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九番目の熾天使・外伝 ~短編その⑫~

竜神丸さん

幽霊騒動その19

2014-06-27 19:52:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2753   閲覧ユーザー数:1375

「ッ……なるほど…強いね、君は…!!」

 

ショウは右肩を押さえながら、目の前の男―――ゴ・ガドル・バを睨み付ける。ガドルはショウに睨み付けられているにも関わらず、涼しい顔でショウを見据えている。

 

『あの女の言う通りだな。貴様等リントは、もはや今までのリントとは違うようだ』

 

「リント……その呼び方をするという事は、君はグロンギだね。その言葉の真意は理解しかねるけど…」

 

『いや、こちらの話だ……それよりも』

 

ガドルは両腕を広げ、本来の姿であるカブトムシのような形態へと変化する。

 

『進化したリントがどれだけの力を誇るのか……今、貴様と戦う事でそれを確かめたい』

 

「…なるほど」

 

ショウは小さく笑ってから上半身のシャツを脱ぎ捨て、奇妙な刺青の入った上半身が露わとなる。

 

「ショウ…!!」

 

「大丈夫だ。エリカは他のメンバーと一緒に、亡霊達を退治してくれ」

 

「…気を付けてね」

 

「あぁ、分かってる」

 

それだけ言ってからエリカはその場から離れ、ショウは彼女が離れたのを確認してからガドルと向き合う。

 

「僕も準備は出来た……さぁ、始めよう」

 

『そうか……では、ゲゲルの開始だ』

 

その後、二人は数秒間だけ沈黙し…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「―――ハァッ!!!」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いの拳を炸裂させる。その衝撃は、周囲の建物などにも大きく響かせる事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ……あれは…!?」

 

石化が解けて自由になった二百式が最初に見たのは、全身が金色に輝くロキの姿だった。ロキの全身が放つ光はペルセウス・ゾディアーツを含め怪人達を苦しませており、セイレーンは想定していなかった事態に焦りを隠せないでいた。

 

(あれが、ロキなのか…? さっきまでと、全く雰囲気が違う…!!)

 

「…うし」

 

二百式が呆然としている中で、ロキは炎に燃えるデュランダルを軽く素振りしてからセイレーン達を指で軽く挑発する。

 

「ほら来いよ、格の違いって奴を見せてやる」

 

『ッ…そんなこけおどしで、調子に乗らないでくれるかしら!! さぁ、早くその男を殺せ!!』

 

『グゥゥゥ…グルァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

「!? 危ない!!」

 

体勢を立て直したペルセウス・ゾディアーツが、大剣を振るいロキに襲い掛かる。それを見た刀奈が思わず叫ぶも、ロキは右手をゴキンと鳴らし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「消えろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『―――グギャァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?』』』』』

 

「「「「「!?」」」」」

 

『!? な、何…ッ!?』

 

一瞬だった。

 

ロキの姿がその場から消えた直後、ペルセウス・ゾディアーツを始めとした怪人達の目前に金色の魔法陣が多数出現。怪人達がそれに気付いた瞬間、魔法陣から繰り出された光り輝くデュランダルが怪人達の身を次々と撃ち砕いていき、セイレーン以外は纏めて全滅してしまったのだ。

 

『ば、馬鹿な!? たった数秒で…』

 

「余所見すんなよ、性悪女」

 

『ッ!?』

 

いつの間にか、ロキはセイレーンの目の前に姿を現していた。彼の向けるデュランダルがセイレーンの首元を突きつけ、セイレーンは思わず後ずさる。

 

「さぁて……俺のこのデュランダルがこけおどしかどうか、お前にも見せてやろうか?」

 

『うぐぐ……このぉ!!』

 

「はい残念」

 

『な…がぁっ!?』

 

セイレーンが突き立てようとした槍の刃も、ロキの身体に接触した瞬間バキンと圧し折れる。そのままロキは後ろ回し蹴りでセイレーンの顔面を蹴り、蹴られたセイレーンは壁に叩きつけられてから地面に落ちる。

 

『ぐぅ……こんな、事が…ヒッ!?』

 

「お前に選択肢をやる」

 

ロキがそう告げたその時、ロキの左手に冷気を纏ったもう一本のデュランダルが出現。炎を纏ったデュランダル、冷気を纏ったデュランダルの二本がロキの手に握られ、その刃先がセイレーンに突きつけられる。

 

「オリジナルにはまだ程遠いかも知れんだろうが、極限の希望には持って来いだろう? さぁ、炎に焼かれるか氷漬けにされるか……それとも」

 

『ま、待って…アガァッ!?』

 

逃げようとしたセイレーンの翼が、雷を纏ったデュランダルによって千切り取られる。

 

「雷撃に痺れて死ぬか。その三つの選択肢の内、好きな死に方を選べ」

 

『あ、ぁ…あぁぁ…!!』

 

炎、冷気、雷、合計三本に増えたデュランダルがロキの周囲に浮遊する。翼を千切り取られたセイレーンは恐怖に駆られ、地べたを這いつくばってでも逃げようとする。しかしそんなセイレーンの目の前に炎のデュランダルが突き刺さり、逃亡を阻止する。

 

「さぁ、早く選べ。でないと俺が勝手に決めるぞ」

 

『ま、待って!? ごめんなさい、私が悪かったわ…!! もうあなた達の事は狙わないし、二度とこの街にも立ち入ったりしない……だ、だから命だけは…!!』

 

「ほう、そうかそうか。なら仕方ないなぁ」

 

ロキがデュランダルを引っ込めてから背を向け、セイレーンはそれを見て安堵し…

 

「纏めて三本、そんなに喰らいたいんだなぁ?」

 

『!?』

 

ロキの言葉と共に、三本のデュランダルが纏めてセイレーンを刺し貫き、同時にセイレーンの全身が業火に燃やされ、稲妻が全身に走り、冷気がその身を凍てつかせていく。

 

『ナ…ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!? い、痛い!! 熱い!! 寒い!! やめで!! 許じで!! まだ消えだぐない!! 嫌…嫌ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!??』

 

「自分のやって来た事、一人で勝手に後悔しながら消えやがれ」

 

『ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――』

 

その断末魔が長く続く事は無く、炎に燃えていたセイレーンの全身が一瞬で凍結し、そして最後に稲妻がその全身を粉々に撃ち砕き、セイレーンを跡形も無く消滅させてしまった。その数分間の出来事に、二百式達は離れた位置で呆然としたまま眺めていた。そんな中、ロキはセイレーンの消滅に目を向ける事なく刀奈の方まで歩み寄る。

 

「刀奈、怪我は無いか?」

 

「え……あ、えっと…大丈夫、です…」

 

「そうか、なら良か…ッ」

 

「!? キリヤさん!?」

 

刀奈が無事である事に安心して笑みを浮かべるロキだったが、そんな彼を目眩が襲う。フラついて危うく倒れそうだった彼だったが…

 

「…サンキュー、兄さん」

 

「また何か無茶でもしたか、全く」

 

そんなロキの身体を、駆け付けたソラが上手く支えてみせた。

 

「ごめん、兄さん……刀奈を、た…の…」

 

「キリヤさん…!?」

 

「…心配ない、気絶しただけだ。どうせすぐ目覚めるだろう」

 

「そうですか……あ、どうも…」

 

意識を失ったロキをソラが背負い、刀奈の方にも手を差し伸べる。刀奈もソラの手を掴み、ひとまずその場から立ち上がる。

 

「君は確か、ユウナの元教え子だったね。何処も怪我はしていないかい?」

 

「私は大丈夫です、けど……弟が…」

 

「…すまない、聞くべきじゃなかったね」

 

「いえ、気にしないで下さい。私も最初は諦めようとしました。でも…」

 

ソラに背負われているロキの顔を見つめる。

 

「極限の希望に、なってくれそうな人がいますから」

 

「…そうか。なら、コイツにはとっとと起きて貰わなきゃな」

 

ソラは溜め息をつきつつも、その口元は小さく笑みを浮かべていた。そこに二百式やキーラ、みゆきの三人が駆け寄る。

 

「ソラさん、キリヤは…」

 

「コイツは俺の方で運んでおくよ。君達は彼女を、安全な場所まで避難させて欲しい」

 

「分かった、引き受けよう」

 

「……」

 

ソラはロキを背負ったまま飛び去って行き、刀奈はキーラとみゆきによって安全地帯まで避難させられる事となった。そんな中、二百式はある疑問に駆られていた。

 

(さっきの地面……明らかに俺の行動を妨害するものだった。一体、誰があんなマネを…?)

 

怪人達との戦闘中、突然自身の足が地面に拘束されるという謎の事態。何者かの仕業である事までは勘付いていた二百式だったが、その犯人までは分からないようだ。

 

(まぁ良い、今は保護対象を安全地帯まで送るのが先だ。先程の事は、また後で考えるとしよう…)

 

何時までも考えたところで、どうせ答えは見つからないだろう。そう判断した二百式は考えを切り替え、刀奈を安全地帯まで送る事を優先する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、もう行ってしまったようですね」

 

二百式達が去った後、路地裏には竜神丸とガルムだけが残っていた。

 

「彼の中で目覚めたアイオンの眼……これはまた、旅団においても非常に強い戦力となり得るでしょう。ロキさんもよく進化してくれたものです。私も感動です」

 

「…お前がそういう事を言うと気持ち悪いな、本当に」

 

「おや、ガルムさんは嬉しくありませんか? 仲間が更に強くなったのですよ? そこは喜ぶのが普通なんじゃないのですか?」

 

「そういう事じゃない……さっきの事だ」

 

「…あぁ、さっきのあれですか」

 

竜神丸は壁に右手をつける。すると竜神丸の右手が少しずつ壁と同化していき、壁や地面から竜神丸のものと思われる右手が次々と生えて来た。

 

潜航師(ゾーンダイバー)ですよ。ありとあらゆる物体や地形と同化し、思うがままに出来る能力。同化した状態で特定の物体を掴む事が出来たりと、能力としては非常に便利なものです」

 

「話を逸らすな。その能力で、思いっきり二百式の妨害しやがっただろうが」

 

「おや、それならあなたが加勢に加わろうとしても良かったんじゃないですか? 自分の事を棚に上げて人を指摘するのは、ちょっとばかり虫が良過ぎますよ?」

 

「それは…」

 

「それに、“アレ”に選ばれた時点でこういった任務が課せられる覚悟も出来ていた筈です。それであなたが躊躇するようなら、それはあなたがそういった覚悟が出来ていないという事……人としては正解でも、旅団の一員としては不正解です」

 

「ッ…」

 

「とにかく。今の自分の日常を守っていきたいのであれば、いかなる指令も従順にこなしていく事です。それがたとえ……仲間を傷付けるような、惨過ぎる内容であってもね」

 

それだけ告げてから、竜神丸はその場から転移して姿を消す。

 

「裕也さーん!」

 

「ガルム、ここにいたか」

 

路地裏で一人ポツンと立っていたガルムの下に、早苗とmiriが駆け付けて来た。

 

「探しましたよ! 何処を探してもなかなか見つからなかったものですから」

 

「あ、あぁ、そうか……悪いな」

 

「? ガルム、どうかしたのか?」

 

「…いや、何でもない。とにかく、早いところ亡霊共を退治してしまおう」

 

「「?」」

 

何も言わないまま路地裏を出ていくガルムに二人は首を傾げつつも、今は亡霊退治が先。二人もガルムに続く形で路地裏を後にする事にした。それ故に…

 

(悪い早苗……俺、凄くとんでもない事に首突っ込んじまったよ…)

 

ガルムの考えている事にも、この二人が気付ける筈も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、テニスコート場…

 

 

 

 

 

 

『シャアーッ!!!』

 

『シュルルルルルルル…!!』

 

「ッ…来るぞ!!」

 

「うわわわわ、また増えたぁ!?」

 

『『『『『キシャァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』』』』』

 

クレアの変異した大蛇の幻影に、ブレイド率いるライダー達が苦戦を強いられていた。大蛇の幻影は斬られた首から更に頭部を増やし、頭の数が合計7本の八岐大蛇と化していたのだ。

 

「くそ、無駄に頭の数増やしやがって…!!」

 

『レイ…レィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!』

 

「どわ、く…!!」

 

≪BIO≫

 

「よいしょお!!」

 

『グ、ガァァァァァ…!?』

 

ブレイドに襲い掛かろうとした1本の首を、カリスが醒弓カリスアローから伸ばした蔓で捕縛。そのまま他の首の頭部にも巻き付け、合計3本の動きを封じる事に成功する。

 

「信じられないよ……まさかこれが、あのクレアちゃんの成れの果て(・・・・・・・・・・・・・・)だなんてさ…!!」

 

「俺だって信じられねぇさ……だが今は、何とかしてクレアを助け出すしかないんだ!!」

 

『アハハハ!! 早ク捕マッテヨ、レイィッ!!』

 

「悪いが断る!!」

 

牙を向けてきた1本の首をブレイドがブレイラウザーで斬り裂き、彼はそのまま斬られた首を踏み台に高く跳び上がる。残っている3本の首が一斉にブレイドに狙いを定めるも…

 

≪BULLET≫

 

≪SCREW RUSH≫

 

「はぁぁぁぁぁぁ…!!」

 

「フンッ!!」

 

『『『ガァァァァァァ…!?』』』

 

醒銃ギャレンラウザーを構えたギャレンが強化された銃撃で2本の首を押し退け、残り1本の首をレンゲルが醒杖レンゲルラウザーで刺し貫く。

 

「兄さん…!!」

 

「行け、レイ!! 迷える魂を救うのだ!!」

 

「サンキュー、二人共!!」

 

≪KICK≫

 

「ウェェェェェェェェェェェイッ!!」

 

『『『『『『グ、ガァァァァァァァァァァァァァ…!?』』』』』』

 

ブレイラウザーにカードを通したブレイドはそのまま八岐大蛇の中心部目掛けて、強化された飛び蹴りを思いきり叩き込む。ブレイド達の猛攻に圧倒される八岐大蛇だったが、斬られた首を除く6本の首はその赤い目をギラリと光らせ…

 

『ギシャアッ!!』

 

「何…ぐぁあっ!?」

 

「兄さ…あぐ!?」

 

「うわぁ!?」

 

「ぐぅぅぅぅ…!!」

 

1本の首がブレイドを弾き飛ばし、残りの首が自らを鞭にように叩きつける形でギャレン達を襲う。ブレイドはまたしてもフェンスに叩きつけられ、ギャレンやカリスは地面を転がり、レンゲルはレンゲルラウザーを地面に突き刺す事で吹っ飛ばされるのを防ぐ。

 

『マダダヨレイ……モットモット、モットモット、私ト一緒ニイテヨ…!!』

 

「一緒に、だと…!?」

 

『寂シカッタ……暗イ闇ノ中デ、ズット一人ダッタ……レイニ会イタクテ、会イタクテ会イタクテ会イタクテ会イタクテ仕方ナカッタンダァッ!!!』

 

「!!」

 

『モウ二度ト離レナイ!! コレ以上、私ニ辛イ思イヲサセナイデ……私ヲ、一人ボッチニシナイデ…!!』

 

「…そういう事か」

 

ブレイドは膝を突いたまま、左腕のラウズアブゾーバーを展開する。

 

「お前がそこまでして俺を殺そうとしていたのは、あの真っ暗な異界でずっと一人だったからなんだな…」

 

『…?』

 

ラウズアブゾーバーから、二枚のカードが引き抜かれる。

 

「すまなかったクレア。お前があの異界で、どれだけ寂しい思いをしていたのか……生きている俺は、全く気付く事が出来なかった」

 

『ナラズット、一緒デイヨウヨ!! 私達ダケデズット…』

 

「だが」

 

≪ABSORB QUEEN≫

 

「お前がいるべき場所は、そんな真っ暗な場所じゃない」

 

『…!?』

 

「俺だって、何時か死ぬ時は来る。それで万が一、神様とやらが許してくれるのなら……あの世でまた、俺達は一緒になる事が出来るかもしれない。それまでお前には天国で待って欲しいと、俺は少なからずそう思ってんだ」

 

「レイ…」

 

カテゴリーQのカードが、ラウズアブゾーバーに差し込まれる。

 

「だからこそ、お前はそんな暗い場所にいちゃいけねぇ……だから俺が、今からお前を闇の中から引っ張り上げてやる…!! 孤独だったお前の思いを、絶望の中から救い出してやる!!!」

 

そしてカテゴリーKのカードが、ラウズアブゾーバーにスキャンされる。しかし…

 

≪EVOLUTION KING≫

 

「ッ!? が、ぁ…か…あぐぅぅぅ…うぁあっ!! がぁぁ、か…ぁ…!!」

 

カードをスキャンした途端、ブレイドの全身に強力な電流が流れ始めた。思わぬ苦痛にブレイドは膝を突きかけるも、どうにか留まり電流に耐え続ける。

 

「な、レイ…!?」

 

「無茶だよレイ!! 融合係数が高い状態で、キングフォームなんか使ったら…!!」

 

「兄さん!!」

 

「止め、るな…!!」

 

「「「!?」」」

 

ギャレン達が止めに入るも、ブレイドは苦痛に耐えながら手で制する。

 

「ッ……大、丈夫…だ…!! これぐらい……何、とも…ぐぁあ、ぁあ…!? ぐがぁ、あ…!!」

 

「!? な、何だあれ…!?」

 

八岐大蛇の攻撃で、遠くまで吹っ飛ばされていた龍騎。何とか戻って来た彼の視界には、謎の電流で苦しむブレイドの姿が映っていた。

 

「ぐ、ぉ…あ……うぉあぁぁぁぁぁぁぁァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

そして、ブレイドの全身が光に包まれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!?」

 

支配人は、深い闇の中で目覚める。

 

「…ここは」

 

周囲には何も無く、ただ暗闇だけに包まれている空間。この場所に辿り着いた支配人が首を傾げたその時…

 

『あ、目が覚めた?』

 

「! …お前は」

 

支配人の前に、十代と思われる金髪の少年が袋の中のポップコーンを食べながら姿を見せた。

 

「てぇ事は、この場所は…」

 

『そ、僕の場所。つまんないでしょ? 真っ暗だし、退屈だし、他にやる事ないし』

 

「…そんな場所に、何で俺を呼んだ?」

 

『単純な理由だよ。君が助けようとしてる、あの女の子の事』

 

「…クレアか」

 

『何でそこまでして助けたいの? あの娘、さっきからずっと君の事を殺そうとしてるじゃん』

 

金髪の少年はポップコーンを口に含む。

 

「…どうせ今までのも全部見てたんだろ? なら俺に聞かずとも、答えは分かってんじゃねぇのか」

 

『それが分かんないから聞いたんだけど……まぁ良いや。それで? あの娘を助けたいが為に、俺の力を借りようっての?』

 

「そうだ。力を貸して貰うぞ、キング」

 

『…ふぅん。本当に迷いが無いんだね、君って奴は』

 

金髪の少年もとい“キング”は楽しそうに笑みを浮かべてから、黄金に輝く重厚の戦士―――コーカサスビートルアンデッドへとその姿を変える。

 

『けど良いのかい、本当に』

 

「何がだ?」

 

『僕の力を借りる事だよ』

 

コーカサスビートルアンデッドは支配人の横に並び、彼の肩に手を置く。

 

『僕だって、ただ見てるだけじゃ退屈なんだ……だから気をつけなよ? 完全に封印し切ったつもりで、僕に内側から支配されないようにね』

 

「…上等だ」

 

コーカサスビートルアンデッドの手を、支配人はフッと笑ってから払い退ける。

 

「はなっから、お前が大人しく融合してるとは思っちゃいねぇよ。その上で、俺はお前と……いや、お前達全員(・・・・・)と力ずくでも融合してやるって言ってんだ……だから」

 

支配人はコーカサスビートルアンデッドに手を差し出す。

 

「俺に力を貸せ。お前達の、破壊する為の力を……守る為の力をな」

 

『…へぇ』

 

コーカサスビートルアンデッドは面白そうに相槌を打つ。するとその時、コーカサスビートルアンデッドの背後から彼と同じ姿の黒いカブトムシのアンデッド、イナゴらしきアンデッド、水牛らしきアンデッド、ライオンらしきアンデッドなどが出現。コーカサスビートルアンデッドを含め、合計13体となる。

 

『良いよ、力になってあげる。君にも足掻いて貰う方が、僕等にとっても面白いだろうしね』

 

「…んじゃ、行こうぜ」

 

『うん、行こうか』

 

アンデッド達は一斉に支配人に飛び掛かり、そして再び光に包まれる―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ァァァァァァアアアアああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」

 

「「「!?」」」

 

『!? 何ィ…!!』

 

ブレイドが雄叫びを上げると共に、13枚のラウズカードが彼の周囲を回転し始めた。そのまま13枚のラウズカードはブレイドの腕や足、胸部の鎧に次々と融合し、ブレイドの全身が金色の鎧に変化。そして彼の左手には大剣―――“重醒剣キングラウザー”が出現する。

 

「こ、これは……なんて強力なエネルギーだ…!?」

 

「レイ…!!」

 

「…!!」

 

「す、凄ぇ…!!」

 

ギャレン達や陰から見ていた龍騎が驚く中で、黄金のブレイド―――“ブレイド・キングフォーム”は大きく吸った息を大きく吐き、俯いていた顔を上げる。

 

「…行くぞ、クレア」

 

ブレイドはキングラウザーを逆手に持ったまま、八岐大蛇に向かって歩き出す。

 

『凄イネ、レイ……モット遊ンデヨ!!』

 

『シャァァァァァァァッ!!』

 

6頭の首の内、1頭の首が牙を向けて迫る。だがその時、ブレイドの右手装甲に刻まれている獅子の紋章が輝き出し…

 

「―――フンッ!!」

 

-ドゴォォォォォォォンッ!!-

 

『ッ!?』

 

1頭の首が、ブレイドのパンチによる一撃で消し飛んだ。これにはクレアも赤く染まった目を見開く。

 

「無駄だぜクレア。俺は今、スペードの13体全てと融合を遂げている」

 

『ッ…何デダ、何デ素直ニ喰ワレナイ!!』

 

クレアが怒りに震え上がると共に、残る5本の首が次々とブレイドに攻撃を仕掛けるも…

 

「無駄だと言ってるだろう?」

 

ブレイドの左手で振るったキングラウザーが、迫る2本の首を同時に切断。ブレイドはそのままキングラウザーを右手に持ち替え、更に1本の首を切断。これにより八岐大蛇の首は残り2本となる。

 

『グゥゥゥゥゥ…コノォッ!!』

 

「ッ…!!」

 

残った2本の首が黒い瘴気弾を放ち、ブレイドの足元を爆破。それにブレイドが少しだけ怯み、その隙に2本の首がブレイドに襲い掛かろうとする。

 

『隙アリダヨ―――』

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ADVENT≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グォォォォォォォォォォンッ!!』

 

『!?』

 

その攻撃も、召喚されたドラグレッダーが妨害。2本の内1本の首をドラグレッダーが直接巻きつく動きを封じ、そのまま火炎弾を放ち首を焼き尽くしてしまった。これで八岐大蛇の首は残り1本だけとなる。

 

「…悪い。見てるだけってのは性に合わないっていうか、何ていうか」

 

「あぁ、サンキュー真司」

 

「レイ!!」

 

ブレイドが龍騎に礼を言ったその時、レンゲルが一枚のカードを取り出しブレイドに投げ渡す。

 

「使え、我々の力を!!」

 

「レイッ!!」

 

「兄さん…!!」

 

レンゲルに続いてカリス、ギャレンもそれぞれカードをブレイドに向かって投げる。するとブレイドの纏う装甲からも2枚のカードが出現し、合計5枚のカードがブレイドの手に渡る。

 

「! これは…」

 

クラブ、ハート、ダイヤ、スペードの6、そしてスペードのK。これらのカードを見たブレイドは、すかさずキングラウザーにその5枚を装填する。

 

≪Spade Heart Dia Club6 SpadeK≫

 

『ッ!? グゥゥゥゥ…!!』

 

「行かせるか!!」

 

キングラウザーを構え直すブレイドと八岐大蛇の間に、5枚のカード状エネルギーが並ぶ形で出現。それを見た八岐大蛇はブレイドの行動を妨害しようとするも、ドラグレッダーの攻撃を受けている所為でまともに身動きが取れない。そして…

 

≪Four Card≫

 

「真司!!」

 

「!! ドラグレッダー!!」

 

キングラウザーを両手で構えたブレイドがその場から駆け出し、それと同時にドラグレッダーも八岐大蛇から素早く離れる。八岐大蛇は事態に気付くも、時既に遅し。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!」

 

 

 

 

 

 

1枚目を潜り、雷の力を…

 

 

 

 

 

 

2枚目を潜り、風の力を…

 

 

 

 

 

 

3枚目を潜り、炎の力を…

 

 

 

 

 

 

4枚目を潜り、氷の力を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして5枚目を潜り、全ての力は一つとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ウェイッ!!!!!」

 

『ギィ、ガ…アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…!!!??』

 

直前で立ち止まったブレイドはキングラウザーを振るい、その衝撃波を八岐大蛇目掛けて放つ。衝撃波は八岐大蛇を飲み込み、八岐大蛇を形成していたドス黒いオーラを塵一つ残さず消し飛ばす。そして…

 

『ウ、ゥ……ア…』

 

「おっと」

 

その場に残ったクレアを、変身を解いた支配人が優しく抱き留めてみせた。

 

「クレア…」

 

『―――ん、ぅ』

 

支配人に抱き留められたクレアは、その瞼をゆっくりと開ける。その目にはもう、先程までの狂気は残っていなかった。

 

『ぁ……レ、イ…?』

 

「! 目が覚めたか、クレア」

 

『うん……レイ、ごめんね…』

 

「?」

 

『私が死ぬ時……レイと一緒だった事、幸せだったって……そう言ったの、覚えてる…?』

 

「あぁ、覚えてるさ。鮮明にな」

 

『…でも、違ったんだ。あの時死んでから、私はずっと…あの暗い世界に閉じ込められてた……だから凄く辛かった……もう一度だけでも良い……またレイに会いたいって、そう思うようになっちゃったんだ…』

 

「…ごめんな。アザゼルの動きに気付けなかった所為で、お前に辛い思いをさせちまった」

 

『良いの……またレイに会えただけでも…私、凄く嬉しいんだ…』

 

「クレア…」

 

クレアが笑顔の状態で流す涙を、支配人は指で優しく拭う。それを見ていたギャレン達や龍騎も、仮面の下で安堵の表情を浮かべる。

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『申シ訳ないガ、ソコまでにしテ貰おうカ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「!!」」」」」

 

全ての元凶が、彼等の前に姿を現した。

 

「アザゼル、貴様ァ…!!」

 

『ソノ娘を渡して貰オウか。今この状況デ、悪霊化が解ケテは面倒だからナ』

 

「させないよ!!」

 

≪DRILL≫

 

『ヌゥ…邪魔ヲするなァッ!!!』

 

「え、嘘…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「フィア…あぅ!?」

 

「ぬわっ!?」

 

手出しはさせまいと、飛び込んだカリスが錐揉み回転しながらアザゼルに蹴りを炸裂させる。しかしアザゼルがそれを力ずくで弾き飛ばした事でカリスが吹っ飛ばされ、ギャレンとレンゲルがそれの巻き添えを喰らってしまう。

 

「おい!! やめ―――」

 

『フンッ!!』

 

「どわぁっ!?」

 

「真司、皆!! この…ッ!?」

 

止めようとした龍騎も斬り伏せられてしまい、今度は支配人の首元にアザゼルの大剣が突きつけられる。

 

『ツイデだ、貴様もここデ始末するトしよう』

 

「くそ…ぐぁっ!?」

 

『レイ!!』

 

支配人は素早くシャインセイバーを取り出すも、それを見抜いていたアザゼルは支配人の手を蹴りシャインセイバーを叩き落としてしまう。

 

『サァ、くたばるが良イ…!!』

 

「くそ…!!」

 

そしてアザゼルの大剣が振り下ろされ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『が、ぁ……は…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――支配人ではなく、彼の前に出たクレアを一閃した。

 

『! ホウ、身を挺して庇ッタカ』

 

「!! クレア、何で…!?」

 

『う、くぅ……ごめん、ね…レ、イ―――』

 

「クレアッ!!!」

 

倒れるクレアに支配人が触れた瞬間、クレアの身体が光の粒子となって消滅。その中から一際大きい光の玉だけがアザゼルの掌に収まる。

 

『ナルほど……コレはまた、凄まじいエネルギーを持ッテいるな。鍵を強化スル糧として、チョウド良い』

 

「ッ…貴様ァァァァァァァァァァッ!!!」

 

支配人の振るうオーガストランザーをもアザゼルは難なく回避し、支配人達から距離を取る。

 

『貴様等ニとって、この魂ハ余程重要な存在と見タ。取リ返したけレバ、我ガ決戦の地まで来るが良イ…』

 

「待て、アザゼルッ!!!」

 

支配人の攻撃が一度も当たる事なく、アザゼルは高笑いしながら“鍵”の浮遊する方面まで飛び去って行ってしまった。支配人は悔しさから思いきり地面を殴りつける。

 

「クソッタレ……また俺は…!!」

 

『『『『『グルルルルル…!!』』』』』

 

そんな支配人に追い打ちをかけるかの如く、彼等の周囲を怪人達が包囲するも…

 

≪SURVIVE≫

 

『『『『『!? グガァァァァァッ!?』』』』』

 

龍騎がサバイブのカードをドラグバイザーツバイに装填した事で、突如発生した炎の渦が怪人達を攻撃。その間に龍騎はパワーアップしてサバイブ形態となる。

 

「行こうレイ!! ここで立ち止まったら、またクレアちゃんを泣かせる事になるぞ!!」

 

「!! …あぁ、そうだな!!」

 

「レイ、コイツ等の足止めは僕達に任せて!!」

 

「お前達は早く行け!!」

 

「兄さん、早く…!!」

 

「…頼むぞ、皆!! 変身!!」

 

≪TURN UP≫

 

立ち上がった支配人は再びブレイドに変身。その隣で龍騎はカードを装填する。

 

≪ADVENT≫

 

『ギャォォォォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

「レイ、後ろに乗れ!!」

 

「あぁ!!」

 

この場の怪人達をギャレン達に任せ、龍騎とブレイドは召喚されたドラグランザーの背中に飛び乗り“鍵”の浮遊する上空へと飛び立って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」」」

 

一方、街中でもディアーリーズ一行が進撃していた。彼等を止めようとする怪人や亡霊が次々と撃破されていき、彼等も少しずつ“鍵”へと近付いて行っている。しかしそんな彼等を、十面鬼率いる怪人達が更に妨害を仕掛ける。

 

『貴様等はここで始末する!! 鍵の下へは行かせんぞぉ!!』

 

「くそ、数が多過ぎる…!!」

 

「ウル、あんたは先に行って!!」

 

「え、凛!?」

 

「コイツ等なら、私等だけでも充分さー!!」

 

「ウルさんは早く、あの鍵を目指すのでース!!」

 

「ハルト!! ウルと美空ちゃんをお願い!!」

 

「OK任せろ!! ウル、美空ちゃん、こっちだ!!」

 

「ッ…ごめん皆、ここは任せた!! 美空さん、しっかり捕まって下さい!!」

 

「は、い…!!」

 

『な、待て貴様等…ぐぉっ!?』

 

「待ちな、アンタ等の相手は私等だよ!!」

 

「私達だー!」

 

『く、小癪な…!!』

 

十面鬼率いる軍団をディアラヴァーズと咲良が足止めし、その隙にウォーロックは美空を抱きかかえたままウィザードと共に“鍵”を目指し突き進んで行く。

 

『『『キュォォォォォォォォンッ!!』』』

 

「な、この!?」

 

しかしそれでも、簡単には“鍵”まで辿り着けない。いざ“鍵”を目指そうとしても、ギガンデスヘブンやウブメなどが彼等を妨害する。

 

「ウル、コイツ等は俺に任せろ!! お前は行け!!」

 

「ハルトさん!? ですが…」

 

「良いから行け!! ちょっとくらい、俺にもカッコつけさせろ!!」

 

「…すみません、お願いします!! 美空さん!!」

 

「ッ……ウル、さん…!!」

 

「そぉら、かかって来いや鳥ちゃん共がぁっ!!!!!」

 

≪チョーイイネ・スラッシュストライク! フーフーフー・フーフーフー!≫

 

『『『『『キュォォォォォォッ!?』』』』』

 

「よし、今だ!!」

 

「はい!!」

 

≪コネクト・ナウ!≫

 

ウィザード・ハリケーンドラゴンが繰り出した二刀流ウィザーソードガンで、二つの巨大な竜巻がギガンデスヘブンやウブメを次々と巻き込み爆破。その隙にウォーロックは魔法陣から召喚した箒型マシン“ライドスクレイパー”に飛び乗り、美空を抱える形で“鍵”まで飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪スキャニングチャージ!≫

 

「セイヤァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

『『『ガァァァァァァァッ!?』』』

 

ビル屋上にて、怪人達をプロミネンスドロップで粉砕するPDオーズ。その近くではクリムゾンがクリムゾンガンをソードモードに変形させ、ジェネラルシャドウと互角の剣戟を繰り広げていた。

 

『なるほど、良い腕だな…!!』

 

「褒め言葉どうもですっと……もっともっと行くぜオラァッ!!!」

 

二人が戦っている中、PDオーズは“鍵”の浮遊する上空を見上げる。

 

「なんか嫌な予感がするな……クリムゾン、ここは任せた!!」

 

「あ? な、おい!? 俺一人置いてく気か!!」

 

クリムゾンの声も無視したまま、PDオーズは翼を展開し“鍵”の方まで飛び去ってしまった。置いてけぼりにされた事で憤慨するクリムゾンだったが、そんな彼にジェネラルシャドウは容赦なく攻撃を仕掛ける。

 

『どうした? こちらはまだくたばっておらんぞ!!』

 

「ッ……あぁもう上等だよゴラァッ!! とっととテメェも倒して、一気にアイツ等に追いついてやるよこんちくしょうめがぁっ!!!」

 

敢えて開き直ったクリムゾンは怒鳴るだけ怒鳴ってから、再びジェネラルシャドウ達との戦闘を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、このまま一気に…!!」

 

いよいよ“鍵”の間近まで迫ったウォーロックと美空。二人はライドスクレイパーに乗ったまま、ハイドラグーンやプテラノドンヤミーの攻撃をも切り抜け一気に“鍵”まで飛来する。

 

「「ディア!!」」

 

「ウル!!」

 

「!? okakaさん、支配人さん、それに真司さんも!!」

 

そこにドラグランザーに乗ったブレイドと龍騎、更にPDオーズも合流する。

 

「って美空ちゃん!? おいディア、何で…」

 

「お母、さん……あの先に、いる…から…!!」

 

「大丈夫です支配人さん……美空さんの事は、僕が必ず守り通しますので…!!」

 

「…あぁそうかい!! なら一緒に行くぞ、俺もあそこに用がある!! 真司、鍵の近くまで向かってくれ!!」

 

「あぁ、分かった!!」

 

「なら俺は、周囲に飛んでる怪物共でも倒そうかねぇ……てか、さっきから怪物共を転移させてんじゃねぇミニピラミッド野郎!!」

 

『グガァァァァァァァァァッ!?』

 

PDオーズのタジャスピナーから放たれた火炎弾がゾーン・ドーパントを焼き尽くし、それによりギガンデスヘブン達の襲撃も大幅に減る。

 

≪SHOOT VENT≫

 

『ギャォォォォォォォォォォンッ!!』

 

更にドラグランザーの放った強力な火炎弾が、“鍵”の周囲に張られていた結界を突き破る。これで飛び込むチャンスは出来た。

 

≪FUSION JUCK≫

 

「行くぞディア!!」

 

「はい!!」

 

「ッ…!!」

 

ドラグランザーから跳び上がったブレイドはすかさずジャックフォームとなり、ウォーロックや美空と共に結界内部へと突入し、そのまま魔法陣を通じて“鍵”の内部へと突入していく。

 

「真司、俺達はアイツ等を潰すぞ!!」

 

「あぁ……レイ、ウル、美空ちゃん、死ぬなよ…!!」

 

三人が突入したのを確認し、龍騎とPDオーズは“鍵”の周囲を飛び回る怪物達の撃墜に回る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、“鍵”の内部…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『ウゥゥゥウウゥゥゥウゥゥオォォォオォォオオォォォォオォォ…!!』』』』』

 

『……』

 

巨大な黒い竜を彷彿とさせる、巨大なステンドグラスのような足場。その周囲を無数の亡霊達が漂い続けている中で、アザゼルは無言のまま立ち尽くしていた。

 

そして…

 

『…来タカ、待っていたゾ』

 

アザゼルは鞘から剣を抜き、支配人やディアーリーズ、美空がいるであろう後ろへと振り返る。

 

「待たせたな、アザゼル…!!」

 

「お前は、僕達が止める…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ、アザゼルとの決戦は始まろうとしていた。

 


 
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