No.758437

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第十五話

ZSANさん

平穏が破られる

2015-02-14 20:10:28 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3466   閲覧ユーザー数:3060

~一刀視点~

「せい!」

「ふんっ!」

俺が雪蓮に仕える様になって早2ヶ月

賊の討伐などに出撃する事もあるが仕事は特別に無い

雪蓮が袁術の客将の為、治める土地が無く政務が無いのがその理由だ

で、必然的に時間を持て余している俺が何をしているかと云うと1つは『天の知識』の提供

つまり現代社会の知識、社会情勢等を来たるべき独立後の為に皆に伝える事

今は意味を為さないが有用な物は独立後に早急に執り行う準備を進めている

もう一つは、武の鍛錬

特に雪蓮、粋怜さん、梨晏の三人は俺との模擬線を希望して来る

更に最近では祭さんや明命も希望するようになって連日、行っている

何で、そんなに俺と仕合したがるのか訊いた所、雪蓮曰く

「だって、一刀って面白い技を使う上に、強いんだもん」

との意見だった

 

「はい、俺の勝ちですね」

粋怜さんに刀を突きつけて俺が言うと

「くそ~、また負けたか」

悔しそうな粋怜さんだが、他に誰も使わない技を使っているから勝てているにすぎない

「もうそろそろ、未知の技もネタ切れなんですけどね」

「未知の技を差し引いても、お前に勝つのは難しいよ

 で、そろそろ孫家の誰かを口説き落としたのか?

 私ならいつでも構わんぞ

 それだけの武を持つ男との間になら子をなしてもな」

その言葉に冷汗が流れる 静里がすぐ隣に居るから

しかし、その役目 本当にしなければならないんだろうか?

そんな時

「粋怜殿、一刀、静里、すぐ来てくれ

 いよいよだぞ」

冥琳の呼び出しがかかった

詳細は聞いてないが、遂に孫呉独立の行動が始まる

~鞘華視点~

反董卓連合が解散して2ヶ月

華琳が州牧に昇進したり、劉備が徐州の州牧になったが比較的平穏な日が続いていた

だが、それは嵐の前の静けさだった

袁紹が動き出した

公孫瓉を打ち破り、徐州に攻め入る

その情報を桂花から聞いた2日後の未明に緊急の集合が掛けられた

皆が謁見の間に集まると

「皆、寝て居たところを悪いわね

 急な来客があってね

 入って来なさい」

そして現れたのは関羽だった

表情は険しい いや憤りを隠せないと言ったほうが正しいのかもしれない

「さて、皆知っているとは思うけど一応自己紹介をしてくれる」

「私は劉備玄徳様の一の家臣 関羽だ

 今回は曹操殿に我が主君劉備様の願いを伝えに来た」

ぶっきらぼうに答える関羽

どうやら納得いかない命を受けたようだがそれを態度に出したら駄目じゃないの?

武は兎も角、精神的には未熟なようね

「劉備は麗羽から逃れるために私の領土の通行を求めて来たわ

 しかし私達は劉備と同盟している訳でもないし、関羽がこの話に納得してないみたいなの

 そんな使者にまともに返事する気にもならないから、直接劉備に会いに行くわ

 それで動向を希望する者は一緒に来てもらうわ

 あ、鞘華 貴方は強制よ」

行くのは良いけど何で私は強制なんだろ?

そんな事を考えていたら

「鞘華?」

関羽が私の名に反応した

「あら、鞘華を知っているの?」

「いや、会った事は無い

 ただ、汜水関でもう一人の”北郷”である”北郷一刀”に会った事があるだけだ」

抑揚の無い口調で関羽が答える

「北郷一刀についてどんな感想を持った?」

「ふん、ただの無礼者だ」

この言葉に私が反応する

「自分の事を棚に上げてよく言えたわね

 私達には兎も角、願いを叶えてもらいに来た使者なら曹操には敬語を使うべきじゃないの

 そんな貴女に他人を無礼者だ なんて言う資格があるのかしら」

そう言って関羽と睨み合いになる

「そこまでにしておきなさい 鞘華」

華琳の言葉で私も矛を収める

関羽の言葉にあそこまで感情的になるなんて、と軽く自己嫌悪

反董卓連合の後、一君の消息は不明だ

呂布と共に戦線を離脱した説

単独で逃亡した説

董卓や賈詡と共に自害した説

戦で討ち取られたが遺体が見つかっていない説

どれも証拠が無い

だが私は後ろの2つは信じていない いや信じたくない

そんな心情の為、つい一君の事に神経質になっていた

 

劉備との会見の場所にもう少しと言う所で皆は待機となった

護衛として私、季衣、流琉が同行して劉備の待つ所に向かう

「曹操さん、今回は突然済みませんでした」

会うなり劉備が頭を下げて来た

礼儀正しいのか、単なる天然なのか

「別に構わないわ 

 で、私の領土を通り抜けたいとの事だけど許可しましょう」

「ありがとうございます!」

「礼には及ばないわ

 ただし経路はこちらで指定させてもらう 

 それに道中で米一粒でも強奪すればその場で貴方達を討ち滅ぼすわ

 あと、鞘華 誰がいいと思う?」

この言葉を私は理解した

だから私は強制だったのね

「諸葛亮が一番じゃないの」

「そう、通行料は諸葛亮で良いわ」

その華琳の言葉に劉備は猛反発する

結局華琳はただで劉備の通行を認めた

「いずれ、貴女が治めた領土を奪いに行くから精々良い国にしておきなさい」

との言葉と共に

 

劉備を追って来た袁紹を桂花の策で追い返し、袁紹との本格的な戦が始まる

あの”官渡の戦い”が

~あとがき~

 

今回はそれぞれの戦いの前段階と言った話です

 

鞘華(華琳)側は原作と同じ部分をはしょりました

手抜きみたいですが申し訳ありません

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 


 
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