No.693616

リリカルHS 44話

桐生キラさん

こんにちは!
夏休み編のラスト。夏休み最終日の戦い。
ただし戦闘シーンはあっさり(笑)

2014-06-13 16:52:44 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1551   閲覧ユーザー数:1400

 

 

 

 

 

あのキャンプから数日経った今日、ちなみに日付けは8月31日。

夏休み最後の日、私は再び海にやって来た。というのも…

 

八百屋さん「はい!士希君、レーゲン君、今までご苦労様!本当に助かったわぁ。

ていうか、過去最高の売り上げだったわ」

 

士希とレーゲンの海の家でのバイト最終日、私はこれを見に来たからだ

 

士希「いえ、こちらも大変良い経験になったので、役立ったと言うのであれば良かったです」

 

八百屋さん「そっか!じゃあ、はい!これ、バイト代ね!今までありがとうございました!」

 

八百屋さんは封筒を二人に渡す。士希はとても落ち着いていたが、隣にいたレーゲンは…

 

レーゲン「ふわぁぁ!!」

 

感極まっているようやった

 

八百屋さん「ところで、聞いたわよ?士希君とはやてちゃん、付き合い始めたんですってね」

 

八百屋さんはニヤニヤしながらこちらを見て言った

 

そう、私と士希はあの夜から付き合い始めた。

お互いの想いを伝えて、キスもして…ファーストキスやった。

初めての相手が士希で本当に良かったと思ってる。

好きな人とのキスがあんなにも気持ちええなんて…正直舐めてた

 

八百屋「あらあら、二人とも顔が真っ赤だけど、もしかしてもういろいろしちゃった?」

 

八百屋さんはイタズラっぽく言ってきた。

それに対し、私も士希もビクッとなり、お互い目を合わせる。

どうやら士希も、同じことを考えていたらしい

 

士希「いろいろって、なんですか?勘弁してくださいよ」

 

八百屋「え?そりゃ、えっ…」

 

士希「言わなくていいんですよ!?」

 

八百屋「もう、士希君は意外と純情だなぁ。避妊はしっかりしてね?」

 

ひ、避妊て、私らまだそこまでは…

 

八百屋「まぁでも、本当におめでとう!二人ともお似合いよ!」

 

八百屋さんは最後に祝いの言葉を言ってくれた。散々いじられた後やけど、嬉しいと思った

 

 

 

 

私と士希は何をするわけでもなく、ただボーッと海と、波に遊ばれてるレーゲンを見ていた

 

士希「ホントに、いろんな人から応援されてたんだな」

 

はやて「みたいやなぁ。そりゃ、あの晩の翌朝も、質問攻めに合うのも納得やわ」

 

付き合い始めた次の日の朝、私も士希もなのはちゃんらに質問攻めに合った。

どっちから告白したんや?とか、キスはしたんか?とか、あの勢い、めっちゃ怖かった…

 

士希「俺なんて、清々しい笑顔でシグナムにぶっ飛ばされたけどな」

 

私が質問攻めに合ってる最中、士希はシグナムに強烈な右ストレートをもらっていた。

曰く「これで、私は士希を認めることができます。そして主はやて、想いの成就、

おめでとうございます。心から祝福します」と言ってくれた。

本当に祝福してくれとんのか曖昧やった

 

ちなみに、あの時護ってくれたザフィーラとレーゲンは、

かなりボロボロになりながらもシグナムと対等に戦っていたらしい。

その時ザフィーラが「主を護る為とは言え、もう二度と戦いたくはない」と言っていた。

ホンマザフィーラには感謝してもしきれへん

 

はやて「えへへー」

 

私は士希の腕に抱きついた。まだ夏やで少し暑いけど、こうしたくなる。

付き合う事の意味、正直付き合う前はわからんだけど、今ならわかる。

士希の事がとても愛おしい。そして、これからは我慢しやんでもええ。

付き合うって事は、今まであったリミッターみたいなんを外すって事やった

 

士希「ホント、急に甘えてくるよな」

 

はやて「嫌やないやろ?」

 

士希は黙る。でもその表情には薄っすらと笑みも見えた。それだけで、十分な答えやった

 

はやて「とうとう、夏休みも終わりやな」

 

私は呟いた。長いようで、短かった夏休み。それは、士希が居たからに他ならない

 

士希「あっという間だったな。ホント、いろいろしたよな」

 

付き合う前も、付き合い始めてからも、私はだいたい士希と時間を過ごしていた。

とても充実した毎日やった。本当に楽しかった。

だから、こうして夏休みが終わることに、少し寂しさも感じる

 

はやて「終わりたないなぁ…」

 

私は思わずそう言ってしまう。すると士希は、私の頭を撫でてくれた

 

士希「楽しいイベントは、何も夏だけじゃないだろ?これからもいろいろあるし、

その度にこうして過ごしていけばいいだろ?だからさ、今後とも、よろしく頼むぜ」

 

そういう士希の笑顔はとても優しかった。

心臓がドクンとなる。無意識に、私は士希の唇に私の唇を近づけていた。そして…

 

レーゲン「しきさーーん!!敵が来まーーす!!」

 

お互い目を閉じ、重ねようとすると、レーゲンが慌ててこっちに来た

 

士希・はやて「………」

 

なんやこのやるせない空気…台無しや…

 

レーゲン「あ、僕もしかして邪魔しちゃいました?どうぞキスしていいですよ?

それくらいなら待てますから」

 

そう言ってレーゲンは手で目を隠すが、指の隙間からこっちを伺っているのはバレバレやった

 

士希「はぁ…キスはお預けだな…レーゲン、ユニゾン!」

 

レーゲン「え?いいんですか?」

 

士希「レーゲン」

 

士希はキッと睨む。するとレーゲンは慌てて犬フォームになり、士希とユニゾンした

 

はやて「私も手伝うで」

 

同時に、私もセットアップする。シュベルトクロイツ、夜天の書を出し、戦闘態勢に入る

 

士希「………」パチン

 

士希が指を鳴らすと、結界が展開されて行く。大規模結界。暴れる気満々らしい

 

はやて「苛立っとんなぁ」

 

あの遠足の時を思い出すわ

 

士希「そういうお前もな」

 

当たり前やろ。キス邪魔されたんやぞ。敵さんには報いを受けてもらう

 

士希「で、敵はどこだレーゲン」

 

士希はレーゲンに問いかける。手には炎刀・プロメテウスを出現させていた

 

レーゲン『海から来ます!ていうか、めちゃくちゃデカイです!』

 

めちゃくちゃデカイ?それって…

 

 

ザッバーン!!

 

 

突如、大きな波が押し寄せてきた。私と士希は飛んで回避し、海を見る。そこには…

 

士希「あぁうん、デカイな」

 

目の前には、タコ、イカ、サメ、クジラなどなどがおった。

ただ、なんというか、そのサイズがありえへん

 

はやて「って!デカ過ぎやろ!なんやねんこれ!

なんでどいつもこいつも、ビルみたいな大きさやねん!海獣か!?」

 

ナハトヴァールよりは大きくないけど、それでも十分な大きさやぞこれ

 

士希「こりゃ、捌いても食い切れないな」

 

はやて「いや、これ食おうとは思わんわ」

 

やけど、どいつもこいつも、大した魔力は感じやん。ただ大きいだけみたいや

 

士希「さぁ、プロメテウスのデビュー戦だ。頼むぜプロメテウス!」

 

はやて「私の邪魔する奴は、許さへんで!」

 

士希は刀を、私は杖を構える。恋人になって初めての共同作業。派手に行くで!

 

 

 

 

戦況は、なんというかホンマにあっけなかった。私が氷結魔法で凍らして、

士希がプロメテウスの斬撃で真っ二つにしていくって感じやった。

てか、改めて士希凄いわ。士希の刀での戦闘スタイルは抜刀術を基本としている。

ただ、その抜刀の瞬間が目に映らへん。

そして、神速の抜刀術から放たれる斬撃は、遠い所の敵をも斬り裂いた

 

はやて「それ、どういう原理なん?」

 

私は士希に聞いてみる。まだまだ敵はおるけど、雑談するくらいの余裕があった

 

士希「あぁ、これは氣と魔力を使った斬撃で、こいつが!」

 

 

スバァン!

 

 

そう言って士希は刀を抜き、剣を振る。すると遠くにいた敵が真っ二つになった

 

士希「風切。斬撃に氣を纏わせて、それを飛ばす技。

刀で出せる氣円斬って考えてくれたらいいよ」

 

現実でマンガの技実現する人初めて見た…

 

士希「そしてこいつがとっておき!」

 

士希はいったん刀を鞘にしまい、

そしてそこから目にも止まらぬ神速の抜刀術を披露してくれる。すると…

 

 

スババババァン!

 

 

敵の一匹の土手っ腹に、複数回の鋭い斬撃が入った

 

士希「次元斬り。魔力を使って空間を斬るって技。その範囲にいた敵は斬り刻まれる」

 

確かに、敵は細切れになっていた

 

はやて「めちゃくちゃエグいなそれ」

 

士希はもう一度次元斬りを見せてくれた。その時に、なんとなく原理がわかった。

一瞬にして斬撃を繰り出して、それを転移させとるように見えた。

やから、空間を斬っとるように見える。それを簡単にやってのけるで、

やっぱり士希もおかしいのだろう

 

 

 

 

はやて「デアボリック・エミッション!どーん!」

 

私の広域魔法、デアボリック・エミッションが決まる。

チャージに時間をかるけも、士希がおってくれたで楽に発動できた

 

士希「ヒュー!集団戦だと敵なしなんじゃないか?」

 

士希も感心してくれた。照れてしまった…

 

士希「さ、片付いたかな?」

 

デアボリック・エミッションで海獣は全滅したようやった

 

レーゲン『いえ、まだです!』

 

レーゲンの言葉のすぐに、海から一人の老人が現れた。槍を持った老人。なんというか…

 

はやて「某人魚姫のお父さん?」

 

ト○ト○さんにそっくりやった

 

士希「あれが親玉か。部下使って弱らせてから来るなんざ、こすい真似してくれる」

 

はやて「え?弱っとんの?」

 

士希「まさか、むしろ準備運動だろ。そっちは?」

 

はやて「最近デスクワークばっかやったで、こうして暴れられるって凄い快感」

 

私と士希は老人を睨む。すると老人はビクッとなり、冷や汗を流していた

 

士希「察するに、オケアヌスだな?今なら降伏のチャンスをやるがどうする?」

 

オケアヌス「クッ!このオケアヌスを愚弄するか!?舐めるなよ小僧!」

 

士希は無表情で刀をゆっくりと抜く。

するとオケアヌスは「ヒィッ!」とみっともない声をあげた

 

はやて「なぁじいちゃん、悪いこと言わんで降参しとき」

 

私が提案すると、オケアヌスは少しだけ目に涙を溜めてこちらを見た

 

オケアヌス「何もしない…?」

 

なんや可哀想になってきた…

 

はやて「なんもせーへんよ?な、士希」

 

士希は私に任せるといった感じやった。

士希に任せたら、多分このおじいちゃんボコボコにされるな

 

はやて「とりあえず、なんで襲ってきたかだけ、聞いてええかな?」

 

私はオケアヌスに事情を聞いてみた。努めて優しく、老人はいたわらなアカンでな

 

オケアヌス「海でイチャつくバカップルにイラっとしたので」

 

はやて「よーし、選ばせたるわ。カチンコチンに凍るか、ミストルティンか、ラグナロクか」

 

つまりこいつは、私らがキスしようとしたんを、わざと邪魔したって事や。許せへんなぁ

 

オケアヌス「えぇ!?さっき何もしないって…」

 

オケアヌスは士希に懇願するかのように見た。士希は少しニヤッとして…

 

士希「あぁ、俺は何もしない。お前が泣こうが喚こうが、何もしない」

 

士希は冷たい目でオケアヌスを見た。オケアヌスの顔は絶望色一色になった

 

 

 

 

士希「たくっ、夏休み最後だってのに、こんな終わりもねぇよな」

 

オケアヌスをちまつ……ボコボコにして、回収した私らは、一緒に帰路についていた

 

はやて「また来年も来たらええやろ。それより、なんでレーゲン、あんな怯えてたんやろな」

 

レーゲンはオケアヌスを回収してすぐ、一目散に家に帰って行った。

その時、なにやらめちゃくちゃ震えていた

 

士希「さぁな。先に帰ったのだって、気を遣ってくれたんじゃないか?」

 

はやて「そんなん、せんでもええのにな」

 

まぁ、おかげで手を繋いで帰っとるけどさ

 

はやて「さ、家についたし、また明日やな」

 

士希「また明日から学校かぁ。だるいな」

 

はやて「寝坊せんといてよ?」

 

士希「善処するよ。それじゃ、はやて。また明日な」

 

私と士希はお互いの家に戻っていく。そして私が家の扉を開けようとすると…

 

士希「はやて!」

 

突然士希に呼ばれ、私は驚き振り返る。そしたら…

 

はやて「!!」

 

士希にキスされた

 

士希「あはは!じゃあな、はやて!」

 

そう言って士希は笑顔で帰っていった

 

はやて「あほ…あははやないで…ずるいわぁ…」

 

帰り際のキスは、とても嬉しかったが、同じくらい恥ずかしい気もした

 

 

 

 


 
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