No.743536

真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第二十二話

ZSANさん

怒り心頭の鞘華

2014-12-14 15:47:35 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3781   閲覧ユーザー数:3244

~鞘華視点~

向かって来る曹操軍の方を見ながら此方の世界に来てからの一君との行動を思い起こす

賊を倒し、五胡の撃退に手を貸した

黄巾党討伐にも加わった

河内の相になって河内の発展に尽力した

洛陽では陛下の名の元、洛陽の復興に当たっていた

 

問答無用で攻められるような悪行は行っていない

各諸侯への通達を怠ったが洛陽の現状を調べもせずに攻め入る理由にはならない

まして洛陽から撤退しているにも関わらず、追い立てられる理由等ない

 

この連合は諸侯の嫉妬から始まった

その嫉妬に功名等を欲しがる諸侯が乗じた

そんな理由で何故、一君が傷つかなければならない?

何故、私達に従った兵が殺さなければならない?

私の疑問は怒りに変わる

 

だが怒りに任せて闇雲に突撃する訳にはいかない

橋を背にしてこの場を死守する

そうしなければ先行する民、兵、一君、陛下、愛紗、静里、星、葵が危険にさらされる

一君が守った、守りたい者を守るのが今の私の役目

 

曹操軍の本隊がやって来た

隣には劉備軍も見える

私は両軍に向かって

「我が名は『天の御遣い』北郷鞘華!

 我等の民、兵、仲間を傷つけた事 万死に値する!

 この橋を渡ろうとする者には等しく死を与えてやる!

 死に急ぐ奴からかかってきなさい!」

そう言い放った 明確な殺気を込めて

~華琳視点~

あの娘がこれ程の殺気を、怒りを見せるとはね

一般兵だけでなく季衣や流琉も飲まれかけている

二人はまだ経験が浅いから無理もないわね

それにしてもこの状態は良くない

橋を背にしている為、前からしか攻められない

同時に攻撃するのも少し後ろに下がり、橋の上に移動すれば2、3人が限度

それで倒そうと思ったら武将 春蘭位でないと無理

「華琳様、私が行きます」

春蘭が向おうとするが

「やめておけ、姉者

 今の鞘華は怒りで力が増している

 姉者が相討ち覚悟で何とかなるかどうか といった所だぞ

 最悪返り討ちに会いかねない」

秋蘭が止める その意見には私も同意だ

「しかし・・・」

「やめなさい、春蘭

 貴女が倒されてしまっては元も子もないわ

 これは命令よ!」

春蘭を思い留まらせる しかし

「たった一人で何ができる!」

4人の騎兵が鞘華に向かう

しかし、一瞬で切り裂かれてしまう

そこで

「鞘華、私に投降しなさい

 貴女が私の者になると言うのなら今回は他の者達は見逃してあげるわ」

投降を促した

「寝言は寝て言いなさい

 今の私は、貴女に投降するより、貴方の首を取る事が望みよ」

驚くほど冷酷な口調で拒否された

~桃香視点~

「ちょっと待ってください」

私が進み出る

「お久しぶりです

 今回は北郷さん達と話し合いたくて追ってきました」

「話?」

北郷さんが怪訝そうな表情をしますが

「私は初めて会った時の一件で北郷さん達は冷酷非情な人だと思っていました

 でも実際に洛陽を見て、北郷さん達の行動を聞いて、とてもそんな人には思えませんでした

 北郷さん達は何故・・・」

「あの時、逃げたり命乞いをする者達まで斬ったのか とでも言いたいの?」

私の言葉を遮って北郷さんが言った言葉に頷く

「理由は貴女の軍師にでも訊きなさい

 一つだけ誤解が無いように言っておくと、あの時一君は心で泣いていた

 それだけよ」

理由は答えてくれなかった

「分かりました

 最後に一つだけ言わせてください

 北郷さん達が冷酷非情な人達と思い込んで洛陽に攻め入った事、お詫びします

 申し訳ありませんでした」

私が頭を下げると

「貴方は考える事を知ればまともな君主になれるかもね

 頭の中のお花畑を直す必要もあるけどね」

その北郷さんの言葉の意味は解らなかった

~華琳視点~

劉備が私にはどうでもいい話をしている時

「華琳様、帰還の際の分を考えると兵糧にもう余裕がありません

 奴等を捕獲すれば何とかなるかもしれませんが此処で手間取るとそれも出来ません

 一気に此処を突破するか若しくは・・・

 二者択一しかありません」

桂花が報告してきた

「くっ、此処まできて・・・

 我等は撤退する

 このまま陳留に直接向かう」

反北郷連合が茶番劇なのは解っていたが、収穫無しは予想外だったわ

損害は大して無い事がせめてもの救いね

今回はこれで諦めるしかないわ

 

~鞘華視点~

両軍が撤退して行くのを見届けてから私も橋を渡り、一君の所へ向かう

橋を渡り直ぐの所に一君達は居た

理由を訊くと

「急ぎ応急手当てをしなければ一刀様の御命が危険と判断して、此処で応急手当てをしていました

 それと、一刀様の意識が戻らないので今、兵に荷車を用意してもらっています」

と静里が答えてくれた

程なくして用意が出来ました と報告が来た

荷車を馬に引かせ、荷台に陛下と気を失ったままの一君を乗せて出発する

 

荊州と益州の境にある城(街)に到着した

城主は私達が軍を持って攻め入って来たと思い逃亡

街の民は内乱続きでで劉璋への不満が高まっていたので喜んで迎え入れてくれた

静里と葵が事前に手回しをしてくれていたおかげだけどね

取り敢えず私達は、無事に逃げ切った

後は一君の意識が戻るのを待つだけ

~あとがき~

 

今回は鞘華が活躍しました

この場面は愛紗にしようかとも悩みましたが結局、主役の片割れ 鞘華にしました

おかげで愛紗は全く活躍してませんね 星は霞との一騎打ちがあったのに・・・

 

前回の話で一刀は動きが制限された上、槍を自由に使える訳が無いと言うようなコメントを拝見しました

動きが制限されたのは間違いありません

しかし、槍は中程を持って片手で突き、薙ぎを行うのが普通でしょう

残りの片手は手綱を持ちますから

更に前に劉協が居ても左右の持ち替えは可能です 槍は柄が長いですから

説明不足をお詫びします

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
16
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択