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真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三爸爸†無双』 其の五十三

雷起さん

今回は特別ルールで得票数7のスーパーメンマタイム 星②のお話です。
おまけ壱 『北郷二刃奮闘記』其の十八 リクエスト:スーパーメンマタイム 7票
おまけ弐 『聖刀くんの日常』其の十七 リクエスト:スーパーメンマタイム 7票
おまけ参 リクエスト:スーパーメンマタイム 7票
となります。

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2014-03-27 19:11:50 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:3448   閲覧ユーザー数:2635

 

第二章  『三爸爸†無双』 其の五十三

 

 

本城 蜀館                (時報:桂花七人目 妊娠八ヶ月)

【星turn】

 

 桃の花が満開を迎え、本城内の空気を柔らかな香りで包んでいる。

 だが空は厚い雲が覆い始めていて、午後からは一雨来るだろう。

 

 私にとっては恵みの雨だ♪

 

「ままぁ、たくさんはたらいたからオナカへったね♪」

 

 背後から三歳になったばかりの娘の(けい)が弾んだ声を掛けて来た。

 振り返っても螢の姿が見えない事を承知しているので、前を向いたまま返事をする。

 何故なら私は荷車を引き、その荷車には朝から収穫していた竹の子が山積みだからだ。

 螢は荷車を後ろから押して手伝っていた。

 そんな事はしなくて良いと言いはしたのだが、本人が楽しそうに「やりたい」と言って聞かないので、

好きにさせている。

 

「厨房で流琉媽媽が待っているから、美味しいご飯も用意してくれるぞ♪」

 

「あとちょっとだね♪ごはんなにかなぁ♪」

 

 私と螢が向かう先は本城内に在るメンマ蔵。

 そこにはメンマ料理研究用の厨房を兼ねた小屋が建てられている。

 既に私の視界にはそのメンマ小屋が見えていて、丁度流琉が中から出てきた。

 こちらに気付いた流琉が手を振って駆けて来る。

 

「お帰りなさい、星さん!あれ?螢ちゃんは……」

 

「けいはここだよ♪」

 

 荷車の後ろから姿を現した螢に、流琉が笑い掛けた。

 

「螢ちゃん、媽媽のお手伝いしてたんだ。えらいね~♪」

 

「えへへ♪」

 流琉が螢の頭を撫でると声を出して笑った。

 因みに、流琉が何故ここに居るのかと言うと、メンマ造りを手伝って貰う為だ。

 

「流琉、すまんが先に昼を作ってもらえぬか?螢が流琉の料理を楽しみにしていてな。」

 

「はい、お安いご用ですよ♪螢ちゃん、メンマ丼はどうかな?」

 

 流琉の提案に螢は目を輝かせた。

 

「メンマどん!やったー♪あしたはほーむらんだ♪」

 

 両手を上げて喜んでいるが、主たちから教わった言葉らしい。

 『ほーむらん』とは一体どの様な意味なのか?

 

「星さんはどうします?他にご要望があれば作りますけど。」

 

「私は米を用意してもらえれば大丈夫だ。最近、メンマが特に美味く感じられてな。

下手をすると酒を呑むのも忘れてメンマだけを食べ続けている♪」

 

「ええっ!?」

 流琉が目を丸くして驚いた。

「星さんがお酒を忘れるくらいですかっ!?」

 

「うむ、本当ならメンマだけを食べていたいくらいなのだが、

流石に桃香様が心配されるので米も食べる様にしている。

まるで我にメンマの神が降りて来ているみたいでな♪

香り、味、歯触り、舌触り、竹の子の繊維の一本一本まで感じ取れる気がする♪」

 

 その言葉は誇大表現ではなく、今の私には本当にそう感じるのだ。

 私もようやくこの域に達する事が出来たか。

 

「そこまでですか……羨ましいですね…………あ、それよりも螢ちゃんのご飯を作りますから、

手とお顔を洗って来てください。」

 

 流琉に促されて私と螢はメンマ小屋横の洗い場に向かう。

 水路を利用して竹の子を洗う場所なのだが、井戸で水を汲み上げるよりこちらの方が早い。

 親子で手と顔を洗っていると複数の気配が近付いて来るの感じた。

 

「うわ!本当に星さんと螢ちゃんだった!こ、こんにちは!」

 

 声は二刃の物だった。

 振り返ると二刃を先頭に華佗殿…いや、この間から真名を呼ばせてもらっているので駕医殿と呼ばなくてはな。

 そして主たち三人がこちらに歩いて来る。

 

「これはこれは。お揃いでこの様な場所においでとは。どうされました?」

 

「「「二刃に星の竹の子狩りの話をしたら、見たいって言ったもんだからな。

おつかれさん、今日も沢山採って来たな。」」」

 主たちは笑って荷車に積んだ竹の子を眺めていた。

 二刃も竹の子を見て驚いた顔をしている。

 

「凄いですねぇ………それにその格好だったから遠目だと誰だか分からなかったですよ。」

 

「ははは♪農婦の服だからな♪この服を使い始めた最初の頃は、門番や皆も二刃と同じ反応をしていた♪」

 

「「「同じどころか、あっちこっちで騒動になってたじゃないか。

雪蓮なんか一人で竹の子を山積みにした荷車を引いている農家の奥さんだと思って、

外門からここまで押すの手伝ってから正体を明かされたって怒ってたし。」」」

 

「そう言えばそうでしたな♪色々と話し掛けられて、雪蓮殿が街の若い女の子に人気が有る意味が分かりましたなぁ♪」

 

 二刃は苦笑いをしていたが、ふと荷車を見た。

「この竹の子、ここ最近毎日採ってきてるって聞きましたけど、本業の人達に怒られないんですか?」

 

「「「ああ、そこは大丈夫。この竹の子は星の所領の山で採ってるから。」」」

 

「所領!?星さんの!?」

 

 ふむ、どうやら二刃は私が蜀の者だから、蜀に所領が在ると思っている様だな。

「私はこの房都近辺の山を一つ頂いていてな。そこに各地から集めた竹を植えているのだ。」

 

「そこまでしてるんですか!」

 

「「「今ではその山は竹しか生えてないから直ぐにどれか判るぞ。」」」

 

「ふふふ。その名も『麺麻山』だ♪」

 

「なんか胸ヤケしそう………いえ、素敵な名前ですね………」

 

「ははははは♪そうだろう♪…………そうだ、主たち。

今日、麺麻山に行きましたら奴らが柵の近くに現れた形跡が在りました。」

 

 私が真剣な顔で言うと、主たちも困った顔をされた。

 その様子に二刃も真剣な顔で訊いてくる。

 

「奴らって………盗賊…竹の子泥棒?」

 

「「「いや、あの山が星の物だっていうのは、この都の民はもちろん周囲の邑や町でも有名だから近付く人間は居ないんだ。」」」

 

「そう、人間ではなく、害獣だ。」

 

「害獣………狼………むしろ猪とか?竹の子食べそうだし。」

 

「猪もそうだ。春蘭や翠に踏み荒らされてはかなわんからな。」

 

「…………あの、そっちの猪じゃなく獣の方………『も』って事は他にも居るの?」

 

「ああ、最早天敵とさえ呼べる奴らが居る。」

 

「天敵…………それは?」

 

 

大熊猫(パンダ)だ!!」

 

 

「…………………………………パ、パンダ?」

 二刃は目を白黒させていた。大熊猫だけに。

 

「春になり、繁殖期を迎えて、美味い竹が有る場所に集まって来るらしい。

恋が悲しむので殺しはしないが、追い払っても追い払ってもやって来るのだ。」

 

「た、大変ですねぇ…………」

 

「うむ、この姿では槍を振るっても今ひとつ迫力に欠ける………そうそう、先程の話だが、

主たちと駕医殿はこの姿を初めて見た時も直ぐに見分けていましたな。」

 

 現れた時から駕医殿と二刃が手を繋いだままなので、少しからかってみたくなった♪

 

「ん?ああ、俺の場合は凰羅が見えたからな。星はメンマを食べている時に強い凰羅を放つんだ。

あの時も竹の子を前にして、同じ凰羅を放っていたから直ぐに分かった。」

 

 なんと…………それは気が付かなかった…………。

 

「「「俺たちは星が何を着ていたって見間違える訳ないだろ♪むしろ新鮮な感動すら覚えたよな♪」」」

 

 むむむ、主よ。ここでそんな事を言われては照れるではないですか………。

 いや、この流れで二刃をからかえるか♪

 

「そうですなぁ♪翌日、竹の子の収穫も手伝ってもらいましたが、

いつの間にか私がキノコ狩りをする羽目になりましたし♪」

 

「キノコ狩り?……………って!それはっ!!」

 二刃がその意味に気が付いて顔を真っ赤にしている。

 ははは♪初心な乙女の恥じらう姿は実に可愛らしい♪

 

「ままぁ、おやまにきのこなかったよ?」

 

「螢よ。それは爸爸たちがお城に居たからだ。」

 

「???」

 

「「「星っ!」」」「星さんっ!!」

 

 おっと、主たちと二刃に怒られてしまった。

 駕医殿も苦笑いをしている。

 

「なあ、星。竹の子の収穫で忙しいのは判るが、検診にもちゃんと来てくれ。」

 

「うん?………おお!そう言えば昨日が検診の日だったな。もしかして駕医殿がここに来た理由は……」

 

「ああ、その通りだ。」

 

「これは失敬。御足労させてしまったな。では早速…」

 

「いや、それはもう大丈夫だ。さっきも言った通り、星が竹の子を前にしているから

凰羅が放たれているのでもう判った。」

 

「私はそこまで強い氣を放っているのか?これは気を付けねば。」

 

「ははは♪好きな物の前ではしょうがないさ♪おめでとう、星♪」

 

「「「「「は?」」」」」

 私もそうだが、主たちと二刃も目が点になった。

 

「だから懐妊だ♪」

 

 なんと、竹の子だけではなく、腹の子まで育っていたのか。

 いや、さっき大熊猫の繁殖期の話をしたのは失敗だったか?

 まるで私が大熊猫みたいではないか。

 

「おめでとうございます!星さん♪」

 

 その声は背後から聞こえて来た。

「流琉!?聞いていたのか?」

 

「お昼の準備が出来たので呼びに来たら丁度♪」

 

 流琉が笑顔で祝福してくれる。

 螢はまだ事態が飲み込めていないらしく、頭を捻っていた。

 

「ねえ、なにがおめでとうなの?」

 

「媽媽のお腹に赤ちゃんが宿ったのだ。螢に妹が出来たのだぞ♪」

 

「ええ!そうなの!?それじゃあ、けいはおねえちゃんになるの?♪」

 

 嬉しそうに飛び跳ねる螢に私の顔が綻んだ。

 

「お祝いにご馳走を作りますね♪」

 

「それよりも他のお義姉さん達に報告しに行かないと!」

 二刃が慌てるのを主たちが制した。

 

「「「待て待て、先ずは昼飯食って落ち着こう。今の時間だと、みんなも食事に行ってる頃だ。

報告とお祝いはそれからでも大丈夫だって。」」」

 

 ふむ、確かに主たちの言う通りだ。

 それにお祝いか…………。

 

「主、懐妊祝いの宴なのですが…………」

 

 私はひとつ思い付いたので主たちにお願いしてみた。

 

 

 

 

翌日

房都近郊 麺麻山入口

【緑一刀turn】

 

 早朝の冷えた空気に眠気もすっ飛んでいく。

 昨日の午後から降り出した雨も夜中には上がって、朝日に照らされる雲も空にはまばらにしか残っていない。

 そんな快晴の空の下に全員が集まっていた。

 

 そう……………全員………俺たちの奥さんと娘達全員、二刃と駕医も合わせた全員だ。

 

 しかも母親達と二刃は農婦の格好を、子供達も農家の子の服を着ている。

 俺たち三人と駕医もこの世界では極一般的な農夫の服を着ていた。

 貂蝉と卑弥呼だけがいつもと変わらない格好をしている。

 俺としてはこいつらこそ服を着て欲しいのだが…………。

 

 山城の山門みたいに固く閉ざされた扉の前にずらりと集まった農婦の集団が、

実はこの国のトップ集団だなんて、地方の豪族達が見たら腰を抜かすぞ。

 

「「「それではこれより、星の懐妊を祝う宴、『竹の子狩り』を始める!

これは子供達の園外授業も兼ねているので、子供達に農作業の大切さを教えて欲しい!

作業は各担当毎に班分けしてあるのでそれぞれ奮励努力してくれ!

何しろ正に『雨後の竹の子』だ!全員が効率良く作業をしないと…………」」」

 

 俺たちはチラリと星を見た。

 顔は和やかだが溢れ出る凰羅が戦場に立った時と変わらない。

 ここで何かヘマをしたら…………後日、延々とメンマの講義を聞かされるに違いない。

 子供達はこのイベントを楽しそうにしているが、大人の殆どの者が真剣な顔つきをしている。

 中には何人かお気楽なのも居るけど。

 

「「「掘るのは昼食までだけど、メンマ作りの下拵えで日暮れまで掛かる恐れが有る!

みんな!頑張るぞっ!!」」」

 

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!』

 

 みんなが腕を突き上げ叫んだ!

 子供達も母親達の真似をして(はしゃ)いでいる!

 

 さあ!戦闘開始だっ!!

 

 

 

 麺麻山の持ち主である星が、山門の扉を開いて『竹の子掘り』部隊を率いて突入して行く。

 それを見送る俺たち三人の所に華琳、桃香、蓮華が揃ってやって来た。

 俺たちの居る場所が総指揮所だからなんだけどね。

 

「まさかこんな事を星が提案して来るとはね。」

 華琳は呆れた口調ながらも楽しそうに見える。

 妊娠八ヶ月のお腹を抱えるその姿も農婦の服装だが、それでも凛とした雰囲気は隠しきれていない。

 このギャップが新鮮で思わず目を奪われる。

「子供達は大丈夫かな?笹の葉は刃物みたいに鋭いから心配だよ………」

 見るからにハラハラしている桃香だけど、農婦姿に違和感を感じ無い。

 蓮華は華琳と同じで服に馴染めていないらしく、さっきから何度も服を直している。

「その為にこの服を着せているのでしょう?……それよりも、桃香はこの服を着こなしているわね。

私と華琳はどこか服に着られてる感じがするわ………」

 蓮華なりに桃香を褒めたつもりなのだろうが、言われた桃香は肩を落としている。

「愛紗ちゃん、鈴々ちゃんと旅に出るまではこれが普段着だったから………」

 桃香の家は農家と言ってもいい暮らしだったらしいからなぁ。

「「「俺たちは桃香のこの姿を見れて嬉しいぞ♪出会う前の桃香に会えたみたいでさ♪」」」

「そ、そうかな………♪」

 俺たちがそんな会話をしてると、流琉がやって来た。

「華琳さま、カマドの準備が出来ました!朝食調理の指揮をお願いします!」

 華琳は流琉に頷いてからこっちを振り返った。

「それでは行ってくるわ。後をお願いね♪」

 華琳を見送ったら、今度は音々さんが音肆をおぶってやって来た。

「桃香さま、子守部隊が戦力不足なのです。桃香さまのお力をお借りしたいのです。」

「はい、分かりました!それじゃあ行ってくるから、蓮華さん。ここはお願いします!」

 これでこの指揮所には四人だけになってしまった。

「ねえ、一刀。あそこに居るの、美以達じゃない?あの子達は山に入る班だった筈だけど、

どうしたのかしら?」

 蓮華の指差す方を見ると、美以達南蛮組が揃っている。

「「「お~い!美以、どうしたんだ?山に入らないのか?」」」

 いつもはこの手のアウトドアなイベントだと率先して楽しむのに。

 

「星と竹の子とりに行くとロクな事がないのニャ!絶対に行かないじょっ!!」

 

 どうやら南蛮大麻竹のトラウマが蘇ったらしい。

 無理に行かせても混乱の元になりそうだから、ここは運搬班に編入しておこう………。

 

 

 

 

麺麻山 山中

【星turn】

 

 私は子供達に竹の子の見つけ方と掘り方を教えた後、指揮の為に見て回る事にした。

 最初に目に付いたのは雪蓮殿と冥琳殿、冰蓮と冥龍だった。

 

「冰蓮、冥龍、そこの枯草を除けてみなさい。」

「「え?ここ?」」

 

 子供二人が地面に積もった枯草を除けると、地面から尖った竹の子の先端が顔を出した。

 

「「あっ!有った♪」」

 

 冰蓮と冥龍は目を輝かせ、竹の子を見つめている。

「それじゃあ掘って見せるから覚えなさい。」

 (くわ)を手にした雪蓮殿がザクザクと土を掘り始めた。

 冥琳殿が子供達に寄り添って解説を始める。

「ああして竹の子に傷が付かない位置を見定めて、周りから掘り始めるのよ。」

 子供達は無言で頷いて地面を凝視していた。

「よし!こんなもんね。」

 掘り終わった雪蓮殿が鍬を置くと、腰に佩いた南海覇王の柄に手を添える。

 

「ハッ!!」

 

 銀光が輝くと竹の子が地面から飛び上がり、弧を描いて落ちてくるのを冥琳殿が受け止めた。

 

「しぇれんまま、すごーーいっ!」

 

 私の横で見ていた螢が手を叩いて喜んだ。

「雪蓮殿、見させて頂いたが見事ですな。」

「あら、星。こんなの戦場で何度も見せたじゃない。」

「いやいや、剣技はもちろん相変わらずの冴えですが、鍬の扱いが。

腰の入った見事な鍬捌き。この趙子龍、感服しましたぞ♪」

 私の褒め言葉に気を良くした雪蓮殿が胸を張ってドヤ顔になる。

「こんなの大した事無いわよ。昔、赤一刀が現れたばっかりの頃に、鍬の使い方を教えたのも私のなのよ♪」

「ほほう!そんな事が!しかし、雪蓮殿も最近は鍬を持つ事も無かったのでは?」

「そんな事無いって。二三日前にも農家のおじいちゃんを手伝って畑を耕したんだから♪」

 

 突然冥琳殿の周りの空気が変わった。

 

「………雪蓮………あの日、姿が見えなかったのはそう言う事だったのか。」

「あ………しまった………」

 

 ふむ、思わぬ藪をつついてしまった様だ。

「まあまあ、冥琳殿。今日の所は一応、祝いの場という事で角を抑えて♪」

「はあぁ………そうだな。この件は明日にしよう………」

 

 冥琳殿が落ち着いてくれて助かった。

 雪蓮殿は主力になりそうだから、説教などで作業が遅くなってはかなわん。

 さて、他も見てみるか…………ん?

 あそこに子供達が集まっているが………ああ、二刃を取り囲んでいるのか。

 あれは仕方あるまい。

 おや?二刃を中心とした集団から少し離れた所で地面を掘っている親子は…………はて?

 誰か近くの邑の者を雇ったのか?

 そんな話は聞いておらんが……………。

 

「もし、そこの…」

 

 “ご婦人”と言いかけて言葉が詰まる。

 振り向いた親子は白蓮殿と白煌だった…………しかも、白蓮殿の目が虚ろだ。

 

「うん?……どうした……星………」

 

 私の横で螢が首を傾げている。

 ()く言う私も驚いて目を見開いてしまった………服を変えただけで、

ここまで村人と見分けが付かなくなるとは思わなかった。

 

「そ、そこの竹の子はお任せします…………あの、何やら覇気が有りませぬが、何かありましたか?」

 

 恐る恐る訊いてみると、白蓮殿は乾いた笑いを浮かべる。

「ははは…………今日は何だか子供達が私と白煌を見た時、

最初は誰だか分からないみたいな反応をするんだよな…………

竹の子の見つけ方と掘り方を教えたら全員が二刃の方に走って行っちゃうし…………」

 

 白蓮殿は膝を抱える様に座って、力なく地面をガリガリと木の枝で擦っている。

 教師として他の母親達よりも長く子供達と接している白蓮殿だ。

 その反応は確かに堪えるだろう。

 しかし、これは子供達を責められん。

 こうして話している私も、ともすれば村人と会話をしている気分になるのだから。

 

「ああ!ぱいふぁんおねえちゃんとぱいれんままだ!けい、わかんなかったよ!」

 

 おお!流石、我が娘!絶妙な時にボケを……………い、いや、今のはちょっと拙かったか?

 白蓮殿がその名の通り白くなってしまった。

 このまま白馬陣をしたら何処に居るのか分からなく成りそうなぐらい。

 

 

 

 

【エクストラturn】

 

 眞琳、香斗、蓮紅、烈夏の四人がインテリと一緒に居た。

「宜しいですか、姫様方。先ずはその覆っている物を手で除けて下さい。」

 

「こ、こうですか?」

 

 眞琳は長女としての自尊心と、それ以上の好奇心から、率先して手を伸ばす。

 しかし、初めての事なので恐る恐るといった感じだ。

 

「あ!出てきた♪」

 

 眞琳が取り出した物を目にした香斗が楽しそうに声を上げた。

 蓮紅も初めて見る物に目を奪われている。

 

「これが…………でも思ってたのより小さいな。」

 

「ははは♪これは先端ですから。中に本体が隠れているのです。

今度は姫様方四人で、傷付けない様に取り出してみて下さい♪」

 

「うん!烈夏ガンバる!」

 

 四人の幼女がソレに手を伸ばし…………。

 

 

「インテリーーーっ!!貴様!そこで何をしているかああああああっ!!」

 

 

 董の兄ぃの声と共に、北郷親衛隊が駆け付けて来た。

「わ、私は姫様方に竹の子の掘り方をお教えして」

「お前の持ち場は柵の外だっ!!来いっ!!」

 インテリは襟を掴まれ、引き摺られて行く。

 

「お、お慈悲をーーー!幼女様との甘いひと時をーーー!!」

 

 その様子を眞琳達四人は唖然として見ていた。

 

「姫様方、申し訳ありませんっス!害虫は駆除致しましたので、竹の子掘りをお楽しみ下さいっス♪」

 

 追っかけは頭を下げてから北郷親衛隊の後を追いかけた。

 

「ええと…………………竹の子掘ろうか?」

「「「……………うん。」」」

 

 四人は気を取り直して、竹の子掘りを再開した。

 

 

 

 

麺麻山 山門前

【緑一刀turn】

 

 竹の子狩りを開始して一時間半くらいが経過した所で朝食の準備が出来た。

 合図の鐘を鳴らすと、子供達が元気に山から下りてくる。

 この山はぐるりと柵が巡らせてあり、子供が迷子になってもこの柵の中に居るのが確実なので安心だ。

 思春と明命という頼りになる人探しのプロもいる。

 そして、何より愛する我が子だ!何処に居ても必ず俺たちが見つけ出すっ!!

 インテリに負けてられないからな。

 下りて来た子供達の笑顔を見ると竹の子掘りを楽しんでいるのが判る。

 それに朝から華琳と流琉が中心になって作った朝食が食べられるとあって、

その期待も大きい様だ。

 大人達もそうだけど…………特にあそこの大食い組が。

 

「鈴々、お前身重なんだから食いすぎるなよ。」

 翠が心配そうに話し掛ける。手におにぎりを持って。

「大丈夫なのだ♪……って、言いたいけど、今回はつわりが全然だから気を付けないとなのだ。」

 苦笑いをする鈴々に季衣が笑って肩を叩いた。

「鈴々の分はボクと華衣、それに爛々が食べるから安心しろって♪」

 更にもう二人が会話に加わる。

「あたいと虎々も手伝うぜ♪」

「…恋と恋々もいる。」

 翠は呆れた顔で溜息を吐いた。

「はあぁ………そんなんだからお前ら、『都の胃袋』って呼ばれるんだぞ。」

 

「それ、翠姉さまと疾も含まれてるんだけど。」

 

 翠の横に居たたんぽぽが、呆れた視線で翠を見た。

 

「そ、そんな事より早く食おうぜ!」

 

 翠が顔を赤くして大声で照れ隠しをしたのを合図に、「いただきます」と手を合わせた。

 

『ん!?』

 

 おにぎりに齧り付いた鈴々、翠、たんぽぽ、季衣、猪々子の眉が寄った。

 

「これ…………」

「おにぎりの具が…………」

 

 

『メンマだああああああああああああああああああああああああっ!!』

 

 

 大食い組がやっと気付いたか。

 メンマはおにぎりの具だけではなく、オカズはどれもメンマ料理だ。

 (タン)までメンマという徹底ぶり。

 まあ、今日は星の懐妊祝いなので、華琳と流琉がこれまで星と一緒に開発したメンマ料理尽しに決めたのだ。

 華琳から口止めされていたので、俺たち三人はみんなに教える事が出来なかった。

 教えた所で逃げ道は無いけど……………。

 

「ふっふっふっ。皆が初めて見るメンマ料理に驚き、喜びの声を上げておりますな♪」

 

 星がいつの間にか俺たちの所に来ていた。

 驚きの声ではあるが、喜んでいるかは微妙だな。

 恋と子供達は喜んで食べてるから良いか。

 

「「「星、この料理に使ったメンマは全て星のメンマ蔵から出したそうじゃないか。良かったのか?」」」

 

 俺たちはメンマの卵とじをオカズに、メンマのおにぎりを食べながら訊いてみた。

 

「なぁに、皆が私の懐妊を祝ってくれて、しかも竹の子の収穫を手伝ってくれるのです。

私と螢の半月分のメンマくらい出さねば罰が当たるというものです♪」

 

 ええ!?半月分って…………大食い組用に結構な量を使ってたよな?

 今更ながら星のメンマ好きに驚かされる…………螢もだけど。

 

「昼飯の時は流石にそれだけ出す事は出来ませんから、今度は今日収穫した竹の子尽しとなりますが。」

 

「「「良いのか、星?貴重なメンマの素材だろ?」」」

 南蛮大麻竹の時はシャオや季衣に分けるのをあんなに渋っていたのに。

 星は顎に手を当てて、考えてから答えてくれた。

 

「主たちはこの麺麻山の竹が大陸各地から集められた物だという事はご存知でしたな?」

 

「「「ああ。各地の有名なメンマの素材に使われている物なんだよな?」」」

 

「はい。頼んで取り寄せた苗も有れば、私が自ら持ち帰った物も有ります。しかし………」

「「「しかし?」」」

 

「私が竹の苗を求めているの聞き付けた行商人が、時たま珍しい竹だと言って持って来るのですよ。」

 

「「「明らかに詐欺臭いな。」」」

 

 金持ちに美術品の偽物を売りつける様なもんか。

 星にメンマ絡みの目利きで挑むとは命知らずか単なる馬鹿だな。

 世間では『メンマの悪口を言うと趙雲将軍が現れる』とか、

星がメンマを買いに店に行くと「雲来来」と店員さんが大声を上げるとか言われている。

 

「それが、この私でも息を呑む程の力を感じる苗がいくつか有りまして。」

 

「「「え?マジで?」」」

 

「今年はその竹の子の初収穫なのです。そこでメンマにする前に竹の子のまま食べてみて、

塩加減や漬け汁の調合を検討しなくてはならんのですよ。」

 

 メンマソムリエの拘りなんだろう。

 華琳や流琉なら理解出来るのかも知れないが、俺たちにはメンマの味の微妙な違いが良く解らん。

 きっと一口食べたら素材の竹の種類と何年物とか言い当てるんだろうな。

 

「「「まあ……………………頑張ってくれ。」」」

 

「ははは♪正直に申しますと、あの大食い共にこれ以上、飲む様に食われてはかなわんというのが本音ですな♪」

 

 星………その心配は要らないと思うぞ。

 

 

 

 

麺麻山 山中

【星turn】

 

 朝食を終えて本格的に収穫を開始する。

 私は螢を連れて特別な竹を植えた場所へとやって来た。

 

「ん?あれは……」

「あ♪ちょうせんとひみこだぁ♪」

 

 螢の言う通り貂蝉と卑弥呼が居た。

 しかも竹の子を前に首を捻っている様子だ。

 

「どうしたのだ、二人共?」

 

「あら、星ちゃん♪」

「うむ、この掘り出した竹の子なのだが………」

 

 見れば竹の子はまだ刈取る前だ。

「竹の子がどうかしたのか?」

 

「私達が刈取ろうとすると縮んで小さくなってしまうのだ。」

「そうなのよぉ~。ほら…」

 

 貂蝉が屈んで手を伸ばすと、本当に竹の子がシオシオと縮んで行く…………。

 そして離れるとまたムクムクと大きさを取り戻した。

 

「これは面妖な…………」

 

「でしょう?こぉんな美女を前に猛り狂ってビンビンになるならまだしも、

萎えるだなんて失礼しちゃうわぁ~~!」

 

「貂蝉、卑弥呼、ここは私と螢がやるので二人は他の子供達の手伝いを頼む。」

 

「あら、そう~?」

「うむ、任されよう。」

 

 二人を見送ってから、再び(くだん)の竹の子と対峙する。

「まま、ふしぎなたけのこだね~」

 

 螢が好奇心から竹の子に触れると

 

「あ!けいがさわったらおおきくなった!」

 

「なんと!まさかこれは…………」

 

 私は服の袂を少し開いて胸元を晒してみた。

 

「わああ!またおっきくなった!!」

 

 そうだ。この竹の苗は売りに来た男が精力回復の妙薬になると言っていた物だ。

 

ボキッ

 

「あ、とっちゃった………おもしろいからおねえちゃんたちにみせたかったのに………」

 

「螢、食べ物で遊んではいかんぞ。」

 

 この竹の子は主たちに食べさせてみよう♪

 

 おや、新たにやって来る者が二人………これは二刃と駕医殿の気配か。

 恋人同士の二人が人気のない所にやって来るとは……………ムフフ♪

 

 これは温かい目で見守るしかあるまい♪

 

 

 

 

麺麻山 山門前

【緑一刀turn】

 

 日がかなり高くなり、今日の竹の子を掘るのも終盤に差し掛かった頃。

 俺たち三人は子守班の母親達と一緒に、三歳未満の子供達と遊んであげていた。

 丁度その時、

 

ピイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ

 

 美羽の悲鳴……ではなく、呼子笛の音が聞こえて来た!

「一刀殿!この笛の音!!」

 俺の横に居た稟が、二歳四ヶ月の娘の貞を抱き寄せ、真剣な顔で俺を見た。

「ああ、遂に来たか。」

 俺は稟に頷いてみせる。

 

「「緑っ!!」」

「応っ!」

 

 紫と赤の声に応えて立ち上がった。

 

「一刀様!」

 

 何処からとも無く突然明命が現れる。

 こういった山中は明命と思春の得意な活動場所なので、交代で警護をしてもらっていた。

 今は明命が当番だったのだろう。

 その顔は……………喜びが溢れていた。

 

「パンダが接近しています♪その数二十♪ああ♪……………モフモフしたいですぅ♪」

 

 パンダ………大熊猫と書くだけあって、明命のモフモフの守備範囲内なのか?

 パンダって見た目は可愛いけど、結構毛はゴワゴワだよ?

 シャオの飼ってる善々に触った事が有るから判った事だけど………あいつみたいにふてぶてしいのも居るし。

 

「「「二十頭のパンダか…………盗賊二十人の方が、扱いが楽なんだけどなあ…………」」」

 

 盗賊なら叩きのめして終わりだけど、子供達の前でパンダ相手にそんな事出来ないし。

 いくら柵が在ると言っても、二十頭のパンダが一斉に押せばひと溜りも無いだろう。

 雪崩込んだパンダが竹を食い散らかし、それを見た星が激怒して……………。

 

 そんな状況だけは何としても回避しなくてはっ!

 

「「「シャオ。善々みたいにいう事を聞かせられないかな?」」」

 パンダの扱いのエキスパートに頼ってみるが。

「野生の大熊猫じゃそう簡単に懐かないわよ。ここはやっぱり恋の出番でしょ。」

 やっぱりそうなるか。

「「「それじゃあ明命は恋に連絡して…」」」」

 

「ちょっと待って下さい、一刀殿。」

 

 稟に呼び止められ、指示を中断して振り返る。

「私に一計があります。親友である星の為に是非力になってあげたいのですが。」

 瞳に強い力を宿しながらも、口元が優しく微笑んでいる。

 

 

 

 

【星turn】

 

 呼子笛の音を耳にした私は、愛槍を手に山の斜面を駆け下りている。

 気配を探れば我が天敵、大熊猫の接近が感じ取れた。

 

「しかも数が多いぞ!雨の後で竹の匂いが強くなった所為か!」

 

 いつもより水々しく心地良い竹の香りが、今は仇になるという皮肉。

 

「見えた!」

 

 出来る事なら殺生はしたくないが、追い払うには手間が掛かる数だ。

 最悪の場合は止むを得まい…………新たに子を授かった祝いの日を血で汚したくはなかったが、

戦場を血で染め上げてきた報いかもしれん…………。

 

「いざっ!参るっ!!」

 

 地を蹴り、更に柵を踏み台にして宙へと高く飛び槍を振り上げる!

 

 

「「「待ったあああああああああああああっ!!」」」

 

 

「あ、主たち!!それに皆も!!」

 空中の私が目にしたのは、主たちを中心に柵の外側を走って来る一団だった。

 そして、全員の手には竹槍が握られている。

 

「「「総員!投擲っ!!」」」

 

 放たれた竹槍が私と大熊猫の集団の間に突き刺さり、新たな竹垣が出来上がった。

 だがっ!

 

「主っ!!この程度では奴らを防ぐ事などっとわっ!!」

 

 遅れて飛んできた竹槍が私の横を掠めて行った。

 投げた相手は……………春蘭か…………。

 

「おっと、スマン。竹槍が軽くて手元が狂った♪」

 

 主たちの横でカラカラ笑う春蘭を見て溜息が出た…………。

 

「「「星!なんとか間に合ったな。」」」

 主たちは肩で息をしつつも、私に笑い掛ける。

「まあ、この人数が居れば追い払うのは容易いでしょう。ですが、この程度の竹垣では奴らは直ぐに踏み越えますぞ。」

 言っている傍から大熊猫が次々と竹槍に掴みかかって……………?

 

「た、食べ始めた…………」

 

「「「よし!作戦の第二段階だ!工兵隊は早急に冊を作り、パンダを取り囲めっ!!」」」

 

『応っ!!』

 

 主たちの号令で後ろから現れた工兵隊が大熊猫を取り囲む冊を築いて行く。

 今度は丸太を使った物なので、大熊猫達が食べる事は出来ない。

 成り行きを見守りながら私は、指示を出し終えた主たちに語りかける。

 

「主、生け捕りにしたという事は、この大熊猫どもはどこか遠くに運ぶのですかな?」

 

 運んだ先のメンマ職人に申し訳なく思い、出た言葉だが、主たちの返答は意外な物だった。

 

「「「いや、このパンダ達は国で飼う事にした。」」」

 

「は!?大熊猫の牧場でも作るおつもりか?食用にも戦用にも向かぬ獣ですぞ。」

 

「「「そこは稟から献策が有ってね。俺たちが以前話した動物園の事覚えてるか?」」」

 

「ふむ………大熊猫を見世物にするという事ですか。」

 

「「「そういう事。ここじゃ俺たちの居た世界みたいに、見るだけじゃお客を呼べないだろうから、

芸を覚えさせる事になるだろうけど。

それでも、殺してしまうよりはマシだろう?星の麺麻山も守れるし♪」」」

 

 採算が取れる……いや、利益を生み出す事が出来る様に稟が考えてくれたのか。

 

「我が親友殿に感謝せねばなりませんな♪後で極上のメンマを贈りましょう♪」

 

「「「…………そ、そうだね………」」」

 

 はて?主たちが引きつった顔をしているが…………。

 

「おっと、そうでした、主たち。いくら間に合わせる為とは言え、竹槍を投げつけるのはどうかと思いますぞ。」

 

「「「みんなの腕と、星なら避けられると信じていたからさ。」」」

 

「そうは仰言いますが、春蘭の投げた竹槍に串刺しにされる所でしたぞ!

どんな名刀、名槍にも傷付けられなかった私が、竹槍で傷付くなど…………

おお!主たちの名槍が私の体を貫いておりましたな♪」

 

「「「………………………子供達の前では言わないでくれよ。」」」

 

 主たちの気持ちは分からんでもないが、正しい性教育という物もそろそろ考えた方が良いかも知れん。

 恥をかいた経験者として………。

 

「命を創り出す天下の名槍ではないですか♪こうして私の腹に二人目を………」

 

 そうだ。先程の二刃との話で決めた事を伝えねば。

 

「「「ん?どうした、星?」」」

 

「主たち。この腹の子の真名ですが、『かぐや』にしたいと思いますが、如何ですかな?」

 

「「「『かぐや』?この竹林の中で思い付いたのか………」」」

 

「ええ、二刃の作った絵本に在りましたからな♪竹林の中で二刃と会話していて閃きました♪

今はまだ音だけ決めて、炙叉と吉祥に文字を決めてもらえば、二人の顔も立ちましょう。」

 

「「「あ、ああ…………そうだな。」」」

 

 主たちの返事は今ひとつ気が入っていない。

 その理由は分かっているので、ここはひとつ期待に応えねば♪

 

「種付けしたのがこの竹林ですから」

「「「言わんでよろしいっ!!」」」

 

 

 

 

 

おまけ壱

『北郷二刃奮闘記』其の十八

リクエスト:スーパーメンマタイム   七票

 

麺麻山 山中                   (時報:桂花七人目 妊娠八ヶ月)

【二刃turn】

 

 朝ごはんを食べ終え、竹の子掘りを再開しようと立ち上がった所で、華琳さん、桃香さん、蓮華さんに呼び止められた。

 

「子供達は全員を竹の子掘りの班が面倒を見るから、二刃は駕医と一緒に行きなさい♪」

「少し離れた所に行けば誰も邪魔する人は居ないからね♪」

「結婚まであと少しなんだから、楽しい思い出を作ってね♪」

 

 そんな事を言われて、あたしは駕医さんと一緒に送り出された。

 姪っ子達には少々申し訳ない気持ちで竹林の山に入ったけど、駕医さんと二人きりだと意識すると急に心がときめいて来た。

 

「竹の子の見つけ方も、掘り方も完全に覚えたからドンドン取ろうね♪」

 

「ははは♪頼もしいな♪」

 

 あたしと駕医さんは手を繋いで人気の無い場所へと踏み入って行く。

 竹の清々しい香りと朝日に煌く夜露が幻想的な雰囲気を醸し出す。

 こんな竹林を大好きな人と手を繋いで歩いているなんて………あたしは今、スゴく幸せだ♪

 あたしが盗み見る様に駕医さんを見上げると………目が合ってしまった!

 

「「あっ………」」

 

 あたしは咄嗟に顔を伏せてしまう。

 別に悪い事をしている訳ではないのに、イタズラが見つかった時みたいな気持ちでドキドキしてしまった。

 きっとあたしは真っ赤な顔をしてるに違いない。

 

「わ、悪い!ジロジロ見てしまって…………」

 

 声の聞こえ方から、駕医さんも顔を逸らしてるのが分かった。

 それでも握った手は離さない。

 

「べ、別に悪くないよ…………駕医さんになら…………」

 

 うわわわわ!く、口が滑った!

 な、何言ってんのあたしってば!!

 

「さ、さあ!早く竹の子掘ろう!星さんに怒られちゃうよ!!」

「そ、そうだな…た、竹の子を探すか!」

 

 駕医さんも顔を赤くしていた。

 竹の子を探すという口実が出来たので、お互い照れ隠しに手を離して

 

 

「コラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

「「え?」」

 突然の怒鳴り声に顔を向けると、星さんが肩を怒らせて大股でやって来る所だった。

 その後ろを螢ちゃんが笑顔で追いかけている。

 

「あそこまで盛り上がっておきながらキスもしないとはどういう事だ!!」

 

「そ、そんな別に………って!星さん覗いてたんですねっ!!」

 

「違うっ!見守っていたのだっ!!」

 

「おんなじですっ!!」

 

 雰囲気に流されないで良かった…………ホント油断も隙もないなあ………。

 

「全く…奥手すぎるぞ。あれが私と主ならそのまま子作りを」

「わあああああ!わあああああああああ!!わあああああああああああ!!!」

 

 螢ちゃんが居るのに何言い出すんですか!

「ふたばおばちゃん、どうしたの?」

 

「あはははは♪何でもないよ~♪そういえば螢ちゃんは毎日ママのお手伝いで竹の子掘ってるんだよね。

偉いなぁ♪」

 

 あたしが螢ちゃんの頭を撫でて褒めると、くすぐったそうに笑ってくれた。

 

「けいね、かぐやひめのたけ、さがしてるの♪」

 

 兄さんたちに頼まれて、あたしが作った絵本の中に『かぐや姫』も入っている。

 螢ちゃんにあの絵本を初めて見せた時、とても気に入ってくれたのを見て『女の子だなぁ』なんて感心したんだけど、

理由を聞いたら『たけがたくさんだから♪』と言われたっけ。

 あの時は意味が分からなかったけど、この山に入って納得。

 確かにこの竹林の中に居たら光る竹が無いか探したくなっちゃうよね♪

 

「螢はあの絵本が本当にお気に入りでな。

そう言えば私は最初、表紙と題名を見て『竹細工の家具を作って、ひと財産築き上げた女の物語』かと思い、

子供もこういう話が好きなのかと勘違いしてしまった♪」

 

「そんな細腕繁盛記みたいなかぐや姫は嫌ですよ…………」

 

「二刃。その『かぐや姫』とはどんな話なんだ?」

 駕医さんが不思議そうに訊いてきた。

 そう言えば駕医さんにはあの絵本を見せた事無かったっけ。

「ええと、『かぐや姫』っていうのは……………」

 

 あたしが内容を簡単に教えると、駕医さんは複雑な顔をしてしまった。

「どうかしたの?」

 不安になり訊いてみる。

 

「遠い世界からやって来た姫が………二刃と重なって思えて………」

 

 あっ!

 

「た、確かにあたしは別の世界から来たけど………あたしはかぐや姫と違って

この世界で生きるって決心してるから………」

 

 この気持ちは、兄さんたちも同じだと思う。

 

「ふたばおばちゃんはかぐやひめじゃないよ。だってたけからでてきてないもん。」

 

 螢ちゃんの言葉にあたしと駕医さんと星さんは一瞬呆気に取られた後、一斉に笑いだした。

 子供の言う事だから深い意味は無いのだろうけど、真理を言い当てた言葉に聞こえてしまった♪

 

「なんでわらうのー!けい、ほんとのこといったもんっ!」

 

 螢ちゃんは自分が馬鹿にされたと思ったらしく、ヘソを曲げてしまった。

 

「はははは♪怒るな、螢。媽媽達はお前に言われるまで気が付かなかった自分を笑ったのだ♪」

 星さんが螢ちゃんの頭を撫でて言い聞かせた。

「ほんとに?」

 口を尖らせる螢ちゃんに、星さんは言葉を続ける。

「ああ、本当だ。それにひとつ思い付いたのだが、お前の妹の真名を『かぐや』にしようと思うのだが、

どうだ?」

 

「え?けいのいもうとはかぐやひめなの?でも、ままたけじゃないよ?」

 

「メンマを食べ続けている私の体は、竹の子で出来ている様なものだ。

竹の代わりに媽媽が産んでも問題無いだろう?」

 

 かなり強引な屁理屈だけど、星さんの体がメンマで出来ているというのは誰に言っても納得するだろうな。

 

「でも………それだとけいのいもうとは、おつきさまにいっちゃうの?」

 

「う~ん、それは分からん。だが、この子がそうすると言うなら、そうせねばならない理由が有るのだ。

螢はその時に妹を助けてやれ。お前はお姉ちゃんなのだからな♪」

 

「うん!わかった♪」

 

 お姉ちゃんなのが嬉しいんだろうな。

 もう機嫌が直ってる♪

 

「ねえ、螢ちゃん。一緒に竹の子探そうか?もしかしたら光る竹の子が有るかも知れないよ♪」

 

 今日は星さんと螢ちゃんのお祝いだもんね。

 

「ひかるたけのこ♪おっきくなるたけのこもあったからきっとあるよね♪」

 

「へ?大きくなる竹の子?」

 あたしは星さんに振り返る。

「うむ、先程収穫した竹の子なのだが、霊薬となる竹だと言われて買った苗の物でな。

今年が初収穫で…………これがそうだ。」

 星さんが籠から竹の子を出して見せてくれた。

「霊薬と言うなら駕医殿はこの竹の事を知ってはいまいか?」

 駕医さんが受け取って調べるけど、あたしには普通の竹の子にしか見えない。

「竹の子は涼性の食材で、熱が原因の咳、痰に用いる。後、竹の子には利尿作用が有るから

内蔵の病気でむくみがある人にも使う………だが、この竹の子は俺も初めて見るな。

特別な力も感じるし………苗を売りに来た人は効能を言っていたか?」

「そうだな…………口で言うより見せた方が早いだろう。」

 そう言うと星さんは農作業用の袴を………脱ぎだした!?

 

「ちょ、ちょっと星さんっ!何ですかいきなり!!」

 

 着物の裾が普段の服より長いのに、何故か艶っぽく見えてしまう。

 

「まあ、見ておれ。」

 

 星さんはそのまま辺りを歩き始めた。特に何をする訳でも無く、スタスタと歩くだけだ。

「あの………何を………」

 

ズボッ!!

 

「「!?」」

 竹の子が地面から飛び出したっ!?

 星さんが歩いた所にいきなり竹の子が生えたと言うか…………。

 

「思った通りだ…………因みに効能は精力回復だそうだ。」

 

「何なんですか!この竹の子はっ!?」

「それが判らんから駕医殿に見てもらったのだが?」

 あたしと星さんが駕医さんを見ると、顎に手を当てて考え込んでいた。

「これは青嚢書(せいかいしょ)にも載っていなかった…………正に新種の竹だな………」

 

「ほほう、新種なのか。ではこの竹を『一刀竹(かずとちく)』と名付よう♪」

 

「…………………………一刀竹。」

「絶大な効果を発揮しそうな名前だな。」

 

 竹の子が大きくなったのって………やっぱりその………下から覗いたからって事?

 

「もっとおおきくならないかな?」

 

 螢ちゃんが竹の子を触ってるっ!!

 

「け、螢ちゃん!ダメ!」

「え~?どうして~?」

 

 慌てて螢ちゃんを抱いて竹の子から離すと、不満そうな顔をされてしまった。

「あれは普通の竹の子じゃないから、何があるか分からないよ!」

 

「あまり触ると先端から汁が飛び出すかも知れんぞ♪」

 

「星さんっっ!!!」

 

 うぅ…………清々しかった空気なんか、みんなどっかに行っちゃったよ…………。

 

「(二刃。)」

 星さんが顔を近付けて囁いた。

 

「(初夜の時にこの竹の子で作ったメンマを進呈しよう♪)」

 

「い、いりませんっ!!」

 

 

 

 

 

おまけ弐

『聖刀くんの日常』其の十七

リクエスト:スーパーメンマタイム   七票

61)北郷聖刀 真名:輝琳  六歳

 

北郷学園 教室

【聖刀turn】

 

 午前の授業が終わり、給食の時間だ。

 初等部と中等部の全員が集まって一緒にご飯を食べる。

 ぼくの隣の席で明兎ちゃんが周りを気にしてキョロキョロしていた。

 

「どうしたの、明兎ちゃん」

 

「いや………子供だけがこんなに大勢でご飯を食べるなんて初めてだから……」

 お姉ちゃん達だけで六十人いるし、妹達と朔ちゃん達、それに明兎ちゃん達新入生を合わせると八十人近い。

「そっか、ぼくは小さい頃からこうだったんで気付かなかったけど、普通は無いんだよね。」

「大勢で食べるのは調練の時に兵と一緒になって食べてたから慣れてるけど、子供ばっかりなのが不思議な感じだ。」

 そう言われるとぼくも気になって周りを見渡して見る。

 お姉ちゃん達がいつもより静かだな?

 新入生の子の手本になろうと緊張してるのかな?

 お姉ちゃん達は姿勢を正して座ってる…………けど、意識がこっちに向けられてるのがスゴク伝わって来るなぁ。

 

「みんな行き渡ったわね。」

 

 眞琳お姉ちゃんが教室の前に立って、いつもの様に挨拶をする。

「たくさん有るから、新入生の皆さんも遠慮せずおかわりして下さいね♪

では、頂きます♪」

 

『いただきま~す。』

 

 ぼくは手を合わせて、先ずは湯から箸をつけた。

「なあ、聖刀…………おかずの一品にメンマが有るんだけど………」

「ん?うん、有るよ。」

 この湯は母上だな♪しかも烏骨鶏で出汁を取った…………冥琳媽媽が頭を抱えてそうだなぁ。

「いくら都の名産とは言え、メンマが小鉢に盛られているのはどうなんだ?」

「?変かな?美味しいよ♪」

「美味しいのは認めるけど、メンマって本来添え物だろ。こんなにたくさんは…」

 

ガタッ!

 

 席を立つ音が聞こえ、振り返ると螢お姉ちゃんと迦具夜がこっちに歩いて来ていた。

「おい、貴様!今メンマの悪口を言ったな!」

「メンマの悪口は、この趙統、趙広姉妹が許さないわよっ!」

 

「え?え?え?」

 

 明兎ちゃんが驚いて戸惑ってる!

「ま、待ってよ、螢お姉ちゃん!迦具夜も落ち着いて!明兎ちゃんは美味しいって言ったよ!?」

 

「メンマが美味いのは当然だ!」

「メンマが“添え物”だなんて許せない侮辱だわっ!」

「メンマは至高!メンマは究極!メンマを食べずして人は何を食べると言うのかっ!!」

 

「…………いや、普通にご飯を食べれば良いと思うよ。」

 

 あれ?二人共床に蹲っちゃった。

「そ、そんな…………聖刀がそんな事を言うなんて……………」

「お、お兄ちゃんだってあんなに美味しいって食べてるのに……………」

 

 明兎ちゃんも二人を見て呆気に取られてる。

「街の噂って本当だったんだな………」

「噂?」

「うん、メンマの悪口を言うと趙雲将軍母娘が現れて、『麺麻来来』と人々は叫んで逃げ惑うって。」

 

 そんな噂が囁かれていたんだ。

 

「螢ちゃん!迦具夜ちゃん!いい加減にしなさい!食文化は土地によって違うのよ!」

 

 うわっ!眞琳お姉ちゃんの雷が落ちた!

 

「「メンマの味は国境を!いえ!時空をも超えますっ!!」」

「何をバカなこと言ってるの。私のメンマをあげるから落ち着きなさい。」

「「え♪」」

 

 二人が嬉しそうな顔をしたのを見て、他のお姉ちゃん達も小鉢を持って立ち上がった。

 

『私のメンマもあげるわよ♪』

 

 異口同音。そしてあっという間に螢お姉ちゃんと迦具夜の机の上に、メンマの山が出来上がった。

 

「なあ、もしかしてみんな…」

 明兎ちゃんが言いかけた口を、眞琳お姉ちゃんが人差し指で軽く触れて遮った。

「それ以上言うと、今度はラスボスが出てくるわよ♪」

 明兎ちゃんは驚いた顔で眞琳お姉ちゃんを見て、顔が次第に赤くなってきた。

 

「私の事は眞琳って真名で呼んでね。仲良くしましょう♪」

 

「は、はい!わ、私の真名は明兎です!よろしくお願いします、眞琳様!!」

 

 流石、眞琳お姉ちゃんだ。

 初めて言葉を交わして、その場で真名を交換するだもんな。

 

 ぼくも早くそうなれるといいな♪

 

 

 

 

おまけ参

リクエスト:スーパーメンマタイム 7票

 

【エクストラturn】

 

『竹取†無双』

 

 昔々、ある所に三人の一刀おじいさんと星おばあさんが住んでいました。

 

「「「え?俺たち(おきな)役なの?三人とも?」」」

「私が(おうな)役か。主たちを独り占め出来るのとは役得ですな♪」

 

 ある日、三人の一刀おじいさんが竹林で三本の光る竹を見つけました。

 不思議に思ったおじいさんたちが竹を切りました。

 すると二本の竹から女の子の赤ちゃんが、もう一本から蝶の形の仮面が二つ出てきました。

 おじいさんたちは二人の赤ん坊と二つの仮面を持って家に帰りました。

 

「普通ならば捨て子。主たちなら隠し子かと疑う所ですが、その仮面が有るからその話を信じましょう。」

「「「信用無いな………俺たち………」」」

 

 赤ん坊に『螢』『迦具夜』と名付け、四人は育てる事にしました。

 次の日からおじいさんたちが竹林に行くと光る竹を見付け、中から金、美しい着物、槍が出てきました。

 

「「「何で槍?」」」

 

 やがて赤ん坊は美しい娘に成長し、とても評判になりました。

 噂を聞き付けた都の貴族が娘達に求婚しに来ました。

 

「この曹孟徳の嫁になりなさい。二人共。」

「「「華琳、それって求婚じゃなく脅しだぞ。」」」

 

 螢と迦具夜は憂いた顔で答えました。

 

「「お申し出は大変嬉しいですが、お受け出来ません。」」

「「「よく言った!絶対に嫁になんか出さんぞ♪」」」

 

 子煩悩なおじいさんたちは喜びましたが、螢と迦具夜はおじいさんたちとおばあさんに宣言します。

 

「「これまで育てて下さりありがとうございます。

私達はこれより“鬼ヶ島”に渡り、鬼退治とメンマ普及の使命を果たして参ります!」」

 

「うむ!それでこそこの趙子龍の娘!」

「「「ちょっと待て!『竹取物語』がいきなり『桃太郎』になったぞっ!!

しかも鬼退治とメンマの普及が同列かよっ!!!」」」

 

「そういう事なら嫁の話は諦めるわ。その代わり、私も一刀の奥さんにしなさい。」

「華琳殿、これは私の役ですぞ!」

「三人居るんだからいいじゃない♪」

 

 螢と迦具夜は鬼ヶ島に向かって旅立ちました。

 

「「「ええ!?もう行っちゃったの!?」」」

 

 

 

 鬼ヶ島。そこは大陸から東の(やまと)と呼ばれる地。

 土地の者は『日の本』と呼ぶ国です。

 この島国の武人は今も鬼と戦い続けていました。

 

「ハニー!撃ち漏らした鬼が後ろの荷駄隊に突っ込んで行きますわっ!」

「拙い!向こうはひよと詩乃(しの)しか居ないぞ!!」

「ご主人様!私が参りますっ!」

小波(こなみ)!頼む!」

 

 乱戦となり始めた戦場に、凛とした声が鳴り響く。

 

「正義の華を咲かせるために!」

    「愛しき大地を守護するために!」

       「「美々しき蝶が鬼を討つ!」」

 

 高い木の上、その先端で陽光を背に立つ二つの影。

 

「我等、混沌の世界に美と愛をもたらす正義の化身!」

     「たとえ外史は違えども、名乗る名前はただ一つ!」

 

   「(ほたる)華蝶!」「(つき)華蝶!」

 

       「「推して参るっっ!!!」」

 

 螢華蝶と月華蝶は荷駄隊に迫る鬼二十体を全て倒し、更に鬼の本隊に突撃した。

 

 

 

剣丞(けんすけ)様、それでこちらのお二人はどなたでしょうか?」

 周囲の鬼を全滅し一息着いた所で、前髪で目を隠した少女が隊長の青年に問い掛けた。

 その声は冷やかであり、呆れており、諦めの色が混じっている。

「詩乃!俺も初対面だって!……………ただちょっと知ってる人に似てるけど………」

光璃(ひかり)様という前例が有りますからねぇ………現状の剣丞様ならこういった事態も充分考えられる話でした。」

 詩乃と呼ばれた少女は大きな溜息を吐いて肩を落とした。

 周りを取り囲んでいる女性たち、剣丞隊も同様だ。

 

「ははははは♪これは早く自己紹介をして誤解を解いた方が良さそうだ♪」

 

 螢華蝶が笑いながら仮面を外した。

「螢華蝶とは世を忍ぶ仮の姿。我が名は趙統飛龍。そこに居る新田剣丞の従姉妹だ。」

 月華蝶も倣って仮面を外す。

「私は妹の趙広火龍よ♪」

 

 この自己紹介に青年、新田剣丞は目を丸くして驚いた。

「い、従姉妹!?じゃあ、君達のお母さんはやっぱり星ねえちゃんなのかっ!?」

「うむ、その通りだ。しかし、剣丞くんの言う『星ねえちゃん』の娘では無い。」

「は?どういう事?」

「剣丞くんが生まれ育った世界とは別の外史……君に解り易い言葉で言えばパラレルワールドから来たのだ。」

「パラレルワールド………この世界を知っているから納得出来てしまうな………」

 

「あの、剣丞様……この方達は本当に従姉妹殿なのですか?それに“ぱられるわーるど”とはどの様な意味でしょう?」

 

 質問するのは詩乃だが、他の女性達にも聞かせる様に剣丞が説明し、螢と迦具夜が補足した。

「成程………『外史』ですか。」

「詩乃ちゃん、今の説明で分かったの!?私はちんぷんかんぷんだよ………ころちゃん分かった?」

「私に聞かないでよ、ひよぅ………」

 ひよ子と転子(ころこ)の二人はショボくれ項垂れていた。

「要するに、一葉(かずは)様がお家芸の『三千世界』で武器を呼び出す先の世界のひとつだと思って下さい。」

 詩乃の説明に金髪巻き毛の少女、(うめ)が手を叩いた。

「成程、納得いきましたわ!流石は『今孔明』と呼ばれる詩乃さんですわ♪」

 

「「今孔明?」」

 

「わ、私の渾名です………そう呼ばれるのは好きではないのですが…………」

 螢と迦具夜はヒソヒソと話し始めた。

「(ねえ、姉上。朱里媽媽とは性格がかなり違わない?髪型とか顔はむしろ斗詩媽媽に近いし。)」

「(そうだな…………似ている所と言えば………)」

 二人は改めて詩乃を見た。

 

「「うん、今孔明だな。」」

 

「な、何で私の胸を見て納得するんですか!?」

 詩乃は胸を両手で隠して後退った。その細い腕で隠しきれてしまう所が理由なのだが。

「今孔明が嫌なら、今士元とか今文若でも……」

「今公謹と今伯言は名乗れないわねぇ………」

 

「だからどういう意味なんですかっ!!」

 

 この会話で剣丞は確信した。

 この二人が星の娘であると。

 

「あの……お二人は本当に剣丞様の従姉妹殿なのですか?」

 それまで事の推移を見守っていた大きな帽子を被った少女、雫が問い掛けてきた。

「ふむ、証拠の品などが有る訳でも無いしな………どうした物か………」

「剣丞様の伯父上様の事を話して頂けますか?」

「父上たちの事を?……………ふむ、良いだろう♪

父上たちには私の母上を含め、六十人近い妻が居るのは聞いているか?」

 

『ろ、六十人ですかっ!?』

 

 雫以外の剣丞隊も声を揃えて驚いた。

「こ、ころちゃん………私達ってまだマシな方だったんだね………」

「で、でも、ひよ………剣丞様もいずれはそのくらいに………」

「ハニーだったらあり得ますわ………」

「わ、私はご主人さまの妻の末席に加えて頂いただけで、し、幸せですから………」

「小波………こ、声が震えてますよ………」

 ひよ子、転子、梅、小波、詩乃の顔が蒼白になって行く。

 

「因みにこの妹は同じ母から産まれたが、異母姉妹は百人を超えているぞ。」

 

『ひゃ、百っ!!』

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺にはまだ会った事もない従姉妹が百人以上居るのか!?

しかも全員が女の子!?」

 

「ひとりだけ男子が居る。華琳媽媽の子だ。」

 

「華琳ねえちゃんの!?」

 

「名前を聖刀といってな。性格は……………剣丞くんの方がマシかも…………」

 

「それはどういう意味ですか?」

 雫が興味を惹かれて促した。

「そうだな、外を出歩けば必ず新しい女の子と仲良くなって帰ってくる。

本人はお友達が出来たくらいにしか思ってないから始末に悪い。」

 

「ねえ…………何でみんな俺をジト目で見てるの?」

 

「はぁ…………血筋……なんですね。」

 詩乃が今までで一番大きな溜息を吐いた。

 

「(ねえ、姉上。祉狼ちゃんの事は黙っていた方が良くない?)」

「(うむ、これ以上はショックが大きすぎるかも知れん。)」

 

「あの、一点気になったのですが………」

 雫は真面目な顔で螢の目を見ている。

「うむ、何かな?」

 

「父上“たち”ってどういう事ですか?」

 雫の目には疑惑を探る色をしていた。

 

「おお、大事な事を言い忘れていた。

我らの世界には父上、『北郷一刀』が三人居るのだ。」

 

『は!?』

 

「聞いた話では我らの世界に降りて来た時に、三人に分かれたそうだ。

国中の人が知っているから秘密でも何でも無いのだが、

私達姉妹は父上が三人居るのは当たり前だったから失念していた♪」

 

「三人に…………分かれた?あのおっさんが三人も居るのかよ…………」

 

「「おっさん言うな。」」

 

「お頭!」

 ひよ子が剣丞に縋り付いた。

 

「なんでお頭は田楽狭間に現れた時に三人にならなかったんですか!?」

「ひよ、お前何言ってんの?」

「今からでも遅くありません!三人に分かれて下さい!」

 

「無茶言うなっ!!」

 

 詩乃は頭を抱えてひよ子の肩を叩いた。

「ひよ、田楽狭間で剣丞様が三人現れたら、その場で妖怪扱いされて殺されてましたよ。

それに自分の意思で分裂出来るならとっくにしています。

今一番それを望んでいるのは剣丞様本人なんですから。」

 

「そうだな………三人じゃなくても、もうひとつ体が有ればと本気で思うよ。」

 

「上下で良ければ分けてやろうか?」

 螢が槍を構えて見せる。

 

「それって、俺死んじゃうよね?

この話はもういいよ。それよりも二人がこの世界に来てくれたのは、

鬼を倒すのを手伝ってくれる為なのか?」

 

「それは本来の目的の為の手段だな。」

 

「本来の目的?一体何をする気だ!?」

 

「まあ、待て。従兄弟殿の奥さん達に改めて挨拶しよう。

私の真名は螢。こちらの風習とは異なり、この名は信頼した者にしか呼ばせない大切な物だ。」

「私の真名は迦具夜。剣丞くんの奥さんなら親戚だしね♪」

 

「私達の使う通称とは重みが違うのですね。

解りました。心して呼ばせて頂きます。

螢さん。迦具夜さん。」

 

 詩乃が背筋を伸ばして頭を下げる。

 剣丞隊の面々もそれに倣った。

 

「更にこれも。是非、皆で食べてくれ♪」

 螢が人の頭程の大きさの壺を差し出した。

 

「それはまさか…………」

 剣丞は壺の中身の察しがついた。

 雫が壺を覗いて中身を言い当てる。

「これって、メンマですね。」

「めんま?」

 メンマを初めて見るひよ子、転子、梅、小波は戸惑った。

 詩乃は興味深げに壺を覗いている。

「明で作られる竹の子の漬物です。私も実物を見るのは初めてですが………雫は良く知ってましたね。」

「以前、堺で明の商人が扱っているのを見ましたから♪」

 

「さあさあ、眺めていないで食べてみて下さい♪我が家で漬けた自慢の逸品です♪」

 螢の態度が今までで一番柔らかい物になっていた。

 それぞれが摘んで口に入れる。

 

『お、美味しい♪』

 

「歯応えも有りますが、その後の不思議な柔らかさが良いですね。」

「日の本の漬物とは違った旨味が有りますわね♪」

「お米が食べたくなる美味しさだよ~♪」

「一発屋で出したら人気が出るんじゃないかな?」

「竹の子がここまで柔らかくなるのですね…………」

 

 剣丞隊がメンマを味わっている横で、剣丞は四つん這いになって地面を殴っていた。

 

「この世界に来て、やっとメンマから逃げられたと思ったのにいいいいいいっ!!」

 

 どうやら剣丞は元の世界で星のメンマ地獄を体験していた様である。

 

 

 

 こうして螢と迦具夜のメンマ伝来が始まりました。

 メンマを広めるついでに鬼を駆逐し、鬼が日の本から居なくなった頃には

全国津津浦浦までメンマが浸透していました。

 

 めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

今回の話を書いている最中

メンマと竹の子ご飯を食べました。

竹の子の天ぷらが食べたい…………。

 

 

『本編』

星が螢を懐妊したときはメンマが食べられなくなったので

今回は反対にメンマばかり食べる様にしよう。

と、考えたのが始まりでした。

竹の子狩りでこの状態ですので

キノコ狩りではもっとカオスになるでしょうw

 

 

『北郷二刃奮闘記』

竹の名前は孟宗竹みたいに、当初『北郷竹(ほんごうちく)』で考えていたのですが

それだと二刃も含まれるので『一刀竹(かずとちく)』にしました。

余計に生々しくなった気がします…………。

 

 

『聖刀くんの日常』

華琳の作った烏骨鶏のスープは飲みたいですが

毎回小鉢いっぱいのメンマの出る給食は自分も遠慮したいです。

眞琳のスキルを手に入れた聖刀の事を

おまけ参の螢が愚痴ってますw

 

 

『おまけ参:スーパーメンマタイム 竹取†無双』

細かい辻褄合わせは何も考えないで書きましたwww

戦国†恋姫をまだプレイしていない方、申し訳ありません。

キャラの声はBaseson様公式HPのサンプルボイスでご確認を。

 

桃太郎ネタで犬子も出したかったですねw

 

 

《次回のお話》

 

次回は

☆愛紗②  42票

 

【北郷二刃奮闘記】

華蝶連者 11票

【聖刀くんの日常】

眞琳   6票

【おまけ参】

里帰り&お墓参り[袁家組] 14票

 

を、お送りいたします。

 

※『天の国講座』は次々回から開始します。

 

《現在の得票数》

華琳③  40票 (華琳「が」イチャコラしちゃう話)

雪蓮②  34票

翠②   33票

小蓮②  27票

ニャン蛮②26票

音々音② 26票

秋蘭②  21票

桃香②  13票

音々②  13票

蓮華②  13票

冥琳②  11票

季衣②  9票

月②   9票

桂花③  7票

炙叉②  6票

鈴々③  6票

風②   5票

紫苑③  5票

真桜②  4票

璃々③  4票

凪②   2票

二喬②  2票

詠②   1票

沙和②  1票

 

【北郷二刃奮闘記】

蜀の子供とお風呂 8票

呉の子供とお風呂 8票

妹―ク 8票

璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク 5票

真桜のからくり話其の二 4票

いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 4票

紫苑と月、璃々たちによる夜の勉強会 1票

 

【聖刀くんの日常】

螢    6票

いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 4票

魏のメンツで魚釣り 4票

黄乱   4票

炙叉   4票

北郷親衛隊とその子供達② 3票

昴    3票

聖刀さま♥親衛隊 3票

 

 

【おまけ参】

天の国講座 9票

流琉母娘他による料理教室 9票

騎乗訓練その後 8票

親子鍛錬(五虎将編)8票

超英雄大戦(華蝶連者×サン・アルジオン×見捨てない人)8票

紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り 6票

「男装喫茶」へようこそ 5票

いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 4票

眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 3票

「女装喫茶」へようこそ 2票

 

リクエスト参戦順番→冥琳② 風② 雪蓮② 凪② 小蓮② 翠② ニャン蛮族② 音々音② 月② 華琳③ 詠② 愛紗② 沙和② 秋蘭② 桃香② 蓮華② 音々② 季衣② 炙叉② 桂花③ 真桜② 二喬② 紫苑③ 鈴々③ 璃々③

 

おまけ壱リクエスト参戦順番→蜀の子供とお風呂 呉の子供とお風呂 真桜のからくり話其の二 いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク 紫苑と月、璃々たちによる夜の勉強会

 

おまけ弐リクエスト参戦順番→いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 魏のメンツで魚釣 黄乱 螢 炙叉 北郷親衛隊とその子供達② 昴 聖刀さま♥親衛隊 

 

おまけ参リクエスト参戦順番→天の国講座 料理教室 騎乗訓練その後 親子鍛錬(五虎将編) 北郷親衛隊の結婚生活  超英雄大戦 紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 「男装喫茶」へようこそ 「女装喫茶」へようこそ

眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 

 

 

 

子供達一覧

1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)

2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)

3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)

4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)

5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)

6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)

7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)

8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)

9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)

10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)

11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)

12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)

13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)

14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)

15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)

16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)

17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)

18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)

19)七乃の長女 張路(ちょうろ) 八倻(やや)

20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)

21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)

22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)

23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)

24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)

25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)

26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)

27)美以の長女 孟節(もうせつ) 花鬘(かまん)

28)トラの長女 ベンガル

29)ミケの長女 マンクス

30)シャムの長女 ペルシャ

31)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)

32)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん)龍里(るり)

33)雛里の長女 龐宏(ほうこう)藍里(あいり)

34)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん) 

35)焔耶の長女 魏覚(ぎがく) 焔香(えんか)

36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)

37)星の長女 趙統(ちょうとう) 螢(けい)

38)大喬の長女 喬櫂(きょうかい) 愛(あい)

39)小喬の長女 喬順(きょうじゅん) 華(か)

40)亞莎の長女 呂琮(りょそう) 茜(ちぇん)

41)明命の長女 周邵(しゅうしょう) 藍華(らんふぁ)

42)華雄の長女 華剛(かごう) 树莓(しゅうめい)

43)桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)

44)霞の長女 張虎(ちょうこ) 雰(ふぇん)

45)沙和の長女 于圭(うけい) 紗那(さな)

46)斗詩の長女 顔教(がんきょう) 升謌(しょうか)

47)真桜の長女 李禎(りてい) 真梫(ましん)

48)桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)

49)猪々子の長女 文獬(ぶんかい) 虎々(ふーふー)

50)稟の長女  郭奕(かくえき) 貞(てい)

51)穏の長女  陸延(りくえん) 毬(ちう)

52)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)

53)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)

54)桂花の五女 荀粲(じゅんさん) 黄梅(おうめい)

55)小蓮の長女 孫仁(そんじん) 蕾蓮(らいれん)

56)音々音の長女 陳守(ちんじゅ) 音音(ねおん)

57)季衣の長女 許儀(きょぎ) 華衣(かい)

58)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)

59)桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)

60)音々の次女 陳修(ちんしゅう) 音肆(おとよ)

61)華琳の長男 北郷聖刀(まさと) 輝琳(きりん)

62)桂花の七女 荀倹(じゅんけん) 柊(しゅう)

63)璃々の長女 黄慮(こうりょ) 牡丹(ぼたん)

64)思春の次女 甘瓌(かんかい) 燃秋(ぜんしゅう)

65)紫苑の四女 黄薛(こうせつ) 紅葉(もみじ)

66)管輅の長女 管辰(かんしん) 辯天(べんてん)

67)鈴々の次女 張紹(ちょうしょう) 龍々(ろんろん)

68)星の次女  趙広(ちょうこう) 迦具夜(かぐや)

A)桂花の八女 荀靖(じゅんせい) 茉莉花(まりふぁ)

B)桂花の九女 荀燾(じゅんとう) 寿丹(じゅたん)

C)桂花の十女 荀爽(じゅんそう) 秦翹(しんぎょう)

D)桂花の十一女 荀粛(じゅんしゅく) 金鐘(きんしょう)

E)桂花の十二女 荀旉(じゅんふ) 橄欖(かんらん)

 

華佗 真名:駕医(がい) 息子⇒華旉(かふ) 真名:祉狼(しろう)

インテリ⇒寇封(劉封) 嫁⇒孟達 真名:太白(たいはく)息子⇒孟興 真名:昴(こう) 

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(メンフォン)娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ) 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)

 

引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。

1・メインヒロインとなるキャラをご応募下さい。

2・『北郷二刃奮闘記』で二刃と絡むキャラを募集しています。

 例:「二刃視点で貧乳党」  という感じでお願いします。

3・『聖刀くんの日常』で聖刀と絡むキャラを募集しています。

 例:「聖刀視点で三羽烏」  という感じでお願いします。

4・おまけ参でのメインとなる子供達を募集しています。

 シチュエーションのリクエストも大歓迎です。

以上の四点にリクエストの集計(TINAMI、Pixiv双方の合計)を振り分けますので、

よろしくお願いいたします。

今まで通り、リクエストに制限は決めてありません。

何回でも、一度に何人でもご応募いただいて大丈夫です。

 

ここで絵師の皆様へ

この小説『三人の天の御遣い』の挿絵に皆様のイラストを是非お願い致します!

新たに描かれた作品、過去に描かれた作品を問いません。

TINAMI上で挿絵として使用しても良いという方はショートメールにてご連絡下さい。

また、こちらから使用許諾のお願いをさせて頂く事も有ると思いますので、その時はよろしくお願い致します。

お願いしたいイラストは恋姫達は勿論ですが

成長したちびっ子組やオリキャラ達

立ち絵、シーンイラストを問いません。

重ねてお願い致しますm(_ _)m

 

 

ご意見、ご感想、ご指摘などもご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。

誤字脱字は雷起の反省を促す為、修正後も抜粋して晒しますw

 

今回のマヌケ晒し

 

「今孔明が嫌なら、今士元とか今文若でも……」

「今公謹と今【白元】は名乗れないわねぇ………」

 

「だからどういう意味なんですかっ!!」

 

 

 

 


 
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