ぁ二人を助ける為に屋根から飛び降りた!ついでに劉備さんの所に案内してもらえば一石二鳥!」

 

ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

「話しが長くて何を言っていたのかわからなくなったのだ……………」

「それは私が後で教えてやる。それよりも何故団子屋に団子の作り方を教えるのかが気になる。普通逆ではないのか?」

「愛紗ちゃん!気にするのはそこじゃなくて、徐庶さんが出て来た場所だよ!徐庶さんはそこに在った物を見たんですね?」

 

 劉備が知りたかった物。糜竺と糜芳が気を利かせて探りに行った物。

 それが曹魏の新兵器だ。

 劉備は身を乗り出して徐庶の答えを待った。

 

「ああ、見たぜぇ……………とんでもねぇ絡繰りを使った…………多分、ありゃあ戦車だなぁ。」

 

「戦車!?そんな昔の物が新兵器!?」

 

 ここで言う『戦車』とは馬車の事である。

 まだ馬具が発達しておらず、鞍すら無かった頃は戦車の保有数がその国の国力を計る目安になった程だった。

 しかし、馬具の発達により槍を振るい射騎が出来る様になると戦車は廃れて行く。

 平地でしか使えない上に、サスペンションも無いので乗り心地最悪。

 おまけに騎馬の標的に成り下がってしまっては消えてしまうのは当然だ。

 

「馬が引くんじゃねぇんだ。しかもあの戦車は地下を進むらしい。」

 

「ち、地下を進む戦車!?」

 

 劉備にはもう想像の域を越えていて、どんな物かまるで解らなかった。

 

「馬の代わりにモグラが引くのだ?」

「土竜を百匹集めた所で馬の様に言う事を聞かせるのは不可能だぞ、鈴々。しかし、曹操はそんな兵器をどうやって運用するつもりだ…………」

 

 張飛と関羽も頭を捻るが、まるで答えが見つからない。

 前代未聞だからこそ『新兵器』なのだろうが、これでは対策の立て様が無かった。

 劉備は一刀の役に立てない事を痛感し項垂れてしまう。

 

「そう落ち込みなさんな♪俺が劉備さんの軍師になって上手く事を運んでやるからよぅ♪」

 

ジャンジャカジャンジャカジャカジャカジャン!

 

 劉備、関羽、張飛は顔を上げて徐庶を驚きの目で見た。

 

「俺の真名は康福(こうふく)だ♪よろしく頼むぜぇ、親分さんよぉ♪」

 

 

 

 

 徐庶と劉備達が話しをしている丁度その頃。

 曹操と李典が噂の新兵器を格納した倉庫に来ていた。

 

「華琳さま、これが完成した地底戦車!その名も『巻摩羅射挿啞(まぐまらいざっあ゛ー)』ですわ♪」

 

 李典が示した地底戦車は現代のバスくらいの大きさが有り、その前方に巨大なドリルを装備していた。

 動力は馬。引かせるのでは無く、リスが回す滑車と同じ仕組みで、リスの代わりに馬が滑車を回して動力に変換する。

 滑車は四つ用意されているので出力は四馬力だ!

 現代なら間違いなく動物愛護団体から非難されるに違いない!

 

「ふふふ♪実に立派な姿だわ♪」

 

 曹操は『巻摩羅射挿啞(まぐまらいざっあ゛ー)』を熱い視線で見つめてた。

 

「掘って掘って掘りまくって、敵の奴らをヒイヒイ言わしたりますよ♪」

 

 曹操と李典の笑い声が倉庫の中に木霊する。

 

 

 

 

あとがき

 

『真・恋姫†英雄譚 1』の発売が近付いてまいりましたね♪

自分もしっかり予約しました!

立ち絵も書き下ろされて全体的にプニ度UPで若返っている様な…………でもそこがいい!

春蘭と秋蘭の立ち絵を見てビックリしました。

黒外史にもいつか反映すると思いますw

蜀編なのに雷々と電々が登場人物の中に居ませんねぇ…………。

 

 

桃香というか劉備の性格ですが、最近は史実型の劉備が流行りですし、自分もそうしようかと考えていたのですが、結局一周回って『善人』になりました。

目指す所は仁義を重んじる任侠映画の親分(でもホモw)。

漢坂を駆け上がるw

 

 

 


 
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