No.763393

病弱な御使いと逆行の恋姫:吐露

未奈兎さん

この外史の思春さんは蓮華さんに合う前なので性格がちょっと柔らかいです、ちょっとですけど・・・。
元から厳格な性格なのはもとより承知なんですけど流琉と触れ合って少し崩れました。

2015-03-09 23:59:00 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3353   閲覧ユーザー数:2772

一刀、鈴々、典韋、甘寧達の奮闘により賊との闘いは奇跡の完勝を果たし町は大いに歓声が上がった。

 

大小なりの手傷こそあったが全員が無事な姿での帰還に家族が、友が、愛するものや隣人が歓喜し、

凱旋しながら帰還してきた一刀達を英雄と称える声が多く上がった。

 

「鈴々達の大勝利なのだ!」

 

「なんだか、夢みたいだ、さっきまで命懸けで戦っていたのに全員が無事に町に帰れるなんて・・・。」

 

「無理もない、闘いには犠牲がつきものだが、我々はその犠牲を払わずにこうして町を凱旋している。」

 

「な、なんだかこそばゆいです。」

 

一刀が演説を行った町の広場にて住人が総出で宴会を起こすことになり一刀と流琉も料理に参加した。

 

住人たちは町の英雄たちに料理をさせるのは忍びないと最初は遠慮がちだったが典韋の腕を知る

料理場の主人はむしろ典韋が居ないと人手が足りないぞと笑いながら認めた。

 

「でも兄様料理もできたんですね、それになんだか見たことがない料理ですね。」

 

「まあ、俺の故郷の料理だし知らないのも無理は無いかなぁ。」

 

(どうでもいいけど、唐辛子はともかくなんでこの時代に【味噌】があるんだよ・・・。)

 

時代的に考えてどう考えてもあるわけのない調味料が豊富に揃った食堂に一刀は顔がひきつった、

典韋曰く味噌は肉と野菜を一緒に炒めて使っていたらしく鍋物に使うのは初めてだったようだが、

しかし目の前の典韋のことを見ると最早些細なものに見えてしまう微妙な気分だった。

 

(ああ、こうやって慣れていくんだな、【あの事】は一生慣れたくないけど。)

 

少しため息を吐いて材料を刻むのに集中する、作っているのは豚汁で、味噌があるなら作ってみるかと

代用の聞く材料で作り始める、味付けのための酒を老酒でやってみると案外いい具合だったので

そのまま豚肉などの材料を大型の鍋に入れ味噌を溶かしてゆっくりと煮る。

 

途中灰汁抜きをしながら一応味見を兼ねて典韋とともに試食をするとなかなかいい出来に少し頬が緩んだ。

 

「わぁ、美味しいですね!お酒を調味料にするのは初めて知りました。」

 

「大人数で食べるからね、なら沢山行き渡るように汁物にしようと思うんだ。」

 

「じゃあ私も頑張ってお料理をたっくさん作ります!」

 

(しかし、本当にこの設備で現代顔負けの料理を作っちゃうなんてすごいよなぁ。)

 

よし!っと気合を入れなおして張り切る典韋、一刀も気合を入れ直すべく頬を張る。

 

「さてと、鈴々は勿論皆お腹すかせてるし、頑張りますかね。」

 

「えへへ、はい!」

 

他にも数人居る人達とともに一刀と典韋は料理を進めた。

 

 

 

 

広場に集まった民達は皆話に花を咲かせている、自分の武勇伝や生き残れた嬉しさや、人によっては負った傷を見せながら

少女たちの武勇に目を光らせ、自らの経験を自慢しているものも居た、一際大きく話題となっているのはやはり一刀の話題だ。

 

賊が迫る中颯爽と現れ、己達を率いて数で勝る賊を誰の死者もなく退け、討ち倒したのだ、

そうなると民の殆どはあの噂を思い浮かべる、占い師が広めた【天の御遣い】だ。

 

白く輝く衣をまとった救世主、演説で皆を鼓舞し前線に立ち、賊を相手に物怖じ無い堂々とした振る舞い、

まさに彼こそが天の御遣いなのではないかと民達は大いに期待を持った。

 

「さすがに一刀の話題で持ちきりなのだ。」

 

「お前の武勇に驚いている者達も居るようだがな。」

 

「鈴々は武だけなら誰にも負けない自信があるのだ!」

 

「ふっ、流石に相当の自信だな。」

 

甘寧は思う、もし一刀が天の御遣いだというのなら、目の前の少女はまさに武神ではないかと思うような武勇を誇っている。

まるでその小柄な身体で百戦錬磨のような武才は甘寧も目を見張った。

 

「一つ聞きたいことがある、お前とあの男は何故旅をしているのだ?お前ほどの武才ならば仕官先には困らないだろうに。」

 

「んー・・・答えになってないかもしれないけど、鈴々はあまり無駄な闘いはしたくないし、誰かに仕えるって考えが浮かばないのだ、

それにこれが一番の理由だけど、鈴々は一刀と一緒に居たいのだ、困ってる人を助ける考えは一刀も一緒だし。」

 

「ふむ・・・そういうものか。」

 

やがて一刀と典韋達が大量の料理を持ってきて、全員に料理と酒を配り、一刀が前に出る。

 

「皆、それぞれ杯は持ったかい?それじゃあ乾杯だ!全員で行きて帰れたことを大いに祝おう!」

 

「「「「わぁあああああああ!!」」」」

 

杯を天にあげて数百人あまりの歓喜の声が響く、行きて帰れたことの喜びと、勝利した達成感に浸りながら、

皆が皆喜びの顔を浮かべている、食べる料理を肴にそれぞれが話しが盛り上がる。

 

男性も女性も酒を飲み、子どもも料理の美味しさに目を輝かせている。

 

そんな様子を、一刀は少し遠くで見ていた。

 

「やっぱり実感がわかないな、鈴々やみんなの力があってこそだけど、この光景に俺も携わっているのか・・・。」

 

正直に言ってこんなに多くの人の命を預かるなど考えたこともなかった、基本的に病弱なために人と関わる機会も少なかったし、

あの悪友が居たとはいえ交友関係も広いとはいえなかった。

 

「・・・!」

 

張り詰めた気が抜けたからだろう、今まで溜め込んでいたものが今になってやってきた、

誰にも悟られないように一人広場から離れた、それを一人の少女はしっかりと見ていたが・・・。

 

「一刀・・・。」

 

 

 

 

「げほっ・・・っが・・・は、はぁ・・・ぐ・・・!」

 

町から少し離れた場所で、一刀はおもいっきり吐き出していた。

脳裏に過ぎるのは戦場となった場所で、人を斬った感覚と、自分の指示で人が死んだ恐ろしさ。

 

「はっ・・・はぁ・・・!」

 

嘔吐した脱力感、戦場での恐怖心が一刀の心を蝕んでいた、現代でも人は死ぬし、争い事だってある。

しかし自分はそんなことに関わったことは一度だって無い、現実で培った価値観が、一刀の心に深く突き刺さった。

 

「これが、戦乱の時代か。」

 

呼吸が幾分か落ち着いたが脱力した影響でうまく立てない、みっともないがこれが今の自分だ、

異世界、それも平和な未来から来たどこにでも居る人間。

 

「はは、なっさけないな、俺・・・。」

 

自嘲気味に笑うと、後ろから足音が聞こえた、思わず振り向くと、そこには鈴々が居た。

 

「鈴・・々。」

 

「一刀、大丈夫・・・じゃないのだ。」

 

「なんで・・・?」

 

「鈴々は一刀が離れたのを見ていたのだ、そしたら、なんだか放っておけなかったのだ。」

 

えへへ、と笑う鈴々に不思議と心が軽くなった一刀は自分の心情を話し始めた。

 

「・・・俺の暮らしていた国では、平和だったんだ。」

 

「うん。」

 

「でも、ずっと離れている国では今みたいに人が死ぬような戦いが起きることもあるし、

人が人を殺すのは実を言うと俺の暮らしていた国でも頻繁に起きてる・・・。」

 

「・・・うん。」

 

「俺はさ、そういうのを知ることはあっても、身近にそういうことが起きるとは思わなかったし、

自分が多くの人を率いて、人を殺す指示をしたり、殺すことになるとは思わなかった、

俺が生まれた場所では、人殺しは重い罪になるし、指示を出しても教唆と言って人殺しと同じことなんだ」

 

「皆を守れた嬉しさもある、皆の役に立てた達成感だってあるよ、俺がやりたくてやったことだから。

それでも思い知ったよ、俺が生まれたところと此処との違い、本当に人が目の前で死ぬ現実をさ。」

 

眼から涙をこぼして心情を吐露する一刀。

 

「一刀・・・。」

 

鈴々は、ただ、その震える一刀を抱きしめた。

 

「!?鈴々・・・?」

 

「泣いても大丈夫なのだ、誰も怒ったり、責めたりしないのだ。」

 

「それに、一刀が辛かったら鈴々がずっと支えるのだ、一刀がどんな道に進んでも、鈴々はずっと味方なのだ!」

 

「う、あぁ・・・・。」

 

安心させるように笑う鈴々に一刀は身を任せて、戦の前からずっと溜め込んでいたものを崩していった・・・。

 

 

 

 

「別の国・・・か。」

 

「え、思春さん、今の話聞こえてたんですか?」

 

「生まれつきかもしれん、耳はいいんだ。」

 

離れた場所で木陰に隠れる者が二人、甘寧と典韋だ、彼女たちは離れた一刀を見たわけではないが、鈴々が離れたのを見て、

追いかけて見れば鈴々に抱きつかれて泣いている一刀を見た、甘寧は話も聞こえたようだが、二人から離れると典韋の顔が曇った。

 

「もしかしたら私、兄様に酷いことをしたのかもしれません・・・私が願ったから兄様は戦場に・・・。」

 

「だとしても、あいつはお前を責めたりはしないだろうさ、あれは自分で背負い込もうとする、そういう男だ。」

 

「思春さん、何か兄様を随分信頼してるんですね。」

 

「信頼・・・か。」

 

(なんだこの頭の中の引っ掛かりは、私は何故あの男は信用できると確信があるのだ?私は何かを、忘れている?)

 

幼少の頃から記憶の欠落など無かったはずだ、だというのに何故か今の自分は何かが抜け落ちたような錯覚がある。

戦場で自分に対して信頼を向けてくれたからか?それとも何か他の理由があるのかと考えていると典韋が訝しげに覗きこんでいた。

 

「思春さん?」

 

「む、すまん、少し呆けていた。」

 

「あの、思春さん、もし兄様に私が付いて行きたいと言ったら思春さんは困りますか?」

 

「・・・どういうことだ?」

 

「兄様は旅の人と言っていました、だったら兄様はいずれ町から離れて行っちゃうんですよね、

私は、兄様とは今日昨日知り合った人ですけど、兄様と一緒に居てみたいんです。」

 

「許褚のことはいいのか、曹操軍に仕官したと聞いたが。」

 

「えっと、季衣は曹操軍って所に仕官しちゃって結構経ってるんです、何度か手紙は来てるんですけど、

季衣は曹操様はいい人とか、曹操軍ではやりがいが沢山あるって書いてありました。」

 

「流琉は、許褚と一緒の場所に行きたいとは思わんのか?」

 

「私は・・・季衣のことは大好きですけど、官軍のことはあまり好きになれません・・・。」

 

「・・・安心しろ、私もだ。」

 

何度も賊の襲撃はあっても官軍は動いてくれなかった、甘寧達が居なくばこの街は何度も危険にさらされただろう。

 

「それで、もし兄様が天の御遣い様で、天の御遣いとして活動することがあるなら私はその役に立ちたいです。」

 

「実はあいつはなんでもないただの男かもしれんぞ?」

 

「もしそうだったとしたらも、普通の人は自分から前に出て賊の囮になるなんて言いませんよ。」

 

「ふ、それもそうだ。」

 

ただの男であろうが天の御遣いを騙る偽物だろうが、そんな下らない男ならば自分から危険に躍り出たりしないだろう。

 

「迷惑かもしれませんけど、自分から危険なことに飛び込んでいくあの兄様を、放っておけないんです。」

 

「そうか、お前がその選択をしたのならば、私からはなにも言わん。」

 

「思春さんは、どうするんですか?」

 

「そうだな、恩を返し終わったら放浪の旅に出て仕官先を探そうかと思ったが・・・私もあの男に興味がわいた。」

 

「じゃぁ!」

 

「焦るな、あいつらが付いて来てもいいと言ったらだ。」

 

「あう・・・はい!」

 

「ならあいつらはこの町に残したほうがいいな、一度は退けたが二度目がないとは言えん、もう私が居なくてもやっていけるだろう。」

 

「思春さんが抜けたら付いて行くといいそうですが・・・?」

 

「心配するな、殴ってでも留まってもらう、それと、私達が此処で聞いたことは他言無用だ。」

 

「あ、あははは・・・。」

 

不思議なものである、話が決まっていないのに、自分達はもう付いて行く気が満々なのだ、その様子を鈴々と一刀は知らない・・・。

 

 

 

 

数日後、一刀と鈴々は行商人から馬を買い付けて、食料などの補給も済ませると、旅を再開することにした、

住人には惜しまれ、このまま町に留まるのも良かったが、一刀と鈴々はこの大陸を見渡したい思いがある。

 

「さて、随分世話になったけど、そろそろ旅を再開しないとね。」

 

「ねえねえ一刀、一刀に付いて行きたいって人がいたらどうするのだ?」

 

「ん?んーその人達が付いて行きたいって言うなら、俺は構わないけど、そんな物好き居るのかな・・・?」

 

「きっといると思うのだ♪」

 

「そ、そうかなー鈴々はどうしたいんだい?」

 

「旅は多くの人といたほうが楽しいのだ!」

 

鈴々らしい答えに思わず笑ってしまうが数日前を思い出すとつい顔が赤くなってしまう、

女の子の前で泣き崩れてしまったのだ、羞恥や申し訳無さが半端なものではなかった。

 

「それにしてもこの数日大変だったな、皆に天の御遣いとか勘違いされちゃって・・・。」

 

「鈴々は一刀が御遣い様でもいいと思うのだ!」

 

「俺、そんな立派な存在じゃ無いんだけどなぁ。」

 

「一刀はもっと自信もつのだ、鈴々が保証するのだ!」

 

「ははは、ありがとう。」

 

「待って下さーい!」

 

町から大勢の人に見送られ、さて行こうかと馬に乗り歩き出そうとすると、後ろから声がかかった馬に乗る典韋と甘寧だ。

 

「典韋?」

 

「はぁ、はぁ、追いついて良かったです・・・準備に時間がかかっちゃいまして・・・。」

 

「らしく無く寝坊をしてしまったからな、興奮していたのだろう。」

 

「ふたりともその格好は?」

 

「兄様、お願いです、私達も旅の仲間に加えてくれませんか!?」

 

「え、えぇ!?」

 

「ほら一刀、鈴々が言ったとおりなのだ!」

 

えへん、と胸を張る鈴々と慌てる一刀。

 

「私も旅にでようとしていたからな、町の防衛はあいつらでもできる。」

 

「え?でもあそこにいる人達の半分以上ってあそこを拠点としてる旅人じゃ・・・?」

 

「旅人と言っても色々だ、あそこに居る奴らの大半は食い扶持に困っていた所を私が拾った者だからな、

町の自警団として働き場所を提供しておいた。」

 

「私は、兄様達に恩があります、兄様や張飛ちゃんは困っていた私達を助けてくれました、その恩を返したいんです。」

 

「いや、俺はそんな事気にしては「私が気にするんです!」・・・お、おう。」

 

ずい、っと身体を乗り出す典韋に思わず後ずさる一刀その様子を甘寧は薄く笑ってみていた。

 

「諦めろ、流琉の決意は堅いぞ、私は流琉の護衛みたいのものだが、お前にも興味がある。」

 

「にゃ?」

 

「私は、自惚れているわけではないが、武には自信があった、それでも、上には上がいるものだな。

それにお前の武にはまだまだ底がみえない、それを少し見てみたくなってな。」

 

「え、えへへ・・・。」

 

かつて戦った呉の武将からの賞賛に奇妙な気分になりながらも鈴々は素直にその賞賛を受け取った。

 

「俺は、鈴々と一緒に旅をしているだけだ、もしかしたら期待に添えないかもしれないよ?」

 

「それでも、私達は兄様と張飛ちゃんに助けられたことに変わりはありません。」

 

真っ直ぐに此方を見る典韋に目をそらして頬を掻きながら困った咲いを浮かべた一刀は手を前に出す。

 

「なら喜んで、俺は北郷一刀、生憎皆に預けられる真名がないけど、気軽に好きに呼んでほしい。」

 

「張飛翼徳、真名は鈴々なのだ!」

 

「典韋です!真名を流琉です!」

 

「甘興覇、真名は思春、好きに呼べ。」

 

4人は手を重ねて思いを確かにすると改めて旅路に出る、町の住人総出の大歓声に見送られながら・・・。

 

「天の御遣いさまー張飛様!また来てくだせえー!」

 

「流琉ー!達者でなー!」

 

「甘寧様ー必ず町を守り切ってみせるぜー!」

 

 

 

「大人気なのだ。」

 

「そうですね♪」

 

「だから俺は御遣いじゃないって・・・。」

 

「好きな様に勘違いさせておけ、その名声を利用するぐらいの肝を持ったらどうだ。」

 

「間違いなく反逆罪だと思うんだけど、天って帝を指すものだろ?」

 

「その帝が頼りにならんから天の御遣いなどという噂が広がるのだろうが。」

 

「・・・それもそうか、この国・・・どうなるんだろ。」

 

「さてな、それこそ、天が知るんじゃないか?」

 

「・・・だな。」

 

町の危機は防いだが、一刀の知る黄巾の乱を考えればこのような規模など序の口なのだ。

これから混迷の時代が始まる、そして、英雄たちが立ち上がる時も同時に迫っていた・・・。

 

 

 

 

???

 

「ただいまー!」

 

「おお、許褚じゃないか、どうしたのだいきなり?」

 

「か、じゃなくて、ボク曹操様に仕官したのは知ってるでしょ?流琉も誘おうかなって思って、曹操様から休みをもらって来たんだ!」

 

「そうか・・・ならば少し遅かったな・・・。」

 

「え、なんで?」

 

「典韋は数日前に旅に出てしまったのだ、甘寧殿とともにな。」

 

「うそー!?」

 

「先日賊が来てな、儂らだけではどうしようもなかったんじゃが、その時天の御遣い様が来てくれてこの町を守ってくれたのだ。

白い衣をまとい、皆を率いて戦ってくれたのじゃ、名は北郷一刀、といったのう。」

 

「・・・え?」

 

ズスン!

 

「うお!?どうしたんじゃいきなり武器を落として?」

 

「な、なんでもないよ!そっか、流琉はその御遣い様について行ったの?」

 

「うむ、街を守ってくれたことに深く恩を感じてな、興奮して御遣い様を追いかけていったよ。」

 

「・・・そっか。」

 

 

 

その後、町から離れた許褚はひとり言葉をこぼした・・・。

 

 

 

「華琳さま、兄ちゃんがいたよ、流琉と一緒に旅をしてるって聞いたら驚くかな・・・悲しんじゃうかな、魏に来てくれなかったって。」

 

「ううん、まだ敵になるって決まったわけじゃないよね、急いで華琳さまにお知らせしないと!」

 

許褚は逸る気持ちに身を任せて陳留へと駆ける、己とともに【戻ってきた】主に報告をするために。

 

 

遅れてすみませんでしたorz


 
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