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真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三爸爸†無双』 其の六十五 桃香②

雷起さん

得票数28 桃香②のお話&ヴァレンタイン・スペシャルです。
おまけ壱 『北郷二刃奮闘記』其の三十 リクエスト:北郷親衛隊の嫁    5票
おまけ弐 『聖刀くんの日常』其の二十九 リクエスト:炙叉        11票
おまけ参 リクエスト:恋姫麻雀大会    17票
おまけ肆 リクエスト:娘からの質問~爸爸をどうして好きになったの?~三国王編③(桃香・香斗)

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2015-02-11 21:42:11 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:2982   閲覧ユーザー数:2287

第二章  『三爸爸†無双』 其の六十五 桃香②

 

 

本城 北郷学園 教室               (時報:桂花八人目 妊娠三ヶ月)

【香斗turn】

 

 今日のおやつはチョコレート♪

 お口でとけて、あまいのがお口の中いっぱいに広がって♪

 とっても幸せな気持ちになるステキなおかし♪

 

 だけどめったに食べられないのがざんねん。

 

「もっとたくさん食べたいなぁ……」

「チョコレートは特別なお菓子だからしょうがないわよ、香斗ちゃん。」

 

 おとなりの席で眞琳ちゃんがミルクのカップを持って言いました。

 

「とくべつなお菓子ってなんで…」

 

 そこまで言いかけたところで白蓮先生が教室に走ってもどってきた。

 

「香斗!お前に妹が出来たぞ♪」

 

「ふえ?」

 

「わあ♪よかったね、香斗ちゃん♪」

「これで香斗ちゃんも一緒に暮らせるね♪」

「香斗ちゃん、おめでとう♪」

 

 眞琳ちゃんと蓮紅ちゃんと烈夏ちゃんがニコニコして手を握った。

 これって媽媽の………媽媽のおなかに赤ちゃんが来たんだ!

 

「香斗ちゃんっ♪♪」

 

「媽媽っ!?」

 

 媽媽がスゴいうれしそうな顔で教室に走って入ってきた。

 そのまま両手をひろげて香斗のところにやってくる。

 

「「「桃香!危ないから走るんじゃない!」」」

 

 爸爸たちもっ!?

 

「香斗ちゃん♪香斗ちゃんっ♪」

「ムギュゥ…マ、ママ!く、くるし!ンプ!…おっぱ!おっぱい!」

 

 抱きついてきた媽媽のおっぱいにおはなもお口もふさがれて息ができない!

 声はだせても、すいこもうとするとおっぱいが…………。

 

「「「桃香っ!抱き締め過ぎっ!香斗がおっぱいで溺れてるっ!!」」」

 

「え?…………きゃあ!か、香斗ちゃんしっかりしてぇ!」

「プハァ………ひ、ひぬかろおもっら………」

 

 媽媽のおっぱいは凶器だ………。

 

 

 

「ごめんね、香斗ちゃん…………もう、媽媽嬉しくなっちゃって………」

 

 媽媽落ちこんじゃった……せっかく媽媽に赤ちゃんができたのに、そんな気持ちにさせちゃダメだよね!

 

「か、香斗ならダイジョウブだよ♪それに香斗だって媽媽に赤ちゃんが来てくれてうれしいよ♪」

「あはは♪ありがとう、香斗ちゃん♪いっぱいお祈りしてくれたお陰だよ♪」

「えへへ♪媽媽によろこんでほしくって♪」

「え?………香斗ちゃんは妹が欲しくて……お祈りしてたんじゃないの?」

「?…妹はたくさんいるよ?でも妹がふえるのはうれしい♪」

「ええと…………」

 

「「「桃香、香斗は妹達全員が大好きなんだよ♪な、香斗♪」」」

「うん♪」

 

 やっぱり爸爸たちは香斗のことわかってる♪

 

「媽媽は赤ちゃんほしいって愛紗媽媽やほかの媽媽達にも言ってたでしょ♪だから香斗はいっぱいお祈りしたの♪爸爸たちもガンバってお祈りしてたよね♪」

「「「ああ♪香斗と一緒にお祈りしたよな♪」」」

 

「香斗が寝たあともしてたのしってるよ♪爸爸と媽媽がベッドではだかで「「「ちょっと待ったっ!」」」ってるの…ふえ?」

 

 爸爸たちが青いお顔してた。

 媽媽ははんたいに赤いお顔してる。

 眞琳ちゃんと蓮紅ちゃんも赤いお顔してるけど、目がキラキラしてた。

 烈夏ちゃんは………いつものとおりだ。

 白蓮先生も赤いお顔で……あ、爸爸たちを掴んで連れってっちゃう!

 

「桃香!香斗!お前達は一刀たち連れて早く後宮に行け!」

 

 抱っこしてくれてる媽媽といっしょに教室から出されちゃった。

 

「みんな、またあとでねぇ~♪」

 

 抱っこされたままみんなに手をふった。

 

 

 

 

本城 後宮談話室

【桃香turn】

 

「月と詠の事が有ったというのに………貴女もなの?桃香?」

 

 華琳さんが呆れ顔で溜息を吐いてる。

 蓮華さんも同じ。

 思春さんは苦笑い。

 愛紗ちゃんや他のみんなも呆れたり笑ったりしてるし…………。

 

「桃香様では仕方有りませんよ。気を落とさずに。」

 

 思春さん………慰めてくれてるんだろうけど、それって追い打ちだよ…………。

 

「「「まあまあ、香斗はアレが何をしていたか解かってなくて『お祈り』だと思ってるみたいだからセーフって事で………」」」

 

「そこはご主人さまが気を付けるべき所だったのではないですか?」

 

 愛紗ちゃんが溜息吐いてジト目でご主人さまたちを見てる。

 

「火の点いた主たちがそんな周囲の気配に気付く筈なかろう♪」

 

 星ちゃんの言葉にみんなが頷いた。

 

「「「それはほら!みんなを愛しているから周りが見えなくなっちゃうんだよ♪」」」

「ははは♪女冥利に尽きますな♪しかし、我々武将ならば周囲の警戒は怠りませんが、桃香様や軍師殿達にそれを求めるのは酷というもの。もう少し気配りされても良いと思いますが?」

「私もそれが言いたかったのだ。せめて寝室の扉に鍵を掛けておけば見られはしないでしょう。」

「「「……………………………………」」」

「どうしました、主たち。桃香様も冷や汗を掻いていらっしゃる様ですが?」

 

 言えない………夏は暑いから鍵どころか扉も閉めてなかったなんて、この状況で言えない………。

 

「まあまあ、皆さん。今は桃香さまの懐妊をお祝い致しましょう♪」

 

 紫苑さんの優しさが身に染みるぅ。

 

「桃香さまはご主人さまたちと明日のご予定をお決めになって下さい。わたくし達は宴のお料理を致しますから♪」

「紫苑さんも台所に立つんですか!?もう予定日近いんですから安静にしてた方が良いですよ!」

「これも胎教ですので♪陣痛が来るまで普通にさせて頂きます♪」

 

 紫苑さん、本当に強いなあ。

 考えてみたらわたしって、香斗ちゃんを懐妊した頃の紫苑さんの歳に追いついてるのに、母親として全然追いつけてる気がしないよ…………追いついてるのっておっぱいの大きさだけじゃないのかな…………………。

 

「桃香、ひとつ確認するのを忘れていたわ。」

「え?何ですか、華琳さん?」

 

 厨房に向かおうとしていた華琳さんが振り返った。

 

「貴女のお母様をこちらに呼ぶのなら言って頂戴。曹魏が万全の態勢で警護するから♪」

 

 わたしのお母さん………昔、華琳さんに徐州をお願いした時に、お母さんは徐州の下邳に残る事を選んで、それ以来下邳で暮らしている。

 あの頃のお母さんは幽州の楼桑村から青州の平原、そして徐州の下邳へと引越し続きだった。

 引越しの疲れと、徐州で向かい入れてくれた人達に不義理をしたくないという理由で成都に引越す事を拒んだ。

 でも、きっと本当の理由は、成都ではお父さんのお墓が遠すぎるからだと思う。

 わたしもその事は口のせず、太守の陶謙さんと(とう)さん喜雨(すぅ)ちゃん…陳珪さんと陳登ちゃんの母娘にお母さんの事をお願いする事にした。

 それからずっと華琳さんもわたしのお母さんの事を色々と気遣ってくれている。

 

「ありがとうございます♪でも、お母さんは曹嵩さんに遠慮して来ないじゃないかな………」

「…………………ここでも迷惑を掛けて来るのか、あの馬鹿親父!」

 

 うわぁ………華琳さんが眞琳ちゃんには見せられない顔に………。

 

「お、お母さんには手紙を出しておきますから、その返事次第という事で………」

「私からも手紙を出すわ。後、私の母上の協力も取り付けておくから。」

「あ、あのぅ、曹嵩さんもお呼びしたらどうでしょう?」

「冗談じゃないわよ!あれをここに呼んだらそのまま居着くわよ!毎日あの顔を見て過ごす事になるかと思うとそれだけで頭痛が再発しそうだわ!」

 

 自分のお父さんをそこまで嫌わなくても………。

 わたしは数える程しか会ってないけど、楽しい人だと思うけどなあ。

 

「いざとなったら父上には私が直接釘を刺すわ。だからお母様には気にしない様に伝えて頂戴♪」

 

 釘を刺すって比喩ですよね?物理的にじゃないですよね?

 華琳さんは戦の最中でも見せたことが無い様なスゴく怖い嗤い顔で厨房に行っちゃった。

 

 この房都も下邳と比べると楼桑村から遠いけど、成都よりはずっと近い。

 何よりお母さんには香斗ちゃんの傍に居てもらえると嬉しいんだけどな………。

 

 

 

 

【緑一刀turn】

 

「「「いいかい、香斗。爸爸と媽媽のしていたお祈りを他の人に言っちゃ駄目だぞ。」」」

「他の人って眞琳ちゃんや蓮紅ちゃんにも?」

 

 不思議そうな顔をしている香斗にしっかりと言い聞かせなくては。

 あの二人にこれ以上妄想を膨らます材料を与えない為に!

 

「「「香斗の姉妹もそうだけど、他の媽媽達にもだ。そうしないと爸爸たちは神様に天罰を貰ってしまうんだ。」」」

 

 本当は神様じゃなくて他の奥さん達からだけど。

 嫉妬って程じゃないが、対抗意識を燃やされると俺たちの身が保たないぞ。

 

「爸爸たちが神さまに怒られるの?じゃあ香斗だれにも言わない!約束するよ!」

 

 握った両拳を胸の前にして可愛らしいガッツポーズと真剣な顔の香斗。

 うんうん、香斗は素直ないい子に育ってるじゃないか。

 爸爸たちは嬉しくて涙が出ちゃうよ。

 

「「「ヨシヨシ♪いい子の香斗にご褒美をあげないとな♪明日のお出かけで好きな物を買ってあげよう♪」」」

「好きなもの?………………それじゃあ香斗、チョコレートがいい♪」

「「「え!?チョコレート!?」」」

 

 これは困った……………原料のカカオはまだ生産量が少なくて、チョコレートを市販出来る段階に入っていない。

 子供達のおやつに出しているチョコも華琳や朱里達が研究した試作品だ。

 街に出ても当然チョコが売っている筈が無い。

 

「爸爸ぁ……やっぱりチョコレートは特別なおかしだからダメなの?」

 

 ん?なんだ、香斗も何となくだけど判っているっぽいな。

 

「「「そうなんだ。チョコレートは特別なお菓子でね………」」」

「どんなふうに特別なの♪?やっぱりチョコレートも神さまとカンケーあるの♪?」

 

 判ってる訳じゃなかった…………。

 それにしても目をキラキラさせちゃって♪

 これは女の子に夢を与える回答をするべきだな♪

 やっぱりチョコと言ったらヴァレンタインでしょう♪

 

「「「爸爸たちの居た天の国では、女性が好きな男性にチョコレートを贈る日が有るんだ。ヴァレンタイン・デーと言ってね♪」」」

 

「ばれんたいんでー?」

 

「「「チョコレートは特別な想いを込められる特別なお菓子なんだよ♪」」」

 

 お菓子業界の販売戦略なんて夢の無い話は、今は忘れよう。

 香斗には夢を忘れない子でいて欲しい。

 

「そっか~♪あれ?今日のおやつにチョコレート食べたよ?」

「「「あれは媽媽達がお前達の事を愛してるって想いが込められてるのさ♪」」」

「だからチョコレートっておいしいんだね♪」

 

 おお!香斗!お前は本当にいい子だっ!!

 爸爸たちは猛烈に感動しているぞおおおおおおおおおおお♪

 

「ねえねえ♪爸爸はばれんたいんでーにチョコレートいくつくらいもらったの♪?」

 

「「「え?…………………………………………」」」

 

 唐突に暗い過去が蘇ってくる…………………。

 

「「「…………二刃とお袋…香斗のお祖母ちゃんからだけだったよ………………」」」

「二刃おばちゃんと天の国にいるおばあちゃん♪爸爸たちも香斗達といっしょだぁ♪」

 

 かなり意味が違うんだが……………今更否定は出来ん………。

 

「ねえ、爸爸は媽媽達からチョコレートもらわないの?」

「「「あ、あれは天の国の行事だからね………媽媽達から貰った事は無いな。」」」

 

 実際、試食用のを貰った事しか無い。

 俺たちが食べるくらいなら子供達に食べさせたいし。

 

「ばれんたいんでーっていつなの?香斗が爸爸たちにチョコレートあげるよ♪」

「「「ありがとう、香斗♪でも、その気持ちだけで充分だよ。チョコレートは香斗が食べなさい♪」」」

「ダメ!チョコレートに香斗が爸爸たちを大好きなきもちをこめるんだから、爸爸たちが食べなきゃなの!」

「「「ははは♪ごめんごめん、それじゃあ香斗がくれるチョコレートはちゃんと食べるよ♪」」」

「うん♪」

 

 ああ…………自分の娘とこんな会話が出来るなんて、俺たちはなんて果報者なんだ♪

 

 でもいつか香斗が他の男にチョコレートをあげる日が…………許さん!

 そんな奴は俺たちが絶対に許さんぞおおおおおおおおおお!

 あ、聖刀は弟だから別な。

 しかし、ヴァレンタインをやるとすると、今年のカカオの出来が気になるな。

 孫呉の南方と蜀の南蛮の両方で栽培してるけど…………後で朱里と冥琳に聞いておこう。

 あ………今年はクリスマスと日本式正月も企画してたんだった。

 こりゃ大忙しになるが………子供達の為に手は抜かぬっ!!

 

「ねえ、爸爸♪チョコレートはガマンするから、あしたはあんみつが食べたいな♪」

「「「よし♪明日はあんみつ食べような♪」」」

 

「香斗ちゃんとご主人さまたちだけで明日の予定を決めちゃうなんてズルいよ♪」

 

 桃香が華琳達との話が終わったみたいで、こっちにやって来た。

 

 

「ねぇ、媽媽はばれんたいんでーってしってる?」

 

 

 

 

翌日

房都 商店街

【桃香turn】

 

 わたしと香斗ちゃん、ご主人さまたちは商店街のお店を見て回り、その途中途中で街の人達が笑顔で挨拶してくれるのでわたし達も手を振って応えた。

 戦乱の頃に夢見たこんな平和な光景が、現実として目の前に有ると改めて実感するな♪

 

「媽媽♪爸爸たち♪はやくはやく♪」

「香斗ちゃん、そんなに引っぱらなくても大丈夫だよ♪」

「あんみつなくなっちゃうかも!」

「昨日お店にお願いしてあるから無くならないよ♪」

「そうなんだ♪よかったぁ♪」

 

 わたしと香斗ちゃんのやり取りをご主人さまたちは優しい笑顔で見守ってくれている。

 こんな幸せをもっと大陸中に広げたい。

 その為にもみんなで力を合わせて頑張らなきゃ!

 

「ついた~♪こんにちは~~♪」

 

 香斗ちゃんが跳ねる様にお店に入ると、女将の陳震さんが出迎えてくれていた。

 

「いらっしゃいませ、香斗さま♪桃香さま、三陛下、ようこそいらっしゃいました。」

「こんにちは、菫玲(すみれ)さん♪今日は無理言ってすいません。」

 

 『菫玲』は陳震さんの真名。わたしもそうだけど華琳さんや他のみんなも菫玲さんとは真名を交換してます♪

 

「「「こんにちは、女将さん。今日は城へのお土産もお願いしちゃって、大変だと思うけどよろしく頼むよ。」」」

 

 実は華琳さんに今日行く予定のお店を全部、保安上の理由で貸し切にされてしまっていた。

 『万が一』が有った時に他のお客さんを巻き込むからって言われたら、素直に言うことを聞くしかないよね…………。

 華琳さんも蓮華さんもそこまでしてないのに………武力がわたしの遥か上なんだから当然だけど。

 そんな訳で貸切にした事で売上を落としちゃうだろうから、せめてものお詫びにお土産をお願いしました。

 …………かえって迷惑になっちゃったかな…………。

 

「ねえねえ、このお店にチョコレートってないの?」

 

席に座ってすぐに香斗ちゃんが素朴な目で菫玲さんに質問した。

そんなに気に入ったんだ♪

 

「「「香斗、昨日も言っただろう。チョコレートは特別なお菓子だって。」」」

「うん。でも、お店にうってないって、爸爸たち言ってないよ?」

「「「………………そうだっけ?」」」

 

 もう、ご主人さまたちったら、ドジだなぁ♪

 昨日は香斗ちゃんから突然『ばれんたいんでー』の話しを聞かされてビックリしちゃった。

 天の国にはそんな風習が有ったんだねぇ。

 二刃ちゃんにも確認したから間違いない。

 なんでご主人さまたちはチョコレートを作る時にその話しをしなかったのかな?

 教えてくれていたら南蛮での可可豆(カカオ)栽培にもっと力を入れたのに。

 

「チョコレート、ございますよ♪」

 

「「「「ええっ!?」」」」

「ホントっ♪」

 

 わたしもご主人さまたちも菫玲さんの言葉に驚いて、思わず身を乗り出した。

 

「華琳さまから研究用にと可可豆を頂きまして、試作品なので売り物では有りませんが、今日の為に昨日からご用意していたんです♪」

「「「いいんですか?研究用の貴重な物を………」」」

「いえ、むしろ陛下には是非味見をして頂きたいです!本物のチョコレートの味を知っているのは陛下方と二刃様だけですから!」

 

 それは確かに。

 見た目が同じでも味が全然違ったら意味が無いもんね。わたしの料理みたいに…………自分で言っててヘコんで来たよ……………。

 

「「「そういう事なら是非食べさせて貰いたいな♪あ、代金はちゃんと払うからね!」」」

「いえいえ!華琳さまから研究費も頂いてますから!それに先程も言いましたけど、試作品にお金を頂くのは職人として絶対に出来ませんっ!!」

 

 菫玲さんも職人気質だなあ♪元草鞋職人としてその気持ち分かるよ♪

 

「おねえさんは爸爸たちにチョコレートあげるの?おねえさんも爸爸たちが好きなの?」

「はい?」

 

 え!?…………あっ!香斗ちゃんの言ってるのは『ばれんたいんでー』の事だ!

 

「いきなりすいません!天の国には女性が好きな男性にチョコレートを贈る『ばれんたいんでー』って特別な日があるらしいんです!」

「「「昨日、香斗にその話しをしたもんだから………」」」

 

 わたしとご主人さまたちが説明して菫玲さんも合点がいったみたい。

 

「香斗さま♪私には旦那がいますから♪あ、陛下方の事はもちろん好きですけど、それは人として好きって意味です。この都に住む者はみんな陛下方が大好きなんですよ♪」

 

 そうだ………みんながご主人さまたちを好きだから、わたし達はこんなに平和な光景が見れているんだ♪

 この幸せを大陸中に広げる為にはご主人さまたちの事をもっと多くの人達に知ってもらえる様にすればいいんだよね♪

 

「そうなんだ………爸爸たち、二刃おばちゃんとおばあちゃんからしかもらったことがないって言ってたからもらえるチャンスだったのにね……」

 

 え?お祖母ちゃん?………まさかお母さんがっ!?

 

「「「それも昨日、香斗がくれるって約束してくれただろ♪爸爸たちは楽しみにしてるぞ♪」」」

「あ!そうだった♪」

 

「香斗ちゃんそんな約束してたの?それじゃあ媽媽も頑張ってチョコレート作って爸爸たちにあげなきゃね♪」

「「「いっ!!??」」」

 

「ああっ!ご主人さまたちヒドい!ちゃんと味見して作ります!!」

 

「「「そ、そうか?………朱里と雛里にちゃんと教えて貰うんだぞ…………」」」

 

「あのぅ…………二刃さまと陛下の母上様がチョコレートをくれたというのは………」

 

 あ、お祖母ちゃんってお義母さまの事か!

 

「「「え?ああ、これはちょっと恥かしい話しなんだけど、俺って向こうで全然モテなくてさ。チョコレートを貰えない俺を憐れんで、二刃とお袋がくれるんだよね。」」」

 

 前に二刃ちゃんから聞いた話しから推測すると、きっと渡そうとした女の子はたくさん居たんだろうな。

 

「そういうのも有りなんですか。」

「「「他にも義理チョコとか友チョコとか言って渡すのもアリだよ。」」」

 

 ご主人さまたちの話しを聞いて菫玲さんがニヤリと笑って顔を寄せてきた。

 

「(そうやって売り上げを伸ばす策ですね♪)」

「「「(うん、実はそうなんだ。)」」」

 

 香斗ちゃんには聞かせられない話しだなぁ………。

 あれ?厨房の方から覗いてる二刃ちゃんと同い年くらいの青い服の女の子は…………確か菫玲さんのお弟子さんだ。

 どうしたんだろ?

 

「あのぅ………女将さん、あんみつとチョコレート、ご用意できましたけど………」

 

「え?ああ!話しに夢中になって忘れてたわ!」

「そ、それじゃあ、お席にお持ちします!」

 

「あっ!!」

「ちょっと待っ」

 

 わたしと菫玲さんが止めようとしたけど時既に遅く、女の子があんみつとチョコレートを載せたお盆を持ってわたし達の方に歩き出し、何もない所でつまずいてご主人さまたちの方へ向かって倒れ始めていた。

 

「きゃあっ!」

「「「危ないっ!」」」

 

 ご主人さまたちはとっさに立ち上がり、緑のご主人さまはお盆を受け止め、赤と紫のご主人さまは女の子の体を支えた。

 お盆の上のあんみつとチョコレートは無事だったけど、赤と紫のご主人さまの手が前のめりに倒れた女の子の胸をしっかり掴んでいて、女の子自身も倒れた時に伸ばした手が緑のご主人さまのズボンの前部分を掴んでしまっていた。

 

「うわぁ♪爸爸たちスゴーい♪」

 

 香斗ちゃんひとりがこの状況の意味を理解できずに手を叩いてはしゃいでいて。

 

「「「ええと……………………………」」」

 

ご主人さまたちは体が固まったまま冷や汗を流して青ざめて行き。

 

「あうあうあうあうあうあうあうあうあう…………」

 

 女の子は真っ赤な顔で涙目になりながら言葉にならない声を出して、身動き出来ずにいる。

 

「「はぁ~~~~~~~~……………」」

 

わたしと菫玲さんは予想通りの展開に深く溜息を吐いてから、女の子を助け起こした。

 

「まったく………だから陛下が居るときは店に出なくていいって言ったのに……」

「あ、あの…あの…あたし…………も、もうしわけ…ご、ござ……」

 

 さっきはあんなに真っ赤だったのに、血の気が引いて真っ青になってる!?

 なんかわたしを見ておののいている様な………あ、なるほど。

 これはあれだ。わたしが『この泥棒猫!』って怒り出すんじゃないかって思われてるんだ。

 

「わたしは気にしてないから安心して♪むしろあなたの事が心配なんだけど、大丈夫?」

「は、はひ………ら、らいじょうぶ……………」

 

 呂律が回ってない上に、また真っ赤になって俯いちゃった………さっきの状況を思い出しちゃったかな?こんな初心な反応見たの、昔の亞莎ちゃんや月ちゃん以来かも………可愛いなぁ♪

 

「ご主人さまたち、今の事はみんなに内緒にしておくからね。」

「「「あ、ありがとう、桃香………ふぅ…これで帰ってからどつき回されなくてすむ……」」」

 

これはご主人さまたちが悪い訳じゃないし、それにこの子の不安も拭っておかないとだしね。

 

「香斗ちゃんも今のは内緒だよ♪」

「え〜?爸爸たちおねえちゃんをたすけてカッコよかったのに〜」

「「「香斗………正義の味方は自分の行いを言いふらさないものなんだよ。華蝶仮面や見捨てない人もそうだろう?」」」

「そっかぁ………うん!わかった♪」

「正義の味方と言うよりも『性技の使者』って感じだけどね♪」

「あうあうあうあうあうあう…………」

 

 菫玲さんが変な事言うから、また真っ赤になっちゃった。

 

「本当にごめんね……ええと、良かったらお名前教えてもらえるかな?」

 

 女の子は驚いた顔でわたしと菫玲さんを交互に何度も見てから、俯いて小さな声で呟いた。

 

「………伊籍…機伯……真名は早苗(さなえ)………です……」

 

「伊籍機伯ちゃん…早苗ちゃんだね♪ご主人さまたちはよくこちらに来るから、もし今日みたいな事があったらわたしに相談してね♪」

 

「は、はい!お、お願いします!」

 

 ようやく笑顔を見せてくれた♪

 あ、なんかこの子、二刃ちゃんといいお友達になれるんじゃないかな?

 

「おねえちゃん、香斗とも真名のこうかんしてえ♪」

「は、はい♪早苗とお呼び下さい、香斗さま♪」

 

「「「あの………俺たちは?」」」

 

「ご主人さまたちは駄目!早苗ちゃんにあらぬ噂が立っちゃうし、ご主人さまたちも大喬ちゃんと小喬ちゃんの事を蒸し返されるよっ!」

 

「「「…………だよね………」」」

 

 はぁ…………ご主人さまたちの事をもっと知ってもらうってさっきは思ったけど…………考えて直した方が良さそう…………。

 

 

 

 

 

おまけ壱

『北郷二刃奮闘記』其の三十

リクエスト:北郷親衛隊の嫁    5票

 

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(めんふぉん)娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ) 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)

陳震 真名:菫玲(すみれ)

伊籍 真名:早苗(さなえ)

 

房都 商店街 甘味処               (時報:桂花八人目 妊娠二ヶ月)

【二刃turn】

 

「それでは雲雀さんと豹牙さんの二刃さま親衛隊への就任決定を祝しまして、不肖このわたくし、真珠が乾杯の音頭を取らせて戴きます。」

 

 あたし、真珠さん、門風さん、菫花さん、雲雀さん、豹牙さんの六人が湯呑み茶碗を持って立ち上がった。

 

「乾杯♪」

「「「「「乾杯♪」」」」」

 

 全員でお茶を飲み干してから拍手。

 

「「「「おめでとうございます♪」」」」

「「ありがとうございます♪」」

 

 と、いうわけで、雲雀さんと豹牙さんの二人があたしの親衛隊就任祝いが始まった。

 まずはみなさんが寝かせていた赤ちゃん達を抱っこし直してから椅子に座り直す。

 赤ちゃん達はみんな生後二ヶ月。なのでお酒は無しのお茶での乾杯です。

 そしてお茶だけではやはり寂しいので、甘い物を求めてこのお店にやってきました。

 午前中に兄さんたちと桃香さんが、香斗ちゃんの希望でこの店へ来るのは知っていたので、便乗して兄さんたちの後に使わせてもらう事にした。

 何せ乳幼児が五人も居たら他のお客さんの迷惑になるのは目に見えている。

 だったらいっその事貸し切でと言うわけ。

「来月からですけど、これからはずっと一緒ですね♪」

「来月からと言わず、今からでも着任できますよ♪」

「ふ、甘いな雲雀。私など今から既に二刃様の為に命を盾にお守りする覚悟でいるぞ♪」

「なにをっ!?言っている意味は同じ………いや!私はこの辞令を受けた時からだ!豹牙!」

「ならば私はこの白虎を産む時に傍で励ましていただいた時からだ!」

「ならばって、明らかに付け足しじゃないか!それなら私は二刃様と初めてお会いした時からだっ!!」

「なんだと!?では二刃様が降臨されたその日から…」

 

「いい加減にしなさい!雲雀!豹牙!」

 

 変な言い争いを始めた雲雀さんと豹牙さんを真珠さんが大声で止めてくれた。

 本当はあたしが止めるべきだったんだろうけど、なんか恥ずかしくなっちゃって…………。

 だって徐晃と張郃と言えば三国志ではかなり有名な武将だよ!

 そんな人があたしを守るなんて申し訳ないと思っちゃうよ………同時にかなり嬉しいけど。

 

「あなた方が二刃さまを好きだという気持ちは解ります。わたくしだって同じなのですから。しかし、そんな言い争いは二刃さまがお困りになるだけではないですか!」

 

「す、すまん…真珠………」

「も、申し訳ない………」

「謝る相手が違います。わたくしにではなく、二刃さまに謝罪なさい。」

 

「「申し訳ありません!二刃さまっ!」」

 

 二人が深々と頭を下げるので、あたしは慌てた。

 

「あ、頭を上げてくださいよ!確かに恥ずかしかったけど雲雀さんと豹牙さんがそこまであたしの事を想ってくれているのが分かってスゴく嬉しいですから!」

 

「あら、私達も二刃さまが大好きですのに。雲雀さんと豹牙さんに嫉妬しちゃいますね、菫花さん♪」

「そうですね、門風さん♪」

 

「門風さんも菫花さんもからかわないでください!」

 

 あたし達は声を出して笑い合った♪

 お義姉さん達とは少し違うけど、みんなあたしの事を妹の様に想ってくれているんだろうな♪

 

「盛り上がってるわねぇ♪はい、お待たせしました♪」

 

 女将の菫玲さんがお盆を持って厨房からやってきた。

 あれ?菫玲さんの後ろから一緒にお盆を持って来る青い服の子。初めて見る子だな。

 

「待っていましたよ、菫玲姐さん♪ここに来たらこのあんみつを食べないと始まりません♪」

 

 菫花さんは真名に同じ『菫』の文字が入っているということで、菫玲姐さんと呼んでいるそうだ。

 菫花さんは見たまんま可憐なので『スミレ』って感じがするけど、菫玲さんはもう少しタフな印象……なんて言ったら失礼か♪

 

「あら?あんみつの他にも………これはチョコレートではありませんか?」

 

 真珠さんの言った通り、お皿に盛られているのはチョコレート。

 しかも盛り付けが綺麗でオシャレなカフェか高級レストランのデザートみたいだ!

 

「確かにこの香りは、以前華琳様から戴いた物と同じだな。」

「うむ、菫玲さんはどうやってこれを?」

 

 雲雀さんと豹牙さんは以前に華琳さんが試作したチョコレートを食べていた。

 そして原料のカカオが希少だという事も知っている。

 

「華琳様からの特命で菫玲さんはチョコレートの研究を任されているんですよ♪」

 

 門風さんは稟さんの部下なのでその辺りの事情に詳しかった。

 話しを聞いた雲雀さん、豹牙さん、真珠さん、菫花さんが、ほうと感心して菫玲さんを驚きの表情で見ると、菫玲さんは顔を赤くしてはにかんでいた。

 

「チョコレートはお城で働いていた時以来ですね♪」

「本当に♪でも、菫玲姐さんも今まで内緒にされていたなんて……華琳様のご指示とあっては仕方ありませんけど………」

 

 真珠さんと菫花さんはあたしがここに来る前はメイド隊にいたって言ってたから、その時に食べたのね。

 

「内緒にしてたのは華琳様の指示じゃないよ。わたしにも職人の意地が有るからね。納得の行く物ができるまで言いたくなかったのさ♪」

 

 さすが『陳震』さんだけあって真面目な人だなぁ♪

 三国志で『陳震』は蜀の人で、逸話と言えば孔明に人柄を買われて孫呉に使者として赴いて、孫権にも誠実さで信用されたとか。

 後は孔明の北伐が失敗する原因となった李厳の性格を見抜いて忠告していたとか、派手さは無いけど人としてあたしもこう在りたいと思う人だ。

 

「桃香さまと香斗さま、三陛下にお出しして感想も戴いたんだけど、二刃さまのご意見もお聞きしたくてね♪」

「香斗ちゃん喜んだでしょ♪チョコレート好きだから♪」

「その前にひと騒動ありましたけどね♪」

 

 笑った菫玲さんがさっきの女の子の方を見てる………………これはもしかして………。

 

「兄さんたちがまたやらかした?」

「この子が勝手につまずいて倒れそうになったのを陛下方が助けてくださったんだから、悪いのはこの子にしっかり言い聞かせなかったわたしだよ。」

 

 今ので大体何が有ったのか想像がついた。

 真珠さん達五人も引きつった笑顔を浮かべているので、同じ想像をしてるに違いない。

 あたしは立ち上がって女の子の手を取った。

 

「ごめんなさいね、後であたしが兄さんたちを殴っておくから!」

「い、いえ………悪いのは私ですから………」

 

「いいえ!絶対にそんな事は無いわっ!昔っから兄さんに近寄った女の子は何故か恥ずかしい災難に巻き込まれるのよっ!!」

 

「(やっぱり昔からなんですね………)」

「(馬超将軍が一番の被害者ではないかしら………)」

「(陛下たちに出会わなければ『失禁馬超』なんてあだ名をつけられる事も無かったろうに………)」

「(ですけど、普段は男勝りの馬超将軍が陛下たちの前では赤くなってモジモジしている姿はとても可愛らしいですよね♪)」

「(あれはいい♪何とかあの極意を身につけてうちの人にしてやればもっと私を愛してくれるに違いない♪)」

 

 ……………翠さんにお土産買って行こうかな…………お詫びとして………。

 

「……………ええと………また兄さんたちが迷惑を掛けるかも知れないから、その時はあたしに相談してね!あ、名前教えてもらっていいかな?」

「は、はい!伊籍機伯です!真名は早苗って言いますっ!」

「真名も預けてくれるんだ♪うん!その信頼に必ず応えるからね♪」

「あ、ありがとうございます♪」

 

 早苗ちゃんか♪あたしと歳も近そうだし、良い友達ができたな♪

 今度、璃々にも紹介しよう♪

 名前はイセキか…………伊籍!?

 もしかして的廬が禍を呼ぶ馬だって指摘した!?

 孔明の下で蜀の法律を作った、あの伊籍かな?

 

 

 

「どうです?わたしの作ったチョコレートは…………」

「美味しいです♪華琳さん、朱里さん、雛里さんとはまた違った美味しさですね♪」

「ありがとうございます♪……………天の国の物と比べてどうでしょう?」

 

 菫玲さんが緊張してるみたいだったのはそういう事か。

 

「あたしの知ってる高級チョコレートに負けてませんよ♪」

 

 ゴディバとかガレーとかモロゾフとかロイズとか……………滅多に食べた事無いけど………。

 普段はブラックサンダーばっかり食べてました、はい。

 

「そうですか♪二刃さまにそう言って頂けて安心しました♪」

 

 心底ホッとしたって顔してるなあ♪

 カカオがもっとたくさん採れる様になれば身近なお菓子になってくれるんだろうな。

 

「そう言えば、陛下方から『ばれんたいんでー』の話しを聞きましたよ。」

「あ、やっぱりその話ししました?昨日桃香さんにも訊かれたから、やっぱり話題に出ましたか♪」

 

「何ですか?その『ばれんたいんでー』とは?」

 

 真珠さん達が不思議そうな顔でこっちを見ている。

 

「ヴァレンタイン・デーって言うのは二月十四日に女性が愛する男性にチョコレートを贈って告白できるっていう行事なんですよ。」

「え!?天の国ではその日以外は女性から告白できないんですか!?」

「そんな事はないんだけど………大義名分の有った方が行動を起こせるじゃないですか♪」

 

 みんな感心した様に頷いている。けど、菫玲さんがそこで付け足した。

 

「そういうのを『本命チョコ』って言って、家族やちょっと親しい男にあげる『義理チョコ』、女の友達に贈る『友チョコ』ってのも有るんだってさ♪陛下たちは天の国では二刃さまとお母上からしか貰った事がないって言ってたよ♪」

 

 兄さんたち、そこまで話したんだ………黒歴史なのに………渡そうとしていた人は居たんだけどねぇ。

 あたしの友達にも何人か『本命』を渡してもいいか相談された事が有った。

 初めの内は気安くOKしてたんだけど、その子達全員が当日を前に兄さんのラッキースケベの餌食に会って全て破綻した。

 それからは忠告する様にしたら、あたしが『ヤキモチやきの小姑』って噂が立ってしまいあれには辟易したけど、直ぐに兄さんのラッキースケベの方が有名になってあたしの噂はどっかに行ってしまった。

 兄さんが聖フランチェスカの高等部に入学してからは寮に行ってしまったので分からないけど、きっと同じだったに違いない。

 

「あの陛下たちがですか!?……………信じられません…………」

 

 今の兄さんたちしか知らない人はそう思うよねぇ…………。

 

「ま、まあ、兄さんたちの事は置いといて、みなさんも旦那さんにチョコレートを贈ってみてはどうですか?」

「私はチョコレートなんて作れませんよ!それよりも二刃さまこそ華佗先生にチョコレートを贈らないんですか?」

「あたしも手作りは無理!だけど菫玲さんが作ってくれたのを贈ろうかな♪」

「それって有りなんですか!?」

「有りですよ♪あたしが兄さんにあげてたのだって買ってきた市販品なんだから。」

「それなら…………菫玲さん!お願いしますっ!」

「「「「私もお願いしますっ!」」」」

 

 みんなが頭を下げると菫玲さんは胸を叩いて笑った。

 

「任せなさい♪但し、きちんとお代は頂くからね♪」

「あ、あまり吹っかけないで下さいよ………」

 

 今のカカオの価値を考えると結構な額になりそう………あたしも今からヘソクリ貯めよう!

 

「それじゃあ、菫玲さん。あたしも予約って事でお願いします♪」

「はい♪………………そうだ♪二刃さま、私じゃなく早苗にやらせていいですか?」

「え?早苗ちゃんに?早苗ちゃんって菫玲さんのお弟子さんだったんですか!?」

 

 てっきり店員さんだと思ってた。

 早苗ちゃんも突然の事で驚いてる

 

「ええ。筋が良いんで五ヶ月も有れば充分に満足して頂ける物が作れる様になりますよ♪早苗も目標が有った方が修行に身が入るだろうしね♪」

「そういう事なら是非♪よろしくね、早苗ちゃん♪」

 

「は、はひ……が、頑張りますっ!!」

 

 早苗ちゃん緊張してるけど、目が燃えてる!

 うん♪これは応援してあげなくちゃ♪

 

「それでひとつお願いが有るんですけど、一度華琳さまの所で勉強させられないですかね?」

 

 出稽古か。確かに腕を磨くには必要だよね。

 

「分かりました。今日帰ったら華琳さんにお願いしておきますね………そうだ、朱里さんと雛里さんにもお願いしておきますよ♪」

「だってさ♪良かったね、早苗♪」

 

「は、はい♪ありがとうございます!二刃さま♪女将さん♪」

 

 三国志の伊籍は孔明と法律を作ったけど、ここではチョコレートを作るっていうのも面白いよね♪

 

「(門風、お城で伊籍ちゃんを陛下に出会わない様にしてあげて下さい。)」

「(任せて下さい、真珠!稟さまから緊急動議として早急に対策会議を開いて戴きます!)」

 

 ちょっと早まったかなあ…………………。

 

 

 

 

 

おまけ弐

『聖刀くんの日常』其の二十九

リクエスト:炙叉        11票

 

61)北郷聖刀 真名:輝琳  七歳

 

本城 占術の間

【聖刀turn】

 

「こんにちは、炙叉媽媽…………あれ?居ないのかな?」

 

 直お姉ちゃんから炙叉媽媽が呼んでるって聞いて来たんだけど姿が見えない。

 場所もこの占術の間って言ってたのに。

 薄暗くしてある部屋の真ん中に小さめのテーブルが有って、その上に大きな水晶玉がクッションを台座にして置いてある。

 水晶玉はほのかに光を放っていて、とても神秘的な雰囲気を部屋全体に醸し出していた。

 ぼくが水晶玉を見とれていると、奥の部屋から気配がした。

 

「あ!聖刀ちゃん、もう来てくれたんだ♪」

「炙叉媽媽……………」

 

 ぼくは言葉に詰まった。

 だって炙叉媽媽が白いTシャツと黒っぽい短パン姿、髪も簡単にまとめたポニーテールなんだもん。

 なんか部屋の雰囲気に全然合ってない………。

 

「授業が終わった午後からでも良かったんだけど……もしかして他にも用事が有った?」

「いえ、特には。直お姉ちゃんに炙叉媽媽が呼んでるって言われて……時間の事は何も言ってなかったけど?」

 

 炙叉媽媽の額に血管が。

 

「それであの子は?」

「流星と遠乗りしてくるって行っちゃった……………」

 

 今度は眉間にシワが。

 

「帰ってきたらお仕置き決定♪」

 

 目と口元は笑ってるのにスゴく怖い…………。

 

「もしかして直お姉ちゃんにも用事が有ったの?」

「そうなのよ…………でも、せっかく聖刀ちゃんが来てくれたんだから用件を話しておくわ。お茶とお菓子を用意するからちょっと待ってね。あ、そこに座ってて頂戴♪」

 

 ぼくは言われるままにさっきの水晶玉が乗っているテーブルの椅子に座った。

 待っている間、ぼくはまた水晶玉を見つめていた。

 炙叉媽媽と吉祥媽媽がこの水晶玉で占いをしているのを何度か見た事が有る。

 どんな風に見えるんだろうな………。

 

「はい、お待たせ~♪取って置きのチョコレートよ♪二人で食べちゃいましょう♪」

「直お姉ちゃんが可哀想だよ。」

「いいの!これは罰よ!あ、その水晶玉邪魔ね。どけちゃわね♪」

「え?それでいまから占いをするんじゃないの?」

「へ?ああ、これただの照明よ。台座の所に真桜が作ってくれたカラクリが入ってるの。聖刀ちゃんの氣に反応して光ってたのね♪」

 

 なんか本当に色々とガッカリだよ………。

 

「さてと、それじゃあ早速本題なんだけど………呼廚泉、軻比能、千万、石周、阿羅槃とはどんな感じ?」

「仲良くしてます♪先日、真名も交換しました♪」

「え?………もう真名を?」

「え?これって普通じゃないの?知り合って四ヶ月だし、明兎ちゃんの時も同じくらいだったし………母上は父上に出会ったその日に真名を預けたって……炙叉媽媽もそうじゃなかったっけ?」

「いや、まあ…………そうなんだけど………御子様たちの場合は特殊すぎるからなぁ………」

「父上たちってやっぱり特別なんですね♪ぼくも早く父上みたいになりたいなあ♪」

「今のままなら間違いなく御子様たちを超えるわね…………」

「それって占い?ああ、日々の努力を怠るなって意味だよね♪うん、頑張るよ♪」

「そうね……足腰は特に鍛えといた方がいいわよ………ほら、チョコレートも食べて。」

「ありがとう、炙叉媽媽♪」

 

 ぼくは炙叉媽媽の出してくれたチョコレートをひとつ口に入れた。

 あ、これって菫玲さんのお店のだ。

 

「ねえ、聖刀ちゃん。チョコレートと言えば次のヴァレンタイン。覚悟しときなさいよ。」

「え?どういう事?」

「今までは眞琳ちゃんを始め姉妹からだけだったけど、これからは学園の新入生の子達からも貰う事になるわ。喧嘩が起きない様に注意しなさい。」

「???」

 

 冰蓮お姉ちゃんや恋々お姉ちゃん達がおやつの取り合いをしてるのを何度も見たけど、ぼくが貰う時に喧嘩をしているのを一度も見た事ないけどなぁ………そう言えばお姉ちゃん達から貰ったチョコレートって絶対にぼくひとりで食べる様に言うんだもん。いくら小さいのをひとつずつって言っても食べきるの大変なんだよね。

 

「まあ、忠告だけじゃどうしていいか分からないわよね。今から占ってあげる♪」

 

 炙叉媽媽がそう言ったのでてっきり水晶玉を使うのかと思ったら、タロットカードの方だった。

 

「さあ、これを好きな回数切ってみて………うん、それじゃあ始めるわよ♪」

 

 炙叉媽媽は置いたタロットカードの一番上をめくった。

 

 

 

【炙叉turn】

 

「最初は現状。聖刀ちゃん自身の事でも有るんだけど…………愚者の正位置……」

「あはは♪ぼくならそうだろうな♪」

 

 聖刀ちゃんはカードの名前そのままで受け取ったみたいだけど………これは『無意識』『直感』『大胆』って意味ね。

 

「次は過去。星の正位置。」

「どういう意味?」

「これは希望とか理想を意味するカード。媽媽達や御子様たちが聖刀ちゃんに抱いている想いってところかな♪」

 

 たぶんこれは『本能』と『純粋』だろうなぁ………。

 

「次は未来。運命の輪の正位置。」

「運命の輪…………何かが動き出すって事かな?」

「うん、そうだね♪」

 

 未来がコレとは………『節目』とか『転換期』か、それでも好転するのよね。

 本当に運命に愛されてるわ。

 

「次は障害。女帝の………逆位置。」

「ぼくの周りって女の人ばっかりだからもっと気を配れって意味?」

「お、聖刀ちゃんもカードの意味が解かって来たかな♪」

 

 違う!これは眞琳ちゃんだ!カードを見た瞬間に眞琳ちゃんの顔が頭に飛び込んで来た!

 しかも逆位置って、『過保護』『迷い』『流される愛情』…………これは後で眞琳ちゃんも占っておこう。

 

「次は対策。女教皇の正位置っ!?」

「どうしたの?」

「え、ええとね………落ち着いて話し合いましょうって事よ。」

「うん、分かった!」

 

 これって『禁欲的』『理性的な判断や行動』『ひらめき』…………普段の聖刀ちゃんのまんまじゃない!

 

「つ、次は願望………戦車の正位置………あはは♪これは聖刀ちゃんが前から言ってる通りね♪」

「え?ぼくは戦車が欲しいなんて思った事ないよ?」

「違う違う♪このカードは『旅行』『自立心』『新しい世界への出発』って意味が有るの。聖刀ちゃんは前から旅がしたいって言ってたものね♪」

「そういう事か♪でもスゴいね!ぼくの願望をピタリと当てちゃうんだから♪」

「私の腕を見直した?」

「うん!本当にスゴいよ♪」

「よ~し!いよいよ最後よ!結果は………………」

 

 次の一枚をめくって、出たカードは。

 

「…………………吊るされた男の逆位置………………」

「これって元が悪い意味なら良い意味なんだよね♪」

「そ、そうよ♪ほら、逆さまだから踊ってる様に見えるでしょ?だから結果は万事丸く収まるって事よ♪」

「そっか♪でもさっきの忠告を守って、この結果になる様に努力をしなくちゃ駄目なんだよね!」

「ええ…頑張ってね♪」

 

 最後の結果『吊るされた男の逆位置』の本当の意味は、

 

『無駄に終わる努力』『苦労が報われない』

 

 これは聖刀ちゃん本人じゃなくて、女の子達の事よねぇ………。

 こりゃ、しばらくは現状維持だわ。

 

 

 

 

 

おまけ参

リクエスト:恋姫麻雀大会    17票

 

本城 玉座の間                 (時報:桂花 十人目 妊娠六ヶ月)

【緑一刀turn】

 

 いつもは会議や謁見に使われる玉座の間。

 それが今は雀卓乱立する雀荘の様になっていた。

 何故こんな事になっているかと言うと、話は数日前の夜に遡る。

 

 

 

 その日、曹魏館の談話室で雪蓮、霞、秋蘭、星の四人が雀卓を囲んでいた。

 誰かが卓を囲んでいるのはいつもの事なので、俺たちは大して気にもせず聖刀を中心に子供達と遊んでいた。

 ジャラジャラと牌をかき混ぜる音が止んで、少ししてから突然四人の声が聞こえた。

 

「天和!」

「ええっ!?」「なんやてっ!」「何だとっ!」

 

「てんほーまま♪」

 

 聖刀は天和が帰って来たと思い辺りを見回すが、天和の姿はどこにも無い。

 天和はこの時、ヴァレンタイン・ライブの稽古中で三日前から泊まり込みになっていた。

 当然、ちぃ、人和、九蓮、四喜、一色も一緒だ。

 護衛には追っかけを隊長としたファンの兵を百人付けてあるので心配無い。

 しかし、聖刀は天和の子守唄がお気に入りで、三日も聞けていない事もあり過敏に反応した様だ。

 

「てんほーままいない………………うぅ………うえええええええええええぇ!」

 

 すかさず紫が泣き出した聖刀を抱き上げてあやし始めた。

 

「「稟、頼むっ!!」」

「はい!」

 

 俺と赤が稟に頼んだのは子守唄だ。

 稟もかなり歌が上手いのでお願いするのだが、やはりプロとの差はどうしようもないらしく、この時は聖刀が落ち着くまで少し時間が掛かった。

 

「聖刀さまが泣いているではないか!一体何が有った!?」

 

 聖刀の泣き声に反応して春蘭が部屋に飛び込んで来た。

 部屋に居た全員は雀卓を囲む四人を一斉に見た。

 

「すまん、姉者………つい熱くなってしまった………」

「秋蘭…お前が居ながら何をしている。」

「見ての通り麻雀だが?」

「星!貴様には聞いておらんわっ!」

 

 見るからにカオスしか生み出さない集団に、俺と赤が駆け寄った。

 

「「おい!これは何だ?」」

 

 そして雀卓の上を見た俺たちは目を疑った。

 親の秋蘭が天和で和了(あが)っているのはさっきの声で判っている。

 しかし、子の三人が全員聴牌(てんぱい)って、どう考えてもおかしいだろ!

 天和が出るだけでも驚異の確率だってのに!

 

「おい!これは何だ?」

 

 遅れてやって来た紫も同じ事を言った。

 稟と聖刀は厨房に居る華琳の所に行った様だ。

 

「普通に打っても面白くないから賭けの対象を変えようって話になってね。」

 

 最初に言い訳を始めたのは雪蓮だった。

 次に星が引き継いだ。

 

「うむ、来月のヴァレンタインの夜を賭けまして。」

 

 離れているとは言え、眞琳達が居るのでオブラートに包んだ表現になっていた。

 

「負けられん勝負に燃えてきたっちゅう訳や♪」

 

 ふむふむ、成程。

 

「そこで少々卑怯な手と分かりつつも…………つい………」

 

 申し訳なさそうに俯きつつも上目使いで言う秋蘭。

 なかなかにエロ可愛い仕草だが、俺たちは心を鬼にして突っ込んだ。

 

「「「四人で一緒にツバメ返ししてどうすんだよっ!!」」」

 

 

 

 なんて事が有って、俺たちは問題を解決する為にひとつの結論に達した。

 

「「「真桜レツ!全自動麻雀卓を作って欲しいナリよ!」」」

 

「またその口調かいな………ま、ええわ。天の国にはまだまだおもろい絡繰りが有るんやな♪よっしゃ、一丁気張って作るで♪」

 

 毎度お馴染み真桜の出番となった訳である。

 今まで色々な物を作ってきた真桜は、そのノウハウを活かして、僅か数日で一号機を完成させた。

 真桜の工房に弟子が入ったのも大きな要因だ。

 雇いの職人さんも含めて三十人近い人が働いていて、既に工房ではなく工場と呼んでいい規模になっている。

 一号機の評判は上々で、即座に二十台が生産された。

 

 

 

 と、いう訳で現在の玉座の間では、第一回天下一品麻雀大会『ヴァレンタイン記念』が開催されていたのだった。

 

「うおおおおおおおおっ!これならどうだあっ!!」

「むっ!そこかあああああああっ!!」

「やらせはせんっ!孫呉の栄光!やらせはせんぞおおおおっ!!」

「落ちろ……蚊トンボ。」

 

 もう一度言うが天下一品麻雀大会である。

 決して武闘大会ではない。

 

 そして、ついに決勝戦!

 最後の闘いの場に残った面子の紹介を、マイクを持ったたんぽぽが始める。

 

『ねえ!これやったら本当に順位あげれくれるの!?』

 

 どうやら司会を誰がやるかで裏取引が有ったらしい。

 負けた人間が勝ち残りを紹介する事になるんだから当然か…………。

 

『それじゃあ………決勝戦に挑むひとり目は!白蓮選手ぅ!………って、出落ちじゃん!』

 

「出落ちって言うな!」

 

 白蓮が準決勝を戦った卓から、肩を怒らせて決勝戦の卓へとやって来る。

 

『だって、なに!?このここまでの和了!全部断么(タンヤオ)平和(ピンフ)のリーヅモだよ!?』

「たまにドラが乗ってるだろ!」

『…………………………………言ってて悲しくない?』

「うるさいっ!」

 

 と、言うわけで、ひとり目は白蓮。

 たんぽぽはああ言っているが、白蓮の影の薄さ…いや、存在感殺し(プレゼンス・ブレイカー)がこの結果を生んだのだ。

 名付けるならば『ステルス白蓮』といった処か。

 ステルス白蓮のスゴい所は、この大会で一度も振り込んでいない事だ!

 その上、存在感殺しが卓に影響を与えるのか、他の面子も満貫以上が出ないという恐ろしい状況になっている。

 

『もう、次行っちゃうね。次の選手はぁ………華琳選手ぅ!その打ち方は時に静か、時に激しく、緩急自在!まるで優秀な人材を集める様に牌を手中に収めていく!』

 

「ふふ♪ありがとう♪」

 

 白蓮とは別の準決勝を行った卓から華琳が立ち上がって移動する。

 歩いている最中にもたんぽぽのアナウンスは続いた。

 

『麻雀においても覇王曹操に隙は無い!………あ、胸が唯一の隙かな?』

 

「胸は関係無いでしょっ!胸はっ!」

 

 なんか以前にも聞いた事が有る様なやり取りを交えつつ、華琳は卓に着いた。

 たんぽぽは負けた悔しさからあんな事を言っているのだろうが、華琳のおっぱいは昔に比べてカップがひとつ大きくなっているのだよ。

 

『さあ、続いて三番目の選手は………麗羽選手w!賭け事と言ったらやはりこの人だあああああっ!』

 

「おーーーーーーーーっほっほっほっほ♪一刀さんたちへの愛がわたくしを強くしてるのですわ♪」

 

 麗羽も別の卓から立ち上がり、余裕の足取りで移動する。

 気持ちは嬉しいが…………ああも、はっきり言われるとやっぱり恥ずかしいな………。

 

『袁家の幸運力に、自称ご主人さまたちへの愛を加えた麗羽選手は役もど派手!この大会だけで天和、地和、大三元、四槓子(スーカンツ)四暗刻(スーアンコー)単騎待ち、大四喜(ダイスーシー)、純正九蓮宝燈(チュウレンポウトウ)、国士無双十三面待ちと、まるで役満の見本市!どっかの誰かさんとは大違いだ!』

 

「悪かったなっ!!」

 

 白蓮…………お前は何も悪く無いぞ…………。

 

『こんな幸運の塊に闘いを挑んで勝てる者はいるのかあーーーーーー!!』

 

 

「「「ここにいるぞっ!!」」」

 

 

 俺は立ち上がって戦場へと歩き出す。

 緑の卓のジャングルに!

 そう、最後の面子はこの俺だ!

 俺たちが彼女達を迎え撃つラスボス!

 誰が出るかはクジ引きだけどな!

 え?俺たちが麻雀強いのかって?

 ふっふっふ………俺たちはこの城内で打った麻雀は無敗なのだよ!

 

 スーパーリアル脱衣麻雀しか打たないがなっ!!

 

 この時の俺たちの集中力はどんなイカサマも見逃さないぜ!

 因みに今回は脱衣麻雀じゃないぞ。

 子供達も見ているのにそんな事は出来る筈がない。

 それじゃあ勝てないんじゃないかって?

 そこは当然秘策を用意してあるさ♪

 

「香斗、おいで♪爸爸と一緒に麻雀しような♪」

「わ~~い♪」

 

 ギャラリー席から呼んだ香斗を膝の上に乗せる。

 今の俺にはエロパワーと同等の親バカパワーが有るのだ!

 奥さん達には一回勝つ度に子供をひとり呼ぶ事が出来るというルールを納得させた。

 最初は反対されたが、子供達を味方に付けて押し切ったのだ!

 

「一刀さん。あなたの覚悟、見届けましたわ!ですがわたくしも、今宵あなたと一緒にチョコを食べて、甘い一夜を過ごすと決めていますの♪手加減いたしませんわよっ!」

 

 子供達には話していないが、この勝負で賭かっているのは『夜の主導権』だ。

 負けたらどれだけ搾り取られるか解ったもんじゃない!

 

「ふ………受けて立つぜ、麗羽。袁家の幸運力………そんなオカルトありえません!」

 

「……………『おかると』ってなんですの?」

 

 麗羽は目を点にして首を捻っているが、横から華琳が呟いた。

 

「『オカルト』とは霊的儀式を指す言葉よ。でも一刀、貴方のしている事も傍から見れば似たような物よ。」

「華琳、俺のは集中力を上げる為の物さ。」

 

 俺はニヤリとニヒルに嗤って見せた。

 

「ねえ、爸爸。香斗は何をすればいいの?」

「香斗はそこで爸爸の応援をしてくれればいいんだ♪そうすれば爸爸は勇気百倍さ♪」

 

「集中力ねぇ…………」

 

 なんだ?華琳の呟きは楽しんでいる様に聞こえたが………。

 

「それなら私も貴方と同じ方法で集中力を上げさせて貰うわ♪」

 

「え?」

 

「眞琳!聖刀も連れてこちらに来なさい♪」

 

 な、なんですとおっ!?

 華琳が眞琳を膝の上に乗せ、更に眞琳の膝の上に聖刀をっ!

 

「眞琳ちゃん♪聖刀ちゃん♪やっほ~~♪」

 

 俺の膝の上で香斗は対面の眞琳と聖刀に手を振っていた。

 

「香斗ちゃん、のん気ねぇ………」

「かとおねえちゃ~ん♪」

 

 聖刀は手を振り返して喜んでいる…………まあ、いいか♪

 

「さあ、一刀!私の麻雀理論で今日こそ貴方を負かせてみせるわ!」

 

 こうしてついに決勝戦が始まったっ!!

 決勝戦なのでいつも俺たちがやっている飛び無しルールだ!

 何故飛び無しかって?

 

 脱衣麻雀を役満一発で全裸にしたら風情が無いじゃないかっ!!

 下着姿で、いや!トップレスで牌を打つ姿がっ!!…………………いかん、熱くなりすぎた。

 

 それはさて置き。席はどの卓から勝ち上がったかで決まっていたが、親は流石に賽ころを振って決め、最初の親は華琳から。

 

「見ていなさい、眞琳。今日こそ爸爸に勝ってみせるから♪」

「うん♪頑張って、媽媽♪」

 

 うっ………眞琳が華琳を応援する姿に動揺してしまった………いや!この局、俺が和了って眞琳を俺の手元に引き寄せる!

 

「ロン!大三元ですわっ!」

 

「「「なっ!」」」

 

 麗羽は華琳最初の捨て牌の九筒(ちゅうぴん)に直撃した。

 

「………やってくれるじゃない、麗羽………」

「華琳さん♪貴女の背中が煤けて見えますわよ♪」

 

 勝ち誇る麗羽を横目に、俺はこっそりと麗羽がツモる筈だった牌を見た。

 

「(九筒…………)」

 

 ロンで大三元、ツモで地和。どっちにしろ役満。しかも九筒単騎待ち…………。

 おっかねぇええぇ!さっきは『ありえない』とか言ったが、やはり麗羽の幸運力は侮れないぞ………。

 

 続いて東二局。南家の麗羽の親。

 どうか天和だけは避けてくれっ!

 

「あら?なんだか配牌がよろしくありませんわね………まあいいですわ。」

 

 麗羽が(ぺー)を捨てた……………ふぅ……助かった。

 

「香斗、パパ頑張るから応援しててくれよ♪」

「うん♪」

 

 八順後、ついにその時がやってきた。

 

「ロン!緑一色(リュウイーソー)!」

「なんですって!?」

 

 俺は麗羽の捨てた六索(リュウソ)に直撃!やはり麗羽は俺の捨て牌を読んでないな。運に頼った打ち方だからその時に出た牌しか見てないんだ。

 華琳は俺の捨て牌に索子が無いのを普通に警戒していた。

 

「さすが一刀さんですわね。このわたくしからロン和了なんて………ですがこれからですわよ♪おーーーーーーーーっほっほっほっほ♪」

 

これで麗羽が華琳から奪った点が丸々俺の所にやって来た訳だ。

しかし、次の東三局。

 

「ロン!四喜和(スーシーホー)!」

 

 今度は俺が華琳に放銃してしまう………これで点棒が振り出しに戻ってしまった。

 こんな感じで試合が進み、あっと言う間にオーラスの南四局。

 白蓮の親で、点数は28600。華琳と麗羽が揃って23900で俺が23600………役満があれだけ出てて、なんだこの点数は!?

 普通なら簡単にひっくり返せる点差だが、白蓮が親になった途端に配牌が厳しくなった。

 これも存在感殺し(プレゼンス・ブレイカー)の力か!

 実は前の白蓮が親の時も同じ状況だった。その時も気を付けようと思った筈なのに、何故か他の事に気を取られている内に忘れちゃうんだよな………。

 始まる前に『ステルス白蓮』と言ったが、対戦するとそのスゴさがよく分かる。

 但し、攻撃力はステルス爆撃機って程では無いんだよなぁ。

 敢えて言うならば……………輸送機?

 点棒を運ばれた。みたいな。

 それはさて置き、現実に目を向けるか。

 白蓮との点差を考えると八十符一翻以上か四十符二翻以上を直撃する必要があるな。

 対して白蓮はツモのみでもいいから和了ればいい。

 存在感殺しに支配された空間で高い役を和了るのはほぼ不可能だろう。

 それでも麗羽は満貫以上を狙って来る。

 何故ならそれは麗羽だからだ。

 やはり最大の難敵は華琳だな。

 白蓮の二回のツモで、華琳も気が付いたに違いない。

 存在感殺しの弱点に!

 そう、俺も気が付いているのだ。この状況を打破する方法を!

 

 以前、炙叉から存在感殺しの説明を受けた時に、『幸運と不運は振り子みたいな物』という例えをした。

 つまり、白蓮がトップに立ったので揺り返しが有る筈なのだ。

 そのチャンスはたった一度!

 白蓮が上がれなかった時点でこの半荘は終了。

 ここでトップに立てなければ駄目なのだっ!!

 

「香斗!眞琳!蓮紅!お前達の力!今こそ借りるぞっ!」

 

 俺は二回和了っているので、眞琳と蓮紅を左右に座らせている。

 膝の上に座っている香斗と合わせて、三人の愛娘を抱きしめ、親バカパワーをMAXに引き上げた!

 

「爸爸、がんばれ〜♪」

「お父さまったら、しょうがないなぁ。」

「媽媽が勝ったらどうなるのかも、興味有ったんだけどなあ♪」

 

 眞琳…………恐ろしい事を言わないで………。

 

「何やってんだか、一刀は…………後で白煌とも遊んでやってくれよ?」

 

 白蓮自身は存在感殺しの事を知らされていないから水面下で何が起こっているのか解っていない。

 そして持っていた捨て牌が手を離れた!

 

「ローーーーンッ!!一盃口(イーペーコー)・ドラ1!2600っ!!」

 

「え?」「一刀さん!?」「一歩間に合わなかったか……しょうがないわね♪」

 

 これで白蓮が26000。俺が26200で逆転勝ちだっ♪

 

 

 

「「やったな♪緑♪」」

「はっはっは♪無敗伝説は守りきったぜ♪」

 

「爸爸おめでと〜♪」

「おめでとうございます、お父さま♪」

「おめでとう、爸爸♪はい、これ。ヴァレンタインのチョコよ♪」

 

 眞琳、香斗、蓮紅の三人が、可愛くラッピングされたチョコを手渡してくれ、それを皮切りに他の子供達も俺たちの所にチョコを持って駆け寄ってくる。

 

「「「ありがとう♪爸爸たちは最高に幸せだよ♪」」」

 

 

 

【華琳turn】

 

 子供達からチョコレートを受け取る一刀たちを、私達は微笑んで見守っていた。

 

「また勝てませんでしたわねぇ………でも、子供達が嬉しそうで何よりですわ♪」

「何を言ってるの、麗羽。本当の勝負はこれからでしょう?」

 

 私が横目で言うと、麗羽も乗ってきた。

 

「よろしいですわね。その勝負、受けて立ちますわ♪」

 

「お、おい!華琳!麗羽!これからまた卓を囲むのか!?」

「違うわよ、白蓮。夜の話しよ。」

「囲むのは卓ではなく、一刀さんたちですわ♪」

「ええ!?そりゃ、この麻雀で順番を決めるとは言ってたけど………それに勝ったのは一刀たちだし…………」

 

 いつまで経っても前に出ようとしないわね、白蓮は。

 

「だから、勝っていい気になっている一刀たちを如何に誘導するかの勝負よ♪」

「ゆ、誘導!?わ、私は………そういうの苦手なんだけど………」

「では、わたくしと華琳さんを見て勉強するのですわね♪」

「で、でも……その…えっと…………」

 

 まだゴニョゴニョ言ってる白蓮は置いておいて、私は再び一刀たちへ視線を戻した。

 

「ふふ♪麻雀の借りを閨で返させてもらうわよ、一刀♪」

 

 

 

 

 

おまけ肆

『娘からの質問~爸爸をどうして好きになったの?~三国王編③(桃香・香斗)』

 

本城 玉座の間                 (時報:桂花 十人目 妊娠六ヶ月)

【香斗turn】

 

 爸爸たちにチョコをあげた後、香斗は妹達と場所を代わってあげた。

 さっきは緑爸爸のお膝をひとり占めしちゃったから。

 香斗はお姉ちゃんなんだから妹達のことを考えてあげなくちゃなのだ♪

 

「お帰りなさい、香斗ちゃん♪」

「おねーちゃ♪」

「ただいま、媽媽♪桃花ちゃん♪」

 

 テーブルに戻ると媽媽と抱っこされた桃花(とうふぁ)ちゃんが笑顔でお迎えしてくれて、そして媽媽の隣に、

 

桜香(おうか)お祖母ちゃん♪」

「お疲れさま♪香斗ちゃん♪」

 

 とっても優しい桜香お祖母ちゃんがいます♪

 桜香お祖母ちゃんは三カ月前にお墓参りをした時に、お城へお引っ越してきてくれました。

 

「でも、香斗つかれてないよ。爸爸の応援してただけだもの。」

「ふふふ♪一刀さんが勝てたのは香斗ちゃん達のおかげね♪」

「そうかな?だったら嬉しいな♪」

「ふふ♪香斗ちゃんは本当に爸爸が大好きなのね♪一刀さんは初めて会った時から子供に好かれる方だったわねぇ♪鈴々ちゃんとか朱里ちゃんとか雛里ちゃんとか♪」

 

「お母さんっ!鈴々ちゃんは今の香斗ちゃんと同じくらいだけど、朱里ちゃんと雛里ちゃんはあの頃子供っぽいの気にしてたんだよ。もう少し気を遣ってあげてよ!」

 

 鈴々媽媽が爸爸に出会ったのってそんな頃なんだ………。

 

「ねえ、媽媽。媽媽は爸爸に出会った時、どう思ったの?爸爸を好きになるのに時間かかった?」

「え?どうしたの、香斗ちゃん?突然そんな事訊いて?」

「聖刀ちゃんが生まれたばっかりの頃に、眞琳ちゃんと蓮紅ちゃんが華琳媽媽と蓮華媽媽からどうして爸爸を好きになったか聞いたのを教えてくれたの。あの時はなんでそんな事訊くのかなぁって思ってたけど………今はその気持ちが分かるから………」

 

 媽媽と桜香お祖母ちゃんは顔を見合わせると、うなずいてから香斗を見た。

 

「そっか…香斗ちゃんも、もう女の子だもんね。気になっちゃうか………」

 

 そう言って、媽媽は桃花ちゃんの頭を優しくなでながらお話ししてくれた。

 

「媽媽が緑爸爸に会えたのは、吉祥媽媽が予言をしてくれたからなの。お墓参りの時にも見た五台山って覚えてる?あそこに『天の御遣いが流星に乗って東の空から現れる』って吉祥媽媽が教えてくれて、媽媽は愛紗ちゃんと鈴々ちゃんの三人で昼間に流星を見て、それを追いかけた先に緑爸爸が寝てたの♪媽媽は初めて爸爸を見た時から『この人が天の御遣いだ』って思ったんだけど、愛紗ちゃんも鈴々ちゃんも疑っててね、でも媽媽が爸爸に色々な質問をして、やっと爸爸が『天の御遣い』だって納得してくれたの♪」

 

「媽媽は爸爸を初めて見た時から、爸爸の事がわかったんだ!スゴいねぇ♪」

 

「そうだよぉ♪媽媽は爸爸が素敵な人だって一発で見抜いちゃったんだから♪でも、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんも納得してくれたって言ったでしょ。その後、ご飯を食べてお皿洗いをして、お酒を持って桃園まで行って………」

「お皿洗い?」

「え?あ!あははは~………何でもないよ~♪……で、桃園で爸爸に真名を預けて、わたし達は死ぬまで共に歩みますって誓い合ったんだよ♪」

 

「それって…………結婚式?♪」

 

「………………あれ?そう言えば………………あの時から『ご主人さま』って呼んだんだっけ…………そうだね♪あの時媽媽は爸爸と結婚したんだね♪」

 

「初めて会って、その日の内に結婚しちゃうなんて、媽媽はそんなに爸爸が好きになっちゃったんだ♪」

 

「あ、あはは~………そ、そうだねぇ~………」

「(桃香…………本当はあなた、そこまで考えて無かったでしょ♪)」

「(うん…………世の中を正す事に頭が行っちゃってて………今考えると我ながら大胆な事してたよねぇ………)」

 

「ねえねえ!それじゃあ紫爸爸と赤爸爸と初めて会った時はどうだったの?」

 

「あれはビックリだったよ!噂で『天の御遣い』が後二人居のを知って、しかも名前も同じ『北郷一刀』で、実際に会ってみたら…………」

 

 媽媽が爸爸たちの方を小さく指さした。

 

「あんな感じだもんね…………でもね、三人揃ってからの爸爸たちは、それまで以上に活躍して、ドンドン格好良くてなっていったんだよ……♥」

 

 媽媽がウットリしてる!これが恋してる女の顔なんだぁ………。

 香斗にもこんな風に恋をする相手が現れるのかなぁ?

 

「そう言えば、一刀さんの雰囲気が洛陽から戻った時に変わっていたわねぇ。あの時は下邳への急な引越しで慌ててたし、色々と大変な時だったからあまりお話しをする時間が無かったけど。」

「桜香お祖母ちゃんも爸爸がカッコよく見えた?」

「ええ♪とても凛々しくて、素敵でしたよ♪」

 

 えへへ♪なんか嬉しいな♪

 

「そうだ♪桜香お祖母ちゃんも爸爸たちにチョコあげない?」

「え?………わたくしが…………一刀さんたちに?」

 

「うん♪爸爸たちね、天の国に居た時は向こうのお祖母ちゃんからもらってたんだって。今は向こうのお祖母ちゃんが爸爸たちにチョコをあげられないでしょ…………だからね………」

 

 桜香お祖母ちゃんは少し困った顔で媽媽を見た。

 

「…………どうかしら、桃香?わたくしが一刀さんたちにチョコを差し上げても大丈夫?」

「う、うん…………そういう事なら………厨房にチョコレートの予備もまだ有るし………」

 

「それじゃあ取りに行ってくる♪」

 

 急いで厨房からチョコをもらってこなきゃ!

 ふふ♪爸爸たち、喜んでくれるだろうな♪

 

 

 

 

 

おまけ伍

『ヴァレンタインの男達』

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(めんふぉん)娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ) 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)

 

本城 皇帝執務室                 (時報:桂花八人目 妊娠二ヶ月)

【緑一刀turn】

 

 桃香と香斗とのデートの翌日、俺たちは駕医と北郷親衛隊を集めてミーティングを行う事にした。

 議題はヴァレンタインについてである。

 

「「「来年の二月十四日にヴァレンタインを行う事が決定した!」」」

 

 親衛隊の目が点になったいた………そりゃそうだ。まだなんも説明してないからな。

 隊長の兄ぃが代表して手を上げる。

 

「あの…………『ばれんたいん』って何でしょう?」

 

「違うっ!『ヴァレンタイン』だっ!!」

 

 駕医………言うと思ったよ………。

 

「え、ええと………う…うわれんたいん?」

「違うっ!『ヴァレンタイン』だっ!」

 

「「「まあまあ、駕医。みんなには練習する時間をあげてくれ。」」」

「そうか?………うむ、それもそうだな。」

 

 昔からこうすれば良かったんだな………みんな駕医の迫力に圧倒されて慌てるから、そこまで気が回らなかったんだろうけど。

 

「「「さて、気を取り直して、ヴァレンタインという行事の説明をしよう。俺たちの居た国では二月十四日に女性が好きな男性へチョコレートを贈るんだ。」」」

 

「それを来年やるんですか………またひと騒動有りそうですね。頑張って下さい。」

「「「なに他人事みたいに言ってるんだよ!お前達だって奥さんから渡されるんだぞ!」」」

「えっ!?ですが材料となる可可豆が少なくて、チョコレートは希少ですよね?」

 

「「「それがな………今日の報告で…………今年のカカオが去年の十倍採れるらしい………」」」

 

 絶対に外史の力が働いてるだろ、これ!

 俺たちも報告書を見た瞬間に椅子から転げ落ちたわっ!

 

「「「昨日、二刃がお前達の奥さんに会っているのは当然知ってるよな。そこで話題になったんだよ。」」」

 

「五ヶ月も先の事を?気が早すぎやしませんか?」

 

「「「いや、前の日に香斗と桃香にヴァレンタインの話しをして、更に桃香が二刃に話したんだよな………」」」

 

「「「「「「結局北郷さまの所為じゃないですかっ!!」」」」」」

 

「みんなそういきり立つな。お菓子を貰うだけの話しだろう♪」

 

 駕医は普段から患者さんに差し入れを貰ってるんで、同じ感覚の様だ。

 

「「「それがそうじゃないんだ、駕医。そしてみんなにもお詫びの意味も有ってヴァレンタインの作法という物を教えようと思って集まってもらったんだ。」」」

 

「ヴァレンタインの作法?二刃はそんな事言ってなかったが………」

「「「二刃から言えない事も有るし、天の国でも男の間にしか伝えられない事も有るのだ。駕医はホワイトデーの話しを二刃から聞いたか?」

「いや………それはなんだ?」

「「「ヴァレンタインにチョコを貰った男は三月十四日にお返しを贈らなければならいシキタリが有ってな。三倍返しが相場と決まっている。」」」

 

「さ、三倍ッスか!?チョコレートってどれ位の価値になるんスか?…………」

 

 追っかけが戦々恐々といった体で訊いてきた。

 こいつは小遣いの大半を数え役満ファミリーズにつぎ込んでるからな。

 ヘソクリなんて殆ど無いんだろう。

 

「「「今の所は飽くまでも研究用という名目だし、カカオの量が十倍になったからって価値が十分の一になるわけでもないから………簡単に計算しても甘栗一粒くらいの大きさで米一俵にはなるな。」」」

 

「ゲフッ!」

 

 追っかけが血を吐いて倒れた。

 すかさず駕医が介抱しているので問題無いだろう。

 しかし、他のみんなも血の気が引いている。

 

「チョコレートに関しては俺たちから助成金を用意する。問題はこの後だ………」

「まだ……………何か有るんですか?」

 

 尻好きが訊いてきたが、多分こいつは察している。

 

「「「お前達は奥さんから『愛を込めて』贈られるんだ。当然その夜は求められるな。」」」

 

 俺たちの言葉が脳に染み込んで行くと、顔の血の気が更に引き、もう蒼白になっていた。

 

「まさか…その『ほわいとでー』に三倍頑張れと…………………」

 

 兄ぃ、追っかけ、兄者、弟者も尻好きと同じ状態になり、駕医は反対に赤い顔をして照れ隠しに笑っている。

 しかし、ただひとり平然としている奴が居た。

 そう、この中で唯一独身のインテリだ。

 

「独り身の私には解らない悩みですね。まあ、みなさん頑張って奥様の愛に応えて下さい。」

 

「「「なあ、インテリ……お前、仲の良い女の子って本当に居ないのか?居れば奥さん達の力を借りてなんとかしてやるぞ。」」」

「どうしたんですか!?その妙な優しさは!?」

「「「いや………昔の自分を思い出してな………天の国に居た頃の俺は二刃とお袋からしかチョコを貰った事が無くてさ………友達が女の子からチョコを受け取るのを見て、心の中で涙を流したものさ………」

「ほ、北郷さま……………例え家族からでもチョコレートという高価な物を戴いたのであれば……」

 

「「「向こうじゃ安いチョコは肉まん以下の値段で買えるんだよっ!」」」

 

「それは………なんとも…………」

 

インテリはあだ名の通り聡い奴だから、肉親からしかチョコレートを貰えないという事の意味を理解してくれただろう。

 

「「「それにな、インテリ………貂蝉と卑弥呼にもヴァレンタインの話しが伝わってしまってな…………」」」

「な、なんですか…………とても嫌な予感しかしないのですが…………」

「「「独り身のお前が可愛そうだと言って、二人が義理チョコを………」」」

 

「それは肉親から貰うよりも悲しくて恐ろしい話しですよっ!!」

 

だよなぁ………貂蝉と卑弥呼からの義理チョコしか貰えないとなったら、俺はその場で首を吊るぞ。

 

「「「そこでだ!今回は特別に朱里と雛里からチョコを貰える様に頼んでやる。」」」

 

「ええっ!?よ、よろしいのですか!?」

「「「戦乱の頃に二人を守ってくれた事も有っただろう?大丈夫だって♪」」」

 

「あ、ありがとうございます!ありがとうございますっ!!」

 

 インテリは涙を流して泣き崩れた………義理チョコと判っていても嬉しいものは嬉しいよな。

 お前にも早く嫁さんを世話してやるからな…………。

 

「「「なあ、インテリ。警備隊の女の子やメイド隊の子に声を掛けてみたらどうだ?」」」

 

 先ずはインテリ自身が女の子に好かれる様にしてやるべきだよな。

 

「それがですね………どうも彼女達から警戒されている様でして……」

 

「「「「「それはお前が姫さま方の周りに出没するからだっ!!」」」」」

 

 

 ………………………………本当に早くこいつを結婚させないと。

 もう、城内から探すのは無理っぽいな………。

 

 

 

 

【エクストラturn】

 時は移り、聖ヴァレンタイン・デー当日。

 一刀たちから伝えられた極普通の日本人的知識しか持たない彼らにとって、キリスト教的な聖なる日の意味を知る由もないが、愛を誓い合い夫婦となった伴侶と過ごす特別な日となったのは間違い無い。

 兄ぃ、追っかけ、尻好き、兄者、弟者にすると『聖』よりも『性』…………いや、『牲』の方が合っていただろう。

 先ずは彼らがどのような初ヴァレンタインを過ごしたか見てみよう。

 

【兄ぃの場合】

 

 北郷親衛隊の面々は一刀たちの奥さん達の配慮により、かなり早い時間に自宅へと帰された。

 彼女達は純粋な厚意で行った事だが、彼らにしてみれば刑の執行を早められた気分である。

 兄ぃが重い足取りで自宅に戻ると、小柄で月と似た雰囲気を持つ菫花がメイド服を着て満面の笑顔で出迎えた。

 

「き、菫花?………そのメイド服は…………」

「お城でお勤めしていた時の物です♪今日は特別な日ですから♪」

 

 菫花の着ているメイド服は月の物とよく似たロングスカート型で、清楚な雰囲気を醸し出している。

 

「あなた♪今日はヴァレンタインという天の国の祝日なのですよ♪知っていましたか?」

 

 兄ぃは一刀たちから『ヴァレンタインの作法』として教えられた言葉を思い出していた。

 

 『いいか!女性から言い出すまで知らない振り、気付かない振りを貫け!』

 

 一刀たちの主観と人生経験から導き出された『作法』だが、兄ぃはそんな事知らないので素直に従う。

 

「へえ、そうなんだー。それってどういうものなんだい?」

 

 完全に棒読みだが、舞い上がっている菫花は気付いていない。

 

「ふふ♪それがですねぇ………」

 

 五ヶ月前に一刀たちから教えられた知識が、菫花の口から再び伝えられた。

 

「ええっ。チョコレートにそんないみがあったのかー。おどろいたなー。」

 

 操り人形の様な身振りも加わり、不自然な事極まりない。

 しかし兄ぃも、この日を楽しみにしていた菫花をガッカリさせない様に必死なのだ。

 ここは温かく見守ってあげて欲しい。

 

「ですから………その、これを…………」

「これってチョコレートぢゃないか。こんな高価な物を。ありがとう、菫花。あいしてるよ。」

「私もです♪あなた♥」

 

 

 

【尻好きの場合】

 

 尻好きが家に帰ると、やはり兄ぃと同じ様に妻の真珠が出迎えていた。

 そして真珠もメイド服を着ている。

 彼女のメイド服は詠と同じミニスカート型である。

 真珠は母の雷火とは似ておらず、むしろ蓮華に近いプロポーションを持っている。

 

「し、真珠!?」

 

「あ、あまりジロジロ見ないで下さい!お城にお勤めしていた頃より、またお尻が大きくなったみたいで…………」

 

 真珠はスカートの裾を押さえて隠そうと頑張っているが、成長したお尻の所為で丈がギリギリになっていた。

 そんな恥じらう真珠の姿を見たら、尻好きの魂は一気に燃え上がってしまった。

 

「し、真珠………と、とにかく家に入ろう……」

 

 尻好きは前屈みになりながら真珠の手を取り玄関をくぐる。

 

「はい………今日はあなたに贈り物が有るんですよ♪チョコレートなのですけど……」

 

 真珠が歩きながらヴァレンタインの話しをしているのだが、尻好きの頭には全然届いていなかった。

 

 

 

【追っかけの場合】

 

 追っかけと門風は一緒に本城から帰り、その道すがらヴァレンタインの話しをした。

 自宅に戻ると門風はチョコレートを持ってくると言って自室へ向かう。

 ひとりで居間に行き椅子に座って寛ぐと、追っかけはつい独り言が漏れた。

 

「ヴァレンタインっスか…………俺も独り身だったらインテリみたいに人和ちゃんからチョコが貰えたんスかねぇ…………っと、何を言ってるんスか、俺は!門風が俺の為にチョコをくれるんスから、この幸せを感謝しなくちゃっス!」

 

 一刀たちはこうも伝えていた。

 

『感謝の気持ちを忘れるな!土下座をしても手に入らないのがヴァレンタインチョコなのだ!』

 

「北郷さまたち、チョコ欲しさに土下座した事があるんスかねぇ?……………あの人たちならやりそうっス…………」

 

「お待たせしました♪」

 

 門風の声に顔を上げて振り返ると。

 

「め、門風!?そ、その服は…………」

 

 門風は人和のステージ衣装を着て、チョコレートの小さな箱を両手で持っていた。

 

「複製品ですけど…………前から着てみたくて………」

 

 門風も昔からのシスターズファンだ。

 アイドルに憧れてその衣装を着てみたいというのは、女の子として普通の事だろう。

 

「それに、あなたが喜んでくれるかと思って………」

 

 門風は普段から人和と同じデザインの眼鏡をしているので、今は完璧なコスプレ状態である。

 図らずも追っかけが先程口にした事が、擬似的ではあるが実現したのだ。

 

「チョコレートください。」

 

 追っかけは椅子から飛び降りてフライング土下座でお願いした。

 

 

 

【兄者と弟者の場合】

 

 兄者と弟者は両家共用の居間で卓に着き、その向かいには雲雀と豹牙が座っている。

 卓の上には包装を解いたチョコレートが置いてあった。

 兄者と弟者は一刀たちに言われた事のひとつを思い出していた。

 

『高価なチョコレートは貰った物だからと言ってひとりで食べては駄目だ!必ず奥さんと分けて一緒に食べろ!味の感想なども言い合って、話題のひとつにするんだ!』

 

 二人はそれを実践しようと思っていた。

 チョコレートの実物を見るまでは。

 

「チョコレートって……………」

「こんな形にすることも出来るんだな、兄者………」

 

 それは世に言う『おっぱいチョコ』だった。

 

「はっはっは♪どうせならあんた達の好きな物にしようと思ってな♪」

「二刃さまには呆れられたが、菫玲さんは面白がって作ってくれたぞ♪」

 

 チョコレートの大きさはトリュフより少し大きいくらいだが、その形は兄者と弟者のよく知る物と酷似している。

 

「「これってもしかして…………」」

 

「ああ♪私達のを元にした♪」

「例えチョコレートと言っても、他人の物を食べさせるのは嫌だったからな♪」

 

 果たして本人のおっぱいを元にした『おっぱいチョコ』を一緒に食べようと勧めて良いものだろうか?

 兄者と弟者は脂汗を流しながら必死に答えを探している。

 

「早く食べてくれ♪」

「チョコレートの後は本物を食べさせてやるぞ♥」

 

 これみよがしに胸を突き出す雲雀と豹牙。

 兄者と弟者の喉がゴクリと鳴る。

 

 飲み込んだのは生唾なのか、それとも覚悟なのか…………。

 

 

 

【駕医の場合】

 

 後宮の中庭に有る駕医と二刃の家。

 その居間で駕医と二刃は二人きりの時間を過ごしていた。

 

「駕医さん♪はい、ヴァレンタインのチョコレート♪」

 

 そう言って差し出したのは、北郷家の家紋の十文字を刺繍した錦に包まれた小箱である。

 

「ありがとう、二刃♪一緒に食べないか?」

「え?………でも………」

「伊籍さんが丹精込めて作ってくれた物だろう?一緒に食べてお礼を言おうじゃないか♪」

「うん♪そうだね♪」

 

 駕医が包を開けると桐の箱が出てきた。その箱にも十文字が刻印されている。

 

「うわあ…………こんな立派なチョコレートの箱って初めて見た………」

「うん。ここまでしてくれるとは………恐縮してしまうな………」

 

 桐の箱を開けると中は綺麗に間仕切りされて、トリュフが八個入っていた。

 そのひとつを駕医がつまみ上げると、二刃の方に差し出した。

 

「ほら、あ~んして♪」

「え?…………それなら、駕医さんも♪」

 

 二刃もひとつつまんで駕医の口元に持って行く。

 二人は同時にチョコを口に含んだ。

 

 

 

 なんだか説明するのがバカらしくなってくる程、仲のいい二人だった。

 

 

 

 さて、以上六組の夫婦のチョコレートは菫玲と早苗が作った物だが、菫玲はこのチョコレートにあるサービスをしていた。

 菫玲は一刀たちに『夜菓子』も作っている。

 夜菓子に使っている強壮作用の漢方薬もチョコレートに練りこまれていたのだった。

 

 

 

 では最後に残ったひとりを見てみよう。

 

【インテリの場合】

 

「うひょおおおおおっ!これが諸葛亮さまと鳳統さま手作りのチョコレート!!」

 

 インテリは自宅で朱里の作ったチョコレートケーキと雛里の作ったチョコクッキーを前に奇声を上げていた。

 

「ど、どうしましょう!?食べてしまうのは勿体無いですが、食べなければ腐ってしまう!あああああああああ!こんなことなら李典将軍からカメラを借りてくるんだったあああああああああああっ!!」

 

 頭を抱えて部屋の中をゴロゴロと転げまわったり、じっくりと見つめて記憶の一番深い所に刻みつけたり、祭壇を組んで祀ってはその周りを踊ってみたりと思い付く限りの方法で喜びを表現していた。

 近所からは一晩中続いた奇声や物音に、苦情を言うよりも関わる事を恐れられた。

 結局、夜が明けてからインテリはチョコケーキとチョコクッキーを口にしたのだった。

 

 

 

 そして二年後。

 インテリが孟達(真名:太白)と結婚して、初めてのヴァレンタイン。

 

「ほ、ほら!チョ、チョコレートだ!」

 

 太白は顔を真っ赤にして、ぶっきらぼうにチョコレートの入った箱をインテリに差し出した。

 

「えっ!?くださるのですか!?この私に!?」

 

 インテリは驚いて目を見開いていた。

 

「そ、そりゃあわたしはお前のつ…妻だし!お、お前にチョコレートをあげるのは、わ、わたしの役目だろっ!」

 

「あ、ありがとうございますうううううううううううううううっ!!」

 

 インテリは太白の足元へスライディング土下座を行った。

 

「うわっ!お、大げさな奴だな…………いいから立って受け取れ!」

 

「ありがとうございます♪ありがとうございます♪…………あ、そうだ。」

 

 いきなり素に戻ったインテリは立ち上がって太白の両肩を掴んだ。

 

「な、なんだよ!な、なにをする………」

 

 そう言いながらも目を閉じて、これからの事を期待した。

 

「太白さん!着替えてもう一度チョコレートを渡して貰えますか!?」

 

 肩透かしを食らった太白は少しムッとなったが、着替えと聞いてちょっと心が動いた。

 

「着替えるって………前にお前から貰ったあの服か?」

「ええ、そうです♪その後でチョコレートを一緒に食べましょう♪」

「え?わたしも食べるのか?」

「はい♪太白さんだってチョコレートは殆ど食べた事が無いでしょう?」

「え、ええと…………実はこれ作る時に味見で…………」

 

「これは太白さんの手作りなんですかっ!?」

 

「しゅ、朱里様と雛里様に教えていただいたんだ!あ、味は大丈夫だぞ!」

「そうではありません!太白さんがわたしの為にチョコレートを手作りしてくれた事に感動しているのです♪」

「そ、そうか?そ、それなら頑張った甲斐も有るな♪………」

 

「それでは体操服に着替えていただけますか?それと赤いランドセルもお願いします!」

 

「体操服とランドセルだな♪ちょっと待っててくれ♪」

 

 舞い上がった太白は何の疑問も持たずに着替える為に居間から出て行った。

 

「去年と一昨年は諸葛亮さまと鳳統さまから義理チョコを頂きましたが、やはり自分の奥さんから貰うチョコレートは違う物ですね……………ああ♪着替えた太白さんに、土下座する私を踏みながらチョコレートを渡して貰えるなんて♪」

 

 太白はそんな事を一言も言っていないが、インテリも舞い上がっているのだろう。

 二人はまだ新婚なのだからと、大目に見てあげるべきなのか…………。

 

 

 

 

 

おまけ陸

『ヴァレンタイン・イブ』

 

2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん)真名:香斗(かと)十四歳

 

烏丸:阿羅槃(あらばん)真名:小鬼田平子(こおにたびらこ)九歳

 

房都 北郷学園

【香斗turn】

 

 明日はヴァレンタイン・デー。

 ほとんどの妹達は、爸爸と聖刀ちゃんにあげるチョコを作ったり買いに行くために下校しちゃった。

 わたしは昨日の内に眞琳ちゃん達と作ってあるので大丈夫♪

 媽媽達は今年どうするのかな?また麻雀で順番決めるのかな?

 爸爸たちも大変だ♪

 あっと!校舎の見回り急がなくっちゃ!

 生徒会と風紀委員会で手分けしてるけど、いっつもわたしが最後になるんだもん。

 嵐ちゃんはわたしよりのんびりさんなのに、なんでわたしより早いのかな?

 今度コツを教えてもらおう♪…………………あれ?

 

「あそこにいるの鬼子(おにこ)ちゃん?」

 

 本当は小鬼田平子って真名だけど、わたしはこう呼んでいる。

 鬼子ちゃんは廊下の隅で膝を抱えていた。

 いつも元気な鬼子ちゃんらしくない………もしかして病気か怪我をしたんじゃ!?

 

「鬼子ちゃん!どうしたのっ!?」

 

 慌てて駆け寄って鬼子ちゃんの顔を確かめる。

 

「あうぅ………香斗しゃま………?」

 

 泣いてる!

 

「どこか痛いの!?怪我!?病気!?」

「ちがう………」

 

 首を横に振るけど、涙は流し続けてる………。

 

「どうしたの?何があったか教えてくれる?わたしが力になってあげるから!」

 

 鬼子ちゃんの頭を抱きしめると、鬼子ちゃんは涙声で話してくれた。

 

「あ、あのね………あしたはばれんたいんでしょ………みんなでまさとにチョコあげようって……グスッ…………まえからはなしててね…………チョコかったの………」

 

 いつもの元気な話し方ではなく、もっと小さい子供みたいな甘えた話し方……心が弱ってるからだ。

 少しでも元気づけるために、わたしは鬼子ちゃんをもっと包み込む様にした。

 

「だけど………あさおきたときに………そのことわすれてて…………たべちゃった………」

 

 あらら………なんか鬼子ちゃんらしい♪って、笑っちゃダメだよね!

 

「みんな………はりきってるのに………………チョコかえるおこづかいものこってないし…………」

 

 蘿蔔ちゃん達と一緒に渡したいのね…………。

 

「そういう事ならわたしに任せて♪代わりのチョコをわたしが用意してあげる♪」

「え?………でも………」

「大丈夫♪新しいのを買うんじゃなくて、わたしのをひとつあげるから♪」

「でも、それだと香斗さまがあげられなくなっちゃうよ………」

「えへへ♪実は自分で食べる分をこっそり用意してたんだ♪でも、わたしが自分で食べるより、鬼子ちゃんの役に立った方が嬉しい。だからもらってくれる?」

 

 鬼子ちゃんはわたしの胸に顔を埋めたままわたしを見上げている。

 その瞳に悲しみの色はもう無かった。

 

「香斗さま………オレ、香斗さまのかしんになる!」

 

「へ?…………家臣?」

「うん♪チョコのお礼したいし!香斗さまやさしいし!おっぱいやわらかいし!ずっと香斗さまのおやくにたちたい!!」

 

 これってあれかな?媽媽と愛紗媽媽の関係みたいな感じ?

 

「うん♪わかった♪それじゃあ鬼子ちゃんは今からわたしの家臣です。そして最初の命令は…………」

 

 鬼子ちゃんがわたしの言葉を期待してる。

 珊瑚ちゃん達も聖刀ちゃんをこんな目で見てる事がよくあるなぁ♪

 

「明日、聖刀ちゃんにチョコレートを渡して、もっと仲良くなる事です♪」

 

「はい!香斗さま♪」

 

 元気に返事をする鬼子ちゃん。

 わたしと鬼子ちゃんは二人で笑った後、一緒に生徒会室へ向かった。

 きっとみんな見回り終わって待ってるだろうな♪

 

 

 

 

 

あとがき

 

色々と盛り込んみましたが『ヴァレンタイン・スペシャル』いかがだったでしょうか。

そしてもうひとつのテーマは『香斗の成長』です。

七歳、十歳、十四歳と、書いていてとても楽しかったです♪

因みに十四歳時点での香斗は姉妹の中で一番の巨乳ですw

 

 

『本編』

三爸爸其の二の時は意識して甘くファンタジックにしましたが、今回は現実に対処する為に悩み対応する桃香をテーマにしました。

 

甘味処の女将さんが結構出てくるので、いっそのこと名前を付けてしまえと思い、陳震にしました。

真名の菫玲(すみれ)は正史の陳震が『謙虚な人』と評価されていたので、花言葉が『謙虚』の菫を使う事にしました。

そして今回のセクハラ被害者伊籍(笑)

この子はモブのつもりで出したのですが、書いている内に気に入ったので名前を付けました。

真名の早苗は伊籍だから…………説明になってませんね。

気になる方は『イセキ さなえ』で検索してみて下さい。

青い服の意味も解ると思いますw

昔はテレビCMも目にしたのですが、今も流れてますかね?

 

 

『北郷二刃奮闘記』

舞台を本編から引き継いだ形にしました。

そしてこちらが前編でおまけ伍が後編になります。

 

菫玲と早苗も引き続き登場

早苗を今後一刀たちの新たな嫁にするか思案中です。

 

 

『聖刀くんの日常』

久しぶりに炙叉の占いでした。

カードの意味を読んで考えるのが面白かったですね。

占いの結果で出ていた状況はいつか書きたいと思います。

 

 

『おまけ参:恋姫麻雀大会』

この話を書き始めた時に『ほめられてのびるラジオ』で

天和役の遠野そよぎさんがゲストで登場されました。

サービス満点で耳は幸せ、テンションMAXになりました♪

 

リクエストを頂いた時の『ステルス白蓮』を登場させていただきました♪

ステルス能力が高すぎて試合の中盤名前が出てきませんw

真桜の全自動卓もアイデアを頂いた物です。

全自動卓が必要な状況はやはり『ツバメ返し』対策かとw

 

 

『おまけ肆:娘からの質問~爸爸をどうして好きになったの?~三国王編③(桃香・香斗)』

こちらもおまけ参から続く形です。

母娘三代を書きたかったので、本編からフラグを入れておきました。

劉玄さんの真名もやっと『桜香』に決定。

ボケのようでツッコミ役w

 

桃香のセリフに気付いて頂けたでしょうか?

香斗はこの時点で『お赤飯』を迎えた後となっています。

 

 

『おまけ伍:ヴァレンタインの男達』

本編&おまけ壱のオチ話。

やっぱり奥さん達だけではなく旦那連中も書かないと!

太白はインテリと会話している時が一番イキイキしてくれます。

こんな変態と結婚させてしまってごめんなさい。

強く生きてくれ…………。

 

 

『おまけ陸:ヴァレンタイン・イブ』

炙叉の占い結果の前日の話です。

大人になった香斗のポジションは『優しいお姉さん』を考えていました。

巨乳の優しいお姉さんは好きですか?

自分は大好きですwww

 

 

 

真・恋姫†英雄譚の発売が近付いてますね♪

新しい立ち絵やイベント絵も発表になって盛り上がって来ましたね♪

星の立ち絵のおっぱいが気になります!

乳首がチラリしてません?

 

 

《次回のお話》

 

次回は

☆璃々③        30票

 

【北郷二刃奮闘記】

華蝶連者         5票

【聖刀くんの日常】

聖刀・祉狼・昴の探検隊 10票

【おまけ参】

親子鍛錬(三王編)   18票

【おまけ肆】

娘からの質問~爸爸をどうして好きになったの?(璃々・牡丹)

【おまけ伍・おまけ陸】

(アイデアが閃いたら書きますw)

 

《現在の得票数》

桂花③        22票

冥琳②        21票

二喬②        21票

鈴々③        19票

紫苑③        18票

真桜②&凪②&沙和②(三羽烏)

           17票

麗羽②&斗詩②&猪々子②(三バカ)+白蓮

           14票

華琳④        12票

炙叉②         9票

音々音③        9票

音々③         9票

雪蓮③&蓮華③&小蓮③ 9票

ニャン蛮族③      7票

風②          6票

桔梗②         5票

華雄②         4票

明命②&亞莎②     4票

張三姉妹②       2票

祭②          2票

季衣③         2票

思春③         1票

春蘭②&秋蘭③     1票

 

【北郷二刃奮闘記】

三羽烏②        3票

三バカ         3票

白蓮          3票

二刃の妊娠       3票

王様ゲーム       3票

ニャン蛮族       1票

軍師―ズ        1票

 

【聖刀くんの日常】

聖刀くんの騎乗訓練       5票

聖刀くんの性教育~漢女にならないために~

                3票

黄乱②             3票

聖刀と祉狼と昴の初めてのお使い 2票

聖刀と貧乳党          2票

聖刀さま♥親衛隊②        1票

 

【おまけ参】

親子鍛錬(脳筋編)               18票

いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 12票

恋姫†酒場放浪記               12票

眞琳の金桂達いじり              10票

「女装喫茶」へようこそ             7票

一刀の執事喫茶                 7票

操船訓練                    5票

魔法少女華琳                  5票

歳の差姉妹誕生~娘夫婦に中てられて~(月両親・華琳両親)

     4票

性者が閨にやってくる              1票

 

 

『娘からの質問~爸爸をどうして好きになったの? 』

こちらはおまけ肆として定着させます。

母親となった他の恋姫達がどんな反応をするかお楽しみに♪

 

 

リクエスト参戦順番→冥琳② 風② 凪② 沙和② 季衣② 炙叉② 桂花③ 真桜② 二喬② 紫苑③ 鈴々③ 璃々③ 華琳④ 思春③ 音々音③ 音々③ 三バカ② 華雄② 祭② 小蓮③ ニャン蛮族③ 桔梗② 張三姉妹② 明命②&亞莎② 蓮華③ 雪蓮③ 

 

おまけ壱リクエスト参戦順番→華蝶連者 ニャン蛮族 三羽烏② 三バカ 白蓮 二刃の妊娠 王様ゲーム 軍師―ズ

 

おまけ弐リクエスト参戦順番→黄乱② 聖刀・祉狼・昴の探検隊 聖刀さま♥親衛隊② 聖刀くんの性教育~漢女にならないために~ 聖刀くんの騎乗訓練 聖刀と貧乳党

 

おまけ参リクエスト参戦順番→親子鍛錬(三王編)(脳筋編) いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 「女装喫茶」へようこそ 眞琳の金桂達いじり 恋姫†酒場放浪記 操船訓練 一刀の執事喫ら茶 魔法少女華琳 歳の差姉妹誕生~娘夫婦に中てられて~(月両親・華琳両親) 性者が閨にやってくる

 

 

【子供達一覧】

1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)

2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)

3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)

4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)

5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)

6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)

7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)

8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)

9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)

10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)

11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)

12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)

13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)

14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)

15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)

16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)

17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)

18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)

19)七乃の長女 張路(ちょうろ) 八倻(やや)

20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)

21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)

22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)

23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)

24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)

25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)

26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)

27)美以の長女 孟節(もうせつ) 花鬘(かまん)

28)トラの長女 ベンガル

29)ミケの長女 マンクス

30)シャムの長女 ペルシャ

31)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)

32)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん)龍里(るり)

33)雛里の長女 龐宏(ほうこう)藍里(あいり)

34)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん) 

35)焔耶の長女 魏覚(ぎがく) 焔香(えんか)

36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)

37)星の長女 趙統(ちょうとう) 螢(けい)

38)大喬の長女 喬櫂(きょうかい) 愛(あい)

39)小喬の長女 喬順(きょうじゅん) 華(か)

40)亞莎の長女 呂琮(りょそう) 茜(ちぇん)

41)明命の長女 周邵(しゅうしょう) 藍華(らんふぁ)

42)華雄(阿猫)の長女 華剛(かごう) 树莓(しゅうめい)

43)桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)

44)霞の長女 張虎(ちょうこ) 雰(ふぇん)

45)沙和の長女 于圭(うけい) 紗那(さな)

46)斗詩の長女 顔教(がんきょう) 升謌(しょうか)

47)真桜の長女 李禎(りてい) 真梫(ましん)

48)桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)

49)猪々子の長女 文獬(ぶんかい) 虎々(ふーふー)

50)稟の長女  郭奕(かくえき) 貞(てい)

51)穏の長女  陸延(りくえん) 毬(ちう)

52)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)

53)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)

54)桂花の五女 荀粲(じゅんさん) 黄梅(おうめい)

55)小蓮の長女 孫仁(そんじん) 蕾蓮(らいれん)

56)音々音の長女 陳守(ちんじゅ) 音音(ねおん)

57)季衣の長女 許儀(きょぎ) 華衣(かい)

58)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)

59)桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)

60)音々の次女 陳修(ちんしゅう) 音肆(おとよ)

61)華琳の長男 北郷聖刀(まさと) 輝琳(きりん)

62)桂花の七女 荀倹(じゅんけん) 柊(しゅう)

63)璃々の長女 黄慮(こうりょ) 牡丹(ぼたん)

64)思春の次女 甘瓌(かんかい) 燃秋(ぜんしゅう)

65)紫苑の四女 黄薛(こうせつ) 紅葉(もみじ)

66)管輅の長女 管辰(かんしん) 辯天(べんてん)

67)鈴々の次女 張紹(ちょうしょう) 龍々(ろんろん)

68)美以の次女 孟鉄(もうてつ) 仁亜(にあ)

69)トラの次女 キジ

70)ミケの次女 タマ

71)シャムの次女 ソマリ

72)星の次女  趙広(ちょうこう) 迦具夜(かぐや)

73)愛紗の次女 関興(かんこう) 愛絽(あいろ)

74)雪蓮の次女 孫静(そんせい) 水蓮(しゅいれん)

75)翠の次女  馬承(ばしょう) 駿(じゅん)

76)恋の次女  呂空(りょくう) 恋々恋(れみ)

77)音々音の次女 陳蕃(ちんはん) 韵(いん)

78)音々の三女 陳嶺(ちんれい) 唯音(いおん)

79)小蓮の次女 孫翊(そんよく) 美蓮(めいれん)

80)桂花の八女 荀靖(じゅんせい) 茉莉花(まりふぁ)

81)秋蘭の次女 夏侯覇(かこうは) 恵蘭(けいらん)

82)月の次女 董旻(とうびん) 有明(ゆうみん)

83)詠の次女 賈訪(かほう) 探(たん)

84)蓮華の次女 孫慮(そんりょ) 蓮火(れんふぉ)

85)季衣の次女 許定(きょてい) 春季(ちゅんりぃ)

86)流琉の次女 典堂(てんどう) 騾螺(らら)

87)桃香の次女 劉永(りゅうえい) 桃花(とうふぁ)

B)桂花の九女 荀燾(じゅんとう) 寿丹(じゅたん)

C)桂花の十女 荀爽(じゅんそう) 秦翹(しんぎょう)

D)桂花の十一女 荀粛(じゅんしゅく) 金鐘(きんしょう)

E)桂花の十二女 荀旉(じゅんふ) 橄欖(かんらん)

 

【その他のオリジナル設定】

華佗 真名:駕医(がい) 息子⇒華旉(かふ) 真名:祉狼(しろう)

陳越(音々音の母) 真名:音々(おとね)

インテリ⇒寇封(劉封) 嫁⇒孟達 真名:太白(たいはく)息子⇒孟興 真名:昴(こう) 

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(めんふぉん)娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ) 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)

黄乱 真名:明兎(みんと)

馬良 真名:鷲羽(わしゅう)

馬謖 真名:耶麻(やま)

荀攸 真名:素英(そえい)

魯粛 真名:命佐(めいさ)

董雅(月の父) 董陽(月の母) 真名:日(りい)

曹嵩(華琳の父) 曹静(華琳の母) 真名:蝶琳(ちょうりん)

喬玄(大喬と小喬の母) 真名:玄(げん)

劉玄(桃香の母) 真名:桜香(おうか)

 

匈奴:呼廚泉(こちゅうせん) 蘿蔔(すずしろ)

鮮卑:軻比能(がびのう) 菘(すずな)

氐:千万(せんまん) 芹(せり)

羯:石周(せきしゅう) 薺(なずな)

烏丸:阿羅槃(あらばん) 小鬼田平子(こおにたびらこ)

 

華雄 真名:阿猫(あまお)

高順 真名:杉(すぎ)

徐庶 真名:康福(こうふく)

黄月英 真名:雛菊(ひなぎく)

陳震 真名:菫玲(すみれ)

伊籍 真名:早苗(さなえ)

 

引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。

1・メインヒロインとなるキャラをご応募下さい。

2・『北郷二刃奮闘記』で二刃と絡むキャラを募集しています。

 例:「二刃視点で貧乳党」  という感じでお願いします。

3・『聖刀くんの日常』で聖刀と絡むキャラを募集しています。

 例:「聖刀視点で三羽烏」  という感じでお願いします。

4・おまけ参でのメインとなる子供達を募集しています。

 シチュエーションのリクエストも大歓迎です。

以上の四点にリクエストの集計(TINAMI、Pixiv双方の合計)を振り分けますので、

よろしくお願いいたします。

今まで通り、リクエストに制限は決めてありません。

何回でも、一度に何人でもご応募いただいて大丈夫です。

 

ご意見、ご感想、ご指摘などもご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。

誤字脱字は雷起の反省を促す為、修正後も抜粋して晒しますw

 

 

 

 

今回の誤字

 

1)「それでは雲雀さんと豹牙さんの二刃さま親衛隊への就任決定を祝しまして、【不祥】このわたくし、真珠が乾杯の音頭を取らせて戴きます。」

 

2) 菫花さんは見たまんま可憐なので『スミレ』って感じがするけど【,】菫玲さんはもう少しタフな印象……なんて言ったら失礼か♪

 

3)「し、真珠………と、と【い】かく家に入ろう……」

 

ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m

 

 


 
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