No.703307

星降る夜に 33

白蓮さん

転校生はかつての岳の部下であった

2014-07-24 09:29:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1295   閲覧ユーザー数:1229

岳「悪いな、付き合ってもらってさ」

 

シャルル「ううん、別にいいよ。でも、なんでまた練習に付き合ってなんて・・・」

 

岳「いや、俺の練習じゃなくて、一夏のだよ」

 

一夏の練習風景を見ていて思ったのは、とにかく教え方が下手な篠ノ之・セシリア・凰の所為である。感覚重視の熱血教師みたいで、正直見ていられなかった

 

シャルル「一夏の方なんだ・・・そっか」

 

岳「兎に角あいつに、教えるのが今日の目標だ」

 

話している間にアリーナに着いてしまった。シャルルの様子を聞くの忘れてたな

 

一夏「分かるか!!?」

 

早速やってるよ、あいつらの教え方だと先に進まない

 

岳「一夏、助けに来てやったぞ」

 

一夏「遅かったじゃないか!」

 

シャルル「苦戦してるみたいだね・・・」

 

少し三人の視線が痛いが、我慢しよう

 

岳「お前の前の戦いを見て思ったことだが、銃への知識、相手の目線ができてないと思うわけだ」

 

一夏「銃への知識はあるんだが・・・」

 

岳「凰の龍砲に突っ込んでいったのにか?」

 

一夏「・・・ごめんなさい」

 

シャルル「一夏の専用機は近接格闘だけしかないから銃のことは知っておいた方がいいと思う」

 

一夏「お前たちの説明は分かりやすいな!」

 

お前は後で絶対に殺されるだろう、何故なら、後ろに鬼神が三人いるからだ

 

この後シャルルと模擬戦をしてもらって銃への知識を高め、対抗手段を練った

 

岳「まぁ、こんな感じだろう。あとは練習でも欠かさずやれよ」

 

一夏「ああ!」

 

うむ、返事が大きいのはいことだ。などとおかしなことを考えていると・・・

 

ラウラ「・・・・・おい、織斑一夏」

 

一夏「・・・・・なんだよ」

 

ふぅ・・・休ませてはくれないのか、大変なのは反董卓連合の時だけで十分だってのに・・・

 

ラウラ「・・・私と戦え、見た所専用機持ちのようだからな」

 

一夏「いやだね、戦う理由がない」

 

ラウラ「お前になくとも、私にはある」

 

俺を少し見た後に、もう一度一夏に向き直る

 

ラウラ「・・・戦意はなしか・・・ならば、戦わざるを得なくしてやる!!」

 

シュヴァルツェア・レーゲンのレールガカノンを構える、さすがにこれは止めておいた方がいいな

 

岳「試作品だけど、やってみるか」

 

IS・シュッツゴットを装備する

 

ラウラ「ッ!!・・・どいてください大佐。貴方が庇うような人間ではありません」

 

岳「心外だな、それは俺に人の見る目がないと、そう言ってるのか?」

 

ラウラ「違います!あなたが居るべき場所ではないと言っているのです!」

 

岳「俺は此処に居ることに満足している、お前こそドイツへ帰れ」

 

ラウラ「~~~~~・・・どうしてもどかないのですか」

 

岳「悪いけどな・・・早くISを解除してほしいのだが・・・」

 

『こら!そこの生徒!何をしている!!』

 

先生の声が放送を通じて流れる、流石のラウラもISを解除した

 

ラウラ「・・・私は諦めません。貴方を連れ帰るまでは・・・!」

 

岳「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、俺と一夏はラウラとの関係を全員に聞かれた、俺は昔の知り合いとだけ言っておき、一夏は何もしゃべらなかった。たぶん、第二回モンド・グロッソの事が関係しているのだろう。あの時俺はドイツに居た時だったから知っている

 

岳「俺も一夏も、目をつけられやすいんだから・・・困ったものだ」

 

『何故です!なぜあなたのような人がここに居るのですか!』

 

この声は・・・ラウラか?誰と話してる・・・すぐ近くに居たので、気に隠れて耳を澄ました、相手は織斑先生だ

 

ラウラ「こんな極東の地で何の役目があるというのですか!」

 

千冬「・・・・・」

 

ラウラ「お願いです教官!我がドイツで再びご指導を!」

 

千冬さんにも言っていたのか・・・何故そこまで俺や千冬さんにこだわるんだ、ラウラ・・・

 

ラウラ「ここではあなたと、藤代大佐の能力は半分も生かされません!」

 

岳「(・・・・・俺はそんなに偉大じゃないんだよ、ラウラ)」

 

千冬「ほう・・・・」

 

ラウラ「大体、この学園の生徒等、教官が教えるに足りる人間ではありません。藤代大佐もここに居ればあの人の力が錆びつくだけです!」

 

千冬「・・・・・」

 

ラウラ「そのような物たちに教官が時間や大佐の力が割かれるなど・・・!」

 

千冬「その辺にしておけよ、小娘。随分見ないうちに偉くなったな、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐、十五歳でもう選ばれた人間気取りとは、恐れ入る」

 

ラウラ「わ、私はただ・・・!」

 

千冬「寮に戻れ、私は忙しい。私ではなく、藤代を連れて帰ったらどうだ」

 

ラウラ「・・・・・くっ!!」

 

ラウラは寮へと走り去っていった。その後ろ姿は寂しげであった

 

千冬「・・・・・そこの男子、異常性癖は感心しないぞ」

 

岳「生憎そんなものは持っていないので・・・しかも、俺を餌に逃げましたよね、最後のセリフ」

 

千冬「お前は他に心配することがあるんじゃないのか?」

 

岳「奴らに関してはすみました。まさか、ラウラがここに来るとは思いませんでしたが・・・」

 

千冬「お前が戻れば、忠犬のようにお前の後ろをまたついて回るんじゃないか?」

 

岳「俺の目的はここにありますから」

 

千冬「お前が何とかしておけよ、どちらにせよ、あいつの目的は私よりもお前だ」

 

岳「努力しますよ、それでは失礼します。織斑教官」

 

千冬「先生だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岳「はぁ~疲れたわ~」

 

ここまで一日で疲れたことはない、シャルルは今シャワーを浴びてる

 

岳「どうにかするって言ってもな~」

 

ラウラは俺でもかなり頑固だ、俺が何を言おうと考えは変えないだろう

 

岳「ん?・・・シャルルの奴、シャンプー忘れてるじゃん」

 

どんくさいな~などと思いつつ、シャワー室に持っていく

 

岳「お~い!シャルル、シャンプー忘れ・・・てる・・・ぞ?」

 

シャルル「へっ・・・・?」

 

なんでだろう、俺はかなり驚いている

 

シャルル「が・・・岳・・・?」

 

なんで俺の前に”女の子”がいるんだよ・・・!

 

シャルル「え、えっと・・・これは・・・」

 

岳「・・・言いたいことは分かるが・・・まずは服を着てくれ」

 

シャルルは俺の指摘でやっと前を隠してくれた。顔を真っ赤に染めて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岳「落ち着いたか?」

 

シャルル「う、うん・・・だましてごめんね」

 

岳「それはいい、俺だって隠し事くらいある」

 

そう言う問題でもないがな・・・結果的に覗いてしまったしね

 

岳「けど、なんでまた男装なんて・・・」

 

シャルル「・・・実家からそうしろって言われたからだよ、デュノア社のね」

 

岳「・・・デュノア社」

 

シャルル「そう、僕の父がそこの社長でね。その人から直接の命令でね・・・僕はね岳、父の本妻の子じゃないんだよ」

 

岳「・・・・・予感はしてたよ。息子がいないところまでは知り合いが、調べてくれてたからね」

 

シャルル「そう・・・ずっと別々に暮らしてたんだけど、母が死んで引き取られたんだよ。その後、検査を受けていた時にISの適性率が高いことが分かって、非公式でテストパイロットをやることになったんだよ。でも、父と話したのは一時間にも満たなく、会った回数は2回だけ」

 

岳「・・・・・どうしてお前が男装していたかは」

 

シャルル「経営危機に陥ったんだよ、リヴァイブは所詮は第二世代型、第三世代型に届かなくて、注目を浴びる為にやったんだ」

 

岳「(そして、大切だと思っていないシャルルを送ってきた・・・ふざけんじゃねぇ!)」

 

シャルル「同じ男子なら、日本に出現した一夏や岳に接触できるだろうってね」

 

岳「・・・あいつらと変わらないな」

 

シャルル「でも、岳のことはそれだけじゃすまなかった。君は情報源が少なく、手に入れられたのはドイツに居たことだけ、それで危険だと判断したなら、そいつを」

 

岳「殺せ・・・そう言われたんだな」

 

シャルル「うん・・・でも、勝てるなんて思ってなかった。君の実力はISを除いても圧倒的に差が開いていたから・・・それに僕はね、君を殺したいなんて思えなかった」

 

俺はそれに気づきもしないでお前とへらへら笑っていた・・・情けねぇ

 

シャルル「ほんと・・・黙ってて、ごめん」

 

岳「・・・・・納得いかない・・・なんで親が子を危険にさらしてんだよ!」

 

自分の親が殺されたことを忘れたことはない!俺は今でも、あいつを恨んでる、いつも支えてあげられる親が、子を見捨てて会社のために犠牲にさせたのか!本妻だろうが関係ないだろう!

 

シャルル「僕は見つかったから、本国に呼び戻されるだろうね」

 

岳「・・・・・その後は?」

 

シャルル「・・・良くて牢屋行きかな」

 

岳「お前はそれでいいのか・・・?」

 

シャルル「僕に選択権はな・・・・」

 

岳「いや、お前にも選択権はある、このIS学園は本人が同意しない限り団体などの干渉はできないだろう。それは特記事項だよ」

 

シャルル「でも、いずれは・・・」

 

岳「ああ、本国にばれるだろうな。そこを離れるというなら・・・俺にも考えがある」

 

シャルル「えっ?・・・考えって」

 

岳「簡単に言えば、シャルルと引き換えに第三世代の機体のデータもしくは本体を差し出す」

 

シャルル「っ!!?岳、自分が何言ってるのか分かってるの!?自分もISを捨てるって言ってるんだよ!」

 

岳「この程度でお前が救われるなら願ったり叶ったりだよ。本妻でないにしろ、お前の父だ。あそこの会社が倒れるのは本望じゃないだろう?」

 

シャルル「・・・本望だって言ったら?」

 

岳「そっちの方が楽にシャルルを助けられる。ここは日本だ。自分で決める権利がある。それに、会社を潰すなら、俺には強い味方がいる」

 

シャルル「どうしてそこまでしてくれるの?」

 

普通ならそう言うだろうな・・・でも、俺はためらわずに言う

 

岳「俺は両親を殺された、その所為で両親への思いが強い。だから、シャルルの親みたいなやつが許せない。それにお前は俺の友達だ。俺にとって友達は命を懸けてでも守りたい大切な物なんだよ」

 

シャルル「がく・・・ありが・・・とう・・・」

 

泣きながら倒れ込んでくるシャルルを受け止める、嫌な会社だなデュノア社・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回「敵対意志!ラウラ対セシリア・鈴」

 

ラウラ「なぜ庇うのですか!」

 

岳「お前に語れないものがたくさんあるんだよ!なんで分からないんだ!」

 

 


 
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