No.665458

義輝記 雷雨の章 その拾弐

いたさん

義輝記の続編です。 虎牢関の戦闘続編と天水の戦い後編を投稿します。 よろしければ読んで下さい。

2014-02-23 11:54:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1952   閲覧ユーザー数:1697

【 虎牢関 対陣 の件 】

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

現状況

 

汜水関の将、兵共に無傷で虎牢関に撤退。

 

島津義久の『特製すまし汁』を食した兵士数十人が寝込む。

………現在回復に向かう。 

 

《 虎牢関 》

〈《伏竜の軍勢》〉 島津義久、義弘、歳久、家久、武田信玄、信廉、山縣昌景、上杉謙信、天城颯馬、足利義輝、織田信長、明智光秀、本多忠勝、百地三太夫 

 

〈《董卓軍》〉呂奉先、陳公台、張文遠、華雄

 

〈《洛陽軍》〉郭奉孝 

 

計…約二万五千人

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

《 反董卓連合軍 》

 

こちらも兵は無傷に近い。 

 

ただ、家久の『疑心暗鬼の計』や颯馬の『借矢の計』により心に傷を受ける者多し。 何人か罪を告白し、捕縛される。

 

島津義久の『特製すまし汁』を喰らったエン州刺史『劉岱』が負傷。

 

 

前衛……豫州刺史『孔ユウ』、済北の相『鮑信』、河内太守『王匡』

中衛……『袁本初』、『曹孟徳』、『孫伯符』

後衛…『袁公路』、エン州刺史『劉岱』、その他

 

計……約十三万六千人

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

〖虎牢関 反董卓連合軍陣営にて〗

 

虎牢関より十里(約4,3㌔)にて、態勢を立て直し、虎牢関を望む。

 

戦の前に戦場視察し状況判断。 

 

虎牢関……『昔、誰かが虎を牢に入れて飼ってたよー だから関の名前は《虎牢関》なんだ!』と読んだ記憶があるが………何あれ? 

 

 

〖 馬防柵? 〗

 

虎牢関の門前に見える……竹を束ねて組み立てた柵が、道いっぱいに広がる。 所々に間が開いてるのは、通行のためか?

 

策の二列目から、董卓軍の兵達が三列に並び、弩と弓をこちらに向けて攻撃準備を整えている。

 

……………………もしかして、これが『馬防柵』!?

 

 

〖 道両端の巨石群 〗

 

さっきまで、道が綺麗に清掃してあったのに……虎牢関に近付くにつれ、道の両端に大岩(成人男性3人、横に立ち並んでも隠れる大きさ以上)がゴロゴロと落ちている。

 

この巨石群は、かなり長く続いており、俺の感覚で約1㌔程あるのではないか?……そう思う程、続いている。 

 

しかも、これは…自然に落ちてきた訳じゃない! 

 

切り立った道の両端の崖が、この付近に入ると、あまりにも無惨な凸凹にされているし、割れ後も新しい! 

 

……でも、この時代に爆薬も無いし、建設機械なんか…勿論有るはずも無いのに、なんでこんな具合に!?

 

不気味な偉容を誇る虎牢関見入る俺に、華琳が問いかける。

 

華琳「虎牢関に棚引く『アノ』牙門旗だけど、誰なのか答えなさい!!」

 

華琳さん………未知なる英雄に会える喜びは分かりますが、俺に覇気をぶつけないで! 教えるから、教えるから!!

 

一刀「織田木瓜紋、桔梗紋、立葵。 『第六天魔王』織田信長、『文武両道の名将』明智光秀、『花実兼備の勇士』本多忠勝だよ!」

 

華琳「ふ───ん、覇王を超えるの? その『魔王』って禍々しい称号は!? 答えなさい、一刀!!」

 

そ、そこに食いつくの? 

 

覇王は……項籍(項羽)が最初に覇王を名乗ったと言うから人の位で、魔王は…神だからな。正解には仏だったかな? 

 

でも、信長の『第六天魔王』は自称だし……。 

 

華琳と同じ感じなのか?…と思い、説明したらイイ笑顔で笑っていた。 ……………………会ったら絶対一波乱あるぞ。

 

それと、一つお願いがある。 今回の虎牢関戦で先陣は必ず避けて欲しい! あの柵が…俺の考えている物と一緒ならば…非常に危ない。

 

華琳は…不信感を表していたが『今回だけよ!』と承知してくれた!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

そろそろ、時間も経ってるから戻ろうと提案すると、軍師達…桂花、朱里、雛里が……残念そうな顔をして、こちらを見る。

 

多分、虎牢関の馬防柵や巨石群の様子が、気に掛かるのだろう。

 

不用意に入り込めば、損害は間違い無し。 だから、その被害をなるべく抑えるためにも、その策の全貌を見破らなくてはならない!

 

気持ちはよく分かるよ………。

 

だけど………俺達だけの軍じゃないんだ。 他の諸侯達との混成軍だから規律を守らなければ、軍の瓦解が始まるんだ。

 

盟主たる俺が遵守の姿勢を見せなくては……………。

 

そう説得してから華琳に提案して、引き上げを開始した。

 

◆◇◆

 

【 華琳様の懸念 の件 】

 

〖虎牢関 曹孟徳陣営内にて〗

 

私は、考えていた。 虎牢関の攻略方法を……………。

 

基本は数による正攻法。 

 

しかし、私は『囲魏救趙の計』(一刀曰わく『啄木鳥の計』)を使うため、別働隊を天水に派遣し攻略を命じた。 

 

送った間者からの報告は、まだ来ていない……が、今頃攻撃が開始された事だろう。

 

虎牢関が、天水陥落で動揺して、その時に応じて抜ければ良し。

 

もし、防御を固めれば、別働隊が洛陽と虎牢関に進撃を行い、洛陽を包囲して封じ、虎牢関を挟み撃ちで撃破する。

 

桂花や朱里、雛里にも後で意見を聞くと、戦術において間違い無しと太鼓判を押された。 ……ただ、一つの懸念さえ除けば。

 

『別働隊の諸侯達が、どこまで統制が取れる行動が出来るか?』

 

『山陽太守 袁伯業』は、麗羽と違い勤勉な真面目な男。 その分、周りの者達と打ち解ける事が難しい青年と私と軍師達には見えた。 

 

惜しいわね……後、数年後には胆が練れて、一角の人物に成れるはずだと予感がするんだけど…………

 

麗羽の意向で、まだ名声も風評さえも無い家柄のみで決定した、別働隊の総大将役を引き受ける羽目になったのは、不運としか言いようがない。 

 

勝利を得られる以上の兵数が居るのだから、問題は無いと思うけど…

 

もし、失敗したら…………力責めしか無い……か。

 

その時は……残念だけど……私の『知』では『人智を超えた謀将』の謀には勝てないと、素直に認めてなければならないようね………

 

◆◇◆

 

【 麗羽、対抗策を講じて攻める の件 】

 

〖虎牢関 三里(約1.3㌔)前にて〗

 

私の下に届いた情報に拠れば…『虎牢関に十三段の柵が張り巡らせられ、内側の柵には『弩』を持つ部隊。 城壁の上に弓と銅鏡?を持った部隊が居るようですわね?

 

……汜水関で藁人形に矢を射ったため、あの弓部隊達を黙らせるだけの矢が、圧倒的に足りませんが…仕方ない事ですわ。 将として袁家として、矜持に関わる事ですもの!! 後悔など有りませんことよ!!

 

勿論、対策も無しに突っ込めば……………いい的になりますわね。  

ですが、私も負けてはいませんわ! 斗詩さん! 猪々子さん! 直ぐ準備してきた『物』を用意なさい! 袁家の力を舐めていただいては困りますわ!! おーっほっほっほっほっ!!!

 

    『袁本初は、前方の将兵達に『楯』を渡した』

 

 

***          ***

 

余談であるが…………

 

材質は木だが、前面に『動物の革』を張り付けてある。 大多数は馬革であるが、中には猪や鹿等もある。

 

大陸北方は、馬の育英が盛んである。 中には運悪く死ぬ馬も…。

 

袁家では、その死体を加工して防具を強化し、戦力増強をしていた歴史がある。 そのため、対弓の防具強化も当然出来ている。

 

ちなみに、革は一度茹でて干して加工した物。 ただ張り付けても強度不足のため、革をこのように強化しなければ、実用には使えない。

 

これを使用すれば、矢からの攻撃は多少防げる。 楯は全員分は無いため、敵の『馬防柵』を破壊して出来た『竹束』を利用して防具に変えれば一石二鳥。 

 

***          ***

 

 

麗羽「皆さん! コケ脅しに屈してはいけません! 木の本格的な柵ならまだしも、竹束を纏めただけの柵など強度不足!! 遠慮は入りません! 突撃を!!」

 

前衛『うおおおぅぅぅ────────!!』

 

袁本初の命令を受け、突撃を行う前衛の兵士達!

 

馬で突撃すれば簡単に倒れそうだが、他の諸侯達の歩兵達が入り乱れて、突撃する事が出来ず立ち往生のまま。

 

それに『馬防柵一段目』だけあって、特に厚く頑丈に敵の侵入を阻む防護柵となっているために、崩すのは容易ではない。 

 

そのため、そこに居ると…『馬防柵二段目』から潜む兵士達が『弩』を放ってくる!

 

シュン! シュー!  カッ! カカッ! グササッ!!

 

兵士「おぉ! 防いでくれるぜ!」 「むっ!」「グゥ-!!」

 

袁本初の楯は大幅有効だったが…………中には運悪く、楯を貫き通して体に刺さる者もいた。 強度不足もあるし、敵兵の技術の差もある。 こればかりは、運次第の事だ。

 

中には迂回を試みる者もいたが、両端を巨石群で阻まれ、後ろに下がろうとする者は、友軍に押し出され前進を強制される!! 

 

何回も突撃を繰り返し、『馬防柵』に防御疲労を積もらせる前衛諸氏の兵士達。 ……『普通』の相手であれば非常に有効な策であり、短期間で虎牢関を落とす事も……不可能ではなかった。

 

 

『天の御遣い達』でなければ……………………

 

 

◇◆◇

 

【颯馬の策謀 の件 】

 

〖馬防柵内側にて〗

 

信長「矢を射った者は後ろに下がれ! 矢を掛けた者は前に出よ!」

 

信長は、いつもの南蛮渡来の上掛けを靡かせ、兵のすぐ傍で指示を出す! 陣頭指揮こそ、士気を高め勝利をもたらす物だと信じて!

 

柵の内側では三人一組で右回り(時計回りで)入れ替わり立ち替わり《矢を射る→右側に避けて矢を掛ける→後ろに回り射る準備》と繰り返し、矢を掛ける隙を無くしていく。

 

そのため、前の『弩』が放った瞬間に引き倒そうと突入しても…次の矢が早くも敵兵に向け放たれて…命中する!

 

★★☆

 

光秀「こちらも行きます! 放て!!」

 

虎牢関の上より明智光秀が、弓部隊に命じて矢を放つ!!

 

此処はまでは、どの軍も同じ……だが、普通と違うのが颯馬の策。

 

光秀「天鏡隊! 反射を!!」  ピカッ!!! 

 

兵1「う! 眩しい…うわっ!!?」

 

兵2「目くらませか……グフッ!」

 

『銅鏡』に『日の光』を反射させて、目潰し! 

 

単純だが『道具』と『日の光』があれば、回数無制限! 材料費も準備もいらない、後片付けも無いと良いこと尽くめ。

 

…………敵にしてみれば、堪ったものではないのだけど…………

 

★★☆

 

桂花「北郷………すこ~~し聞きたいだけど……。 アンタ……あの策知っていた………の(怒)!!」

 

一刀「知識としては知っていたかな…………って」

 

桂花「なんで! そんな凄い策を教えないのよ!!」

 

朱里「一刀さん! 狡いです!!」

 

雛里「うぅぅぅ~~~~!!」

 

学校の授業で『長篠の戦い』を習っただけだから、詳しい事は知らないんだよ! 学校の先生は、『歴史』という学問を教える事が専門で、『軍事教練』を教える訳じゃないんだよ!!

 

華琳「その広く浅い『学校』とやらの『知識』で、先陣を譲れと言ったわけね。 今の反董卓連合軍に、矢は殆ど無い状態……。 天城の策にまんまとしてやられたわ………」

 

桃香「………………………………………」

 

愛紗「………………………………………」

 

鈴々「……………ニャハ」

 

華琳「何を言いたいのか分かるけど………今は、それ所では無いわ。

この事態を何とかしなければ…………」

 

★★★

 

雪蓮「迂闊には攻めれないわね…!」

 

冥琳「何を人事のように言っているのだ? 雪蓮! このままでは、今度は私達が向かわさせられる事になるのだぞ!?」

 

祭「全くだ! あの時の藁人形が………まさか、あの様な謀があるとはなぁ! あの世で堅殿に申し開きもできぬわい………!」

 

蓮華「ちょっと、祭! 冗談でも止めなさい!! これ以上『家族』を失うのは……嫌なのよ」

 

祭「権殿……お気持ちは嬉しいが、人は必ず死ぬもの。 それなら美しき退き際を目指したいと、儂は思っておりましての!」

 

雪蓮「はいはい! そんな暗い話は無し! 今は虎牢関を抜く手立てを考えましょう!? 冥琳、なんか考えは無い?」

 

冥琳「我々が今出来る選択は無し。 曹孟徳提案の別働隊の動きと袁本初の考えた対策、どちらかの策による効果次第で、我々が動く事になるのだろう…………」

 

◆◇◆

 

【 天水側の策と于吉の暗躍 の件 】

 

〖天水攻略別働隊 駐屯地にて〗

 

袁遺は、配下の諸侯を呼び寄せ意見を聞くが…………

 

『副将の将旗を持っているのだ! 何を悩む必要がある若造がぁ!』

 

『アハハハハ~! もし、あの将達を止めたり傷つけましたら、責任は貴方が取って下さいねぇ? 袁遺殿!?』

 

こんな意見が大多数。 

 

………っと言うか、酔っていて呂律が回らないような将もいる始末。

 

袁遺「………良いでしょう。 会いますので、その者達を此方に通すように。 それと、諸侯達には…私達の会見を同席して、御覧下さい。 後日、詰問を受けた場合の立会人をお願いします!!」

 

袁遺は、語気を強めて謁見参加を諸侯に強制した。

 

★☆☆

 

道雪「身体が不自由なため、このような体勢で申し訳ありません!」

 

優雅な動作で、挨拶をする天水守将『立花道雪』、配下の

『高橋紹運』『立花宗茂』の三人。

 

中央に立つ袁遺、左右に並ぶ諸侯達。 袁遺の顔は無表情にその様子を頷き、諸侯達は酔眼朦朧の表情で、三人を見つめている。

 

袁遺の下に入っている情報は、『三人の将が城の門より出て、袁本初の将旗を持って、こちらに向かっている』との事。

 

門から他に将兵は、出て来なかったが、城の城壁は篝火が焚き付けられ、更に兵が出撃する気配があるというが………………

 

袁遺「………では、何故…袁本初様の将旗を御持参されたのか、私達に説明を承りたい!!」

 

袁遺より問われると、道雪は胸元より刀袋に入った『短刀』を取り出し……両手に捧げて、前に差し出した。

 

道雪「この『短刀』を袁本初様にお渡ししたく………」

 

諸侯の一人が、道雪や配下二人の姿を舌なめずりしながら、横から出て来て手を伸ばす!

 

袁遺「失礼ですぞ……………!!!」

 

  ───『斬』────!   ブシュッ!!

 

手を伸ばした瞬間………宗茂が隠し持っていた短刀を取り出し、その腕を切断した!!

 

諸侯1 「な、何をする!! き、気でも違ったか!?」

 

宗茂「義母上、義姉上、今です!!」

 

 ザッシュッ!! 「ギャァァァァ─────!!」

 

諸侯の問い掛けに声では応えず、刃で応えて斬り伏せる!

 

紹運も道雪の『黒戸次』に分解して隠していた槍を接続して、その槍を使い他の諸侯を突き倒す!!

 

道雪「お命、貰い受けます!!」

 

道雪は、手に持っていた短刀『雷切り』を持ちいて、逆袈裟切りを仕掛けるが……………

 

袁遺「むん!」

 

腰の剣を抜いて、身体の前に逆手に持ち、防御して対抗する! 

 

中に居た警護兵は何も出来ず、外に飛び出し援軍を呼びに行く!!

 

三人と対峙する袁遺は、剣を構えたまま問い掛ける!

 

袁遺「貴女達は………三人だけで、この場から逃れることがお思いですか? すぐにでも援軍が周りを囲み逃走経路を絶たせてもらいますよ!」

 

すると、三人は顔を合わせるとクスクスと笑い出す。

 

袁遺「何が可笑しいのです! 私達の軍は五万! 貴女達は三人! 城の兵を使ったとしても約三千! どう足掻いても勝ち目など!?」

 

???『この軍に居る屈強なる兵士達よ!! この可憐なる謎の巫女『卑弥呼華蝶』を『お姫様抱っこ』で受け止めてみよぉぉ─!!!』

 

  ズズドドオオオオォォォォォォォォォ──────────!!!

 

道雪「卑弥呼からの合図ですよ!」

 

袁遺「なに!? 何が遭ったのだぁ…………!?!!」グフゥ!

 

紹運「……お主の殺害で、この役割は終わりだ。 義姉上! 宗茂! 我々も外に出て加勢を!!! 」

 

宗茂「はい!」ワクワク

 

  タッタッタッタッ!!!

 

袁遺「……グゥ……別働隊は…し、失敗…に、終わる…かぁ」ガクッ

 

     スゥ─────   !

 

外史の管理者の一人『于吉』が、音もなく現れる。

 

于吉「…悔恨に彩られた良き『死体』ですね。 私の策に使う『駒』になってもらうため、回収させていただきますよ」フフフ

 

     カッ!   ────スゥ!

 

于吉が印を組むと、袁遺の遺体と于吉自身の周りが光輝き、そのまま消え失せる。 …そこには、袁本初の将旗と諸候達の遺体が残った。

 

★★☆

 

??「いくぞぉ! その名も高き信濃の勇将『義清華蝶』じゃ!!」

 

??「某の名は『鹿介華蝶』! 三日月よ! 天水を守るため、我に七難八苦を与えたまえ!!!」

         

五万人が野営する天水攻略の別働隊に、天水守備隊が突撃を起こす!

 

勿論、ただ突撃しただけでは無い。 策に基づいて…………

 

*************************

 

風「それでは、手が開いています風が説明させていただきます~!」

 

まず、軍議中に卑弥呼さんと華陀さんが持ってきてくれた袋の中は、『大量の華蝶仮面の仮面』があったのですー。

 

それでー、颯馬さんの渡してくれた袋の中には、将旗が…!

 

二人とも、いつ手に入れたのですかねぇー 謎ですねー(棒読み)

 

それらを含め、風が考えた策はー

 

 

《壱》…守将の三人に袁本初の将旗を掲げ、敵中枢まで入り込み、主な将を討ち取る! 最低でも守将を討ち取る事。

 

《弐》…卑弥呼さんに敵陣営中央へ突撃してもらう。

 

《参》…三面を『華蝶仮面の姿』をした将兵で攻め込む。

 

の三本ですー!!

 

 

将兵は、正面の城門から出ないで、裏側からの城門から出てもらいましたー。 周りの林に潜みながら、敵陣営左右に向かいますー。

 

後、風は敵陣営の目を城に釘付けにするため、城壁に篝火を焚き付け

明るくしましたよー。

 

城壁より敵陣営を望むと…………阿鼻叫喚、地獄絵図には程遠い賑やかな声が~~~!?

 

天水兵「俺は『華蝶仮面三〇四号』だ!」

 

天水兵「儂は『華蝶仮面四〇〇号』じゃい!」

 

天水兵「俺様は『華蝶仮面三百三号』だ! 俺様の前に恐れ跪くがいい!!」

 

敵兵「ギャァァァァ!」 「変態共、来るなー!」

 

う~~ん、策は成功のようですねぇー あぁ、安心したら眠気が…

 

ウトウト……… ウトウト………

 

*************************

 

後に………衝撃と大音響だったため、卑弥呼に突撃の方法を聞いたところ、跳躍して上空より敵陣営真ん中に『落ちた』と言われ、唖然となった。

 

それと、暗闇の同士討ちを避けるため、天水兵は上半身裸で突撃して行った。 無論、将はそのままの衣装を着用したが………。

 

 

★★★

 

天水城城門側より、新たなる『華蝶仮面』が現れた!!

 

    バ─────────ン!

 

??「天水に住まう無辜の民達を襲う不届き者共! 董仲穎様に成り代わりお仕置き致します!!」

 

??「わ、私の愛と正義の……や、槍を受けよ………」

 

??「私達は、天水を守る『大友華蝶戦隊 参鬼蝶だ!!』」

 

敵兵「新たな変態達が現れたぞぉぉ!!」

 

敵兵「に、逃げないとぉ! 逃げないとぉぉぉぉ!!!」

 

敵兵「もぉう、襲われるのはぁ! ごめんだぁぁぁ!!」

 

三鬼蝶「……………………………………」

 

…………その後、別働隊は纏める者が不在のため統率が取れず、多数討ちとられながら、それぞれの故国に帰っていった。

 

天水守備隊……二千五百人

 

負傷者……軽傷のみ、死亡者無し。 

 

反董卓連合別働隊

 

総大将…袁遺及び各諸候死亡

 

死傷者……約五千人 捕虜…二百人 負傷者…生き残りの兵全員(トラウマ含む)

 

後日談

 

華蝶仮面「天水の地に多くの仲間達が!? くぅ! 私も其方に行き華蝶と生きるべきか? だが、忠誠を誓った主達仲間を残して行くのも……!!!」

 

華蝶仮面二号「星華蝶…悩みは分かるわ。 だけど、貴女は陳留の平和を守る使命を捨てるつもりなの? それに、天水の平和を死守した華蝶達が、使命を捨てた貴女を迎える訳がないでしょう?」

 

華蝶仮面「…………そうか、そうだな。 すまん、二号」

 

 

◆◇◆

 

【 于吉の謀 の件 】

 

〖劉岱軍陣営〗

 

劉岱「ウグゥ! グワァァ───────!!」

 

寝台の中で、劉岱は苦悶の表情を浮かべて…呻き声を発す!!

 

劉岱「何故! 何故!? 儂がこのような目に!!! 儂は皇帝陛下の同族! 皇帝にさえ成れる男なのだぞ!? それが………このようなザマとは………………」

 

??「………全くです。 貴方は、こんな地位に甘んじる御方ではありません」

 

劉岱「だ、誰だぁ!?」

 

于吉「……導師『于吉』と申します。 お初にお目にかかります、劉岱様」ペコ

 

劉岱「儂に……グウ! な、何の用だぁ!?」

 

 

于吉「貴方様を、皇帝の玉座へ導くために参上致しました……!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

本当は、このまま連合軍を殲滅するつもりでしたが、たまたま、閃きましてね………。 于吉の謀略を出してみました。

 

袁遺は実在の人物です。 最後は袁術との戦いで敗走後、部下の裏切りに遭い亡くなったそうです。

 

迷走が続く物語ですが、またよろしければ読んで下さい。

 


 
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