No.668644

【獣機特警K-9ⅡG】ドラッグ・ゲーム(解決編)【交流】

古淵工機さん

2014-03-06 23:13:34 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:575   閲覧ユーザー数:543

さて、科学者の失踪事件から数日後、ラミナ警察署・K-9ルームに捜査課のジース・ミンスターが入ってきた。

「皆さん、朗報です。失踪した二人の行方がわかりました」

「本当ですか?それで、二人はどこに…」

思わず立ち上がる久遠・ココノエに、ミンスターはさらに続ける。

「周囲の目撃情報などから推測したのですが、場所はオーチャード市の郊外にある小屋です」

 

その情報を分析したイシスがつぶやく。

「…使われていない小屋のようですね」

「ええ、もともとは災害備蓄倉庫として使われていたようですが防災センターに移転していますからね。今は空き家も同然です」

「じゃあ、ロバート氏とグレン氏はそこに?」

「その筋もあるのではと思い小型のカブトムシロボットを潜入させてみたのですが、その映像がコレです」

ミンスターはモニターパネルを操作し、カブトムシロボの集めてきた映像データを映し出す。

 

「…あいつは!スレイ・ブラッド!!」

ミライが声を上げる。

「一連の犯行はブラッドファミリーの仕業たったってワケか!あの二人がやったと思わせてボロ儲けしようって腹だったんだな!」

と、怒りをあらわにするジョナサン・ボーイング。

「よし!証拠は揃った。K-9隊出動する!」

「でも隊長!学生の皆さんは…!?」

「学生の本分は学業ってね。毎日毎日呼び出したらそれこそ彼らの進路が危ない。正規職員である我々4人で行こう」

「「「ラジャー!!」」」

クオンの合図に、イシスが、ジョニーが、ミライが同調する。

…ここは自然保護区から少し離れた小屋の中。

例の犯行グループが今日もイナズマソウを採取して戻ってきた。

 

「ハッハッハ!上出来じゃねえか。こんだけ取れればハイパーリーブスは大量にできるってモンだぜ」

「へぇボス、それにしてもこんなにうまくいくとは思いませんでしたね」

「そうだな…」

と、スレイは縛り上げられているロバートとグレンに視線を向ける。

ロバートはすぐさまスレイに向かって声をかける。

 

「…な、なぁ…もういいだろ?これでアンタがたの必要としてる分は取れたはずだ。縄を解いてくれ」

「んー、そーだなぁ…」

スレイは帽子を取り、指先でしばらくもてあそんだあとふたたび頭に載せてから答えた。

 

「よし。約束どおり縄は解いてやんよ」

「あ、あぁ…」

そういってスレイがロバートたちに近づいていく。

やっと解放されるのかと安堵の笑みを浮かべるロバートとグレン。だが…。

その刹那。

「…!!」

ロバートとグレンは腹から大量の血を流し息絶えた。

スレイの手のひらから出されたレーザーブレードが、縄と一緒に彼らの腹を切り裂いていたのである。

 

「どうだ、『縄は』解いてやったぜ。ってもう聞こえてねえかな?ん?」

と、二人の亡骸に話しかけていたスレイの背後のドアが破られた!!

 

「そこまでだ!おとなしくしろ!!」

クオンの怒号が小屋の中に響き渡る。

「…ちっ、またテメエらかよ…野郎ども!この裏取引を見られたからにはこいつらも生かして返すんじゃねえぞっ!!」

スレイの指示で、ギャングスターたちが次々にK-9隊に襲いかかる!!

 

「どこを見てるの!?ほらほら!!」

イシスが、警杖を持ち出し華麗な動きで相手を翻弄していく。

「このアマ!調子に乗りやがって!!」

遠くにいた一団が、銃を構えイシスに狙いをつける。だが…。

 

「ぎゃっ!」

「ぐわぁっ!!」

近くに構えていたジョニーの早撃ちだ!

銃のグリップ付近を正確に撃たれ、驚いたギャングスターたちは銃を取り落としてしまう。

 

「くそっ!なにモタモタやってやがる!?」

スレイの後ろに隠れていたモンドが、痺れを切らしてジョニーに飛び掛る!!

「おっと!てめえのほうこそ後ろに気をつけな!」

ジョニーのその言葉とともに、モンドを後ろから羽交い絞めにした影。ミライだ!!

 

「くっそ!離せってんだよっ!!」

「言われなくても今すぐ離してやるよ…おりゃーっ!!」

ミライは勢いよく身体をのけぞらせ、地面に激突するすれすれのところでモンドを離す!

「がぴぃ…ぁ…!?ち、ちくしょ…ガガ…ちくしょうっ…!」

勢いよく頭から地面に突っ込むモンド。その首筋からは青白い火花が飛ぶ。

あまりに強力な一撃にモンドは倒れこみ、のた打ち回って転げまわる。

 

その傍らではクオンとスレイが対峙する。

「さぁ、いい加減観念したらどうだ!」

「おっと、残念だが俺らを倒したところでハイパーリーブスは止められねえぜ?」

「なに!?」

「もうすでにばら撒き役が街に出てるはずだ。どう転んだってオレらの勝ち…」

と、スレイが勝利宣言をしようとしたときだった。

「ん?バラ撒き役がどうしたって?」

「こいつらならあたしたちがとっくに抑えちゃったよ」

「あっけなさすぎるぜ、まったく」

と、気絶しているギャングスターを抱えて幻獣部隊の淵野辺 霧香とルネ・シャルダン、

そしてルネの使い魔であるヒッポグリフのぐり之進が現れた。

「てっ、てめえらいつの間に…」

「この事件を受けて動いてたのは我々K-9隊だけじゃなかったってことだよ。さぁ、今度の今度こそお縄をちょうだいしろ!!」

クオンがスレイに詰め寄ったそのときだった。

 

「…ちっ、今日のところはこんぐらいにしといてやらあ!モンド!引き上げるぞ!!」

スレイはモンドを背中におぶると、背広の懐から怪しげな装置を取り出し、ボタンを押した。

「スレイ!何を!!」

「はっはっは!みんなで仲良く丸焼きにでもなってな!!」

「待ちやがれ、くそぉ!!」

「追うなジョニー!今は脱出だ!!」

K-9隊と幻獣部隊が脱出した次の瞬間、仕掛けられていた爆弾が爆発。小屋は炎に包まれたのだった。

「…そんな、ロバートさん、グレンさん…」

イシスは二人の亡骸を前に大粒の涙を流していた。

「…ひでえことしやがるぜ、ブラッドファミリーの野郎どもは…」

「ああ、もしここで止めてなかったら、ロバートさんたちのほかにももっともっと多くの人が…」

と、ジョニーとキリカが同調する。

「…とにかく、末端の奴らも確保したし、ハイパーリーブスの被害もしばらくはなくなるだろう…各員帰投、エルザ署長に報告だ」

「了解!」

 

かくして、凶悪な事件は終わりを告げた。だが、払った犠牲はあまりに尊く重いものであった…。

その悔しさと、ブラッドファミリーへの怒りを胸に秘めたK-9隊と幻獣部隊…。

いつしか彼らの背中を、真っ赤な夕陽が照らし出していたのだった。


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