No.736681

寂しがりやな覇王と御使いの兄9話

あなたまさん

夜勤明けで眠れなかったので投稿しちゃいました~

恋ちゃん編完結ですが・・・内容変じゃないか心配です

2014-11-12 10:21:23 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10795   閲覧ユーザー数:8103

一刀「さて、匈奴のやつら殲滅するにしても、一人だといろいろ面倒だな。とは言っても警備隊すら居ないからどっち道1人なのは変わらないか。とりあえず正体がバレないように、仮面被っておくか」

 

そういえば、今の并州五原郡の刺史って誰だっけ?正史だと呂布を義息子として従えていた丁原だったっけ?人物像は粗略、武勇一辺倒の武将だったとの評を聞いた事がある。とはいえ、外史と正史では全く人物像が違うから、正史の知識は頭の片隅に置いておく程度で留めておくか。

ん?さっきから向こう側で叫び声が聞こえるな。まだ匈奴の軍は来てないし、民の逃げ惑う悲鳴じゃなく、あれは怒号……確認してみるか

 

 

 

 

丁原「ええい、いまいましい匈奴の犬共め、わしの宴会をぶち壊しよって!呂布いままでどこにいっていた!1千ぐらいの雑兵ならば一人で問題ないだろ!?さっさと追い払って来い、わしの命令は絶対だ」

 

恋「.....コク....帰ったらごはんくれる?」

 

丁原「いいから早くいけ!倒してきたら考えてやる!」

 

恋「わかった....トテトテ」

 

丁原「ったく、ようやくいったかあの鈍間め、なんのためにわしが召抱えてると思ってるんだ!まあいい、呂布がいる限りわしの地位は安泰だ。これからも馬鹿で孤独な呂布をうまく利用して酒池肉林な生活を楽しむか!ガッハハハッハ」

 

 

一刀「・・・・クズだな」

 

この外史の丁原って正史の董卓そのままだな。霞から董卓は優しい子だと聞いてるし、正史董卓の性格が丁原に移ったと思っていいか?

丁原の事なんかよりも、まさかあの愛らしい少女(恋)が鬼神・飛将軍・人中の呂布と謳われ、この時代最強の豪傑・呂奉先だったとなんてね。探していた子と既に接触してるとは思ってなかったけど、今は勧誘よりも恋をあのままにはさせておけないな。

 

このままだと利用され続け、不要となったら簡単に捨てられる。

そうなったら恋の心は壊れてしまうかもしれない……なんとかしなければ

 

 

 

 

 

丁原に言われた命令を守り、恋は并州郊外に出て匈奴軍にたった1人で対峙し、静かにたたずんでいる。ただ佇んでいるはずなのだが……匈奴軍からは死神のように思えるほど闘気を放出し、敵を完全に威圧していた

 

 

恋「グゥゥ....一刀からもらったけどお腹もつかな?」

 

恋は小さい時に捨てられてからずっと一人ぼっち。周りの人も恋の力を気味悪がって誰も寄ってきてくれない……大きくなってもずっと一人でごはんもおいしくない。

 

でも一刀は不思議、一刀からは周りの大人から感じる変な気を感じない。ぽかぽかでお日様のような感じがした。初めて恋が一緒にて安心できたし、ごはんも初めて美味しく感じれた。一刀も恋の力みたら気味悪がっていなくなっちゃうかな?もう恋ひとりでいるの寂しい。

 

お日様のようにポカポカな一刀に恋の戦い姿を見せたくない……だから

 

 

 

 

恋「だから....お前達一刀が来る前に....全員殺す」

 

敵将「ひ、ひ、怯むな!相手は女1人だけだ!あの街を攻め落として女、食い物すべて奪い取れ!」

 

宣言と共に、先程とは比べ物にならない程の闘気を燃やす恋。

敵将がなんとか鼓舞するが、恋の闘気に当てられて身動きが取れない者が続出した。

 

 

恋「.....逝く」

 

恋の振るう方天画戟の一振りで、恋を囲もうとした6人が一瞬にて首と胴体が離れ絶命。次に恋の標的になった者達が、恐怖心を紛らわそうと我武者羅に武器を振るうが、そんな攻撃は一度も当たること無く叩き斬られて絶命する。

 

1対1千、普通ならどう考えても覆る事は無い程絶望的な戦力差。

しかし匈奴軍は既に半数以上を恋に討ち取られ、既に戦ではなく一方的な蹂躙。匈奴軍の将や兵達は自分達がようやく気がつく。決して相手にしてはいけない……敵対してはいけない……

自分達は百獣の王に捕食される弱者でしかなかった事をようやく悟る。

 

 

敵将「な、なんだこいつ!こんやついるなんてきいてな・・・ドサ」

 

恋「羽虫はシネ」

 

兵の7割を討ち取られ、自分達の指揮官すら一合で斬り伏せる。

自分達ではどう足掻いても怪我一つ付ける事は不可能。匈奴軍の兵士達は手に持っていた武器・身に纏っていた武具をすべて脱ぎ捨て、1人、また1人と逃げ出し、完全に匈奴軍は瓦解してしまった。

 

 

恋は逃げていく者達を追うことはなかったが、逃げていく匈奴軍兵士の1人がこう言い放った『あいつは女じゃねえ、女の姿をした化物だ!』

 

耳の良い恋は自分から離れていく兵士が言い放った言葉をしっかりと聞いてしまった。

 

『化物』

 

 

自ら望んだ力では無い。でもこの力を身に付けたのにはきっと理由があるはず……恋は覚醒したその時からずっとそう思ってきた……そんな恋が一番言われたくない言葉がそれなのだ。

 

恋「恋は……恋化け物じゃない。でも……一刀にこの姿を見られちゃったな……」

 

 

匈奴軍の退路の先には……恋がいま最も会いたくない人物…

 

 

 

自分に初めて安らぎを与えてくれた一刀が偃月刀を肩に背負いゆっくり歩いて来ていた

 

 

 

一刀「出遅れたか、すでに匈奴軍壊滅してるなこれ。たった僅かな時間、しかも1人でここまで蹂躙するか……これがこの時代最強と謳われた呂奉先の武……俺もせっかく霞の偃月刀に似せた黄龍偃月刀作ったんだし、暴れますか!」

 

 

 

 

匈奴軍の兵士達は前方から悪魔のような光景を見せ付けた恋。

そして退路には得体の知れない男が、恋同様に1人で佇んでいる姿を見て更に混乱してしまった

 

兵士「お、おい退路にまた武器を持った奴が居るぞ!逃げる進路を変えようぜ!」

 

隊長「な、なにを怯えている!相手はあの女ではなくただの優男だ!殺して速く奴から逃げるぞ!」

 

 

匈奴軍の兵士達は恐怖のあまり、正常な判断を下せずにいる。

もし正常な判断が取れてたならば、この後に起こる悲劇を回避できたかもしれない

 

 

一刀「恋に追い詰められてこっちに逃げてきたか?軍をたった1人で壊滅させた恋を相手にするよりも、突然現れた男を倒して逃げ切る。まあ考え方としては妥当か」

 

 

 

隊長「なにごちゃごちゃ言ってやがる!そこをどきやがれ!」

 

隊長格の男に続くように群がってきた兵士を黄龍偃月刀で一閃。自分達に恐怖心を植えつけた呂布と全く同じように数人が絶命した。その光景を見た生き残り達は、前に進めば呂布が、退路を進めば得体の知れない男に斬り伏せられる……完全に目から生気が消え、逃げる気力すら失ってしまった。

 

そんな匈奴軍の兵士達の心境などお構いなしに、一刀は思ったより手に馴染んだ飛龍偃月刀を勢いのまま地面に叩きつけ、ただ立っているだけの兵士達を吹き飛ばす。

 

 

一刀「おぉ!想像よりも使いやすいし手に馴染む!よしお前達・・・逃げられると思うなよ・・・?壊滅してようが、生気を失ってようが、罪の無い民を襲おうとしていたんだ……生きて帰れると思うなよ?」

 

 

一刀と恋は示し合わせたかのように同時に動き出し、生き残っている匈奴軍に斬り込む。

匈奴軍の兵士達はこのまま死ぬぐらいならばと、最後の抵抗を試みるが、一刀に斬りかかろうとするれば恋が、恋に斬りかかろうとすれば一刀がそれを防ぎ、互いの死角を完全に補う連携を見せ付けた。

 

そして恋が対峙してからたった四半刻(30分)で戦いは終結した

 

 

一刀「恋お疲れ様、怪我はしてないかい?」

 

恋「恋は強いから大丈夫。でも……一刀も恋みたく強くてびっくりした」

 

一刀「これでも一応鍛えてるからね。でも恋に強いって言ってもらえてなんか嬉しいな」

 

 

正直いまの俺がどこまで戦えるか試したことなかったから、この戦はちょうどいい機会になったかな?

恋にも強いって言われたから自信持てたしね。

 

 

一刀「恋……?どうしたの?やっぱり怪我負ったのか?」

 

恋「違う....一刀も……恋のこと化物だと思って……恋から離れてどこかに行っちゃう?」

 

 

恋が一刀と話しながらも、悲しそうな目をしていた理由はやはりこれだった。

自分が人外と呼べるほど力を有しているのが一刀に知られてしまい、今まで出会った人達みたいに自分の前から消えてしまうのではないかと思っているのだ。

 

一刀「・・・へ?俺は恋のこと化け物だなんて思ってないよ。なんでそう思ったのかな?もし恋が教えてくれるのならば、話してみてくれないかな」

 

恋「……恋今までずっとひとりだった。恋のこの力を気味悪がって、誰も恋の傍に来てくれる人いなかった……恋から近づいてもみんなすぐ逃げ出しちゃう」

 

一刀「だから……俺もいなくなっちゃうと思ったのか」

 

 

恋「……コク。恋もう一人でいるの寂しい、恋も誰かと一緒にいたい...」

 

一刀「ずっと一人だったのか。なんで丁原のところにいるんだ?」

 

恋「恋お金ないからごはん買えない。丁原は敵倒したらごはんくれるって...」

 

 

あのクズはご飯さえ与えれば、自分の思うように動かせると思っていたわけか。実際ご飯で留めさせておく事が出来ていたが、あの子が欲しいのは、傍にいてくれる家族だろうな。なら俺が恋にしてあげられる事は……

 

 

一刀「なら恋、俺と一緒にこないか?」

 

恋「!?……一刀と一緒....?」

 

一刀「あぁ!俺は恋のこと気味悪いとも化け物とも思っていない。むしろ恋は可愛い女の子だよ」

 

恋「恋が・・・かわいい・・?」

 

生まれてから初めて”可愛い”と言われた恋。

化物と蔑まれることは多々あるのだが、可愛いと褒められた事が無いため、どう反応していいか解らずに顔を赤らめて俯いてしまう

 

 

一刀「誰がなんといおうと恋は可愛い女の子だよ。この大陸中の人が恋の事を嫌ったとしても、俺は絶対恋の傍に居続けるよ。これからは俺と家族になって過ごしていこ」

 

恋「恋と家族に……なってくれるの……?」

 

一刀「あぁ、今から俺と恋は家族だ。いままで寂しかっただろ、おいで恋」

 

恋「グス...ずっと寂しかった...一刀ずっと一緒」

 

腕を広げておいでと言ってあげると、恋は戸惑いながらもそっと俺の腕の中に入って来た。先程暴れた豪傑とは思えない程、細くて華奢な体の恋。一刀はそんな恋を優しく抱きしめながらゆっくり、ゆっくりと頭を撫で続けた。

 

一刀「俺でよければずっとそばにいるからね恋・・・」

 

初めて感じた家族の温もり。

例え血が繋がって無くてもこの温もりは本物

 

 

恋はやっと頼れる存在を得た事で、一刀の腕にしがみついて泣いてしまった。

 

 

一刀はそんな恋を見て、かつての自分を思い出していた

 

前の外史ですぐ華琳に拾われたのは幸運だった。

あの時華琳が通りかからなければ、一人孤独な生活を送っていたかもしれない……

恋はずっと一人だったんだ。どんなに強大な力をこの子が持っていても、これからは華琳同様、この子を護ってやると心に誓った

 

 

 

 

 

 

 

 

それからすぐ恋は泣き止んだが、気恥ずかしさを感じて一刀から少し距離を取る。

 

恋「もう大丈夫///」

 

一刀「そっか、じゃあ恋これからどうする?いったん丁原のところに帰る?」

 

恋「フルフル...もう丁原に会いたくない・・・にぃにとすぐにいく」

 

 

一刀「そっか、じゃあ一緒に行こ……ちょっと待って、にぃにって俺のこと?」

 

恋「....だめ?」

 

 

ぐはっ!

だから恋のこの目で見てくるの反則だろ!?これに逆らえる人いるの!?いたら紹介して!まじで!

恋みたいな子から”にぃに”って呼ばれるのはなんかくすぐったい感じがするけど、恋が呼びたいように呼ばせてやるのが一番かな

 

一刀「ダメじゃないよ。恋が呼びやすいように呼んでくれていいよ」

 

恋「パァァァ!にぃにありがと」

 

 

一刀「あぁ~恋はかわいいなあ~まったく!」

 

恋「にぃに・・・くすぐったい///」

 

呼び方を許された事で、一気に恋の表情が明るくなる。

そんな可愛さらしい恋を思わず抱きし、頬擦りする一刀。

 

恋はそれを嫌がる素振りは一切無く、このまま抱きしめられたいと思っていたのだが、頬擦りのくすぐったさが勝ってしまい、自分から一旦離れる

 

一刀「おっとすまない、じゃあそろそろいこっか恋。これからよろしくね」

 

恋「コク...恋にぃにとずっといる」

 

 

なんか恋が妹的立場になったけど、これ華琳にあったらどうなるかな?

案外恋となら嫉妬深い華琳でも仲良くなれそうな気もするけど

 

 

一刀「華琳か……また一緒に過ごせる日の為にも頑張らないとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀達が立ち去ったあとの并州五原郡

 

風「むぅ~ここも立ち去った後でしたかぁ。お兄さんが”十常侍ごとき”にやられるはずありませんし……おぉ!?このまま北に向かいましょう~お兄さんレーダーがビビっと反応したのです。にゅふふ、風は逃がしませんよ、お兄さん」

 

 

 

 

 

明日の書いて投稿予定でしたが寝れなかったのでそのまま書いて投稿しちゃいましたー

戦闘シーンは苦手ですしこの程度なら一刀と恋だしそんな描写いらないよね・・・?と思いかなり短くなっちゃいました。

 

少しは恋らしさ出てればいいんですが・・・

 

 

親衛隊Aを牛金 Bを満寵にしました!

隊長(部隊長)てきな立ち居地にしてこうとおもいます

 


 
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