No.728207

サザキ・カオルコ vs サザキ・ススム

enarinさん

○当方のモデル投稿二次創作作品、

『1/144 HGBF ギャン・テンプルナイト(サザキ・カオルコ専用オリジナルギャン)』

の背景を説明するために書いた、ガンダムビルドファイターズのオリジナルショートストーリーです。

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2014-10-05 23:29:15 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:900   閲覧ユーザー数:889

 ガンダムビルドファイターズ最終話から数年後のある日…

 

サザキ・ススム(以下、ススム):カオルコくん、来春に聖オデッサ学園へ入学し、ガンプラバトルを継続するキミに、お兄様から”試練”を与えよう。ありがたく思えよ

サザキ・カオルコ(以下、カオルコ):はい、お兄様

 

 ススムは、後ろの棚から”良いモノ”と書かれた金色の箱を持って来て、カオルコの前で開けた。そこには、

 

HGUC ギャン(未開封)

HGBC ヴァリュアブルポッド(開封済み)

ラルさんのグフR35で使わなかった追加ブースターのパーツ(未組み立て)

ガンダムデカール2枚

 

 が、入っていた。

ススム:我が愛する”HGUCギャン”の未開封キット1つ、これがベースキットだ

カオルコ:は、はぁ…

 

 次に、カオルコの目の前で自慢げに見せたのが、何故か個人のガンプラ”ギャンバルカン”に必要なパーツがキット化された”立派な市販キット”だった。

 

ススム:ふふふ! これこそ、あのバンダイさんが、ボクの愛機”ギャンバルカン”をHGUCギャンから作るのに必要なパーツを市販キット化してくれた”ヴァリュアブルポッド”のプラモデルだ!

カオルコ:凄いですわ! お兄様!

 

 ススムは、ヴァリュアブルポッドのパッケージを開けると、中はなんと、”作りかけ”、だった。

 

カオルコ:お、お兄様、これ、その、作りかけでは…

 

 すると、ススムは真顔に戻った。

 

ススム:カオルコくん、これが試練だ。このキットからは、我が愛機”ギャンバルカン”用のバルカンユニットパーツだけが、ごっそり無くなっている。キミが使える改造パーツは、ギャンとこれと、ラルさんから貰った、未使用の”追加ブースターパーツ”、だけだ

 

 カオルコは青ざめた。

 

カオルコ:あ、あの、それでは、まともなガンプラなんて作れないのでは…

ススム:だから試練なんだよ。何でもかんでも改造パーツのために、”ガンプラの乱発購入”、をする輩は多い。ボクはそれは、いかがなモノかと思っているんだ。だから、カオルコくん、キミが、”これだけのパーツ”で、どれだけのガンプラを作れるか、兄は知りたいんだ

カオルコ:…

 

ススム:期限は2週間、塗料とか工具は自分のを使ってくれ。合わせ目消しとか、全塗装とかしなくて良いから、まず、作ってみて欲しい

 

 カオルコは少し戸惑っていたが、真顔に戻り、兄に告げた。

 

カオルコ:わかりました。頑張ってみます、出来上がったら、お兄様、勝負です!

ススム:望むところです

 

 こうして、カオルコの試練は開始された。だが、そう事は甘くなかった。

 数日後…

 

 キットはそのままになっていた。

 

カオルコ:あーあ、お兄様の意地悪! こんなの無理ゲーよ! はぁ、DVDでも観よ

 

 そういうと、ロボットアニメ”重戦機エルガイム”のDVDを観だした。TVの映像には、ちょうど、”A級ヘビーメタル『アシュラ・テンプル』”の活躍が映し出されていた。

 

カオルコ:はぁ~、アシュラ・テンプル、やっぱり格好いい…。ガンダム作品は勿論“軸”だけど、エルガイムも捨てがたいわよね・・・・・・!

 

 どうやら、何かイメージが沸いたのか、キットの中を開けて、”ギャンのシールド3つ”を摘まんで、しげしげと眺めた。

 

カオルコ:・・・・・・これよ!

 

 そういうと、残り数日、カオルコはガンプラ制作に没頭したのでした。

 そして、勝負の日…、ガンプラバトルの競技装置の前で、ススムは自分の愛機”ギャンバルカン”をベースに置いた。前には、なにやら”ギャンっぽい何か”を持っているカオルコが立っていた。

 

ススム:キットの出来も観たいから、勝負を決するような”致命傷の被弾”の前で止める”練習モード”で勝負する。カオルコくん、キミのキットは壊したくないからね

カオルコ:お兄様のギャンバルカンが危ないから、じゃないかしら?

ススム:言うようになったね~、嬉しいよ、では、キミのガンプラをベースにおいて欲しい

 

 するとカオルコは、自分の”ガンプラ”をベースに置いた。それは、一種異形な”ギャン”だった。

 

ススム:・・・・・・なんだね、それは?

カオルコ:前にHGUCギャンを作ったから、私の2つ目の愛機”ギャン・テンプルナイト”よ!

 

ススム:…システム、とりあえずガンプラをスキャンして、データを作ってくれ…

 

 システムがお互いのガンプラからデータを作り終わった1分後、勝負は始まった。

 

 Practice Mode

 

 Ready Go!

(テキサスコロニーステージ)

 

 ギャンバルカンは余裕というか慢心というか、ギャン・テンプルナイトに”空中で追っかけられる”シチュエーションを作ってあげたのでした。

 

ススム:ふふふ、機動性はラルさんのブースターのおかげで確保されているけど、まだまだバランスが悪いねぇ。とりあえず様子を見y

 

カオルコ:”アシュラウィザード”起動! ”サーカスバインダー”展開!

 

 すると、ギャン・テンプルナイトのバックパック『アシュラウィザード』の左右に付いていた”改造されたギャンのシールド”が、貰ったキットのパーツだけで作った”アーム”により展開し、バックパックの横だったシールドが、肩の前に迫り出した!

 

ススム:な! あのパーツだけで”アーム”を作ったのかよ! ”バトルアームアームズ”のキットは与えてないし…、くっ!

 

 ススムは流石にまずいと思ったのか、カオルコの機体の真っ正面を飛ぶのをやめて、少し右横下に回避した。しかし…

 

カオルコ:お兄様、甘いわよ! ”サーカスバインダー”、追尾!

 

 すると、アームが更に稼働し、ギャンバルカンの方向にシールドを向け直した!

 

ススム:!!!!!

 

カオルコ:さぁ! とどめよ! メガ粒子砲!

 

 そういうと、シールド2つの中央に設置されていた”突起物”である”メガ粒子砲門”から、メガ粒子砲が発射された!

 

 バシュッ!

 

 だが、さすがススム、操縦技術はカオルコより遙か上だった。ローリングすることで簡単にカオルコの後方に回避し、更にギャン・テンプルナイトの”真後ろ”にぴったりくっついた。

 

ススム:甘く見ていたよ、良くここまでガンプラを作ったモノだ。なんか、他作品のどっかで観たような”装備”だったけど、これで終わりだよ。大概のガンプラビルダーが作るガンプラはね、後方の防御は取れているけど、“攻撃装置”がなってない。この近距離、ボクのバルカンとサーベルで一撃で終わr

 

 カタッ

 

 その音と共に、アシュラウィザードの真上に向いて付いていた『3つ目のシールド』が後方に90度傾いた。そこの中央にも”メガ粒子砲の砲門”が設置されていたのだ!

 

カオルコ:油断大敵、怪我の元! オリジナルのアイデアよ!

ススム:そ、それ、電子戦のレドームじゃなかったのかよぉ!

 

カオルコ:『メガ粒子砲』!!!!!

 

 ズバァ!

 

 ここでシステムは終了した。

 競技装置の前では、冷や汗を垂らして座り込んでいる、“お兄様”、の姿があった。

 

ススム:はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、な、なんてガンプラだ・・・・・

カオルコ:勝負前に言ったでしょ? お兄様のガンプラが壊れないように、練習モードにしたんでしょ、って

 

 ススムは歯ぎしりをして、悔しがっていた。兄の面子、丸つぶれである。

 

ススム:ううううぅぅぅぅ・・・・・・・負けだよ、完敗だ・・・・。その腕への賞賛として、これをあげよう

 

 すると、後ろの棚にあった、“もっと良いモノ”、と書かれた、金色の箱を持ってくると、カオルコの前で開けた。中には新品のHGUCのガンプラキットが丁重に収納されてあった。

 

HGUC 1/144 R・ジャジャ

 

カオルコ:えっ? だって、R・ジャジャってまだ・・・

ススム:ほんと、内緒だぞ! これ、今度バンダイさんが発売する予定になっている、『HGUC 1/144 R・ジャジャ』のロールアウト前の最終調整キットだ! 内緒で1個貰ったんだよ

 

 そういうと、ススムはカオルコに、そのキットを手渡した。

 

ススム:これをベースにして、キミの愛機を作るが良い。あげるよ

 カオルコは目を輝かせた!

 

カオルコ:お、お兄様、ありがとうございます!

 

 その顔を見た上で、ススムは少々照れくさそうに、こう“追加のお願い”をしたのでした。

 

ススム:あ、あのな、出来れば、その、“ギャン”のイメージも入れて欲しいんだけど…。その、“盾”、とかね…

 

 カオルコは、やっぱり、と思ったが、笑顔で返事をした。

 

カオルコ:当然ですわ、お兄様ぁ!

 

 そんな、昼下がりのガンプラバトルでした。

 

(了)


 
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