No.726563

真・恋姫†無双~赤龍伝~第130話「泰山」

さん

主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
また、未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長~~い目で見てくださると助かります。

2014-10-02 12:57:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4006   閲覧ユーザー数:3101

 

真・恋姫†無双~赤龍伝~第130話「泰山」

 

 

赤斗「蓮華いる?」

 

恐る恐る蓮華の部屋のドアを開けた。

 

蓮華「赤斗っ!あなた、母様と一緒に今まで一体何処に行っていたの!?」

 

建業に戻り蓮華に会いにきた赤斗だったが、顔を合わせた途端、蓮華に問い詰められた。

 

赤斗「えっと、何というか…自分の原点に戻ってみたというか。そのぉ、何だろ?えっと…ごめんなさい?」

 

蓮華「まったく…。でも、行って良かったみたいね」

 

赤斗「え?」

 

蓮華「だって、迷いが無くなったというか、とてもすっきりしたって顔になっているわ。」

 

赤斗「そう?」

 

蓮華「ええ。だから、とても安心したわ」

 

赤斗「そうか。蓮華にも心配かけてたんだね。ごめん」

 

蓮華「謝る必要なんてないわ。私はただ…」

 

赤斗「…蓮華」

 

思春「失礼します」

 

二人の身体が自然と近づく瞬間、前触れもなく思春が姿を現した。

 

赤斗・蓮華「「!!!」」

 

赤斗「思春っ!」

 

蓮華「いきなり驚かせないで頂戴」

 

突如現れた思春に驚き、二人は離れた。

 

思春「申し訳ありません。ですが火蓮様がお呼びでしたので」

 

蓮華「え、母様が?」

 

思春「はい」

 

蓮華「……はぁ、しかたがないわね。行きましょう赤斗」

 

赤斗「そうだね。ん?思春どうしたの?」

 

赤斗は自分の顔を見ている思春に気付く。

 

思春「どうやら、ふっきれたようだな」

 

赤斗「まあね♪」

 

思春「ふ…」

 

蓮華「ほら二人とも行くわよ」

 

思春「はっ」

 

赤斗「はーい」

 

それから三日後、準備を整え終えた呉軍は泰山に向かい出立した。

 

 

桃香「あ、来た来た。おーい、蓮華さーん、赤斗さーん!!」

 

三国の合流地点に着いた赤斗たちを桃香が手を振って出迎えた。

 

華琳「来たわね」

 

火蓮「早いな。てっきり私たちが一番早いかと思っていたのだがな」

 

桃香「私達も一刻ほど前に着いたばかりなんですけどね」

 

華琳「みんな予定よりも早く到着したようね」

 

冥琳「準備が整っているなら早く到着しても問題ないでしょう」

 

雪蓮「後は泰山に乗り込んで司馬懿を倒すだけね」

 

赤斗「あのさ、今更の質問で悪いんだけどさ。泰山ってどこ?」

 

朱里「ここから見えるあの山を越えて、平野を進んだ先に泰山があります」

 

赤斗「じゃあ、まだもう少し泰山まであるんだね」

 

朱里「はい。ですが、それほど距離があるわけではありません。気を引き締めて行かないと…」

 

兵士「申し上げます!!この先の山を越えた平野に、大軍が陣を張っております!」

 

愛紗「司馬懿の軍か」

 

藍里「予想通りですね」

 

華琳「さすがに簡単に攻め込ませるつもりはないようね」

 

火蓮「ならば予定よりは早いが二手に分かれるか」

 

華琳「そうね。ここに残る組と泰山に突入する組を決めましょう」

 

赤斗「なら僕h」

 

華琳「あなたは泰山に突入組でしょう」

 

赤斗「……分かっているけど、言わしてもくれないのか」

 

星「で、何人ぐらいで泰山に突入するのだ?」

 

藍里「そうですね。多すぎても、少なすぎてもいけませんので、……それぞれの国から六~七人ぐらいでしょうか」

 

愛紗「ならば私は泰山に」

 

鈴々「鈴々も泰山に行くのだ!」

 

翠「よっしゃー。私も泰山へ行くぜ!!」

 

桃香「じゃあ私も愛紗ちゃんたちと行くね♪」

 

愛紗「桃香様!それは危険です。桃香様はここに残っていて下さい!」

 

桃香「ううん。それは違うよ愛紗ちゃん。司馬懿さんを止められなかったたら、この世界が滅んでしまうだよ。安全なところなんてないよ。だったら愛紗ちゃんや赤斗さんたちと一緒に、最後まで見届けさせて」

 

星「愛紗よ。桃香様がこう言い出したら、私たちが何と言おうと無駄である事はお主も分かっているであろう?」

 

愛紗「はぁー。仕方がありませんね」

 

雪蓮「桃香が行くなら、当然私も行くわよ。いいわよね冥琳?」

 

冥琳「……納得しかねるが、仕方があるまい」

 

藍里「では、早急に残りの人選も済ませてしまいましょう」

 

王允「待て」

 

いつの間にやら一人の老人が赤斗たちの目の前に立っていた。

 

赤斗「あんたたちはいつも急に現れるよな」

 

冥琳「お主はあの時の…」

 

火蓮「誰だ?」

 

赤斗「王允です」

 

火蓮「お前が例の自称“世捨て人”か」

 

王允「…………」

 

火蓮「何のようだ?」

 

赤斗「まさか、また忠告をしにきたのか?」

 

王允「そうだ。だが、ここまで来てしまった以上、今度は止めはしないがな」

 

赤斗「じゃあ何の忠告だ?」

 

王允「有象無象が何人、何十人と泰山へ突入しても全滅するだけだぞ」

 

翠「何だとっ!!」

 

王允「精々戦力になるのは……」

 

王允はこの場にいる武将を見渡した。

 

王允「呂奉先。風見赤斗。孫文台。孫伯符。関雲長。夏候元譲。張文遠。それに……呂子明ぐらいか」

 

亞莎「わ、私もですか!?」

 

 

鈴々「何で鈴々が入っていないのだーーッ!!」

 

星「そうだな。さすがの私も納得しかねるな」

 

翠「私も納得できないぜ!!」

 

選ばれなかった武将から不満が漏れる。

 

華琳「王允とか言ったわね。何故私たちがあなたの人選に従わなくちゃいけないのかしら?」

 

火蓮「そうだな。いきなり現れた貴様の言う事を聞く必要など何処にもないな」

 

王允「別に私の忠告を聞かないのはいいが、お前はどう思うのだ貂蝉?」

 

貂蝉「あら、気がついていたの?」

 

愛紗「貂蝉! いつの間に…」

 

貂蝉「最終決戦だって言うのに来ない訳にはいかないでしょう。おひさしぶりね王允ちゃん♪ それともお父様と呼ぶべきかしらね」

 

王允「ふん。好きなように呼ぶがいい。それで…お前はどう思う?」

 

貂蝉「前にも言ったけど、赤斗ちゃんたちは仲達ちゃんに勝てないわ。取り巻きの玄武ちゃんたちには何とか対抗できるかもしれないけど、その対抗できる人間も王允ちゃんが言った八人ぐらいでしょうね」

 

赤斗「僕たちじゃ司馬懿には勝てないって、お前はずっと言っているけど、それは100%勝てないという事なのか? 万が一もないのか? 天地がひっくり返ってもか? 勝つ可能性は0%なのか?」

 

貂蝉「…………そうね。あなたたちが勝てる可能性は恐らく……0.00000001%にも満たないでしょうね」

 

赤斗「そうか。それを聞いて安心したよ」

 

貂蝉「あら、どうしてかしら?」

 

赤斗「例え一億分の一に満たなくても、勝算があるならやってやるよ。その為に僕たちはここまで来たんだからね」

 

王允「…………」

 

貂蝉「……人事を尽くして天命を待つ、ね。ふふ…赤斗ちゃん何だか似てきたわね」

 

赤斗「似てきた? 誰に?」

 

貂蝉「それは、ひ・み・つ・よ♪」

 

赤斗「ま、誰でもいいけどね。兎に角だ。僕たちはお前たちが何と言おうと行くからな。邪魔しないでくれ」

 

貂蝉「王允ちゃん。赤斗ちゃんたちは自分たちが選んだ道を進もうとしている。ここは剪定者として私は見守る事にしましょう」

 

王允「……好きにするがいいさ」

 

赤斗「ああ。言われるまでもなく好きにさせてもらうさ。それじゃあ行こう! みんな!!」

 

 

それから揉めに揉めたが、泰山に突入する者たちが決まった。

 

蜀軍:劉備・関羽・張飛・諸葛亮・趙雲。

 

魏軍:曹操・夏候惇・夏侯淵・張遼・許緒・典韋。

 

呉軍:孫堅・孫策・孫権・周瑜・甘寧・呂蒙・呂布。

 

そして、風見赤斗。

 

計十九人。

 

残りの武将たちは、残って司馬懿の軍勢を相手する事に決まった。

 

 

藍里「それではどうかご武運を」

 

小蓮「赤斗、お母様、お姉ちゃんたちも気を付けてね。シャオの分まで司馬懿をとっちめてやってね」

 

穏「この戦に勝ったら~、また一緒にお勉強しましょうね~♪」

 

嶺上「こっちの戦いは任せておけ。だからそっちも気合入れて行けよ!」

 

明命「赤斗様。一緒に行けないのは残念ですけど、私も頑張ります。だから、赤斗様もお気を付けて」

 

祭「お主にはまだやるべき事が沢山あるのじゃから、必ず帰ってくるのじゃぞ」

 

赤斗「みんな、ありがとう。必ず戻るから♪みんなも気を付けてね♪」

 

別れを済ませて赤斗は、火蓮や桃香たちと一緒に泰山へと向かっていった。

 

藍里「…あ」

 

遠ざかる赤斗の背中を見ていた藍里から声が漏れた。

 

嶺上「どうしたんだ藍里?」

 

藍里「いえ、別に、何でもありません」

 

嶺上「うん? そうか。…それじゃあ、指揮は頼んだぜ大将軍殿」

 

藍里「はい。任せて下さい!」

 

藍里(……どうしてだろう。一瞬、赤斗様がもう帰ってこないんじゃないかって思ってしまった。そんなはずはないのに……)

 

 

 

つづく

 

 
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