No.711942

リリカルHS 61話

桐生キラさん

こんにちは
季節はずれなクリスマスネタなんですけど、クリスマスっぽくないお話になります(笑)

2014-08-28 23:24:09 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1793   閲覧ユーザー数:1639

 

 

 

 

 

なのは「そう言えば、はやてちゃんって士希君としたの?」

 

はやて「ぶぅーっ!」

 

それは、何てことないいつもの休み時間での会話の出来事。

なのはちゃんの何気無い問いに、私は口に含んでいたお茶を盛大に吹いてしまった。

窓際でよかったぁ。外に向けて吹いたけど、下誰もおらんよな?

 

はやて「えと、あんま聞きたないんやけど、なにを?」

 

なのは「なにって、そりゃもちろんえっ」

 

はやて「はいストーップ!なのはちゃん、キャラ考えような?

なのはちゃんって、多分清純系なキャラで知られてると思うんさ。

そんな子が積極的に夜の会話をすんのはどうかと思うんさ」

 

私はなのはちゃんが言い切る前に発言を止めた。

じゃないと、いろんなところから怒られそうな気がしたからや

 

なのは「え?じゃあなんて言えばいいの?」

 

すずか「普通にセッ」

 

はやて「すーずかちゃん!?違うの!私が言いたいのはそういう事ちゃうの!

こんな公共の場で、しかも真昼間にするような話じゃないよな?」

 

アリサ「じゃあいつするのよ?」

 

フェイト「今で」

 

はやて「もう古いねん!?」

 

フェイト「(´・ω・`)」

 

クッ…なんやみんなのこのテンション。

なんで私、こんなツッコミ入れなアカンねん。こういうのは士希の仕事やろ

 

すずか「でも、はやてちゃんと士希さんって、付き合い始めてもうすぐ四ヶ月は経つよね?

そういう事になったりしないの?」

 

はやて「いや、その…」

 

正直に言えば、私自身もちょっと気にはなってる。

キスとかはするけど、それ以上の事はない。

年頃の男子なんやで、もっとがっついてそうなもんやけど、士希はそんな事なかった

 

アリサ「もしかして、まだ?」

 

アリサちゃんの問いに、私は小さく頷いた。すると、ちょっと驚かれた

 

なのは「時々思うんだけど、士希君って本当に16歳なのかな?」

 

フェイト「エイミィは、この歳の男子はいろいろ大変って言ってたけど、士希は違うんだね」

 

エイミィさんの言う男子ってのは、きっとクロノ君の事なんやろなぁ。

何がどう大変なんか、今度聞いとこ

 

アリサ「どっちかよね。単に気を遣っているのか、それとも興味がないのか」

 

あいつの事やで、きっと前者に決まっとる。てか、そうであって欲しい

 

すずか「もしかして、士希さんたたな」

 

はやて「今日のすずかちゃんはぶっこむなぁ!?」

 

あと、多分それはないはず。なんでわかるかは言わんけど

 

なのは「でも、士希君辛くないのかな?」

 

アリサ「そうね。もし我慢してるのなら、生殺しってわけだし」

 

なのはちゃんとアリサちゃんの言葉は、私の胸にグサっと刺さった。

もしかして、私が士希を苦しめとる?

 

はやて「な、なぁ、みんなはどう思う?そういう事すんの早くないかな?まだ四ヶ月なんやで?」

 

アリサ「もう四ヶ月ね。出会いも含めれば、半年以上の付き合いよ。

十分お互いの事も理解しているのでしょ?ならいいじゃない」

 

いや、確かにそうやけどさ…

 

すずか「それに今は12月。つまり?」

 

はやて「…クリスマス」

 

しかも、イヴは私らの記念日と被ってる。

なんかもう、神様が上手いことコントロールしたとしか思えへん

 

なのは「後ははやてちゃん次第じゃないかな?」

 

はやて「私次第?」

 

フェイト「うん。初めての相手が、士希でいいのか」

 

フェイトちゃんの言葉に、私は黙り込み考え始める。確かに私は、士希の事が好きや。

士希の事もだいたいわかる。将来を過ごすのも全然あり。なら…

 

士希「ただいまー。いやぁ聞いてくれよ。

ちょっと外歩いてたらさ、空からお茶が降って来たんだ。なんだったと思う?」

 

はやて「あ…」

 

士希は少し濡れて帰ってきた。そんな士希にちょっと罪悪感を抱きながらも私は…

 

 

 

 

数日後。12月24日

 

 

 

それからあっという間に時間が経ち、クリスマスイヴがやって来た。

この日は私ら八神家にとっても大切な日である。出会いと別れがあった、忘れられない日…

 

ヴィータ「今年のクリスマスは士希がいるから、料理は士希にお任せだな」

 

士希「あは、士希さんが美味しい料理を作っちゃうよー」

 

そんな大事な日に、今年は士希とレーゲンも加わった。

士希は主に料理を、レーゲンはリインとシャマルと飾り付けをしている。

うちも、ずいぶん賑やかになったな

 

士希「どうした、はやて?そんなにじーっと見つめちゃって」

 

士希は包丁の切る手を止め、尋ねてくる。そんなに見てたかな?

 

はやて「いや、なんもないよ。ただ、今年もみんなと過ごせて嬉しいなぁって」

 

あの日の事は悲しい出来事やけど、アインスが残してくれた想いは今も忘れへん。

今日はそんな、アインスの為の日でもある

 

シグナム「……あいつも、この場にいるでしょうか」

 

シグナムがしんみりと言った。私は…いや、私だけじゃない。

この場におる誰もが静かにアインスを想い、目を閉じた。

きっと、そばにいるであろう彼女を感じるために…

 

 

パシャ

 

 

そんなちょっと切ない雰囲気の中、カメラのシャッターを切る音が聞こえた。

私らはみんな音の方へと向く。そこには古びたカメラを持った士希が立っていた

 

士希「おー、もしかしてと思って持って来たが、バッチリ写ってる」

 

八神家「………」

 

士希から手渡された写真は、私ら全員を黙らせるには十分やった。

そこにはしっかりダブルピースをしている初代リインフォースさんがいた

 

 

パシャ

 

 

士希「お、これ見てみろよ」

 

士希がさらに一枚撮ったものを見せてくれた。

そこにはプラカードを持ったアインスがおって…

 

アインス『割と毎年スタンバってました』

 

シリアスを返せ…

 

 

 

はやて「えー、今年は士希のおかげで、アインスを含めた八神家みんなでクリスマスイヴを過ごせる事になりました」

 

アインスの姿は見えへんけど、それでも嬉しい事には変わりない。これで皆が揃ったんやで

 

はやて「ほんまに、みんなと祝えて嬉しいと思います。

せやから今日は、いっぱい食べて、いっぱい騒ごな!カンパイ!」

 

『カンパイ!』

 

チリンというグラス特有の音を奏で、私らのクリスマスイヴが始まった。

 

 

 

 

私とヴィータとリイン

 

 

 

はやて「相変わらず、士希の料理が美味い…」

 

ヴィータ「ピッツァうまうま」

 

リイン「コーンスープ美味しいですぅ…」

 

私ら三人は士希の料理に夢中になっていた。

私は肉料理、ヴィータはピザ、リインはスープ。

それぞれバラバラやけど、感想は美味いの一つしかなかった

 

はやて「うーん…こんな美味しいと、ホンマに太ってしまいそうやな」

 

ヴィータ「ん?はやて太ってないぞ」

 

リイン「そうです。はやてちゃんのスタイルは抜群です!」

 

二人にフォローされる。

確かに体型とかは変わってないし、体重も増えてるわけやないけど…

 

 

かたかた

 

 

はやて「ん?」

 

ふと、士希が持ってきたカメラが動く。アインスも何か言うことがあるんかな?

 

私はカメラを構え、何もない正面を撮る。そして写し出された写真には…

 

アインス『大丈夫です、主はやて。今食べている栄養は全て胸に行っているので』

 

アインスさん、そんな事言う人やっけ

 

 

 

シグナムとシャマル

 

 

 

私らとは別のところで、シグナムとシャマルが何やら大人なムードを醸し出していた。

二人はワイングラスを手にしている

 

シグナム「はぁ…あるじぃ…」

 

シャマル「もう…シグナムもいい加減諦めたらいいのに。

はやてちゃんを想っても、辛いだけよ」

 

シグナム「なぁ…何がダメだったのだろう?私はこんなにも主を想い、尽くしているのに…」

 

シャマル「そうね。強いて言えば、性別が女だからじゃないかしら」

 

シグナム「生まれ変わるー!男に生まれ変わって主はやてと付き合うー!」

 

シャマル「そんな事したら、はやてちゃんに胸揉んでもらえなくなるわよ」

 

シグナム「………今日は飲むー!」

 

シャマル「はいはい。付き合うわよ」

 

シグナムは出来上がってしまったようや

 

 

 

士希とザフィーラとレーゲン

 

 

 

所変わってここは男が集まっていた。流石にこの三人は静かで仲良しやな

 

士希「そう言えば、ザフィーラは好きな人とかいないのか?」

 

レーゲン「あ!それ僕も気になります!どうなんですか、ザフィーラさん?」

 

ザフィーラ「む、わ、私か?」

 

おや?なにやら面白い話してるな

 

士希「あぁ。俺らの周りって、女子多いじゃん。

その中でザフィーラの眼鏡にかなう人とかいないのか?」

 

ザフィーラ「むぅ…主はやてを始め、皆素敵な女性だと思うが」

 

レーゲン「確かに皆さん、美人さんばかりですよね。

僕らって、考えようによってはギャルゲーみたいな位置に居ますよね」

 

レーゲンはだんだんゲーム脳になりつつあるなぁ

 

ザフィーラ「ふむ…素敵な女性……アルフやガイアは素敵だと思うぞ」

 

おー!あの二人かぁ!確かに二人とも似たタイプ…

 

ザフィーラ「あの拳で闘うスタイルは、参考になる部分も多いからな」

 

あーうん、そういや二人とも、殴り合いがメインなタイプやったな

 

 

 

 

はやて「よ、こんなとこでどうしたん?」

 

夜も深くなる頃、クリスマス会は今まで以上の盛り上がりを見せ、

みんなは疲れ切り眠ってしまったようやった。先ほどまでの喧騒が嘘のように静か。

みんな、幸せそうな顔して眠っている。

シグナムとシャマルだけは寝室に行ってしまったけど、どうしたんやろ

 

士希「ん?はやてか。お前こそどうした?外は少し冷えるぞ」

 

そんな中、士希は一人でベランダにいた。

確かに、今日は少し冷える。冬やから当たり前かもしれへんけど

 

はやて「えへへ、こうしてたら、あったかいよな?」

 

私は士希に抱き着く。士希は私を受け入れ、包み込むように後ろから抱き着く形にしてくれた

 

士希「あぁ。あったかいな」

 

私らは別段何かを話すわけでもなく、この冬空を眺めていた。すると士希が静かに笑った

 

士希「どうやら、ホワイトクリスマスになるみたいだぞ」

 

はやて「え?……あ、雪」

 

薄っすらと降り始める淡雪。どうりで寒いわけやった。まさか降るとは思わんだな

 

士希「……時間も時間だし、サンタからはやてにプレゼントだ」

 

はやて「え?」

 

プレゼント?

 

士希「受け取ってくれるか?」

 

士希は抱き着いたまま、ポケットをまさぐり、小さな箱のような物を取り出した。

そしてそれを私に渡してくれる

 

はやて「開けてええ?」

 

士希「もちろん」

 

私は丁寧にラッピングされてある布を解いていく。

そして中身を確認して、私の鼓動は高鳴った。ま、マジでか…

 

はやて「こ、これさ、一応確認なんやけど、どこに付ける物?」

 

士希「どこって…指以外にあるのか?」

 

うー…ニヤニヤすんなや…ま、まさか指輪貰うなんて…

しかも、私好みのシンプルなデザインの指輪。

こ、これ、はめてええんかな?く、薬指とか…

 

士希「はやて、その指輪貸してみ。はめてやるからさ」

 

はやて「ふぇ!?あ!」

 

士希は私が持っていた指輪をサッと取ると、同時に私の左手を掴んだ。そして指輪を…

 

はやて「っ!?」

 

私の薬指にはめた

 

思考が停止してしまう。私はただただ、自分の左手薬指にはまっている指輪を見つめていた

 

はやて「ハッ!あ、あんた!とんでもないことしたって、自覚しとんのか!?」

 

しばらくして脳が再起動し、私は士希に向かって怒鳴ってしまう。いや、嬉しいよ?

めっちゃ嬉しいよ?でもな、なんていうか、心の準備が間に合ってないねん!

 

士希「嫌だったか?」

 

士希はニヤニヤと聞いてくる。

こいつ、相変わらずええ根性しとんな。わかってて聞くなや…

 

士希「ま、これで変な虫が付かないってんなら、安いもんだよな」

 

そう言って、士希は自分の左手を見せてくれた。

薬指には、私とお揃いの指輪がはめられていた

 

はやて「ぺ、ペアリング…」

 

アカン!いろいろ爆発しそう!嬉し過ぎてどうにかなりそう!私ニヤついてへんよな?

 

士希「あはは、喜んでもらえたようでよかった」

 

こいつはホンマに…

 

はやて「………おかえし。私も士希にプレゼントがある」

 

士希は私を真剣に想ってくれてる。なら私も、しっかり士希に向き合わなアカン

 

士希「お、そりゃ楽しみだ。いったい何をもらえるのかなぁ」

 

覚悟を決めよう…

 

はやて「なぁ…ここやとなんやで、今から士希の家に行ったら、あかんかな?」

 

生まれる沈黙。みるみる赤くなる士希の顔。

こいつは鈍感ではない。せやから、きっとこれだけで、意味が伝わったはずや

 

士希「お、お前、何考えてやがる?」

 

士希の声は少し裏返っていた。こいつも、緊張しとる

 

はやて「多分、士希の想像通りやで」

 

士希「っ!?お、お前!自分がとんでもねぇこと言ったの自覚してんのか!?」

 

士希は珍しく取り乱した

 

はやて「わかっとるよ。それとも、士希は嫌?」

 

士希「っ!?」

 

士希は口をパクパクさせて黙ってしまった。少なくとも、嫌ではないようや

 

はやて「ええ、よな?」

 

士希「……あぁ」

 

 

 

 

はやて・士希「………」

 

士希の部屋へとやって来た私らは、何を喋るでもなく、ただ黙ってベッドで寄り添っていた

 

はやて「な、なぁ…士希ってもうお風呂済ませた?」

 

士希「ふ、風呂?それならはやてん家に寄る前に入ったけど…」

 

士希は落ち着きなく言う。せやから服装がラフな感じやったんやな

 

はやて「ならさ、ちょっとシャワー浴びてきてええかな?私まだなんさ」

 

士希「しゃ、シャワー?あ、あぁ、もちろん」

 

私は鼓動が高鳴っているのを意識しつつ、風呂場へと入った。

そして着ていた服を脱ぎ捨て、シャワーを浴び始める

 

大丈夫、大丈夫…落ち着け私。あの様子やと、士希も初めてや。条件は一緒なんや。

なんのために、なのはちゃんらと話し合ったんや?今この瞬間のためちゃうんか?

私ならできる。相手は士希。士希なら、怖くはない

 

はやて「よし!八神はやて、女になります!!」

 

私は頬を叩き、気合いを入れた

 

 

 

士希サイド

 

 

 

士希「おかしい。順調過ぎる。いつもならここで何かしらの邪魔(主にシグナム)が来てもおかしくはない。むしろそれが今までのパターンであって、俺が簡単に幸せになれるわけ…」

 

俺ははやてがシャワーを浴びている間、コーヒーを飲んで待っていた。

ただ、はやて関連で幸せ慣れしてない俺は、この状況に戸惑いつつもあった

 

士希「………」

 

コーヒーを持つ手が震える。落ち着かない。嬉しさ反面、不安もあったから

 

はやてと付き合いだして四ヶ月、キスこそすれど、それ以上はなかった。自分はこれまで経験がなかった分、そういう事をするタイミングと言うのをイマイチわかっていなかった。

もしはやてが求めていなかったら…そう考えるだけで躊躇ってしまう。

おかげでいろいろヤバイ。今日だって、抑えられるかわからない。

はやては初めてだ。男として、優しくする事を意識…

 

はやて「士希?」

 

士希「はい!!?」

 

背後から声をかけられ、思わず裏返った声が出てしまう。

ほんと、今日だけで何回声が裏返ってんだよ。みっともねえにも程がある…

 

はやて「だ、大丈夫?」

 

士希「あ、あぁ、大丈……」

 

振り返ると、そこにはバスローブに身を包んだはやてがいた。

シャワーを浴びたばかりということもあり、少し濡れていて、顔もほんのり上気して赤い

 

ブチン

 

あ、やべ、俺の中で何かが切れた

 

はやて「ど、どうし…って、わわ!!」

 

俺は思わずはやてを抱きしめた。これはヤベェぞ

 

はやて「し、士希?」

 

はやては不安そうな声で俺の名を呼ぶ。

その声に、少しだけ冷静になるが、本当に少しだけだった

 

士希「はやて、俺、こういうの初めてだけどさ、精一杯、優しくするから」

 

はやて「………うん」

 

はやては俺を受け入れてくれた。なら俺も、しっかりはやてを愛そう

 

士希「はやて…」

 

はやて「士希…」

 

ここから先は、R指定だな

 

 

 

 

 

おまけ(邪魔が入らなかった理由)

 

 

 

シグナム「んぅ…もう朝か。ッ!?頭が痛い。昨日は…確か飲んでいたな。

あまり記憶はないが、相当飲んだのか?」

 

シャマル「んー…あれ?シグナム?起きたのね」

 

シグナム「ん?あぁシャマル、おは………待て。何故お前が私のベッドで寝ている?

そして何故お前は裸なのだ?」

 

シャマル「んー…?うふふ、シグナム、あなたのその格好も素敵よ」

 

シグナム「は?って、はぁ!?何故私も裸………ちょ、ちょっと待て!

いったい、いったい何が!?」

 

シャマル「んー!なんだかスッキリしたなぁ。昨夜は熱かったわね」

 

シグナム「昨夜!?いったい何があったんだ!?」

 

シャマル「シグナムって、誘って来たわりには、ベッドの上だと意外と受けなのよねー」

 

シグナム「受けってなんだ!?ちょっと待………ッ!?うそ…だろ……」

 

 

 


 
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