No.735532

快傑ネコシエーター24

五沙彌堂さん

116、大和撫子のリトルワールド
117、銀(17歳ver)と銀(25歳ver)とおまけ
118、さつきと源さんの怒りの制裁
119、美猫のさつき人形遊び
120、大和警部補黒猫verのリトルワ-ルド

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2014-11-06 23:23:54 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:604   閲覧ユーザー数:602

116、大和撫子のリトルワールド

 

「撫子、起きなさい。」

撫子が大和警部補黒猫verに起こされて目覚めると丘の上のお嬢様学校の制服を着ていた。

大和警部補黒猫verもなんだか少し小さくメルヘン調だった。

「撫子、やっと起きたみたいだな。」

大和警部補がいつもと違って黒猫verだった。

撫子は自分の姿が学校の制服姿だったがなんだか可愛くデフォルメされた

人形の様だった。

「お父さん、どうして黒猫の姿なのですか。」

「わからないがこの世界ではこの姿で変化できないようだ。」

「せっかくならお父さんの逞しい猫又姿もよかったのに。」

撫子はこの世界の破綻を招くような恐ろしいことを希望した。

「この世界の創造主がかわいくデフォルメできないという理由でこの姿のようだ。」

「でも撫子お前もかなり可愛くデフォルメされて愛くるしくなっているぞ。」

「まぁ、お父さんたら、ふふっ。」

撫子は照れて赤くなった。

「撫子ちゃん。」

「あら美猫さんとキジコちゃん」

赤い着物を着た猫又人形のような美猫とキジコも少し大きくぬいぐるみの様だった。

キジコがいつもと違って人の言葉を話していた。

「美猫さんとても着物お似合いですよ。」

美猫は照れて赤くなっていた。

「撫子さん。」、「撫子ちゃん。」

化け狐人形の妖子と猫又人形の銀17歳verが恥ずかしそうに撫子の所へやって来た。

「妖子さんって化け狐だったのですか、もう長い付き合いなのに初めて知りました。」

「銀さんって実はものすごくお若い方でしたのですか。」

妖子と銀は自分たちのこときちんと撫子に説明して納得させた。

「すみません、本当に私は世間知らずで今まで失礼していました。」

「撫子、この世界だけのお約束のようなものでここはファンタジーな癒しの世界なんだ。」

大和警部補は娘の撫子が混乱しない様に優しく説明した。

「撫子はこの世界初の唯一の半人半獣ではない普通の人間なんだ。」

「この世界に存在してもおかしくない心の持ち主なんだ。」

「私1人だけなのですか、他には誰もいないのですか。」

「実はもう1人半人半獣ではない人間が来ているはずなんだが見当たらないな。」

美猫が気まずそうに頭をかきながら、

「ごめん、その子をここに来る前に気晴らしに思い切り袋叩きにしちゃったんだ。」

「えっ、本当ですか。」

「顔を見ると今までの恨みが噴出してきてつい殴ったり蹴飛ばしたくなるんだ。」

「美猫さん、それってさつきさんですか。」

「いや、面目ない。」

撫子は直ぐにさつきを探しに行った。

さつきは直ぐに見つかったが美猫が念入りに袋叩きにしただけあって気絶していた。

撫子は完全にのびているさつきを介抱した。

「な、撫子ちゃんありがとう。」

「この世界では人間は私たち2人きりなんですよ。」

「でもみんな優しいからとても心が癒されます。」

「美猫さんももう気が晴れたでしょうからさつきさんに乱暴なことはしませんよ。」

さつきが美猫に報復を考えないように撫子はさつきの心を癒やそうとした。

撫子は本当に純真な子であった、これでさつきは大丈夫だろうと思った。

しかし半日後にまたさつきの介抱をすることになるとは思ってもみなかった。

ただ、この世界では大怪我はしないのでそれほど心配はいらなかったのだが、

撫子のような子は人の傷つくのを見過ごせないので無駄とは思わず粘り強く説得しよう

としていた。

撫子にとってこの世界は自分の心象風景のようなものであった。

唯一異なる所は美的感覚が少し違う点であった。

撫子が許容できる個性的なものがこの世界では否定はされていないが抜け落ちている

ことでそこだけが不満であった。

しかし、そんな些細な不満を感じさせないほど、心が満たされ癒される世界であった。

「この世界の創造主と私の考えはとても似ている、だから

この世界に私が受け入れられたのかしら。」

「そういえば、この世界で男性はお父さんだけが存在を許されている、姿は黒猫だけど。」

「この世界の創造主もお父さんのことが好きなんだ、それも人として尊敬している。」

「もしかしたらお母さんがこの世界の創造主なのかしら。」

肝心なところがずれているところがやっぱり撫子であった。

多分この世界の創造主の正体がわからないのは唯一撫子だけかもしれない。

この世界の創造主も撫子に間違っても恋愛感情を抱かないほど撫子の父親に遠慮している。

大和警部補本人の希望が是非自分の娘婿に迎え入れたいと思っているとしても。

多分、撫子は夢の世界それも誰かほかの人が作り出したものだと気づいて居るだろうか、

多分自分の夢の世界の中の1つぐらいだと思い泰然自若に構えているようである。

撫子自身と創造主はかなりシンクロしていると思っているようだった。

しかしそれが誰だかわからないのが撫子であった。

 

117、銀(17歳ver)と銀(25歳ver)とおまけ

 

雅の猫又人形で銀をバージョン違いで2人目を作ることになった。

銀(17歳ver)が美猫のお姉さん的存在でデフォルメもうまくできた作品であった。

今度作る銀(25歳ver)は現在の銀をモデルに子供心を忘れないアダルトなお姉さん

で、性格は一緒でも人生経験の重さを加え微妙な違いを出さなければならなかった。

当然デフォルメが前回以上に難しかった。

清楚で綺麗なお姉さんと凶悪な妖艶さで蠱惑するお姉さんをうまく同居させる

必要があった。

雅は敢えてデフォルメを弱くしかしリアル系に傾かないスケッチを仕上げそれを元に

立体化する方向で構想を練った、今までの猫又人形より等身をあげスマートに美人画

風に仕上げていった。

美猫は雅がかなり根を詰めているようなので、適度に休養を取らせ気分転換を図った。

通常の猫又人形の4倍の工期を掛けてやっと満足のいくものが仕上がった。

「銀ねぇ、みやちゃんから銀ねぇ(25歳ver)の顔と素体が出来たから見て欲しいって。」

「まぁ、直ぐに見に行きますね。」

銀は真剣な顔で雅の書斎を訪れた。

「銀さん、何か改善が必要な所を駄目だししてください。」

「わぁ~、とても綺麗私こんなに美人さんじゃ、なんか恥ずかしいです。」

「ちゃんとデフォルメしているけど私よりもすごくスタイルがいいです。」

「妖艶な銀さんと清楚な銀さんの二面性を持たせてみました。」

「衣装はこれから作ります、普段の銀さんのイメージで仕上げる予定です。」

銀は大きく息を吐くと、雅に頭を下げ、

「ありがとう雅さん、とても嬉しいです、雅さんの愛情がたくさん詰まっていますね。」

「こちらこそこのようなものを作らせてもらいありがとうございます。」

「ぼくの銀さんへの憧れが詰まっています。」

2日後に衣装が完成し銀(25歳ver)の猫又人形が完成した。

銀、美猫、妖子、雅の4人とキジコで完成祝いの細やかな祝賀会を開いた。

銀(25歳ver)の猫又人形を中心に雅の作った人形、ミニチュアぬいぐるみを並べ4人と1匹

で鑑賞した。

比較的初期に作られた銀(17歳ver)も銀(25歳ver)と比べて遜色なく、むしろキャラクター

の違いだけで雅の愛情の込め方に差は無かった。

当然美猫、妖子、さつき、撫子、キジコ、最長老、猫駅長、大和警部補黒猫verにも

同じことが言えた。

雅は作るからには同じように愛情をこめているのであった。

手間がかかるのは難易度の差だけであった。

しかし難易度を克服して愛情を込めるのに必要なモチベーションが続かないと思われる

人形は雅としては作れないというか作りたくないのである。

果たして、紀美、エリカが人形になる日は来るのだろうか。

銀の言うように面白いだけでは雅のモチベーションは維持できないのである。

 

しかし、雅は紀美を何とかデフォルメしてみようと頑張ってみた。

でも可愛く出来ないのであった、これは致命的であった。

首から上だけなら眼鏡を強調して何とかデフォルメできそうであった。

次は衣装であるブランドスーツより地味子服の方がなんとかなりそうであった。

雅としては一応できたけど満足のいかない仕上がりであった。

可愛さがかなり不足しているのであった。  

いっそのこと化粧を落としてすっぴんにして眼鏡を強調したら可愛らしくなってきた、

方向性は間違ってない様だ、ボデイラインをソフトな感じにしたら

可愛くなってきたような気がしてきたのでこの素体を汎用素体にして軍服を着せて

エリカを泥縄式に作ってみた。

多分この2人はこれが限界なのでここで、銀と美猫に感想を聞いてみた。

 

「事務の糞ババアとか乳眼鏡って感じがしないからこれが限界じゃない、みやちゃん

充分頑張ったよ。」

「エリカさんは顔の出来がいいから軍服を着せとけば体形とか関係なくそうみえるわね。」

2人の評価は人形の出来はともかくとりあえず雅は限界まで努力したよねと言う物だった。

「正直この2体の出来は決して満足のいくものではないから他の人形と一緒に並べると

明らかに見劣りするからどうしようかな、本人が見たら絶対苦情がきそうだなあ。」

雅は人形の出来に不満があるようだった。

「それでは私が引き取って愛でましょう。」

銀が紀美人形とエリカ人形を引き取ることになった。

銀は愛おしげに美猫にいった。

「紀美ちゃん人形は雅さんは不満があるようだけどとてもよく出来ていると思うわ、

エリカさん人形も雅さんは首から下は汎用素体っていうけど顔はよく似せているし

ちゃんとデフォルメされていてかなり可愛く出来ていると思うわよ。」

「人形遊びは女の子の遊びの王道よ、こんなに良く出来た可愛い人形を見劣りするって

幾らなんでも可哀想だから私が大事に愛でてあげないと可哀想だわ。」

「でも、銀ねぇモデルになっている2人は絶対女の子向け人形向きじゃないと思うよ

電流爆破有刺鉄線デスマッチとかやらせると似合いそうなプロレスラー人形向きだね。」

「それも人形遊びの進化系だからいいんじゃないのかしら。」

「普通に着せ替え遊び位にしようよ銀ねぇ。」

美猫と銀は人形の出来よりモデルになった本人たちを貶しているようであった。

 

118、さつきと源さんの怒りの制裁

 

さつきは美猫に半殺しにされて痛む体を引きずって提灯屋の源さんの工房を訪れた。

「こんにちは、源さんお面を受け取りに来ました。」

「いらっしゃい、さつきちゃん、おやどうしたんだい。」

「美猫ちゃんと喧嘩と言うか一方的に袋叩きにされまして。」

「また、口を滑らして美猫ちゃんを怒らせたのかい。」

「まぁ、そんな所です。」

「さつきちゃんも一言多いからなぁ。」

「今回は一言じゃなくて寝言で繰り返し言ったものだから徹底的にやられましたよ。」

「じゃ、しかたないなぁ。」

さつきは源さんと世間話をして少し休んでいると、

瀕死の重傷を負った少女が源さんの工房に何とか這いながら助けを求めてきた。

「ど、どうしたのしっかりして。」

さつきと源さんは少女を助け、傷の手当をして布団に寝かせた。

「酷い怪我、一体、どうしたんだろうね。」

「かなり遠くから来たようじゃのう、この辺じゃ見かけない顔じゃ。」

さつきは、少女の傷の様子から拷問か何かに掛けられたようだと思った。

「源さん、ここから一番近い娼館街ってどのあたりかな。」

「一番近いのが5キロほど南に行った辺りに15軒程集まっている所かのう。」

「最近以前ほど悪い噂は聞かないが詳しい話はわからないのう。」

「ところで一応応急処置はしたけど、この子早く病院に連れて行かないとまずいよ。」

「せめて口が利ける状態ならいいんだけど。」

さつきは自分と同じぐらいの少女が一体どんな目に遭っていきたか想像できなかった。

工房の外ががやがやと騒がしくなってきた。

柄の悪そうなガラガラした耳障りな声がする。

「源さん。」

源さんはアルコールを全身の皮膚から吐出して素面に戻った。

さつきは魔眼を発動させる準備をして戦いに備えた。

扉を強引に開けて狒々らしきライカンスロープが強引に押し入って来た。

「爺、さっさとここに逃げ込んできた女を出せ。」

「捻じれろ。」

さつきの魔眼が発動し押し入って来た狒々らしきライカンスロープが雑巾の様に絞り上げ

られ、口から血と泡を吹いて全身の骨が粉々に砕けて絶命した。

源さんは驚いて逃げようとしたもう一人の狒々らしきライカンスロープに心筋梗塞を

起こさせ絶命させた。

2人の所持品から夢儘楼の連中である事が分った。

屍骸は荼毘に付して川に流した。

「夢儘楼について調べないといかんなぁ。」

源さんは塗仏の鉄に繋ぎを取り夢儘楼についての調査を依頼した。

直ぐに鉄はやって来て夢儘楼の現状を源さんたちに話した。

「かなり悪どい事をやっている娼館らしくて娼婦を証文でがんじがらめにして働かし

ているっていう評判ですぜ。」

「言うことを聞かないと折檻、逃げ出せば折檻あるいは拷問と娼婦の扱いの酷さは

娼館の中でも最悪だそうで、まあ逃げたくなる気持ちも分りますよ。」

「裏社会のデミバンパイアは表立って関わってはいないようですね、いれば魔眼の

支配下においてそんなにきつい折檻をする必要が無いですからね。」

「恐怖と暴力で支配下におくなんて許せないよ。」

「潰すかのう。」

「鉄さんこの子をすぐに病院へ連れて行ってくれる。」

素面の源さんとさつきは夢儘楼に向かって出かけていった。

夢儘楼に着くと源さんとさつきは娼館の用心棒を皆殺しにして荼毘に付して、

後で川に棄てた

娼婦達にお金を持たせてからを全て逃がして娼館の主の元に乗り込んだ。

「何か言いたいことはある。」

「お前たちはいったい何者なんだ。」

娼館の主は震えながら叫んだ。

「捻じれろ。」

さつきの魔眼が発動し娼館の主が雑巾の様に絞り上げられ、口から血と泡を吹いて

全身の骨が粉々に砕けて絶命した。

金庫の中の全ての証文と一緒に屍骸を荼毘に付して川に棄てた。

無人になった娼館から大鷲に変化した源さんに掴まって

さつきは源さんの工房に戻っていった。

時間にして小1時間ほどであった。

大和警部補には鉄から連絡がいって一応夢儘楼へ行き現場の様子を調べた。

見事に全て証拠は燃やして灰になっているかその灰も川に流され何も残っていなかった。

大和警部補はきれいな空家になった夢儘楼を後にした。

「源さん相変わらず本気になると怖いなぁ。」

工房に戻ったさつきと源さんは夢儘楼のお金を全て娼婦たちに持たせた残りを

ここに逃げ込んできた少女の分を鉄から少女に渡して貰った。

源さんは早速酒を一斗ほど呑んでいつも通り酔っぱらって、さつきはそんな源さんと

いつものように世間話をしてから恐怖のお面をを受け取ってトコトコと家路についた。

 

119、美猫のさつき人形遊び

 

雅がさつき人形を作ってからというものの美猫は何かさつきに恨みでもあるかのように

さつき人形の首を外してキジコとサッカーやバスケットボールなどをするようになった。

「ネコ、お前はどうしてさつきちゃん人形を苛めるんだ、また髪の毛がぐしゃぐしゃに

なったじゃないか。」

と雅はさつき人形の髪の毛を綺麗に整え元に戻していた。

「だって見ているだけで憎たらしくなってくるんだもん。」

「牛タン弁当の恨みは忘れられないよ。」

「僕の分を半分食べたんだからもう帳消しにしなよ。」

「この前なんか具合が悪いって聞いて心配してお見舞いに行ったら寝言で人の気に

していることを繰り返し何回も言いやがるんだよ、憎たらしいにも程があるよ。」

「ネコが先に散々暴力を振るっているんだしさつきちゃんもフラストレーションが

溜まっているだから寝言位大目に見てあげなよ。」

「大体ネコもそのあとさつきちゃんを半殺しにしたじゃないか、かなり体を痛そうにして

コンビニで働いていたのを見かけたよ。」

「とにかく人形にまで八つ当たりをするのを止めなさい。」

「勿論さつきちゃん本人にもすぐ殴ったり蹴ったりするのもやめなさい、ネコも我慢

してたまには軽口位受け流しなさい友達なんだからもっと大人の対応をしなきゃ。」

雅はあまりしつこく言うと美猫には逆効果になるのでお説教は止めてさつきの手柄話を

して少しさつきを見る目を変えさせようと思った。

「源さんの工房に逃げ込んできた瀕死の重傷の女の子を助けてその子を酷い目に

遭わせた奴らを鉄さんに調査を依頼して悪どい娼館を突き止めたそうだ。」

「さつきちゃん、源さんと一緒に悪どい娼館を壊滅させたらしいよ。」

「やっさんから聞いたけど本気になると源さんもだけどさつきちゃんも正義感が強くて

実力もかなりあるんだから友達だからってあんまり乱暴に扱うのはどうかと思うよ。」

「あたしが友達と認めるんだからその位当たり前だよ。」

「多少乱暴に扱ったぐらいじゃ堪えるようなたまじゃないよ。」

「それにあたしに聞こえない所で何を言っているかわからないよ。」

 

「美猫の貧乳、ど貧乳、まな板、洗濯板、抉れ胸、平地胸、絶壁胸、乳貧乏、貧乳大魔王。」

「ああ、すっきりしたよ、普段たくさん陰で言っておけば寝言で言う心配はないと。」

さつきは美猫が思っている以上に陰口を言ってフラストレーションを発散していた。

「とりあえず、美猫ちゃんに聞こえない所でたくさん言っておけば欲求不満解消と。」

「じゃも一回言って於くとするか。」

「美猫の貧乳、ど貧乳、まな板、洗濯板、抉れ胸、平地胸、絶壁胸、乳貧乏、貧乳大魔王。」

「なんかさつきの奴陰口を言っている気がするがみやちゃんももっと大人の対応をしろ

っていうし少しぐらいは我慢してみるか。」

美猫はさつき人形を見ながら苛めないで、どの位耐えられるか挑戦することにした。

暫くするとさつき人形が何かつぶやいているように見えたので口元に耳を近づけてみた。

「美猫の貧乳、ど貧乳、まな板、洗濯板、抉れ胸、平地胸、絶壁胸、乳貧乏、貧乳大魔王。」

と美猫の耳に聞こえてきたような気がした。

もう1度試してみた。

「美猫の貧乳、ど貧乳、まな板、洗濯板、抉れ胸、平地胸、絶壁胸、乳貧乏、貧乳大魔王。」

やはりそう聞こえてきた。

さつきの部屋にこっそり様子を見に行くと

さつきは納戸の中で何かを言っているようだった。

納戸の扉に耳を付けて中で何を言っているか聞いてみると、

「美猫の貧乳、ど貧乳、まな板、洗濯板、抉れ胸、平地胸、絶壁胸、乳貧乏、貧乳大魔王。」

とやっぱりさつきは美猫の陰口を言っていた。

美猫は納戸の扉を静かに開けた。

さつきは気が付かずもう一回同じことを言っていた。

「美猫の貧乳、ど貧乳、まな板、洗濯板、抉れ胸、平地胸、絶壁胸、乳貧乏、貧乳大魔王。」

美猫は怒りを抑えて静かにさつきに声を掛けた。

「さつき、今なんて言った、今のは寝言じゃないよな。」

さつきは吃驚して振り向いた。

美猫は問答無用で納戸から引きずり出しさつきをいつもよりきつめに半殺しにした。

完全に気絶しているさつきにダメを押す様に肘と膝を交互に落として意識を回復させて

から静かにさつきに話しかけた。

「なんでお前は、人の気にしていることを繰り返し何度も言うかな。」

「少しはお前を信用して大人の対応をしようと思ったあたしが馬鹿だったよ。」

「さつき、何か言いたいことがあるか。」

「美猫ちゃん、本当にごめんなさい。」

「二度とこんなこと言うなよ。」

美猫はさつきの部屋から去っていった。

さつきはびくつきながら小声で呟いた。

「おかしいなあ、なんでばれたんだろう、美猫ちゃんは地獄耳だよ。」

美猫は部屋に戻ると無言でさつき人形の頭でキジコとバレーボールを始めた。

「ネコ、さっきも言ったけど、お前はどうしてさつきちゃん人形を苛めるんだ、

また髪の毛がぐしゃぐしゃになったじゃないか。」

と雅はさつき人形の髪の毛を綺麗に整え元に戻していた。

 

120、大和警部補黒猫verのリトルワ-ルド

 

「お父さん、起きて下さい。」

大和警部補が娘の撫子に起こされて目覚めると少し小さくメルヘン調の黒猫だった。

撫子も学校の制服姿だったがなんだか可愛くデフォルメされた

人形の様だった。

「お父さん、やっと起きたみたいね。」

「お父さん、どうして黒猫の姿なのですか。」

「わからないがこの世界ではこの姿で変化できないようだ。」

「せっかくならお父さんの逞しい猫又姿もよかったのに。」

撫子はこの世界の破綻を招くような恐ろしいことを希望した。

「この世界の創造主がかわいくデフォルメできないという理由でこの姿のようだ。」

「でも撫子お前もかなり可愛くデフォルメされて愛くるしくなっているぞ。」

「まぁ、お父さんたら、ふふっ。」

撫子は照れて赤くなった。

「お父さん早速ですが冒険の旅に出ましょう。」

「何の目的でそんなことをするんだ。」

「多分ここは夢の世界ですから好きなことをしないと勿体無いですよ。」

「今のお父さんは猫だから食べて寝るだけで満足なんだけど。」

「それに猫の時は猫会議に出ないといけないんだ。」

大和警部補黒猫verは撫子を連れて猫会議に出席した。猫会議には最長老、猫駅長、キジコ

が来ていた。

銀(17歳ver)と美猫も猫又なので出てきていた。

さつきと妖子も来ていた。

撫子は美猫にじゃれ付いていた、妖子も負けずに美猫にじゃれ付き美猫はさつきに助けを

求めたがさつきはわざと放置して日頃の鬱憤を晴らしていた。

美猫は眼でさつきに後で覚えていろよとアイコンタクトを送ったが

さつきは気が付かないふりをして美猫が困っている様子を楽しんでいた。

美猫は撫子と妖子にされるがままにされもいいようになれという風になってしまった。

さらに銀(17歳ver)も美猫にじゃれ付き始め収拾がつかなくなった。

さつきはこっそりと逃げ出して姿を隠した。

撫子、妖子は充分美猫を堪能して美猫から離れ2人で美猫愛について語り始めた。

美猫はじゃれ付いているのが銀(17歳ver)だけになったのを確認して銀(17歳ver)を

張り倒した。

そして、姿を隠したさつきの後を追った。

さて、肝心の猫会議だがみんなで香箱を組んで居眠りをしているだけだった。

美猫はこの狭い世界のどこに逃げ込んだのかさつきの姿を中々見つけられなかった。

さつきの隠れていそうなところは全て確認したつもりだったがさつきは見つからなかった。

さつきが調子に乗らない様にここは必ず見つけて半殺しにしようと美猫は考えていた。

そういえば夢の中でも現実世界でもここのところさつきを半殺しにしているような気が

していた。

美猫はなぜさつきを半殺しにしなければいけないか考えていた。

さつきは美猫の気にしていることを繰り返し何回も言ったり、困って助けを求めている

のに無視して気が付かないふりをしたり、美猫を怒らせるようなことばかりしているの

である。

自分はさつきに恨みを買うことをしてないにも(本人が気づいていないだけだが)

係らずさつきは美猫の癇に障る事ばかりするのである。

ここで美猫は奸計を思いつき実行することにした。

「さつき、隠れているつもりか今出てきたら少し手加減してやるから出てこい。」

「いい加減にしろどこに隠れているかこっちはお見通しだ。」

すると、美猫はドラム缶がかすかに震えているのに気が付いた。

美猫は金属バットで思い切りドラム缶を叩いた。

ぎゃーんゎぁ~ん

ドラム缶の中からさつきがふらふらになって出てきた。

そんなさつきを問答無用で美猫は徹底的に半殺しにした。

「残念だったな、自分から出てくれば、すこしは手加減してやったというものを。」

「初めからそんな気無かったくせに何言ってんの、この貧乳駄猫。」

美猫は反抗的な態度をとるさつきに腹を立て、再度徹底的に半殺しにして気絶させた上

完全に気絶しているさつきにダメを押す様に肘と膝を交互に落として意識を回復させて

から静かにさつきに話しかけた。

「さつき、何か言いたいことがあるか。」

「美猫ちゃん、本当にごめんなさい。」

「二度とこんなこと言うなよ。」

 

さて猫会議が終わった大和警部補は妖子と熱く美猫愛を語っている撫子の膝の上に

乗って撫子に、

「お父さんの用事は終わったから撫子も用事が住んだら一緒に帰ろう。」

撫子は愛おしそうに大和警部補黒猫verを撫でながら、

「わかりました、美猫さんに愛のハグをしたら帰るつもりなのでもう少し待って

下さいね。」

何も知らない美猫はさつきを引きずってこっちの方に向かって歩いてきた。

 

 


 
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