No.744879

リリカルなのは~翡翠の戦士と七つの才牙~

第54話お説教、治療、デバイス作成、ある人との出会い
(すいません、少し訂正しました)

2014-12-21 17:23:03 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3079   閲覧ユーザー数:2844

「大馬鹿者。そこまで無理する奴があるか」

 

「うう、冷静に罵倒しないで~・・・」

 

重傷を負い手術を終え、ようやく意識を取り戻した剣也

 

先生に怒られているリンディ達は今部屋にはいなく申し訳なさそうな顔をしているなのはに掛けられたのは剣也からの呆れ返ったような罵倒だった

 

「ただでさえお前が使う魔法は負担が掛かるというのに訓練でもバリバリに使っただと? 死にたいのか?お前は?」

 

「はうぅぅぅぅぅぅ。ごめんなさいもうしませんだからもう許してくださいぃぃぃぃ・・・」

 

実はこの時点で既に一時間以上もお小言が続いていたりしている。

 

ベットの上の剣也に怒られている椅子に座っているなのは……

 

普通は立ち位置は逆だろうが気にしたら負けだろう……

 

「エクセリオンは封印だな。あんな負担の掛かるものは使うもんじゃない。それにカートリッジシステムは安全性を高めた俺製のを搭載させる。レイジングハートの修理はグレードアップもさせておくからもう少し掛かることになるがお前も酷いんで問題なしだ」

 

「な、なんか凄い事になりそうな……」

 

「エクセリオンに代わる新システムを模索したんだ。特殊騎士所属のデバイスマスター"篠ノ之束"から話を聞いておくように」

 

「はーい・・・」

 

「はあ・・・まあお前の体調に気付かなかったほかの連中にも責任はある。その追及は後にするとして」

 

「うう、みんなできるだけ早く逃げてー」

 

確実に折檻になるだろう追求を思い仲間達にメッセージを送ろうとするが剣也がシャットアウト

 

後日彼等は10時間以上もの正座での説教に地獄を見るのだった

 

「カルテを見る限りだとリンカーコアに変な歪みがあるな。慢性的なものにしてはおかしいし、まるで何かが混じりあったような……成る程ね、そう言うことか」

 

「どういうこと?」

 

「天力だ。先天性の天力がリンカーコア……というより魔力に浸透した所為で障害を起こしやすくしてんだ」

 

「じゃあ!」

 

「そうだ。天力をもと通りに戻せば今まで通りに魔法を使えるし、もしかしたら天撃を操れるようになる。「ほんと!!?」ただし・・・」

 

「・・・何かあるの?」

 

「治療には少々どころではない苦痛を伴う事になる。耐えられるかなのは?」

 

「・・・・・・・・・・・・どのくらい?」

 

「・・・・・・・・・・・・出産と同じぐらい?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・他の方法は?」

 

「悪いが他は思いつかん」

 

「うう、それでお願いします・・・」

 

治療の目処が立ったものの目の幅の涙を流して悲嘆に暮れるなのは

 

がんばれなのは。主に自分のために

 

 

ー翌日ー

 

多少の運動が許可されてから、剣也はうつぶせに寝転んだなのはを前にたたずんでいる

 

なお今回は7人(高町家、フェイト、ユーノ、ヴィータ)の見舞い客がいた

 

「やり方はマッサージと同じように、天力の流れのツボ……"天孔"の歪みに光の天撃、"天撃の癒光(りょうこう)"を手に纏わせた状態で揉みほぐす……その前に……」

 

そう言いながらハンカチをなのはに渡す

 

「なのは、このハンカチをくわえておけ」

 

「何か意味あるの?」

 

「舌をかまないようにな。それに痛みに耐えるのに歯を食いしばるだろう? そのままだと歯を悪くしかねないし顎ががくがくになるぞ」

 

「うん。じゃあお願いします」

 

「了解」

 

そして剣也はついに始めた

 

「んうううううううううっ!!!!!!」

 

「きついだろうがしっかり耐えろよ。元に戻りたいだろう?」

 

剣也の励ましに頷きしか返す事ができずに何度も首を縦に振る

 

ベッドのシーツを力いっぱい握り締め、歯を食いしばってなのははその苦痛を耐え切った

 

「はっ、はぁ・・はぁ・・・・・・」

 

壮絶な痛みから解放されて放心状態のなのは

 

荒い息がどこと無く色っぽい……

 

その光景にユーノが生唾を飲み込んでいたりするが、何気にフェイトとヴィータがそれぞれの得物をユーノに突きつけて威嚇し、高町家全員が殺気をぶつけていたりする……

 

「よく耐え切ったななのは」

 

「えへへ・・・うん。・・・ところでどのくらい続けるの?」

 

なのはの頭を撫ぜつつ褒める剣也になのはは顔を赤らめて照れながら答える

 

「? 何言ってんだ? もう終わりだぞ?」

 

「……へ?」

 

 

更に翌日、剣也は体調が良くなった為退院した

 

本来ならば全治半年とのことだが異常な程の回復力を見せリンカーコア以外がほぼ完全に治ったのである

 

これを見た医者が「あんた人間か?」と真顔で言われたのはご愛嬌である……

 

閑話休題

 

さて、話題を変えて此処は"時空管理局本局技術開発局"

 

現在そこはある種の修羅場である

 

訪問中の少年少女は部屋の片隅で肩身の狭い思いをしていた

 

「ごめんね、剣也君、アリサちゃん、すずかちゃん。こんなに慌しくて」

 

「気にしないでください。急なお仕事が入ったんですし…」

 

開発主任のマリーが3人に謝るが、アリサが代表して返答する

 

「でも凄いですね。地球の技術を遥かに超えてる…」

 

「そりゃあ魔法のテクノロジーも入っているから一部の技術はこっちが上だからな(特騎士用のデバイスルームには劣るが)」

 

すずかが感嘆の声を漏らし、剣也がそう言いながら説明する

 

もっともすずかはこの手の技術はかなり詳しいためすでに学習を始めているようだ

 

「聞きたい事があったらなんでも聞いてね?剣也君程ではないけどお姉さん詳しいから」

 

おどけるように話すマリーにアリサが尋ねる

 

「なのは達のデバイスもここで修理するんですか?」

 

「そうだよ。不具合が無いように調整したり、改造したりね」

 

アリサとすずかは他にもいくつか質問していたが、剣也は昨日頼んでいた事を聞き始めた

 

「昨日なのはのレイジングハートの資料頼みましたが出来てますか?」

 

その言葉に過剰反応したのはアリサだった

 

「何でそんなの必要なのよ?」

 

「なのはが天撃に目覚めたからサイガ式にも対応させる為に必要なんだ」

 

「なのはちゃん天撃に目覚めたの!?」

 

驚くすずか

 

「あぁ、昨日目覚めたんだ……フェイトとはやてには内緒だぞ?」

 

「なのはが天撃まで覚えたら無敵じゃない……」

 

其を聞いて落ち込むアリサ

 

それはさておき

 

「それが全然なんだよ。先に量産品を作るんだけど……」

 

「どういうものを作るおつもりで?」

 

「上からの命令でベルカ式のアームドデバイスを作れって言われてるんだけどね…」

 

「上手くいかないんですか…」

 

データはあるものの専門外な注文に作業が手詰まりらしい

 

「ミッド式ならなぁ……」

 

「俺たちの案も入れません?」

 

ぼやくマリーに剣也が提案する

 

「俺はベルカ式も使えますし、思わぬアイデアが手にはいるかも知れませんよ?」

 

「でも…」

 

渋るマリーにアリサとすずかが後押しする

 

「私はこういう技術の事興味あるし、少しは詳しいですから」

 

「あたしはこう見えて華炎の簡単な修理もしてるから何か手伝えるかもしれないわ」

 

三人の言葉に、とうとうマリーは折れた

 

 

「此処はこうした方が良いんじゃない?この方が……」

 

「いや、こうするのも良いかもな。だとしてもこの辺が……」

 

「だったらこうした方が良いよ?こうするとほら……」

 

子供たちの議論を呆然としながらも聞き入る開発スタッフたち。

 

レベルの高すぎる議論に彼らの方がついていけなくなる。

 

「な、何なんですかこの子たち?」

 

「い、いくらなんでも、私たちですら理解できない高次元の技術の話を……」

 

「さ、流石はなのはちゃんのお友達としかいいようが……」

 

誰もがエースと認めるあの少女を思い浮かべ、全員が苦笑いする

 

彼女も彼女の友達も、ある種の天才である

 

更に此処にフェイトやはやてが加わると……このメンバーだけで国の一つや二つは落とせそうな気がする開発スタッフたちだった

 

ー数分後ー

 

「とりあえずこんなものでどうでしょう」

 

「あ、うん。確認するね?」

 

おそるおそる3人の企画書を見るマリーと他のスタッフ……

 

そして驚愕する

 

今まで詰まっていたところを綺麗にクリアーし、かつ簡略化しさらに量産化における問題点やカスタマイズによる改良案まで書き込まれているのだ

 

唖然とするスタッフ一同に素人3人は不安になる

 

そしてマリーは、いやスタッフ全員はこの3人に希望を見出した

 

曰く、この子たちがいればこの激務の日々から解放されるかもしれない!、うまくいけばサイガデバイスの作成法も入手出来るかもしれない

「凄いよ君達! ぜひともウチのスタッフになってくれないか!?」

 

スタッフの一人の賞賛の声を皮切りに、次々とスカウトが始まり3人は困惑する

 

「あたしはその、実家を継がなきゃいけないんで…」

 

アリサは辞退

 

「う~ん、どうしようかなぁ…」

 

すずかは入っても問題無いらしい

 

「俺、特騎士なんだけど…」

 

 

剣也は軽く断りをいれていた

 

 

「これでようやくはやてちゃんのデバイス作成に移れるよ~」

 

アームドデバイスの量産計画の目処がついたのですずか、アリサがようやく本題に入った

 

実は二人がここに来た目的ははやてにデバイスをクリスマスにプレゼントするために来たのである

 

其を相談された剣也は「なら、管理局のデバイスルームに行けば良いよ」とのことで剣也を連れてきたのである

 

因みに剣也を連れてきたのは……

 

まぁ、察してください(笑)

 

「はやては遠距離の広範囲殲滅型だったな…」

 

「それならアームドデバイスになるね。丁度いいからさっきのデータ使ってみようよ」

 

「マリーさん。データベース覗いていいですか?他のアームドデバイスの資料も欲しいので」

 

「いいよ~。変なことはしないでね~」

 

剣也は参考になるものは無いかと適当に検索を掛ける

 

レヴァンティンのデータ等も発見し、参考になりそうなデータを片っ端からプリントアウトし、アリサとすずかがそれを検証していく

 

基礎理論から新しい理論を構築していく3人にスタッフたちは半ば畏怖を覚えつつデバイスの設計がなされていく

 

「うん? なんだこれ?」

 

「どうかしたの? 雅史君」

 

データを検索中の雅史が何かを見つけたようだった。

 

「名称不明のデータベースっぽいのがあるんだけど・・・」

 

「ああ、それ?私達にも判らないんだよ。なんかものすごい厳重だし」

 

どうやらかなりの数のプロテクトがかかっているようだった。

 

「私たちは時間が無いから放置してるけど、君は興味があったら何しててもいいよ?」

 

「じゃあ、これの解析やってみますね」

 

「うん。あと、はやてちゃんのデバイスのほうもアドバイスがあったら教えて?」

 

「了解です。あとで3人で基本設計から見直して見ます」

 

雅史は謎のデータベースに挑み始める。

 

「・・・・・・・・・・・・は?」

 

どうも地球のプログラミング技術で簡単に開いてしまったらしい。

 

そして中身を閲覧する。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

雅史の目がだんだんと鋭くなり、冷たさを増していく。

 

どうも知ってはならない類のデータのようだった。

 

雅史はデータを自分用にもらった個人端末にコピーしていく。

 

そして足跡を残さないように細工をして、アクセスをやめた。

 

「ど、どうしたの?なんかキレてない?」

 

「何のことかな?さあ、はやてのデバイスの設計に入ろうか」

 

すずかの言葉をスルーし、誤魔化しながらデバイスの再設計に入った

 

どことなく、怒りのオーラを発しながら・・・・・

3人で議論を交わしながらはやてのデバイスの設計をしていると、デバイスの調整を依頼しに来た局員が横槍を入れてきた。

 

「ふん、あんな犯罪者のデバイスなんか作ってい

 

るのか」

 

「犯罪者?どういうことかな?」

 

「闇の書の主だからだ」

 

「・・・・・・・・それだけの理由で?」

 

「それ以外の何がある! 俺はあれに両親を奪われたんだ!」

 

男の言葉に周りの人が顔をしかめる。

 

剣也もその一人である

 

友人であるはやての事を悪く言われるのは我慢がならなかったのだ

 

「何年前だ? あんたの両親が死んだのは・・・」

 

「ふん、20年以上前だ」

 

はやての生まれる前のことだった

 

「・・・・・馬鹿か貴様」

 

「何だと!」

 

「当時生まれてもいない子供に罪を押し付けるな!」

 

「うるさい! 闇の書の主なら誰でも同じだ!」

 

「今回の事件では死人は出ていないんだろうが!」

 

「関係あるか! あんな小娘なんざ死んでしまえばいいんだ!」

 

「……アッ?」

 

その言葉に剣也が――――キレた

 

 

(ピンポンパンポーン♪)――只今悪夢の如き暴力が猛威を振るっております。暫くお待ちください――(ピンポンパンポーン♪)

 

 

「・・・・・デ、ナニカイウコトハアルカ、ア?」

 

「・・・も、申し訳・・・ありません・・・でした・・・」

 

キレた剣也の圧倒的暴力により男性局員は身も心もずたずたにされた

 

修羅と化した剣也がひき起こす惨劇にすずか、アリサ含めたスタッフたちは部屋の隅で恐怖に震えている

 

「闇の書っテノハ言ってシマエバタカが物ダロガ? 偶々それをテニイレタ、イヤムこうから勝手に主にサレルんだ。はやては被害者ダロウガ?間違っているか? コタエロヤ、コラ」

 

かなりキレているのか少しカタコトになっている

 

「・・・・・冷静に考えてみればその通りです・・・」

 

雅史にぼこられたことで冷静になったらしい男性局員が息も絶え絶えに話す。

 

「はやては足を麻痺させラレタ上に、命を蝕まれてイタんだぞ。その状態から闇の書を消滅サセタんだろう? あの子はお前の家族の仇を討ってくれたんじゃないのか?」

 

落ち着いたのか最後は普通の口調に戻っていた

 

「・・・はい、その通りです。本来感謝すべき子です」

 

「それと・・・・ちょっとこっち来い」

 

男性局員を連れて(引きずって)物陰に隠れ、先ほどコピーしたデータベースを見せる

 

「これは先ほど発見したものだ。あんたならこれが何なのかわかるだろう?」

 

男性はデータベースを見て、中身を理解し、怒りに震えだす

 

「どうすればいい?」

 

「仲間を集める。データをコピーするから被害者遺族にこれを見せると共にはやての事を恨むなと伝えてくれ。あと、色々と慌しくなるが協力してくれとも」

 

「解った、連絡を取れるものは声をかけてみる。しかし、君に危険が降りかかるかも知れんぞ?」

 

「問題ない、訳あって海明を離れるんだ……其にはやての、友人のためだ。その程度の危険はどうって事もない」

 

男性は剣也の目を見て、自分が憎しみにとらわれて大事な事を忘れていた事を思い出した。

 

「俺は全面的に協力する。俺にも娘がいる身だ。同じような事に巻き込まれては堪らんからな」

 

「よろしく頼む。ああ、俺は柊剣也……特騎士だ。あんたは?」

 

「時空管理局陸士108部隊所属ゲンヤ・ナカジマ一等陸尉だ。よろしく頼むぞ」

 

何をする気か分からないが、仲間になったようだった

 

この出会いは後々管理局に大きな影響を与える事になる


 
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