No.714333

がちゆり-大室櫻子誕生日SS2014-

初音軍さん

誕生日記念に人目を気にせずにキスするのを書いたった!
本編や同人で良質のツンデレが読める現在、自分はデレを
たっぷり詰め込んでみまみた(´◉◞౪◟◉)

2014-09-07 17:52:55 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1184   閲覧ユーザー数:1184

がちゆり-櫻子誕生日SS 2014-

 

「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは付き合ってるの?」

 

 といきなり給食中にちなつちゃんが私と向日葵を交互に見ながら聞いてきた。

その時、ちょうど向日葵が苦手にしていたものを食べてあげようと口を開けて待つと

向日葵がピーマンを私に食べさせていた時のタイミングだったから思い切り

むせてしまった。

 

「ごほっごほっ何をいきなり!」

「そ、そうですわ!」

 

「え?」

 

 私たちが顔を赤くして誤魔化そうとすると、不思議そうな顔をしながら首を傾げる

ちなつちゃん。

 

 ちなつちゃんからすると付き合っていても当然みたいなことを私たちはしているらしい。

その割には隣にいるあかりちゃんは終始「?」を浮かべていたけれど。

 

「だって二人共、前よりも距離が近くなってるし」

 

 笑いながら口に運びながら話す、ちなつちゃんの言葉に顔を熱くしながら

誤魔化すことができない気持ちが込みあがってきた。

 

 昔の時だったらともかく。最近私と向日葵はお互いの気持ちに自覚してしまい

告白まがいのことをしてしまったから。そのせいかちょっとした言葉でも意識してしまう。

 

「まぁ、そんな関係じゃないことはない…」

「やっぱり!?」

 

 遠まわしに認めると急にちなつちゃんの目の輝きが増して、あかりちゃんは

驚いた後におめでとうってお祝いの言葉をかけてきた。

 

「あ、う、うん。ありがとう」

 

 ちょっと気まずそうにしている向日葵の隣で私が二人からの言葉に対応していた。

結局のところ、そんなに大きな声出してなかったから周りの子たちに

気づかれることなく昼休みは終わり、午後の授業に突入した。

 

 

***

 

『このおっぱい魔人!』

『何ですの!この断崖絶壁おっぱい!』

 

 ドサッ

 

『きゃぁっ!』

 

 いつものように言い合っていがみ合って罵り合っていて、たまたま勢いよく

私が向日葵を押し倒すような形になって、それだけならともかく互いに密着している

ようになって。

 

 いつも憎らしくて仕方ないでかおっぱいが私の胸に当たってすごく柔らかかった。

そして服越しなのに向日葵の鼓動が聞こえてくるようで私自身もドキドキした。

向日葵はどう想っているのだろう、こんな気持ち私だけかもしれない。

だってこれまではお互いにケンカばかりだったから私のことはどうでもいいのかも。

 

 そんな不安な顔が表に出ていたのか向日葵が怒ったような顔をして。

それから私の頬を挟むように両手を当ててきた。

 

『おばか!』

 

***

 

 

 それからどうなったかはっきりと覚えていない。

ただ最初のドキドキから更にはっきりしたドキドキと気持ちが表れた気がした。

それから数日してから恋としての好きということ。

 

 勢いに乗って私が気持ちを伝えると向日葵も同じ気持ちだと言ってくれて。

今までにないくらい嬉しいという感情がこみ上げてきた。

 

 いや、そう思ってるだけで昔にもそういう気持ちを味わっていたのかもしれない。

小さい頃にもはやうろ覚えだけど、仲良くしていた二人が浮かんできたような。

 

 そうかそうか、それなら安心してもっと言い合えることができる。

そう考えていると自然と笑みがこぼれてきて変な笑い声が口から漏れると

怪訝な顔をしていた向日葵が私に声をかけてきた。

 

「なんて笑い方してますの。気持ち悪い」

「なんだとー!」

 

 いつもの口ケンカが始まっても怒っても、どこかで安心できているところがある。

それが言葉では表しづらいけどとても心地が良かった。

 

「おっぱい魔人の癖に生意気だぞ!」

「生意気なのはどちらですの!」

 

 ドンッ!

 

 ちなつちゃんに関係がばれた帰り道の少し大きめの木に押し付けられて

私は向日葵の目を見る。向日葵の目は熱を帯びているようにうるうるしていて

まるで宝石のように輝いている。

 多分私も同じような顔をしているに違いない。

腕を伸ばして向日葵を引き寄せると二人でキスをしようとするが。

 

 ガチンッ

 

「いでっ!」

 

 告白してちょっと後にしたのが初めてのキスだったから全くの不慣れの状態で

かっこよくやろうとしたのが間違いだった。

 

 お互いの前歯にぶつかって二人して悶えている姿は少々馬鹿らしく見えるだろう。

だけどそれにも懲りずに私は膝をついてる向日葵の傍に寄って気持ちを態度に表すと。

 

「もう…。今度はもっと優しくしなさいよ」

「わ、悪い…」

 

 そんな失敗があっても私を見る目は全く変わらない。

私はそんな愛おしく感じる向日葵に今度はゆっくりと唇を近づけていった。

 

 チュッ

 

 重ねる瞬間に向日葵の吐息がかかってそのまま口をつけると何とも言いがたい

とろけるような気持ちに浸っていた。

 

 ふにふにして柔らかいけど弾力があって美味しそうな向日葵の唇。

息がなかなか続かなくて、キスしては一度離れもう一度口付けをする。

気持ちは落ちなくても徐々に息苦しくなってその内、キスするのを止めて

その場に二人で座り込んで空を見た。

 

 青くて適度に白い雲が漂っている。

 

 隣に向日葵がいるのを手を握って確認をする。柔らかくて暖かでとても安心する

向日葵の手は確かにそこにあった。

 

「まさか櫻子と急にこういう関係になるとは予想外でしたわ」

「嫌だったのかよ」

 

「それはないですけど…いえ、昔のこと考えたらこうなるのは時間の問題だったのかも」

「え、今なんて?」

 

「何でもないですわ」

 

 ちょっと聞き逃したから聞き返すと、つーんと私の向いてる反対側に顔を逸らす向日葵。

 

「おい、何だよ。気になるだろ」

「照れくさいから言いたくないだけですわ」

 

「ちぇっ」

「もう、拗ねないで。仕方ないですわね、今日は櫻子の言うこと聞きますから」

 

「本当だな?もう取り消しは効かないぞ!」

「な、何をするつもりかしら…」

 

「今日は向日葵のおっぱいを好きなようにする権利をもらおう!!」

「なっ…!」

 

 バチンッ!

 

「いてー!」

 

 調子に乗って言ったら思い切り叩かれた。怒らせたかと少し焦ったけど

向日葵は恥ずかしそうに顔を俯きながら呟いた。

 

「声が大きいですわ…」

「お、おう…」

 

「その権利あげますから。一緒におとなしく帰りましょう」

「そうだな…」

 

 二人立ち上がってスカートについた僅かな汚れを叩いて落として

一緒に歩き出した。手を繋いだまま、指を絡めるようにして一本一本に好きという

気持ちを込めて。

 

 ケンカするほど仲がいい。まるで私たちのためにあるかのような言葉を

ふと意味もなく浮かんで心の中で苦笑した。

 

 これからもくだらないことでケンカし続けるだろうけど、前と違うのは

もうこの手を離すことはない。離したくなくなったことだろう。

自覚してしまったから。

 

 そう私は…向日葵が大好きだ。

 


 
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