No.712264

司馬日記49

hujisaiさん

その後の、とある文官の日記です。
更新も遅い駄文ですが、見て下さる方々有難う御座います。

2014-08-30 13:28:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12040   閲覧ユーザー数:7907

6月22日

太史慈殿から一刀様と会食の御約束を取り付けており是非同席して欲しいと依頼を受け、御相席させて頂く事とした。

当日早上がりの太史慈殿に先行してもらい、一刀様と御待ち合わせして店に向かうこととなった。

折角の機会であるので伯道も誘う事とした。

 

6月24日

一刀様と御会食させて頂いた。

太史慈殿の進言で、勿体無くも一刀様に肩を揉んで戴いてしまった。

…一刀様は慈愛の御心で労いのお言葉と共に私に触れて下さったというのに、私の身体はなんと淫らで欲望に塗れたものであることか。

 

しかしその後、何があったのか太史慈殿と伯道が身も世もなく部屋で泣き喚いていたようだが、一刀様によると子丹御嬢様と孫策様にからかわれた為らしい。御優しい一刀様は二人を慮って下さり詳しく語られなかったが、後で伯道に事情を聞こう。

 

6月26日

伯道に先日の首席について聞いたところ、頬を染めて『一刀様に、あ、あのような姿を晒してしまっては…、もう私は一刀様の側女にして頂く他無い、是非協力して欲しい』と言う。

酒で乱れた姿をお見せしたからというのは多少如何なものかとも思ったが、伯道は一刀様に御仕えするに相応しい佳人であり協力を約束した。

 

6月27日

三国塾で社会人向けの講座が開講される事となった。

『礼儀作法・給仕基礎(一)』という科目が設定され、講師は月様、かつ同(三)までの修了者は総務室付き仮採用(異動)と記載されていた。

総務室は異動・就職希望者が多いが採用基準に達する者が少ない為設けられたとの事だ。

思い当たる者がいるのか、張郃がチラシを眺めながら『受けさせてみようかしらねぇ…』と腕組みをしていた。

 

6月28日

危機管理検討委員会より致命的危機についての仮想模擬実験結果がまとめられ、報告書素案が各部に回覧された。

最大級の危機は一刀様が暗殺されかつ犯人と動機が明確にならなかった場合であり、その結果三国間の戦争は元より各国内でも互いへの疑心暗鬼から暗殺・反乱が常態化し完全に無政府状態となるとの報告であった。

当面の対応としては呂布殿を軸とした一刀様の警護の厳重化、長期的な対策としては統治機構の法制化の完成と共に一刀様及び後宮関係者の政治・軍からの引退が必要とまとめられていた。

 

聡明なる一刀様の御在位はこの大陸に欠くべからざるものではと公達様に申し上げると、

「んー。まあ一理はあると思うけどね?一刀様には仕事から手を引いてもらってひたすら自分達を可愛がる事に専念しろって思う人たちってきっと多いわよ、特に偉い女程ね。ま、どうせ当分無理でしょうけど」

と言われた。何故無理と言えるのでしょうかと伺うとまあ見てりゃわかるわよと笑われてお答えにならなかった。

 

6月30日

先の危機管理検討委員会からの報告書の完成は関係各署から異論が多く、一旦棚上げとなった。

特に各国人事担当及び本国側からの反発が非常に強く、『一刀様を政治から外す事は後宮入りたて又は後宮入り希望の中堅官僚の業務意欲を極端に損なうのみでなく、拡大する一方の業務量に対し人材募集にも致命的な悪影響を与える』として撤回を求めた為だという。公達様に御報告したところ、

「ほーらね?そりゃあたしだって仕事なんかしてるよか一刀様にねっちりずぷずぷ虐められてたいわよ。けど向こうン十年、まああたし達が女引退する位までは一刀様無しじゃもうとっくに成り立たなくなってんのよ、この国の政治はね」

と鼻で笑われていた。

 

7月1日

詠様が求人公告資料を作成されていた、月様の基準が厳しすぎ全く人材が集まらないためとの事だ。

 

募集要項

・募集職種:事務員

・業務:雑務一般

・給与:一般事務職初任給相当

・勤務時間:一般事務職と同等(夜勤・振替休暇有)

・その他:お茶汲み、洗濯掃除等の簡単なお仕事です。普通の人募集してます。

 

とさらさらと書き出し、わざわざ講座なんかやらないでこんなんでいいのよこんなんで、と言いながら掲示に行かれた。

 

7月2日

関平・劉封姉妹が展示会で人気のあったというスカートを履いて全体会議に出席していたが、展示されていたものよりだいぶ丈を詰めた改造服で下着が見えてしまうほどのものであった為、一刀様が『はしたないので女性のみとは言え公の場では下着が見えてしまわないようにするように』と口頭指導なさった。

すると馬岱殿、妙才様、張勲殿が馬超殿、元譲様、袁術殿を連れて更衣室の方へ行かれ、扉が閉められた後暫く言い争うような声が聞こえた。そののちに先の御三方が御機嫌な様子で後の御三方が赤い顔をして戻って来られ、とりわけ元譲様と馬超殿は服の裾を抑えるようにして戻ってこられた。

妙才様が「一刀、姉者の下着を見えないようにしたぞ」と妙に意気揚々と言われると、馬岱殿、張勲殿も

「最近お姉さまも刺激が足りなさそうな顔してたからね!」

「外は重装備中は無防備なお嬢さまが好みだなんて流石一刀さん変態ですねー」

と言われた。

一部始終を見られていた一刀様が据わった目をされて『…俺が言いたかったのはそういうことじゃなくてね?』と返されると

「姉者、一刀は姉者の中身の方は興味ないらしいぞ?」

「ぱんつさえあればいいんだ、御主人様へんたーい」

「折角お嬢さまがくまぱんから進歩したのに、一刀さんにとっては退化だったんですってどうしますお嬢さま?」

と口々に反論(?)され、困惑された一刀様がこういう話みんなの前でするもんじゃないからちょっとあっち行こうかと廊下へ連れ立って出て行かれた。

詠様にお止めしなくて良いのでしょうかと伺ったところ、『秋蘭以外はいなくても会議困んない人達だからいいわよ。…まあちょっと履いた履いてないくらい程度なら目くじら立てるほどでもないし、うん』

と言われたが、その傍で月様がくすっと笑われると何笑ってんのよ月!と詠様が顔を赤くして怒られていた。

 

7月3日

子敬が昼休みから戻った時に

「今日璃々ちゃん食堂で見かけたけどさ、あんな子供っぽい感じなのにやることやってるって思うとすごい犯罪臭感じるよねー」

と言うと、元直が

「あれ多分わざとよ。ほんとはあの娘大人っぽくも出来るけど、巨乳少女の方が希少だから服とか髪型とかもああいうふうにして背が伸びたのも意識しづらくしてるんだと思うわよ。ほんと天才には勝てないわよね」

と溜息をついていた。

…一刀様の御心身をお慰めする事に長けているという事ならばきっと良い事なのだろう…?

 

7月5日

見覚えのある女性が廊下できょろきょろしており声を掛けたところ、逢紀ですけど事務員の面接受けに来たんですが会場ってどこですかと聞かれたので案内した。

本日は月様は一刀様と御出張の為、詠様が面接されるのだろう。

 

7月6日

元直がしかめっ面をして『もう一刀様ったら!』と言いながら蜀の執務室から戻って来たので何かあったのかと聞くと、

「聞いてくれる?あのね、一刀様が打ち上げ花火見たいって言うからじゃあ楽進さんの気弾と桔梗の轟天砲で打ち上げてもらったらどうですかって言ったのよ。たら桔梗に一刀様頼みに行ったんだけど桔梗『轟天砲はおもちゃじゃない』とかごねるわけ、そんなの後一押ししてくれって言ってんのと同じなのにそこで一刀様そっかごめんじゃあ凪に頼むよとか言って引き下がろうとしちゃったの!桔梗もやっぱやるとか言えずに表情固まっちゃってて、それ見てた紫苑が面白がってじゃあ代わりに私が弓で連射して打ち上げますからとか煽ってたら今度夏候淵さんが一人では大変だろう私もやろうとか言って割り込んできて、そしたら黄蓋さんがなんか始めっから喧嘩腰で儂と紫苑で打ち上げるから孺子は膝小僧抱えて小童共と一緒に見ておれとか夏候淵さんに突っかかるのよ!?でもうぐちゃぐちゃになっちゃって桔梗は拗ねて部屋に帰っちゃって魏と呉の二人を紫苑と一刀様と仲裁したりしてたんだけどさ。…要はねぇ一刀様もう少し強引でいいのよ、ぎゅっとやってぶちゅっといって『俺の為に轟天砲撃ってくれよ』とか言っててくれりゃ絶対面倒ないのに!結局一刀様自身が桔梗の御機嫌取りに轟天砲何発もぶちこまなきゃいけなくなってるんだから!」

と言いながら退勤してしまった。

 

一刀様の御慎み深さは美徳でありそれを推し量れない我々が問題なのだろうと一緒に聞いていた子敬に話したが、子敬は

「違うのよ仲達、つまり元直は今夜の自分の分が薄くなったらどうしてくれるんだって怒ってるのよ」

とにやにやしながら言っていた。

 

7月7日

李典殿が総務部へ来られ、工廠職員の増員の相談をされていった。今年度の予算枠上は難しい旨を御説明したが、予算は不要であるという。

「とにかく人と場所と設備が欲しいんや。金なら方々からうなるほど寄付集まっとるからなんぼでも出すさかい、出来る奴寄越してんか」

と言われたがどこも人材不足の為庁内からの異動は困難な為、工廠での自主募集や各国との直接交渉でお願いしたいと説明すると落胆し帰られようとした。

すると部長席で聞かれていた公達様がにやにやと笑われながら

「真桜、一刀様の巡幸用の新車にすっごい柔らかい寝台搭載したらしいじゃないの?それの一刀様同伴の試運転代わってくれたら仲達暫く貸すわよ?」

と言われたが、言下に李典殿がそれはアカンわと手を振って帰られていった。

驚く暇もなかった御提案に眼を丸くしていると、察されたのか公達様は『真桜がそれ他人に譲るわけないじゃないの、知ってて聞いてんのよ』とけらけらと笑われた。

 

7月8日

白蓮殿が総務室を訪ねて来られた。仕事で来られる事は余りなかったのでどうされたのか伺ったところ、事務員の面接を受けたいんだけどと言われ驚いたが、詠様と

「何受けに来てんのよ!?あんたはちゃんと蜀の仕事してなさいよ!」

「いや桃香んとこでも色々仕事はあるんだけどさぁ、なーんか皆とあたしじゃ格が違うって言うか、こんな普通なあたしがこんなとこ居ていいのかなぁって悩んじゃうんだよな…一刀が夕べからずっとそんな事無いって言ってくれるんだけど、あいつと一緒に居るとつい甘えちまうじゃん?ちょっと分相応な仕事に変えよっかなてさ」

「ノロケ!?ノロケに来たの!?こっちは忙しいんだからとっとと帰れ!」

等とやりとりされて追い出されていた。

 

7月9日

今日はなんと孫権様が

「め、面接を受けに来たんだけど…」

と総務室に来られた。

詠様は据わった目で数秒孫権様を見られていたが、無言で指をパチンと鳴らすと周泰殿と甘寧殿が天井裏から飛び降りて来て

「は、離してーっ!?どうせ私普通なんだからもう普通の女の子になるのーっ!それで小さな家で一刀と普通に暮らすのーっ!」

等と叫ぶ孫権様をこれも無言で連れて行かれた。

詠様が、書類に目を落としたまま「かわいそうに、疲れてるのね蓮華」とぼそりと言われた。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
59
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択