No.693203

インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆

ジークさん

今回は番外編。2巻の最初です。

2014-06-11 13:01:11 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1365   閲覧ユーザー数:1341

とある休日、一夏は親友の五反田弾の家にいた。

「喰らえ!シュトロームブラスト!!」

「うお!!そんなのありか!?」

二人が今対戦しているゲームは『IS/VS』である。発売月で百万本セールスを記録した超名作。データは第二回IS世界大会『モンド・グロッソ』のものが使われている。千冬のデータは諸事情により入ってない。世界二十一ヵ国でそれぞれ国別バージョンが販売されている。

「つうかお前よく使えるな。メイルシュトロームて使いにくいキャラだぞ。技弱いし、コンボ微妙だし」

「そう言う奴ほど極めると結構強いぞ」

「俺イタリアのテンペスタ使ってるのに今ので四連敗だぞ」

「じゃあもう一回やるか?」

「いいぜ。今度はフランスのラファールだ」

「じゃあ俺はドイツのヴァイスフローゼだ」

二人はキャラを選びOKボタンを押すとバトルが始まった。弾は遠距離で攻撃していたが一夏は避けながらガトリングやバーズカを使って攻撃。そして最後に瞬時加速を使ってプラズマブレードで止めを刺して勝利した。

「よっしゃ勝った」

「くそ、五連敗かよ・・・」

そんな風にゲームをやっていると、

「お兄!さっきからお昼出来たっていってんじゃん!」

部屋に入って来たのは弾の妹、五反田蘭である。

「あ、久しぶり邪魔してる」

「いっ、一夏・・・さん!?」

蘭は一夏を見ると自分の格好を見てあわてて隠れた。

「なあ、蘭て何時もあんな格好か?」

「まあ家だと基本ああだけど」

「お兄!余計な事言うな!」

蘭は再び入って来たが一夏を見て再び隠れた。

「あ、あの・・・一夏さんの分もあるのでよかったら・・・」

「ああ、いただくよ」

蘭はそう言って部屋を出て行った。

 

 

 

三人は食堂で五反田食堂鉄板メニュー『業火野菜炒め』を食べていた。蘭の服は先程と違い、白いワンピースであった。

「でよう一夏。鈴とえーと、誰だっけ?」

「ああ、箒な」

「誰ですか?」

「俺のファースト幼馴染」

「ちなみにセカンドは鈴な」

「ああ、あの・・・」

鈴の話をすると蘭は不機嫌になる。

「箒とは同じ部屋だったんだよ。まあ今は・・・」

「お、同じ部屋!?」

取り乱しながら蘭が立ち上がった。

「い、一夏、さん?同じ部屋っていうのは、つまり、寝食をともに・・・」

「まあ先月までの話で今は別々の部屋になってるけど」

「い、一ヶ月半以上同せ――――同居してたんですか!?」

「そうなるな」

「・・・・お兄。後で話し合いましょう・・」

「お、俺この後用事が・・・」

「では夜に」

「・・・・はい」

 

 

 

「決めました」

「何を?」

「私、来年IS学園を受験します」

「お、お前、何言って――――」

その瞬間、一夏が頭を下げるとおたまが弾の顔面に直撃した。

「受験するって・・・・何で?蘭の学校エスカレーター式で大学まで出れて、超ネームバリューのあるところだろ」

「大丈夫です。私の成績なら余裕です」

「IS学園は推薦ないぞ・・・。というかIS適性ないと入れないぞ」

「そっちも心配ありません」

蘭は一枚の紙を一夏に見せた。

「これって政府がIS操縦者を募集する一環だろ。IS適性率・・・A」

「はい。問題は解決済みです。ですから、その・・・もし入学できたら、一夏さんにぜひご指導・・・」

「ああ、いいぜ。入学できたらな」

「ほ、本当ですか!約束ですよ!?」

「ああ、わかった」

「おい蘭!何勝手に学校変えてるんだよ!母さん!」

「いいじゃない別に。一夏くん、蘭の事よろしくね」

「あ、はい」

「じーちゃんはいいのかよ!」

「蘭が自分で決めたんだ。どうこう言う筋合いはねえ」

「いあやだって―――」

「なんだ弾、お前文句あんのか?」

「・・・・ないです」

「お前おじいさんに弱いな」

「あのじーちゃんに逆らえるか」

「そう。じゃあごちそうさま。そろそろ行くよ」

「もう行くのかよ」

「他に行く所があるから。あ、あとこれ」

一夏は弾に封筒を渡した。

「俺の撮った写真」

「何だあんかよ」

弾は封筒から写真を出し蘭と一緒に見た。するとある写真で見るのを止めた。

「お前、あそこでも戦っているのか?」

弾は一夏にネクサスの写っている写真を見せた。

「ああ、でも俺は戦う。皆を守る為に」

「そうかよ。まあがんばれよ」

「ああ。それじゃ」

一夏はそう言って五反田食堂を出て行った。

 

 

「変わんねえな、一夏」

「うん。今でも皆の為に戦ってるだ」

一夏が帰った後、二人は写真を見ながら去年を思い出した。山の中でビーストに襲われた時、一夏は二人の前でネクサスに変身し二人を守ったのだ。二人は一夏がネクサスである事を知っている数少ない人物である。

「守れよ、大切なものを」

 


 
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