No.749433

咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

ユウヤさん

拠点、一刀編開幕
ではどうぞ

2015-01-06 22:34:48 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2460   閲覧ユーザー数:2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一刀長安到着

 

 

 一騎達に先行しろと言われ、長安に一足先に向かった一刀達一行は長安に到着していた。

 

 一刀「着いた~」

 

 桃香「着いたね~」

 

 詠「着いたわ・・・」

 

 明らかに不機嫌な詠の台詞に周りは詠を中心にそっと離れていった。

 

 一刀「・・・ん?なあ桃香、あれ・・・何?」

 

 すると一刀は正面にとんでもなく高い砂塵が上がっているのが見えた。

 

 桃香「砂塵?だれが・・・あ、恋ちゃん。」

 

 一刀「・・・桃香、なぜ離れる?」

 

 桃香「一刀さん、頑張って。」

 

 一刀「なぜそこで応援の言葉が出rぶほぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 ドゴーン!!

 

 恋は一刀にタックルをかますと、一刀の胸板に頭をこすりつけスリスリとすり寄って来た。

 

 一刀「れ、恋。可愛いんだけど痛みの方が勝ってる・・・」

 

 恋「一刀、久しぶり。スリスリ~」

 

 桃香「・・・れ、恋ちゃん。あれって月ちゃん?」

 

 そう言ってさらに城の方を指さすと、恋の時よりも大きな砂塵が上がっていた。

 

 恋「・・・ごめん一刀。」

 

 そう言って恋は一刀の後ろにまわき込み一刀を羽交い絞めにした。

 

 一刀「あれ?恋??恋さ~ん。どうして羽交い絞めするんでしょうか??」

 

 恋「月・・・突っ込んでくる。恋は抑えてるだけ。月の突撃は・・・今は危険。」

 

 一刀「・・・危険なのをあえて受けろと?」

 

 恋「・・・・・・受けなきゃ駄目。」

 

 一刀「・・・あ、月。あれ月?すごいアスリート走りで突っ込んでくるんだけど!!」

 

 月「か~~~ず~~~~と~~~~さ~~~~ん!!!!!!」

 

 ん!の言葉と同時に一刀の腹に見事に突撃した月。一刀はその反動で恋と共に後ろへ後ろへと下がっていった。

 

 一刀「ぐぅぅぅぅぅ、月ぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」

 

 一刀の悲鳴のような声は月には届いてなかった。

 

 月「一刀さん一刀さん一刀さん一刀さん!!!」

 

 ズザザザザザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!・・・ピタ。

 

 一刀「ゆ、月・・・ひ、ひさし・・・ぶりだったね・・・元気そうで・・・よかった・・・よ。」

 

 恋「・・・恋・・・頑張った・・・一刀・・・ほ、めて・・・」

 

 どさ。

 

 二人は見事に倒れた。

 

 月「あ、あれ?一刀さん?恋さん?だ、誰がこんな事をー!!!!」

 

 その叫びは長安の街並みにのまれていった。

 

 桃香「うん、月ちゃんの所為だよ。」

 

 桃香の呟きはその喧騒の中に溶けていくだけだった。

 

 

 

 

 恋とデート

 

 

 長安城執務室。

 

 桃香「・・・ねえ、月ちゃん。」

 

 月「なんですか桃香さん。」

 

 桃香「一刀さんは?」

 

 月「恋さんとお出かけです。」

 

 桃香「・・・えぇ!!二人きりで!?」

 

 月「あ、はい。明日は私の予定です。」

 

 桃香「・・・あの・・・私の番は?」

 

 月「・・・必要ですか?」

 

 桃香「・・・・・・し、しばらくはいいかな~。」

 

 桃香は月の眼光に気押されて、しばらく長安での一刀との日々が遠のいて行くのを感じた。

 

 

 場所は変わって長安の街

 

 一刀と恋は食堂をはしごして回っていた。勿論それは一刀の財布に大きな代償を強いていた。

 

 一刀「・・・ヤバイ。財布がそろそろヤバイ。」

 

 最初はラーメン屋だった。大盛醤油ラーメン叉焼盛り盛り泰山盛りに水餃子三倍盛りに肉々しい炒飯超盛りをぺろりと平らげた。

 

 次に入ったのは定食屋だ。焼き魚定食、麻婆炒飯、バンバンジー、ホイコーロー、チンジャオロースー、etc・・・一刀の出費は尋常じゃないぐらいになっていた。

 

 一刀「れ、恋。そ、そろそろお腹いっぱいじゃないかい?」

 

 恋「・・・ん。じゃあ、締めにラーメン。」

 

 一刀「締めに・・・ラーメン・・・だと?」

 

 恋は少しおなかをさすると頷き、締めにラーメンなどと言いだした。一刀はしぶしぶ最初に入ったラーメン屋とは違う別のラーメン屋に入って行った。

 

 一刀「ここは・・・何がお勧めなんだい?」

 

 恋「ここは饅頭がお勧め。」

 

 一刀「・・・もう・・・ツッコミ疲れたよ。」

 

 心の中でラーメン屋なのに饅頭!?とツッコミを入れながらもうなだれる一刀であった。

 

 恋「おじさん。豚骨鶏ガラ塩叉焼メンマ盛り盛り餃子上乗せラーメン超得盛りで。」

 

 おじさん「あいよ!呂布将軍専用塩ラーメン頂きました!お前ら用意しろい!!」

 

 店員(厨房)「「「「「あいあいさー!!」」」」」

 

 一刀「・・・締め・・・なんだよね?」

 

 おじさん「坊主は何にする?」

 

 一刀「・・・消化に良い料理で量は少なめでよろしく。」

 

 おじさん「・・・頑張ったな坊主。陳宮さま専用締め料理で良いな?」

 

 一刀「そっか・・・あの子も頑張ってるんだな。」

 

 おじさんの台詞にほろりと涙しながら陳宮を心でねぎらう一刀であった。

 

 

 

 それからしばらくして一刀のお腹も落ち着きを取り戻し、恋と街の散策を再開した一刀は、途中小さな小物売りの露店を見つけた。

 

 一刀「・・・おっちゃん。この指輪、いくらだい?」

 

 おっちゃん「ん?何だ坊主。この指輪か?これは400だが?」

 

 一刀「400!?」

 

 おっちゃん「おう、坊主にゃ手の届かねえ代物さ。何せこれは羅馬からの輸入品だからな。なんでもぷらちなだかなんだかって言う鉱石で出来てるって話だ。」

 

 一刀「え!?プラチナってこんな時代にあったっけ??」

 

 白金は紀元前から存在する物なので問題無いでしょう。加工できるかは別ですが・・・とにかく一刀はその白金製の指輪を購入する事にしました。

 

 一刀「はい400。」

 

 おっちゃん「・・・払えんのかい!」

 

 おっちゃんは一刀が実はお城勤めである事を知らないので驚いていました。

 

 一刀「あそこの女の子に送ろうと思ってね・・・」

 

 おっちゃんはその姿を確認すると目を見開きさらに驚いた表情をする。

 

 おっちゃん「あんた・・・呂布将軍の良い人かい!?」

 

 一刀「え!?ま、まあ・・・そうなる・・・かな?」

 

 おっちゃん「って事は・・・董卓様や華雄将軍の・・・良い人かい?」

 

 一刀「うぇ!?そ、そうなるのかな!?」

 

 さすがに動揺を隠せない一刀だったが、おっちゃんはそのまま考え込むとそっと指輪になんとブレスレットとネックレスを付けてくれたのだ。

 

 おっちゃん「こいつはおまけだ。どれもぷらちなで出来た装飾だ。単純な意匠だが高価な物には変わりねえ。持って行きな。」

 

 一刀「え!?」

 

 おっちゃん「呂布将軍にだけってのは不公平だろ?一人一つづつだ。」

 

 一刀「お、おっちゃん・・・ありがとう!俺頑張るよ!!」

 

 何をがんばるのかは知らないが一刀はおっちゃんに礼を言うとそのまま恋の元へ欠けていったのだった。

 

 おっちゃん「頑張れ坊主・・・おっちゃんは応援してるぜ。」

 

 だがおっちゃんは知らない。一刀にはまだ桃香と言う一番最初に大好きになった少女が居る事に、そして一刀は失念していた。四人いるのに三人分しかプレゼントが無い事に・・・だが今はそれで良い。なぜなら今は、恋とのデートなのだから。

 

 長安の街を散策しながらまた恋が小腹がすいた様で、肉まんの山を購入し、今度はちょっと街から離れた小川のほとりまで一刀達は来ていた。ちなみにこの肉まんで一刀の財布は空である。

 

 一刀「・・・綺麗な夕日だな。」

 

 恋「ん。」

 

 恋は小さな返事をしたのち一刀の腕を取り自分の体を寄せて来た。

 

 一刀「恋・・・」

 

 一刀はそのまま恋を見つめると自然と口づけを交わしていた。

 

 恋「・・・一刀と・・・するの・・・好き。」

 

 一刀「恋、手、出してくれない?」

 

 恋「??」

 

 そう言われて恋は図らずも左手を出してきた。

 

 一刀「これは俺から恋に贈り物。」

 

 そう言って一刀は無意識に薬指にその指輪をはめていた。詳しく調べた訳でもないのにその指輪は恋の薬指にぴったりとはまり、恋はそのまま顔を赤くして俯いてしまった。

 

 一刀「これは約束のしるしだ。俺と恋はどんなに離れていても繋がっているっているあかし。戦場で離れていても、ずっとずっと一緒だって言う証。だめ?」

 

 恋「だめじゃ・・・ない。」

 

 そのまま一刀と恋の顔は近付き、また口づけを交わす。そのまま一刀は恋お押し倒す形で地面に横になった。そして、二人の影は一つになった。

 

 ・・・落ち?無いですよ??

 

 

 

 月とのお茶会

 

 

 一刀「今日は月と過ごす予定何だけど・・・どうして俺は詠と一緒に居るの?」

 

 詠「月が準備があるって昨日の午後の政務ほったらかしにしたの。だからあんたが責任もってやるのよ。」

 

 一刀「・・・はい。」

 

 一刀が恋とデートを楽しんでいた日の午後、月は月で今日の一刀とのデートに使うお茶の準備やら何やらをする為に政務(急を要する物)をさっさと済ませ午後は桃香と詠に全部任せてしまったらしく、結構な数の事務仕事が残っていた。

 

 一刀「ところで月は?」

 

 詠「睡眠薬飲ませてぐっすり。」

 

 一刀「はい!?」

 

 詠「言っておくけど・・・午前中は仕事よ。」

 

 詠の目は据わっていて反論の余地は無かった。隣で桃香も青筋を立てている。デートに加え、月が理不尽に桃香に仕事を押し付けた物だからお冠になっているようだった。

 

 一刀「うん、責任は持つよ。」

 

 空気を察し一刀はそのまま机に向かって仕事を始めたのだった。月の為、この後のデートの為に一刀は一心不乱に政務をこなした。

 

 一刀「ふぅ・・・」

 

 桃香「お・・・終わった~!」

 

 詠「・・・これで昨日の分は消化できたわ。」

 

 一刀「・・・昨日の分・・・は?」

 

 不穏な言葉だ。

 

 詠「これから・・・今日の分よ。」

 

 地獄がまだ残っていた。だがしかし、そこで執務室の扉が開け放たれた!

 

 月「詠ちゃん!どうして起こしてくれなかったの!?」

 

 詠「月・・・昨日はでぇとの準備で疲れてたでしょ?何度もゆすったんだけど起きなかったのよ。一刀も寝かせておけって言ったからね・・・その代わり、“昨日の月の分の仕事が残ってたから”一刀に手伝ってもらってたの・・・文句ある?」

 

 月「・・・うん、無いよ詠ちゃん。それじゃあ一刀さんは連れていくね。」

 

 詠「しょうがないわね・・・行ってらっしゃい。」

 

 月「うん。」

 

 月は自分のしでかした事を詠の覇気によって気付かされ、それでも一刀との一日は譲れないらしく、詠もその事を承知していたので一刀は月に引き取られていった。よくよく考えると此処に一刀の意思は無い様な物だった。一刀は月に手を引かれ、そのまま中庭にある東屋に連れて行かれた。

 

 桃香「・・・詠ちゃん。私達もお茶休憩・・・」

 

 詠「出来たらやりたい。でも・・・」

 

 そう言って詠が見た先には昨日のあまりの処理分の倍はあろうかと言う竹簡の山があった。

 

 桃香「・・・明日は月ちゃん倍働いてもらおうね。」

 

 詠「桃香は甘いわ。4倍よ。」

 

 桃香「・・・寝る暇は?」

 

 詠「無い。」

 

 この時ばかりは月大好き詠ちゃんも容赦と言う言葉は無かった。

 

 

 

 場所は変わって中庭東屋。

 

 一刀「えっと・・・月?」

 

 月「なんですか、一刀さん?」

 

 一刀「いや・・・何をなさっているのですか?」

 

 一刀は目のやり場に困る月の格好にすごく視線を泳がせていた。よくよく考えれば今の今まで眠っていた月、きっと日が高くなっている事に驚き、そのまま出てきてしまったのだろう。ちょっと大人っぽいネグリジェみたいな物を着て、なんと黒い下着がちょいちょい透けて見えるのだ。

 

 月「・・・・・・///////////////(ボン!!)」

 

 月はそれはそれは古典的な表現の照れ方をして全力疾走で自分の部屋に着替えに往ったのだった。

 

 一刀「あれ・・・一般の兵に見られてないだろうな・・・」

 

 後に聞き込みをしたが、月らしき人物が目にも止まらぬ速さで駆け抜けていったという証言しか取れず、おそらくものすごい速さで駆けていたんだなと一刀はちょっと胸をなでおろしたのだった。

 

 一刀「それにしても遅いな・・・桃香ですら此処まで長くないのに・・・」

 

 そう、あれから一時間は経っていようか。一刀は暇で暇で雲を眺めて、「あ、あれはハンバーグっぽいなぁ」と眺めるしかなかったのだ。

 

 月「お、お待たせしました一刀さん。」

 

 一刀「あ、月。何かあった・・・の?」

 

 月の手にはお盆になんと御フランスを彷彿させるティーセットが乗せてあったのだ。

 

 一刀「月、それって?」

 

 月「はい、西洋の茶器が流れて来ましたので・・・それでお茶なんかどうかなと思い・・・駄目でしたでしょうか?」

 

 一刀「駄目じゃないよ。詠が準備だなんだって言ってたのはこれの事か。」

 

 月「はい。」

 

 一刀「ふむ・・・それなら・・・」

 

 そう言って一刀は月からお盆を取り上げ、それを机に置くと、椅子を引き。

 

 一刀「どうぞ、お嬢様。」

 

 月「へ?あ、あの。」

 

 一刀「お嬢様、この私がお嬢様“だけ”の召使にございます。何でも申しつけください。」

 

 月「へ、へぅ///」

 

 月は突然一刀が自分だけの召使だと言われ顔を赤らめて俯いてしまう。一刀が自分だけのと言う部分に過剰反応してしまったのだ。

 

 一刀「さあお嬢様、どうぞお席に。」

 

 月「じゃ、じゃあ失礼します。」

 

 一刀は月が座るのに合わせて椅子を押してやる。

 

 一刀「それではお茶の用意をさせていただきますので少々お待ち下さい。」

 

 そう言うと一刀は月が持ってきたポットにあらかじめ用意されていたであろうお湯を注ぐとお茶を入れだした。

 

 月「あの・・・一刀さん。何でもお願いして良いんですよね?」

 

 一刀「はいお嬢様、何でもお申し付けください。」

 

 月「じゃあ・・・その・・・口づけしてください。」

 

 一刀「はい、お嬢さ・・・ま!?」

 

 突然の申し出に一刀は戸惑いを隠せなかった。

 

 月「その・・・昨日恋さんから聞きましたよ?」

 

 一刀「え!?聞いたの!?」

 

 月「だからその・・・私も・・・愛してくれますか?」

 

 一刀「・・・勿論でございますお嬢様。」

 

 そう言って一刀は横から頬に口づけをする。

 

 月「へぅ//////////」

 

 一刀「お茶が入りました。お嬢様。」

 

 そう言って一刀は月の前にお茶を出して、その横に御茶菓子を添える。

 

 月「あの一刀さん、やっぱり召使はやめませんか?私、一刀さんと一杯お話がしたいです。」

 

 一刀「え?そう??じゃあ、俺も・・・よしっと。」

 

 一刀は月のお願いを聞き、自分のお茶を用意すると月の隣に座る。そのまま一刀と月は日が暮れるまで話をした。徐々に一刀の好みの女性の話になっていって一刀は冷や汗ものだった。

 

 一刀「ん・・・月、もう日も暮れて冷えて来たし・・・そろそろ部屋に戻ろうか。」

 

 月「あ・・・そうですね。じゃあ・・・名残惜しいですが。」

 

 月はそのまま一刀に背を向けて部屋に戻ろうと歩き始めると、一刀は不意に月に声をかける。

 

 一刀「月、背中にゴミが付いてるよ。取ってあげる。」

 

 月「え?そうなんですか?じゃあお願いします。」

 

 一刀はそのまま月に近づき月の前に手を伸ばして後ろから抱き締める。

 

 月「え?えぇ!?」

 

 一刀「月、これは俺から贈り物だよ。」

 

 そう言って離れながら月の首に首飾りを付けてあげた。

 

 月「え?え??こ、これって・・・まさか・・・」

 

 一刀「昨日恋には指輪を贈ったからね。月には首飾り。」

 

 月「あ、ありがとうございます!大事に・・・大事にします!!」

 

 一刀「それとね月・・・俺、今日は月と離れたくないよ。だから・・・月の部屋に行っても良いよね?」

 

 月「・・・い、良いんですか?あ、でもお風呂入って無いです!」

 

 一刀「そのままの月を・・・ね?」

 

 月「へ、へぅぅぅぅぅぅ!?!?!?!?!?」

 

 月は動揺していたが、一刀はもう我慢の限界だったらしく、月の手を引いて月の部屋に向かっていった。

 

 月「か、一刀さん、心の準備が・・・準備がぁぁぁぁぁ////////////」

 

 一刀「お、俺も結構ギリギリだ。だけど引き下がれない!行くぞ月!」

 

 月「へうぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

 一刀は今回ばかりは雰囲気に流されるようなことは無く、一刀には珍しく無理やりな感じに月を抱く事になった。

 

 後日、一刀は詠に説教を受けた。曰く、月に乱暴するなと。

 

 さらに月は桃香に説教を受けた。曰く、一刀に流されるような弱い女になるなと。

 

 

 

 

 華雄と鍛錬

 

 

 長安城廊下

 

 月とのお茶会から数日後、一刀は政務をこなしながら実はある人物を探していた。

 

 一刀「う~ん・・・あ、月~。」

 

 月「へぅ?あ、一刀さん。」

 

 一刀「俺が長安に来てから華雄を見てないんだけど・・・何処に行ったの?」

 

 月「へ?華雄さんなら毎日お城や城下町に居ましたよ?」

 

 一刀「・・・へ?だって俺・・・見てないよ?鍛錬場に行ってみたり、警備隊の宿舎だったり・・・」

 

 月「あの・・・華雄さんの執務室は行きましたか?」

 

 一刀「・・・・・・え?華雄事務仕事してるの?」

 

 失礼な話である。

 

 月「一刀さん・・・華雄さんを何だと思ってました?」

 

 一刀「恋と同じ武一辺倒。」

 

 月「・・・か、華雄さんは事務仕事もちゃんとこなす人ですよ?」

 

 一刀「・・・なん・・・だと?」

 

 一刀はそれはそれは驚きの表情をした。すると後ろから声が掛かる。

 

 華雄「まったく・・・失礼な奴だな劉北。」

 

 一刀「あ、華雄。って、竹簡の山だな。」

 

 華雄「ああ、これでも報告することが多いからな。」

 

 一刀「そ、そうか。えっと、実は華雄と鍛錬でもしようかと思ったんだが・・・」

 

 華雄「本当か!?この報告が終われば非番になる!鍛錬場に行って待ってろ、すぐ行くからな!!」

 

 一刀「・・・ねえ月、すごい目を輝かせていたよ。」

 

 月「はい、すごい目を輝かせていましたね。」

 

 一刀「じゃ、俺は鍛錬場に行ってくるよ。」

 

 月「はい、頑張ってください。」

 

 こうして一刀は鍛錬場へ、華雄は詠のいる執務室へ、月は街へ巡回に向かった。

 

 

 

 軍師執務室

 

 詠「えっと・・・これがこうで・・・栄華、予算は如何なってる?」

 

 栄華「軍備の予算がちょっと多いわね。無駄が多すぎよ。」

 

 詠「華雄が修正案を持ってくる予定だけど・・・」

 

 華雄「賈詡、曹洪、軍備の予算修正案を持って来たぞ。後これは華雄隊の報告書だ。」

 

 詠「お疲れ、華雄。すぐ目を通すから待っててね。」

 

 華雄「急いでくれ、この後一刀と鍛錬が待っているんだ。」

 

 詠「はいはい、分かったから待ってなさい。」

 

 栄華「・・・あんな男と一緒に居て何が楽しいのか分からないわ。」

 

 詠「栄華、貴方が何を言いたいか何となく分かるけど、一刀と一騎を下手に悪く言わない事よ。貴方の命を守る上で・・・重要よ?」

 

 栄華「・・・分かったわよ。」

 

 そう言って栄華はこれ以上の暴言を慎むことにした。

 

 詠「・・・ん、栄華。問題ある?」

 

 栄華「問題なし。すごいわ、脳筋だと思ってたけど・・・出来るのね。」

 

 華雄「董卓様にお仕えして何年になると思う・・・賈詡にそれはもう叩きこまれたさ。逃げようものなら董卓様の突撃を受けたからな・・・あれはもう・・・受けたくない。」

 

 栄華「・・・どんだけすごいのよ。」

 

 詠「そうね、最近では・・・一刀を羽交い絞めにしてた恋も衝撃で地面に倒れたぐらいかしら?」

 

 栄華「あれ本当だったの!?二人が地面に倒れててあの儚い子がやったって聞いて信じられなかったけど、本当だったの!?」

 

 詠「そうよ・・・」

 

 二人はこの話は続けているだけで精神的に疲れる事を察知して、そのまま仕事に戻る事にした。

 

 華雄「それでは私は行くぞ。」

 

 詠「ええ、分かったわ。」

 

 そう言って華雄は部屋を後にした。

 

 

 

 場所は変わって鍛錬場

 

 

 一刀「・・・」

 

 一刀は目を閉じて精神統一をしていた。ゆっくり息を吸い、そしてゆっくり吐く。それを一定間隔で繰り返し、意識を城全体に持って行く。城の全体像、隠し通路、隠し部屋、隠し棚、誰かが画した秘蔵のマル秘本等を事細かに暴いて行く、そして・・・

 

 一刀「ぶほぉ!?だ、誰の部屋だ!気配がものすごく黒くて気配のイメージが薔薇薔薇しい本があったぞ!?」

 

 華雄「それは最近入った文官のだろう。此処の所そう言った文官が多く大陸中に発生しているらしいぞ。女性限定出だがな。」

 

 一刀「あ、華雄。それ本当?本当だとしたら由々しき事態だと思うんだけど。」

 

 華雄「まあ、な。そいつらは、欲の為に仕事をしっかりやるからこっちとしては対処に困っている。」

 

 一刀「さてと・・・それじゃあ始めようか。」

 

 華雄「ああ、今日こそはお前から一本取ってやるぞ。」

 

 そう言って一刀と華雄はそれぞれ武器を構える。

 

 一刀「行くぞ華雄!」

 

 華雄「応!!」

 

 ガキィン!!

 

 二人は開始の掛け声をかけるとすぐにお互いの武器をぶつけあった。

 

 ガキン!ガキン!ブォン!グォン!ギャリィ!ガイィン!ギィン!ヒュン!ギュォン!

 

 華雄「はぁ!でぇい!!」

 

 一刀「ぐぅ!?んなくそぉ!!」

 

 華雄「疾ぃ!破ぁ!」

 

 一刀「ぐ、だぁ!」

 

 華雄「く!ぐぅ!?」

 

 一刀「ここだぁ!」

 

 華雄「っ!?でぇい!!」

 

 一刀「な!?」

 

 ガイィン!!

 

 一刀「く・・・強くなったな。華雄。」

 

 華雄「はぁ、はぁ、はぁ。か、勝った、のか?」

 

 華雄の金剛爆斧の刃が一刀の首筋に付きつけられ一刀は片膝を付いていた。何度も手合わせをしてきた一刀は華雄に勝利を重ねてきたが、ここにきて華雄に敗北した。

 

 一刀「はぁ、本当にやられたな。」

 

 華雄「はぁ、それでも劉北は呼吸が落ち着いてるな。さすがに今回の勝利はたまたまと言う事か。」

 

 一刀「勝利は勝利だ。俺は完全に力負けしたんだよ。こと力勝負じゃあ俺は華雄に敵わないな。」

 

 そう言いながら一刀は立ち上がり、華雄傍によると、手を伸ばす。

 

 一刀「おめでとう華雄。」

 

 華雄「今度は圧勝して見せる。」

 

 一刀「それじゃあお祝いと応援を込めて・・・」

 

 一刀は握手している華雄の手にそっとブレスレットをはめる。

 

 華雄「か、ずと?これは??」

 

 一刀「俺から華雄に贈り物。勝利の祝い、そして俺から華雄への・・・気持ちかな?」

 

 華雄「あ・・・えと・・・えぇ!?いや、その、だな、劉北・・・私は・・・その・・・」

 

 一刀「あ、い、嫌だったか?その・・・」

 

 華雄「違う!嫌では無いから・・・困るのだ。私は武人だ。戦場で何時死ぬか分からん。こう言った物を受け取っても私はどう答えたらいいか・・・」

 

 一刀「それを言ったら俺だってそうだ。それでも・・・華雄の気持ちを聞かせてほしいんだ。」

 

 華雄「・・・私は・・・劉北が・・・一刀が好きだ。男として惹かれている。私を・・・女にしてほしい。」

 

 一刀「・・・それじゃあ、今夜・・・良いよな?」

 

 華雄「ああ、身を清めて・・・部屋に行く。」

 

 一刀「ああ・・・」

 

 二人は互いの両手を取り合い、額をくっつけて囁くように夜の約束を交わした。

 

 その日の夜、華雄と一刀は結ばれた。

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 

 一刀サイドの拠点ですな。

 

 羽生「あうあぅあぅあぅ、一刀が酷いたらしなのですよ。」

 

 いや、そこはいつも通りの平常運転じゃない?

 

 羽生「それでも無理やりとか一刀から誘うとか一刀らしからぬのですよ?」

 

 この一刀は積極的なのですよ。

 

 羽生「一応内容を聞いても良いですか?」

 

 内容??

 

 羽生「恋の時は雰囲気に身を任せて青○なのです?」

 

 YES

 

 羽生「月の時は衝動に身を任せて・・・」

 

 縛り

 

 羽生「華雄の時は誘いながら部屋に連れ込み?」

 

 青春真っ盛り!

 

 羽生「変態はもげればいいのですよ。」

 

 一騎はきっとそんな報告を受けて一刀をお仕置きコース!

 

 羽生「華琳が混ざって説教コース!」

 

 ・・・ま、どっちにしろ一刀も一騎ももげろなんですが・・・

 

 羽生「ところで・・・沁は誰かとチョメチョメは無いのですか?」

 

 今の所・・・考えてません。

 

 羽生「最後の次回はどうなるのです??」

 

 次回?一騎長安到着の巻き、いちおう報告すれば一騎と詠、一刀と桃香の拠点を考えてます。

 

 羽生「了解なのです!ボクはずっと後ろに付いて回るのですよ!!!」

 

 ・・・それはL5発症フラグなのでやめてください。

 

 羽生「え!?あれはフラグだったのですか!?!?」

 

 気付いてなかったの!?

 

 羽生「驚愕の新事実なのです・・・」

 

 その事実に俺は驚愕だよ・・・そ、それじゃあ皆次回にまた会おう。

 

 

 


 
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