No.683643

【獣機特警K-9ⅡG】静かなる強奪(後編)【交流】

古淵工機さん

例によって急展開ですがご容赦。
いよいよ見えてきた真相!さぁ事件の行方は!!

■出演
ヴィクト:http://www.tinami.com/view/678518

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2014-05-03 22:08:06 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:816   閲覧ユーザー数:767

…ラミナ警察署・会議室。

「ちゅうワケで、これが今回の事件の概要ですわ」

テムナが署長のエルザ・アインリヒトに報告を入れていた。

「…なるほど、人が寝静まった深夜帯か。しかしパワーローダーなら足跡やタイヤの痕跡が残るはずだし、駆動音で人が気づかぬ方が…」

その言葉をさえぎるように、ミウが続く。

 

「駆動音なら防音装置をつければ抑えられます。問題は足跡を残さずにどう動かすか…ですが」

「その件についてはCPFが夜間に緊急警備をしてくれるそうです」

「なるほど…民間組織とはいえ夜間のパトロールとは心強いな。しかし彼らはあくまで民間人だ。こちらからもK-9隊を出すことにしよう」

V.A.テクノサービス前。

深夜の特別警戒のためにヴィクト、アスティ、それにケイシー・イスタズも参加しての作戦展開となった。

「…パワーローダーを音も立てずに動かすなんて、どういうトリックなんだ…まったく!」

と、拳を構えて仁王立ちするヴィクト。するとケイシーが、あるサイトを発見した。

 

「みんなコレを見て!…カギになりそうなものを見つけました!」

「カギ…ねぇ?」

アスティが画面を覗き込むと、そこに映っていたのはブラックマーケットのサイトであった。

 

「…超静音ホバーユニット、気づかれたくない悪事に…うわー、これはひどい…」

「明らかに犯罪者向けのサイトねこれ…」

と、その画面を見つめてため息をつくヴィクトとアスティ。

「みんな頑張ってるようだね」

ふと、ヴィクトたちが振り返ると、そこにはK-9隊の久遠・ココノエが立っていた。

「クオンさん!」

「私たちもいるわよ」

「どうあっても解決しなきゃ、ですよ!」

続いて現れたのはイシス・ミツザワと煌月 空。

 

「今回はソウ君とナタリア、ジョニー、ミライにも来てもらってる」

「でも、タツヤ君とベルタちゃんは?」

「家でぐっすりしてるよ。あいつらまだ小学生だし、毎回徹夜ってのはキツいだろうからね」

「あの隊長、私たちも未成年なんですが…」

と、申し訳なさそうに頭をかきむしるナタリア。

ふいに、イシスがケイシーに訊ねた。

「それで、どうやって奴の足取りを掴むの?」

「ああ、パワーローダーは動くときに独特のパルスを出すんです。それをキャッチするシステムを作ったんですよ」

「よっケイシーくんっ!さすがはCPFの電脳部長!」

と、どこから取り出したのか、ファンガルド国章(ライオンの横顔を図案化したマーク)がついた扇子を広げて鼓舞するミライ。

「ふざけてる場合じゃないぞミライ。今は任務中で…」

と、クオンが浮かれているミライをいさめようとしたその時だった!!

 

「反応あり!まっすぐ無人金庫に来ているみたいです!!」

「やっぱりな…見張ってて正解だったぜ」

ジョニーはすぐさま銃を構えながら、さらにケイシーに訊ねる。

「ケイシー!金庫の方角は!?」

「8時方向、ジョニーさんが今向いてる方で…!?10時方向からも1機!!」

「なんだと!?敵は1機だけじゃなかったのか!?ナタリア、そっち頼むぜ!!」

「了解!!」

次々に増えていく反応に、イシスが、アスティが銃を構えて飛び出していく…!

「そういえば隊長!」

「どうしたの、イシスさん!」

「事件は確か複数の事件が同時に起きていましたよね?」

「それは…。ま、まさか!!」

「今回のように複数台を同時に運用するのは、綿密な連携が欠かせないはず…」

と、クオンと話していたイシスだったが、一人の男とぶつかった。

 

「きゃ!?」

「うおっ!?」

「イシスさん!何かあったのか!?イシスさん!!」

「大丈夫、ちょっと通行人とぶつかっただけで…!?」

イシスが目をやると、そのぶつかった男は帽子とマスクで顔を隠したアナグマ形ファンガーだった!!

 

「…大丈夫ですか?」

起き上がった男に手を差し伸べようとしたイシスだったが、男はその手を払いのけると、背を向けて逃げていったではないか!!

「…!」

「あっ!ちょっと…!?…隊長、さっきぶつかった男がそちらへ向かってます!!」

「なんだとっ!?おいっ、そこのお前、止まれー!!」

しかし男は止まる気配を見せず、ジャケットの懐から通信機を取り出すと、なにやらボタンを押した!

「これは…!パワーローダーが無人金庫から離れ、僕たちのところへ来てます!!」

「くそーっ、やっぱりあの男が操ってたのかーっ!!」

ケイシーの声に、地団太を踏んで悔しがるミライ。

「総員戦闘配置!イシスさんとミライは僕のあとについて例の男を追跡!それ以外は対パワーローダー戦に移れ!!」

「了解!!」

指令を受けてイシスとミライは男の追跡を開始する!

 

「ナメてんじゃないわよっ!!」

アスティの精密射撃がパワーローダーの装甲を掠める!!

「くっ、カスっただけか…!あんな動きができるなんて…」

「…あの動き…やっぱりホバーだったか…だがなぁ!!」

アスティに続いて、ジョニーがパワーローダーをめがけて銃弾の雨を浴びせる。

1秒につき2発ずつ、撃ったそばからの高速リロード、そしてまた一撃…!速撃ちジョニーの技が冴える!!

ジョニーの撃った弾丸はホバーユニットを直撃、制御を失い二足歩行モードに切り替わり、そのまま立ち尽くすパワーローダー。

「今だぁっ!撃てッ、ナタリア!!」

ジョニーの怒号とともに、ナタリアの精密狙撃がバッテリーパックを貫く。バッテリーは爆発し、パワーローダーは動きを止めた。

「さぁ、パイロットを確保…!?こ、こちらナタリア!パイロットがいません!!」

ナタリアがコックピットをこじ開けると、そこには誰も乗っていなかった…。

「パイロットがいない!?」

「遠隔操作だったわけか…だったら一気に行くよ!」

ソウがレーザーソードを、ヴィクトがレーザーカトラスを構えてもう1機に飛び掛る!

閃光が走ると、パワーローダーはバランスを失いふらつく。

「とどめの一発!えーいっ!」

そこにソラのバレーボール型爆弾が命中、キャノピーが粉々に吹き飛んだ!

「…こ、こちらソラ。こちらも無人です!!」

 

「2機とも無人…ってことは、まさか!?」

ナタリアとソラの報告を受けたクオンはふと何かに気づいた。

ちょうどその時、ミライが例の男に飛び掛った!!

「この野郎ーっ!!」

「うわっ、くそ!離せ!おい、離せってんだ!!」

「離してたまるもんかい!…隊長!例の男を取り押さえました!!」

「ちくしょう!こいつをお前たちのところに…あれ!?動かない!?」

慌てふためく男に、イシスが言い放つ。

 

「パワーローダーなら2機とも沈黙したわよ」

「え、ちょ…」

「さあ、大人しく署まで来て貰おうか。特別窃盗罪ならびに建造物破壊の現行犯だ。それと違法改造のことについてもじっくり話してもらうぞ!」

「は、はい…」

もはや抵抗する気力もなくした犯人の手に、クオンはしっかりと手錠をかけた。

翌日、ラミナ警察署の署長室に、ヴィクトとアスティが呼ばれていた。

「ご苦労だった。今回は君たちの協力のおかげで被害を最小限に抑えることができたばかりでなく、犯人の確保につなげることができた」

「いえ、私たち別にたいしたことは…ねえアスティ?」

「そ、そうですよエルザ署長…私たちはただ…」

顔を赤くしているヴィクトとアスティを見て、エルザはコーヒーを一口飲んで答えた。

「ただ信じた正義のために動いた…ならば、それでいいんじゃないか?」

「でも署長…」

「これからもお互い、手に手をとって活躍していこうではないか。ラミナ署を代表して協力に感謝する。これからもよろしく頼むぞ」

「はい!ありがとうございます!!」

 

その後、V.A.テクノサービスには正式にラミナ警察署から感謝状が贈られたということだそうだ。


 
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