「どう、驚いた?」
「驚くわよ!一刀、貴方一体私の顔に『桂花』」
「俺からの贈り物受け取ってもらえるかな?」
一刀は私の左手の薬指にある物を着けた。
そのある物とは女性なら誰もが憧れ、一生に一度貰えるか分からない高貴な物。
そう『指輪』
「……………」
左手を月に翳し、只一点、指輪を見詰める。言いたい事は山ほどある。
でも、心が幸せに満たされ、想いを紡ぐ言葉が出てこない。
「…桂花」
とても、優しい声色が頭に入ってくる。私は一刀に視線を向けると彼もまた、
お揃いの指輪を左手に装着し、屈託のない最上の笑顔を浮かべていた。
その顔を見ていたら、走馬灯の様に今までの思い出が急に頭の中で駆け巡ってきた。
男嫌いで酷い事を言い続けてた私に、嫌な顔一つ見せずに直ぐ隣で歩いてきた事や、
一緒に落とし穴に陥った事。そして、今日と同じく満天の星空の元、
告白され結ばれた大切な思い出が頭の中で…。
我慢が出来なかった。私は溢れる想いを抑えきれずに一刀の胸へと飛び込み顔を埋めた。
すると、全身に優しい温もりが伝わってきて、重心を更に一刀へと傾ける。
「気に入ってくれたかな?」
「そんなの、聞かなくてもわかるでしょ。…ばか……ばかぁ」
止めどなく溢れてくる涙。でも、それは嬉しさからくるものであり
「良かった。喜んでくれて」
幸せの証
「………桂花」
「……一刀」
この後、良い雰囲気の中口付けを交わそうとしたのだが、
私達の帰りが遅いと心配して、捜索していた華琳様たちに発見されてしまった。
その際、驚きから飛び跳ねるように一刀から離れたのだが、
風に目敏く薬指に嵌めてある指輪を指差され、
それが発端となり皆、特に華琳様から問い詰められた。
私はどうしたものかと思い、シドロモドロと誤魔化そうとしたのだが
「ああ、俺からの贈り物なんだ」
一刀からまさかの公表。この事により場は一気に騒がしくなり、
皆、一様に思いの丈を一刀へとぶつけた、一部抜粋すると。
「桂花様ばかりズルイです」
「もう一回誰のものか再教育する必要があるわね」
「ボクは食べ物の方がいいなぁ」
等と言った非難?しかし、そこは一刀、既に皆の指輪を手配しており、
装飾屋に赴けば直ぐにでも、用意できるとの事。
これを聞いた皆は大いに喜んだのだが、只一人だけ華琳様だけが納得していない
表情を浮かべていた。近くに寄ってみると真っ先に指輪を渡されなかったのが
気に入らなかったらしく、何度も馬鹿と呟いていた。
私は華琳様の背中を押して一刀へと身をゆだねさせる。
まぁ。今日の逢い引きに関して言えば満足だし、これ以上甘えるのも公平ではない。
それに、敬愛している華琳様にも幸せになってほしいからね。
無事、一刀の腕の中に収まった華琳様は頬を赤らめ、恨めしそうな顔つきで、
私を睨んだ後一刀の胸におずおずと手を置いて、服をキュッと掴み甘えたのだった。
こうして、二人きりの逢い引きは終焉を迎えた。そして、私は今日もまた、
政に力を注ぐ、時折、薬指に嵌めてある指輪を触れ、幸せを噛み締めながら。
「………えへへ。えへへへへへへへへ」
「…桂花ちゃーん。何度、夢の中に旅立つのですかー。
さっさと涎を拭いて手を動かしてくださいー」
~一応おしまい~
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こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
お待たせしました。
実は風邪を引いてました、まだ少し、頭が重いです。
さて、桂花シリーズもこれでお終いです。
とはいえ、ネタが思いついたらまた再開するかもしれません。
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