No.75434

真・恋姫無双外伝~覇王の願い~星詠編6

真・恋姫無双(魏ED)のASです。
鬼ごっこもようやく終盤へと向かいます。
にしてもまさか、この流れが3話をまたぐとはおもってなかった(、、
まさかの1日3話投稿。
いや、もう2日またいだか・・・w

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2009-05-25 02:43:03 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:9905   閲覧ユーザー数:8450

 

 

 

 

曇る空の下。

逃走劇を続ける薫。

もうなんで追われているのかも忘れつつあった。

そもそも、一刀から言われていたのが安静にしていろということ。

ここまで走ったり出来るのだからそれも無意味なのではないのか。

 

【薫】「あ~・・・・あせったぁ・・・・」

 

まさかあんなところで張遼がくるとは思わなかった。

さすがにアレから逃げるのはかなりつらい。

でも、これで現時点で3人。

 

楽進

 

張遼

 

・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・・あれ?

 

あとひとり、名前知らないや・・・・テヘ

 

とにかく、3人。

ただ、名前の知らないやつは人海に沈没していったから復帰はしばらくかかる。

あの大通り付近を通らないようにすればいい。

なら、場所は限定されたけど、実質2人。

 

・・・・・・やばい2人だよなぁ・・・・

 

いや、もうこの際人数は計算に入れないほうがいいかもしれない。

誰が敵かもわからない。

ただわかっているのが2人というだけ。

 

【薫】「ふぅ・・・・」

 

少し休憩。

建物の影にはいって座り込む。

1日でこんなに頭つかったことって初めてかもしれない。

これからどうするか。

とにかく、逃げ場所を探してるくらいじゃだめだ。

追う側を利用してでも隙間をつくらないと、あっという間につかまる。

一人目と張遼の位置から考えて、楽進はおそらく町の東。

ならば、これから向かうべきは・・・・

 

ふと、そこで思考がとまる。

あれ?

これって・・・・

冷静に自分を見る。

楽しい。

自分は楽しんでいる。

この状況を。

皆が必死で自分を追いかける。

自分は何が何でも逃げ切ってみせる。

ほら。

 

【薫】「あはは・・・・」

 

そう、自分は退屈だから逃げたのだ。

これは遊びだ。

ならば、

全力で遊んでやる。

 

 

【薫】「よし!」

 

【季衣】「いいことあった?」

 

【薫】「うわああぁ!」

 

いきなり目の前から話しかけられて、びびった。というより意識が飛ぶかとおもった。

そして、目の前にいたのは

 

【薫】「なんだ、季衣か・・・・」

 

【季衣】「うん。」

 

友達だった。

だから少し安心した。

知らないやつ、またはあの二人だったらどうしようかと思った。

 

【薫】「どうしたの?なんか用?」

 

【季衣】「うん、薫に会いに来たの。」

 

【薫】「会いに来たってだから、なんで・・・・」

 

ジャラ・・・・

 

あれ?

 

嫌な金属音

 

【薫】「え、えーと・・・もしかして・・・・」

 

【季衣】「うん、兄ちゃんのお願いでね♪」

 

やっぱり、お前もか!

そしてなんだその馬鹿でかいハンマーは!

 

【薫】「・・・・あ・・・あはは・・・じゃ、じゃあねっ季衣!」

 

ズダダッと駆け出す。

 

【季衣】「流琉!!そっちいったよ~~!」

 

【流琉】「は~い!」

 

【薫】「は!?流琉もいんの!??」

 

ドサッ

 

と、上から流琉が落ちてくる。

自然と流琉は自分の目の前にいる形になる。

そして、後ろには季衣。

 

 

・・・・・・・・やばい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【流琉】「薫さん、おとなしく捕まってください・・・」

 

【薫】「それはちょっと無理かなぁ・・・・」

 

【季衣】「薫~~、今ならそんなに怒られないかもよ~?」

 

なんだその子供向け極まりない脅し文句は。

しかし、まさか2人同時にくるとはね。

そういえば、この2人も魏の武将だっけか。

しかも、この2人なら効率とかそういうのとは無縁だな・・・・。

だが、まいった。

建物の影に逃げ込んでいたのが裏目にでた。

前後を挟まれたら動ける場所がない。

 

ジリジリと壁際におついめられる。

 

【薫】「ふぅ・・・・」

 

仕方ない。これはあまり使いたくなかったけど・・・・

 

【季衣】「観念した?」

 

【薫】「ふふ・・・・」

 

【流琉】「・・・?」

 

【薫】「いや、ちょっと思い出したことがあってね。」

 

【季衣】「思い出したこと?」

 

【薫】「季衣がこないだ流琉の部屋で流琉のこと待ってる間にね、季衣が急に探し物始めちゃって」

 

【季衣】「あ・・・・」

 

【流琉】「私の部屋で探し物・・・?」

 

【薫】「そのとき出てきたのがなんか、男物の服かなんかで、洗ってなくて・・・・」

 

誰のかは・・・・わかり安すぎるよね。あの女たらし。

 

【流琉】「~~~~~~っ!!!!!」

 

【季衣】「ちょ、なんで知ってるの!?薫あの時外にでてたはずじゃ・・・・」

 

【薫】「季衣・・・あの時全部声にでてたよ・・・・」

 

【流琉】「季衣ぃぃぃぃ~~~~~」

 

【季衣】「え、え、なんでボク!?ボクもって帰ってないよ!?それにあんなの持ってた流琉がいけないんだよ~~」

 

【流琉】「うるさぁ~~~~~い!!」

 

 

ドォォーン

 

そのデカイヨーヨーを季衣へと投げつける。

 

ガキン

 

【季衣】「ぐ・・・やったなぁーーー!」

 

 

なんとかハンマーでガードした季衣も反撃にでる。

 

・・・・・今、隙だらけだよね。

 

 

【流琉】「季衣のバカーーーー!」

 

 

 

 

真横を通っていったのに気づかずケンカを続ける二人・・・。

二人ともゴメンネ。あのシャツ最終的に回収したの私なんだ。

だって、気になるじゃん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【薫】「にしても・・・・・」

 

全部で5人?なにそれ、多すぎでしょ。

一般人が5人ならわかるよ?

でも、全員が魏の将軍クラスっておかしくない?

必死すぎるでしょ。

はじめは楽進がキレて追いかけてるだけかと思ったけど、それだけじゃ説明つかない。

私なんか捕まえて何しようってんだか・・・・

 

・・・

 

・・・・・・・

 

え、別に変な想像とかしてないよ?

 

 

・・・・

 

 

してないったら!

 

 

 

 

【沙和】「いたのーーーーー!」

 

【薫】「はずれじゃない!」

 

【沙和】「はずれっていうなーーーーーーーーーー!!」

 

【薫】「ああ、もう!まだ考えてるとこなのに・・・・」

 

どうしてそんなに追ってくるのか。

わからないが、とにかく逃げないといけない。

通りをぬけ、今度は反対側の路地へ。

こいつを相手にするときは下手に人の多いところはまずい。

そして、少しずつ離れてくる。

よし、このまま振り切って――

 

【凪】「はあああああああああああああああ!!!!!」

 

【薫】「な・・・っ!」

 

 

ズドオオォオオーン

 

嘘でしょ。

なんでこいつがここにいるのよ・・・・

 

【凪】「やっと追い詰めたぞ・・・・」

 

だからってそんなに殺気出さなくても・・・・

 

【薫】「・・・・くっ・・・」

 

下がっても、はずれに会うだけ。

なら違う方向へ逃げ込むしかない。

薫はそのみちへと逃げ込む

 

【凪】「まて!」

 

【薫】「ここで待ったらただのバカでしょ!」

 

 

大丈夫、この先は曲がり角はない。直線なら振り切れる。

そして、徐々に姿が見えなくなる。

 

 

 

 

だが――

まずい・・・

この路地はいろいろ入り組んでいるけど、この道は通りまで一本道だ。

 

【薫】「こんなとこにだれかきたら・・・・」

 

【霞】「ようわかってるやん」

 

【薫】「・・・・・・・・」

 

やはり・・・いた。

 

【霞】「後ろからは凪がきてるし、その後ろは沙和が抑えてる。」

 

まずい。

 

【霞】「ここはうちが通さへんし・・・もうにげられんで」

 

まずい。

 

【薫】「なんでそんなに必死なわけ?おかしいでしょ、将軍が5人もなんて」

 

【霞】「いや、7人やな。今うちの軍師二人もついてるからな」

 

軍師・・・・

それでか、急に楽進やら張遼やらが1箇所に集中しだしたのは・・・

にしても、7人・・・・魏の上層部半分以上でてるじゃない・・・

 

【霞】「なんでここまでするんかは・・・まだきいてないけど、一刀の考えやからな。信用はできる」

 

まだ・・・

 

手はある・・・・

 

だけど・・・・・

 

もし、それすら読まれていたら。

 

 

さっきの季衣と流琉のは完全に読まれていたと考えていいだろう。

たぶん、この3人が集まるための時間稼ぎ。

用意された逃げ穴に誘い込まれた。

ここで逃げても、罠自体がまた次への罠かもしれない。

だけど・・・

 

【薫】「迷っても・・・しょうがないか」

 

【霞】「ん?」

 

【薫】「・・・・ふふ。」

 

【霞】「なんや?気持ち悪いなぁ」

 

【薫】「ううん。じゃあ、」

 

【霞】「ついてくる気になったか?」

 

【薫】「逃げるね!じゃあ!」

 

ダダっとふりかえって走り出す。

 

【霞】「な・・・」

 

そのまま一気に来た道を走り抜ける。

 

 

 

【霞】「なぁ・・・これでよかったんか?」

 

【風】「はい~、これで仲達さんは捕まえたも同然ですね~」

 

【稟】「すぐ次の段階へ移りましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

魏の軍師が2人。

 

こちらの行動は全部読まれた上で行動しないとだめか。

だが、その前に――

 

 

【凪】「・・・・・」

 

 

こいつをなんとかしないとね。

 

【薫】「見逃しては・・・・くれないよねぇ・・・はぁ・・・」

 

【凪】「少し痛いかもしれないが、我慢してくれ」

 

【薫】「話聞いてない上に宣戦布告って・・・・」

 

言い終わる前に、凪が前へ駆け出す。

一瞬で凪の体が目の前へ寄ってくる。

そのまま踏み込みと攻撃の初動を同時にこなし、拳を突き上げる――!

 

【凪】「はああああ!!」

 

【薫】「ちょ、ちょっと!・・・・きゃあ!」

 

体をひねりながら、なんとかそれをかわす。

立ち位置を入れ替える。

そして凪は構えをとる・・・が

こちらは逃げることが目的なのだ。体が入れ替われば、容易に逃げられる。

 

【凪】「・・・・」

 

凪は深く腰を落とす。

 

【薫】「え、ちょ、ちょっとここ路地だよ!?そんなのうったら――」

 

【凪】「貴様だけに当ててやればいんだ!!!!!!!」

 

と、一気に体を起こし、拳を突き出す。

 

【薫】「きゃああ!!」

 

ドオオォーーーン

 

 

かろうじて背中を掠める程度ですんだ。

 

パラパラ・・・

 

 

【凪】「ぐ・・・しまった・・・」

 

 

粉砕した建物の壁が崩れ去っている。

自分と凪の間に軽いバリケードを築いてくれた。

今のうちだ。

 

 

【薫】「・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

 

そろそろ余裕もなくなってきた。

体力にも限界がある。

元々運動は苦手ではないが、それでも戦場を経験してるあいつらに比べたら、体力なんてたかが知れている。

そして、この先には、間違いなく誰かいる。

季衣か、流琉か、まったく別のやつかはわからないけど。でも、もうそこ以外、進める場所がない。

相手をだまして通じるのには限度がある。

もうだまされてはくれないだろう。

気が重くなる。

手は・・・・あった。

だが、それも出来なくなった。

もともと楽進が追ってくることが前提で考えていた方法。

それが、偶然とはいえ、さっきのバリケードで通れなくなった。

手が詰まった。

捕まる。

そんなことが頭に浮かび、足が止まる。

一本道。

ここは逸れ道のない完全な一方通行の空間。

うん、逃げ道は・・・・ないんだ。

なら、

だったら、

進むしかない。

相手を使う。

こっちは一人だ。

策なんて、状況しだいでいくらでも生まれる。

とにかく相手をはっきりさせよう。

 

そして、とまった足を走らせる。

 

【薫】「・・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【華琳】「・・・・・・」

 

【薫】「・・・・・え?」

 

【華琳】「ずいぶんと騒がしいと思ったら、またお前なの?」

 

【薫】「・・・え、なんで?」

 

 

 

 

 

走ってきた先にいたのは、最悪の相手だった。

 

 

 

 

 

 


 
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