No.687022

なんか神の不手際で転生するらしい

さん

第九十四話:sts始まります

2014-05-16 00:41:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:10558   閲覧ユーザー数:9446

 

「さて……とりあえず見つけるものは全て見つかったね」

 

「ああ、一つだけまだ時間がかかるがそれは仕方がないか…それよりも問題は奴らだな」

 

「そうだねぇ……でも奴らが目立っているおかげでこちらも動きやすいしねぇ……実際私の試作品を使っているおかげでこちらの作品たちも扱いやすい。なんせ基礎構造は同じだしねぇ。それに君なら利用するのだろう?」

 

「まあな。根本が同じものを使っているなら、同一犯と疑うだろうし。第一お前は世界ではすでに死人だからな。クローンだけど」

 

 

 

そう、今俺の目の前にいる男。ジェイル・スカリエッティは世間では死んだ人間として扱われている。クローン技術を用いて……別に同じ体さえあればよかったのだからただの蛋白質だ。さらに言うと、偽装工作のためだけに作られた身体なのだからハイスペックなんていらないし、当然スカさん並の頭脳もいらない。『細胞レベルでジェイル・スカリエッティと瓜二つ』の条件さえ満たせばよいのだから。そこさえどうにかすれば後はどうにでもなるのだ。死んでいる人間が何をしていたかなんて解析する技術はない。だって、管理局に渡すのは予め生命活動が不可能な人形なのだから人道的にもセーフ……のはず。

 

 

 

「さて、とまずは―――此処かな?」

 

「そこが妥当だろうな……日時は?」

 

「それなんだがどうやら奴等がレリックを奪いに行動を起こすらしい。そこに乗じて私たちも行動しようと思う」

 

「……なるほど」

 

 

 

こっちには地上本部中将と三提督がいる。情報は筒抜けだ。

 

 

 

「それがよろしいかと。レリックの回収にはおそらく指定遺失物回収班『機動六課』が出てくるでしょう」

 

 

 

いや、確実に出してくる。だってあの部隊は、管理局の中でもトップクラスの人員が集まっている。一応レジアスに指示という方法も取れるがあからさま過ぎると怪しまれる。

 

 

 

「では、奴らが行動した後に作戦決行だ。ウーノ伝えておけ」

 

「了解いたしました。」

 

「あ!それと―――」

 

「承知いたしました」

 

 

 

Side:なのは

 

 

 

はやてちゃんが新設した機動六課。今日はそのファーストアラート。私たちが所属している機動六課は管理局の問題を解決するための一環としての試験的な要素を持っている。というのは表向きだと思う。だってもしそれが本当なら、此処までの戦力はいらないもの……って、なんだか私疑り深くなっちゃったな~絶対伸君のせいだよね。まあ、確かに私も成り行きで汚職とか見つけっちゃってるし……でも実際おかしんだよね…私だけならまだ戦技教導ということで納得はできるんだけど、フェイトちゃんやアリシアちゃんもいるし

 

 

 

「なのは?」

 

「ふぇ!?何?」

 

「何じゃないよ?聞いてたの?今の話」

 

「あ、うん。私たちが空戦して、その間にスバルたちがモノレールを制圧してレリックを回収するんでしょ?アリシアちゃん」

 

 

 

ふふん、一応ちゃんと聞いていたもんね!こういう時にマルチタスクは便利だよね!

コラ其処!!マルチタスクの無駄遣いとか言わない!!!

 

 

 

Side:シニューヤ

 

 

 

「シニューヤ様、六課が動きました。現在交戦中です。そちらも―――」

 

「了解した……さて、セイン!」

 

「あいあいさー」

 

 

 

六課が動いたか。ならこっちも動くとしよう。これから研究所襲撃するのにあの部隊が出てきたら少し面倒臭い。てか、明らかにあそこは過剰戦力過ぎるだろう。「エース・オブ・エース(犯罪者通称:白い魔王)」の高町に「金色の瞬神姉妹(犯罪者通称:死神姉妹)」のテスタロッサそして「最後の夜天の主(犯罪者通称:夜天の殲滅王)」八神。今分かっていることだけで他にも守護騎士からA級スナイパーにいろいろと粒がそろいすぎている。いいな、ちくせう。やはり問題は経済力なのか。

と、愚痴っていてもしょうがないな。さ~て、今日のお仕事開始だ。

 

 

 

side:三人称

 

 

 

此処は某世界の研究室。その内部は今蜂の巣をつついたように騒然となっていた。ヴィーンヴィーンと警報(アラート)が鳴りやまない。するとここの研究所のトップらしき人物がやってきた。

 

 

 

「何事だ!?」

 

「侵入者です!」

 

「なんだと!?ここのセキュリティは次元世界中最高峰だぞ!一体どうやって破られた?外部を監視していた警備兵は一体何をしていたのだ!」

 

「そ、それが……警備兵の者達を問いただしたところ、侵入者に全く気付かずに侵入された模様!監視カメラにも映っていませんでした」

 

「そんな馬鹿なことがあるか!」

 

「で、ですがすでに所内の三分の一が制圧されています!」

 

「………やむをえん。重要データをすべて移した後データを破棄しろ!そしてイチマルマル番までの研究員はここを出る」

 

「……他の者は?」

 

「被検体共を解き放ってもらう。失敗作とはいえ時間稼ぎにはなるだろう」

 

「了解しました」

 

 

 

一方侵入者のシニューヤ達は敵を無力化していった。余りにも骨が無さすぎるためか、セインが欠伸しながら言った。

 

 

 

「な~んだ。案外余裕だねー」

 

「気を抜くなセイン!こういう時こそ何が起こるかわからんぞ!」

 

「分かってるよ~トーレ姉……でも、此処まで抵抗が無いと流石にさぁ…」

 

「それはそうだが…」

 

 

 

トーレもそれには気づいていた。今までの施設では多少なりとも抵抗があった。だがこの研究所ではそれがほとんどない。セキュリティが作動するだけでガジェットのようなものが出てくるわけでもない。せいぜい隔壁がこれでもかというくらいに展開されるくらいだが、それもシニューヤ()は神威でセインとトーレは完全潜行ですり抜けられるのでまるで意味が無い。と、そこで今まで会話に参加しなかった黒い霧に包まれたシニューヤが立ち止った。

 

 

 

「む……どうした?シニューヤ」

 

「此処から先に生体反応が多数……このことから恐らく」

 

「……またいつものパターンかな…」

 

「だろうな」

 

 

 

三人は特に取り乱すことはなかった。

 

 

 

「ぶー、芸が無いなぁ」

 

「俺としてはいつも通りにすればいいからむしろ楽だがな……ここだ………っ!?」

 

「「!!」」

 

 

 

そして最後の隔壁をすり抜けた。そこにある光景を見て、三人は絶句した。

 

 

 

「………セイン、どうやらお前の言うとおりになったな」

 

「いや、トーレ姉。流石にこれはないよ」

 

 

 

三人の眼に入ったもの……それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身体の大半が触手や動物の部位をした『モノ』が白衣の人間を食っている光景だった

 

 

 

 

side:シニューヤ

 

 

 

その光景に流石の俺も唖然とした。今までこういった実験体を放ってくること自体は

よくあることだったがまさかその実験体が研究員を憎しみのまま襲うならまだしも食っているとは思わなかった。その間にも阿鼻叫喚の悲鳴は続いていた。

 

 

 

『マスター……』

 

「なんだ?ランス」

 

『おそらくですが、あれは―――』

 

「皆まで言うな。分かっている」

 

 

 

ランスが言わんとすることは俺にもわかっていた。あれはおそらく元々は人間。原型は留めていないが、薬物投与や移植等の実験でああなったのだろう。

そしてその一体が俺達に気付いたのか、涎を垂らして向かってきた。その眼に理性はなかった。

 

 

 

「ク!」

 

「……いい、俺がやる」

 

 

 

理性と自我が削ぎ落とされているのはアレ等にはある意味良かったな。

 

 

 

「輪墓・辺獄!」

 

 

 

瞬間、向かってきた人だったものは何かに吹き飛ばされた。そして吹き飛ばされたことに他の実験体もこちらの存在に気付き一斉に襲い掛かってきた。

 

 

 

『ぐ;gsrsvp9gyxsrきpdf』

 

 

 

もはや雄叫びと呼ぶことすらできない奇声を放ちながら俺達に向かってくるがことごとく吹き飛ばされ頭を砕かれる。戦闘とも呼べない蹂躙は五分もかからなかった。

 

 

 

「ふむ……こんなもんか」

 

「相変わらず。とんでもないなお前のソレ」

 

 

 

トーレが半ばあきれたように言って来た。

 

 

 

「………その代償はあまりにも大きかったがな」

 

「しっかし、見事に即死だね。いつもは殺す前に問いかけるのに」

 

「俺に牙をむけたなら話は別だ。コイツ等の命より俺の命のほうが重い………俺にとってはだがな」

 

 

 

俺はセインにそう言った。否定はさせない。もし否定してくるなら俺はそいつ等にこういうだろう。『なら俺のためにその命を使い潰せ』と。そんなこと言って言うこと聞くやつなどいないだろう。故に否定はさせない。

俺とセインがそんなことを話しているとトーレがやってきた。

 

 

 

「生き残りが居たから捕まえてきたぞ」

 

「そうか」

 

 

 

トーレの足元を見てみると研究員らしき男が青ざめた顔でこちらを見ていた。その表情は俺達侵入者を見たからか、それともあの化け物に襲われたからか。

 

 

 

「さて、お前には聞きたいことがある」

 

「ひ……な、なんだ」

 

「此処で何の研究をしていた?」

 

「こ、この星の生体調査と資源となる物資や鉱石などの調査だ」

 

「嘘をつくな!じゃあこの生物たちはなんだ!?」

 

 

 

その言葉にトーレが食って掛かるが

 

 

 

「ほ、本当だ!私は署長からそう言われてたんだ!!こんな生き物なんて知らなかったんだよ……クソ!なんでこうなったんだ!!」

 

 

 

「シニューヤ……」

 

「どうやら嘘は言っていないようだ。」

 

「ッチ」

 

「おそらくコイツを含めた。ここらへんで死体になっている奴らは表の奴等だっただろう。そして所長含めた他の奴らはこの騒動のうちに逃げたんだろう」

 

「そ、そんな……じゃあ私たちは騙されたのか!?アイツ等に……裏切られたのか……それじゃあ私は今まで何のために」

 

 

 

その事実に半ば放心状態で顔面蒼白になる研究員。そしてブツブツと『復讐してやる』『同僚の敵』と呪詛のように呟いている。これは……使えるな

 

 

 

「さて、そんなお前さんに一つ残酷な事実を伝えよう」

 

「………なんだ」

 

「どのみちお前は管理局の上に見つかれば抹殺されるかモルモットにされてそこの異形になる末路しかないだろう。なんせ、署長さんたちは今回の騒動についていくらでも取り繕えるからね……この異形にしても俺等が持ってきたモノにしてしまえばいいだけだし……一介の研究員でしかないお前の言葉などいくらでも揉み消せるだろう。嫌か?」

 

 

 

どうやら事の重大さに気づいたようだ。

 

 

 

「い、嫌に決まっているだろう!」

 

「ならお前にこの住所のあるところに行きたまえ。そこはお前を匿ってもらえる。唯じゃないけどね。と言っても雑用くらいしか要求しないと思うけど」

 

「し、信用できるのか?お前等は侵入者だぞ!」

 

「それはお前の自由だ。確実に詰み状態の今を生きるか、敵の与えた罠かもしれないがわずかに『今』は助かるかもしれない可能性に全てを賭けてみるか……選ぶのはお前だ。お前の人生だからな。俺はその選択肢をほんの少し広げてやるだけだ」

 

 

 

もしかしたらこれよりいい方法はあるかもしれないが、あいにくと俺は全知全能ではない。

男は少し思案した後、顔を上げた。

 

 

 

「わかった。その紙を渡してくれ。私はここでは死ねない。散って逝った同士のためにも、私の夢も諦めたくない。それなら敵であるお前達にも縋ろう。」

 

「そうか。では、な」

 

 

 

そう言って俺は紙を渡した。すると男の足元に魔法陣が現れそのまま転移した。

 

 

 

「さて、機材は使い物にならんなこりゃ」

 

「そだねー」

 

「ま、端末無事だからいっか」

 

 

 

そう言いつつ俺は作業を開始した。

 

 

 

Side:三人称

 

 

 

その日、機動六課の隊長たちはファーストアラートの後会議室に呼ばれていた。

 

 

 

「それで、はやてちゃんどうしたの?」

 

「なんか重大な話があるって言ってたけど」

 

「どうしたんだろう……もしかして今回のフォワードたちに何か不備が」

 

「いや、それはないと思うよフェイトちゃん。少しぎこちない感じはあったけどそれは現場慣れすればいいだけだし」

 

「そうだよ~全く私の妹はどこか心配性なんだから~」

 

「ね、姉さん!?」

 

「今回の任務は大成功や。そこは問題ないんやけど、さっきうち等がレリック回収してた時な、管理局の研究所が襲われて壊滅したんよ。それがこの映像」

 

「「「!!」」」

 

 

 

その言葉と映像の中身になのは、フェイト、アリシアは驚いたがすぐに顔を引き締めた。

 

 

 

「確か今までもいくつか研究所を潰されているんだよね?」

 

「そうや、フェイトちゃん。でも、今回ようやくそのメンバーらしき者の顔写真を手に入れたんや!」

 

「ふーん」

 

「どうしたん?アリシアちゃん?」

 

「いや、なんかおかしくない?」

 

「なにが?姉さん?」

 

「だって今まで監視映像に映るどころか侵入した痕跡すら残さないで研究所壊滅させてた人達がなんでこんなの残すなんて初歩的なミスなんてするのさ?私も一回研究所の外警備したことあるけど、その時だって気づいたの研究所爆破された後だったんだよ?」

 

 

 

実はアリシアは一年前に一度だけ研究所を警備したことがあった。しかし、結果はあっけなく惨敗。なんと戦うことすらなかった。

アリシアの言葉はそんな経験から言われる言葉だった。

 

 

 

「そういえば……」

 

「そう言われると確かに妙だね。考えられる可能性は……」

 

「別のグループの犯行か」

 

「隠す必要が無くなったってところのどっちかやろうか……でも正直こっちはないと思う」

 

「どうして?はやてちゃん?」

 

「それはこの映像見てほしいんやけど」

 

 

 

そして映し出された映像には―――

 

 

 

「なに……コレ?」

 

「黒い……」

 

 

 

三人組の姿だ。二人の顔は良いのだが、もう一人(?) が全身を黒い何かでおおわれていて判別できない。

 

 

 

「な?見て分かると思うけど、侵入者は姿を隠すレアスキルか何かを持っているんや。そして今まで尻尾を見せなかった彼女たちが持っていないとは考えにくい。それに似た能力とか持っていても不思議じゃない。それを解く必要もない。メリットが無いんやから」

 

「となると……」

 

「まあ、別人の可能性が高い。今まで、潰された研究所も一人が短時間で制圧できるものじゃないしな。せやから、上から警備、または増援を呼ばれるかもしれへんということや」

 

「「「了解」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、奴らも動き出したか。まあ、今はこのガジェット・ドローンで問題はないし、魔本は必要ない。存分に動いてもらおうじゃないか。ククク」

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

sts始まりました!ホントはキリのいい100を目指していましたが、無理でした。体調崩したりして碌に執筆できずに申し訳ありませんでした。

でもコメント見たりして頑張りました。作者の気力は主にコメントですのでどんどん※してくれるとうれしいです。でも批判中傷はしないでください(震え声)

ちなみにstsはかなり原作崩壊します。

 

 

 
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