No.755107

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第六話

ZSANさん

一刀の向かう先は・・・

2015-01-31 23:35:24 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3307   閲覧ユーザー数:2927

 

~一刀視点~

俺達は小高い丘の上からその光景を見ていた

黄巾党の軍勢約3万が洛陽に向けて進軍している

黄巾党のの進軍経路の途中にその女性は佇んでいた

そして、黄巾党の軍勢が近づいて来た時、一緒にいた少女が旗を揚げ名乗りを上げた

「遠からん者は音に聞け 近くば寄って目にも見よ~!

 蒼天に翻るは血で染め抜いた真紅の呂旗!

 天下にその名を響かせる董卓軍が一番槍!

 悪鬼はひれ伏し、鬼神も逃げる飛将軍呂奉先が旗なり!

 天に唾する悪党どもよ!その目でとくと仰ぎ見るが良いのです!」

あの女性が”呂布”なのか 俺がそう思っていると戦闘が始まった

いや、戦闘とは言えない光景だった

呂布による一方的な虐殺、屠殺、殲滅

呂布一人で3万の黄巾党は逃走した

 

その日、俺と静里は洛陽の近くで野宿をした

洛陽に到着しても、撤退したとはいえ黄巾党の襲撃が有ったのだから入城できないかも と考えたからだ

焚火に向かって並んで座っていると静里が

「一刀さん、董卓殿に会ってそれからどうするおつもりですか?」

と訪ねて来た

「そうだな、いつまでも流浪の身でいる訳にもいかないからな

 状況によっては仕官するかもしれない」

董卓が俺の世界の董卓と同じような人物かどうかは分からない

だが、もし同じような残虐な人物なら敢えて仕官して討ち果たす機を伺うのも有りかと考えていた

「そうですか でも覚えておいて下さい

 一刀さんが傷つけば悲しむ人間が、最低でも此処に一人いる事を」

静里は俺の考えを読んだかのような発言をした

驚いた俺に静里は微笑みながら

「そんな思いつめた表情をしていては解ります」

その微笑みは何処か悲しそうに見えた

その翌日、洛陽に向かった俺達は

「きゃー、来ないで下さい」

女性の叫び声を聞いてその場へ向かった

 

「ふん、なかなかの上玉だな」

「たっぷり可愛がってから売っぱらうか」

「高く売れそうだな」

一人の少女を5人程の男が取り囲んでいる

「おい お前等」

俺が声を掛けると男達は一斉に振り向く

「このまま大人しく去るなら見逃してやる

 だがそうでないなら容赦はしない!」

俺の言葉に男達は斬りかかって来るが、所詮野盗

5人対1人でも負ける気はしない

その5人を叩き伏せ、襲われていた少女に声を掛ける

「大丈夫か?」

「はい、助けていただいてありがとうございます」

その少女は洛陽の城に住んでいるとの事なので送って行く事にした

城に住んでいるって侍女か?

 

~その頃の洛陽の城~

「あ~、よりによって霞や華雄がいない時に!

 全員、一刻も早く彼女を見つけるのよ!」

「はっ!」

”彼女”を探す大捜索網が引かれつつあった

 

~一刀視点~

洛陽の城門に来ると

「貴方様は!」

門兵はそう言って直立不動になり、一人は慌てて城の方へ走って行った

取り敢えず通って良さそうなので馬を進める

馬を進ませながら少女に

「君ってもしかして城の役人か何かやってるのか?」

と訊いてみる

それなりの立場の役人ならばあの門兵の態度も納得がいく

「そう云えば助けて頂いたのに名を申し上げていませんでした

 私は・・・」

彼女の声を遮るように

「月~!」

大声で叫びながら釣り目で眼鏡の少女が駆け寄って来る

「詠ちゃん」

「月、心配かけないでよ」

「ごめん、でもどうしても自分の目で街の様子を見たくって・・

 ついでに街の外まで出ちゃったけど・・・」

「何やってんのよ~」

二人の会話が途切れることなく交わされる

「あ、詠ちゃん この二人が賊に襲われそうになっていた私を助けてくれたんだよ」

やっと紹介してくれた

「そうなの?

 ありがとう 僕の親友であり主の董卓を助けてくれたことに感謝するわ」

「え?」

今、この娘 なんて言った?

「そう云えば名前を言う途中でした

 私の名は董卓です」

俺はこの世界に来てから最大の衝撃を受けた

俺達は城に招かれ、改めて董卓に謁見する

「先ずは助けて頂いたお礼を申し上げます」

その丁寧な対応に驚きながらも

「お気になさらずに

 私は姓は北郷、名は一刀と云います 字や真名の無い所から来ました」

「私は姓は徐、名は庶、字は元直 一刀さんの旅に同行させて貰っています」

俺の自己紹介にやはり二人は訪ねて来た

「字だけでなく、真名も無いって

 あんた どういう事?」

釣り目で眼鏡の少女 賈詡が訪ねて来るので俺は自分の事を説明する

すると董卓が

「北郷さん、宜しければ私の下に留まって頂けませんか?

 私達は今洛陽の復興と黄巾党の対処で優秀な方が必要なのです

 北郷さんのその未来の知識と武をお貸しください」

そう言って頭を下げて来る

「分かった、客将としてなら力を貸すよ」

「私も文官として御役に立ちます」

俺達は董卓に仕える事にした

彼女を討ち果たす機を伺うのではなく、彼女を守る為に

そこに二人の女性が入って来た

「月~、今戻ったで~」

「月様、ただいま帰還しました」

二人は董卓に報告をした後、俺達に気が付いて

「あんた(お前等)、誰や(だ)?」

更にそこにあの呂布が少女と共に入って来た

「誰?」

小首を傾げる呂布はとてもあの飛将軍とは思えない程可愛らしい仕草をしてきた

董卓と賈詡から紹介をして貰った俺達は練武場に来ていた

俺は武官なので実力を知っておきたいと賈詡に言われ、実際に手合せする為だ

 

「じゃ、相手はうちがするわ」

俺の相手は張遼がする事になった

審判役は華雄

「では、始め!」

 

「そりゃ、そりゃ、そりゃ~」

張遼はいきなり三連突きを繰り出して来た

俺もそれを刀で払いのける

そして逆に斬撃を連続で放つが、張遼に防がれた

「へえ~、思ったよりやるやないか

 じゃ、全力で行くで~」

突き、薙ぎ払い、突きと速さ主体の攻撃を仕掛けて来る

何とか防御するも少しづつ押し込まれていく

形勢を逆転する為に無理に斬撃を出し、防がれた所に中段回し蹴りを放つ

流石にこれは防ぎきれずに張遼が後退する

そして、俺は示現流の蜻蛉の構えに似た構えを取る

張遼も雰囲気で察したのか、身構えるが攻撃はしてこない

「ふんっ」

俺が斬撃を放つと張遼はギリギリでその斬撃を躱す

「もろうた~」

張遼がその隙を突いて、攻撃を仕掛けてくる

しかし俺の斬撃は躱された後、切上げに変化していた

示現流が二ノ太刀不要とは言え、北天一心流はそうでは無い

躱された後、二ノ太刀に変化する技が有る(示現流がどうかは知らないが)

その切上げが張遼の武器を弾き飛ばして

「勝者、北郷!」

 

この後、全員に真名を預けられた(静里も真名を交換していた)

俺は月の下で昼は武官として働き、夜は静里に文字やこの世界の常識を教えてもらう日が続いた

暫く後、黄巾党の首領 張角が討ち取られたとの報がやって来た

黄巾の乱は終わりを告げた

~あとがき~

 

一刀は月に仕官しました

 

霞との一戦は霞が斬撃を躱し勝ったと確信した隙を突いたものです

一刀が霞を圧倒した訳ではありません

手合せなので霞も多少、手加減してますので

 

黄巾の乱はこれで終わりです

鞘華の方でちゃんと書くのが本筋かもしれません

しかし、それだと原作をなぞるだけになってしまいます

今までの第1、3、5話が多少アレンジを加えてもそうなっているのでこれ以上は避けたかったのです

華琳達との合流、桂花、季衣、流琉、三羽烏の加入の為省けなかった話は書きました

でも張三姉妹は本編に余り拘わらせられないので省きました

張三姉妹のファンの方には申し訳ありません

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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