No.695953

【獣機特警K-9ⅡG】いにしえの名機は死せず!【交流】

古淵工機さん

赤ちゃんからおばあちゃんまで、今回の出演者は年齢層が広いですw


ツネ:http://www.tinami.com/view/695455
ヤスコ:http://www.tinami.com/view/695873

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2014-06-22 22:34:06 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:684   閲覧ユーザー数:648

「…まさか、こんな物がここにあるなんてね」

ここはペディ・スペア博士の研究所。

駿河寫眞館を営むイヌ形ファンガーの老女、駿河寧子は目の前にある物体をまじまじと見つめている。

翼がある辺りを見ると、その物体が航空機であることは容易に想像できた。

 

「まあ、いろいろと手は加えさせてもらってるんですけどね」

と、隣に立っているのはペディ・スペア博士。

「あたしが生まれた頃には既に引退した後だって聞いてたけど、こんな所で余生を送ってる機体があったなんて。正直驚いたわ」

そこへ、彼女の友人である小田原ツネがやってきた。

「やっほー!ヤスコちゃん来ちゃったわよ!」

「あらツネちゃんじゃない、これ見てこれ!」

言われるがままに見てみると、ツネは声を上げた。

 

「…これはまた随分古い戦闘機ね、博士?」

「ええ、もう仕入れるのが大変だったんですよw」

「仕入れるって…」

「なにしろ地球製のすっごい古い戦闘機だったから、もう探すのにも一苦労でw」

 

そこに今度は、さらに萬事屋アキハの面々が訪ねてきた。

「どうも、萬事屋アキハのロレッタです」

「ミクルですー。ねえペディ博士、その飛行機なんですか?」

「ああ、これはね…」

と、ペディが言いかけたところで、ロレッタに背負われていた赤ん坊が飛行機を指差してつぶやいた。

 

「むかーしむかしに飛んれたってゆぅ、地球の戦闘機らょね?」

「え!?チェルシー、寝てたんじゃなかったの?」

「おもしろぃ話らもん、ねてらんにゃいよw」

その反応にペディが仰天する。

「あら、生まれたばっかりなのにスルドいわねw」

「ヒマさえあぇば辞書とかいっぱい読んれぅしにゃwホラ!」

そう言って電子辞書のページを見せるチェルシー。

 

「そうそうこれこれ。F-14トムキャット。むかし地球がいくつもの国に分かれてたときに使われたっていう戦闘機ね」

「で、これ飛ぶのかしら?」

と、感慨深そうに語るツネとヤスコ。

「もちろん、飛ばせたいから買ってきたんですよ。そのためにほら」

 

ペディが機体後部を指差すと、そこにはエネルギー鉱石から動力を取り出すEGエンジンが装備されていた。

「わー、このエンジン、ハカセのバイクと同じものらょね?」

「もう、チェルシーったら興奮しないの!すいません、娘がご迷惑かけて…」

「いいじゃない、可愛いからwただ、常人には幾分無理かもだけど…」

「常人には無理…ねえ。博士は操縦できるんですか?」

 

ミクルの問いに、ペディは答える。

「操縦はできるけど、少なくともあたしくらいなものかしら。軍のパイロットに操縦させてみたら、みんな一通りのフライトは終えて帰ってきたんだけど」

「だけど?」

「…翌日から身体壊しちゃったみたいで」

「あら…」

そんな話を聞いていた一同だったが、突然ヤスコが一歩踏み出すとこう切り出した。

「…そのトムキャット、あたしに操縦させてもらえないかしら?」

「え!?こ、このお歳で!?」

「ナメてもらっちゃ困るわね。これでもあたしはもと軍人。今だって身体は鍛えてるし、乗り物酔いには一度もかかったことないのよ」

「で、でも…」

「いいから乗せてみなさい。これでも戦闘機の操縦は得意なほうなのよw」

 

にこやかに笑うヤスコを見つめながら、しばし考え込んでいたペディだったが、やがて一息つくと、

「…わかりました。ただしくれぐれもムチャはしないでくださいね」

と、強く念を押した。

かくして、F-14のフライトが始まった。

「にゅぅ…ねえママ、あのおばぁちゃん大丈夫かにゃ?」

「そうね。ヤスコさん…あっさり引き受けてたみたいだけど」

と、心配そうに空を見つめるロレッタとチェルシーに、ツネが声をかける。

「それなら心配ないわロレッタさん」

「ツネさん…」

「だってヤスコちゃん、あたしと同じでムダに体力あるし、この間なんか墜落しかけた飛行機を操縦して着陸までしたんだから!」

ツネのその言葉には、妙に説得力があった。

 

「そうか、そういうことなら安心ですね」

と、安堵の声を上げるミクル。

「ほら、みんなしゃがんで!地表すれすれに来るわよ!!」

ペディの合図で一同が頭を抱えてしゃがむと、EGエンジンの青い光を放ちながらF-14が猛烈な勢いで飛びすぎていった。

そのコックピット内では…。

「いーーーーやっほーーーーうっ!んー、久々に乗る飛行機は最高だわあ!!」

と、歓喜の叫びを上げ、まるで幼い少女のようにはしゃぐヤスコの姿があったのだった。


 
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