No.662122

真・恋姫†無双 裏√ 第五十九話 運命編其三

桐生キラさん

こんにちは
運命編の三つ目は
悠里VS季布
華雄VS龍且となっています

2014-02-10 10:12:15 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1808   閲覧ユーザー数:1574

 

 

 

 

 

 

運命編其三

 

 

 

 

 

 

悠里サイド

 

 

 

 

 

 

悠里「絶好調!」

 

あたしは皆と別れた後、一目散に北の祭壇を目指した。途中の人形兵はほとんど無視だ。

全力で駆け抜け、時折人形の頭を踏みつけたりしながら進んで行った

 

悠里「とぅ!到着!」

 

祭壇に着くと、そこには何とも言えない色気を醸し出している女性がいた

 

悠里「なるほど、あなたが虞美人さんですね!わかります!」

 

季布「違うわよ!あたしをあんなオバサンと一緒にしないでちょうだい!

あたしは季布!項羽様に仕える将の一人よ!」

 

悠里「ちぇー」

 

なんだー、虞美人さんじゃないのかー。

ていうか虞美人さん、オバサンなんだー。なんかがっかり

 

季布「あなた、なかなか舐めた態度ね。でも、あたし好みの可愛らしい女の子だわ」

 

悠里「いやぁ、照れちゃうなぁ。お姉さんもなかなかの美人ですよ」

 

季布「嬉しい事言ってくれるわね。食べちゃいたい…」

 

悠里「え?」

 

うわぁやっべー、華琳さん系の人だ

 

季布「あぁ、あなたが這いつくばってるところを想像するだけで、なんだか濡れてきちゃうわ」

 

しかも痴女だ!

 

悠里「あ、あのぉ、お姉さんは確かに綺麗だし、あたし自身もそっちの気が無い事も無いんですが…」

 

季布「ふふ、恥ずかしがらなくてもいいのよ。すぐに天国を見せてあげるから…」

 

そう言って季布さんは、何か太い小型の棒のようなものを取り出した。

なんというか、形が卑猥な気が…

 

悠里「あのぉ、それをどうするおつもりで?」

 

やべ、聞いちゃいけない事を聞いた気が…

 

季布「これをあなたのあそこに突き刺すのよ。安心なさい。

あなた処女でしょ?初めてなら優しく、ちゃんと濡らしてからするわ」

 

悠里「あ、あたしの貞操の危機ー!?」

 

このお姉さんガチだ!これは、大陸云々の危機の前に、あたしの身が危ない!

あたしの初めては、咲夜姉さんか東さんにしかあげないんだから!

 

悠里「残念ですが、お断りします!」

 

あたしは鉄棍を構え答える。すると季布さんはどういう訳か、恍惚とした表情になった

 

季布「ふふふ、いいわぁあなた!その強気な姿勢!キッとした眼差し!

濡れちゃうわぁ。もうグジュグジュよ。触ってみる?」

 

ダメだこの人…

 

季布「でもあたし、いたぶられる趣味はないの。その代わり、いたぶるのは大好き!」

 

季布さんはあたしと同じ鉄棍を取り出した。

季布さんはそれを胸に挟み、脚で絡ませ、あたしを誘うように手招きした

 

季布「かかってらっしゃい。見せてあげるわ、あたしの棒術…」

 

悠里「え、えぇーい!先手必勝!」

 

あたしは若干気後れするものの、全速力で駆け抜け、季布さんに接近する。

すると季布さんは驚愕の表情を見せた。

あたしはそれを確認して、一瞬で季布さんの後ろを取り、鉄棍を振り抜く…

 

 

ブォン! ガキィン!

 

 

悠里「な!?」

 

季布「あなたやるわねぇ。お姉さん、びっくりしちゃった」

 

季布さんはあたしの攻撃を受け止め、そして押し退けた

 

悠里「まさか…あたしの速さについてくるなんて…」

 

この人、ただの痴女じゃないんだね。

て言うか、前回といい今回といい、最近よく受け止められるなぁ

 

季布「あなたは強いわ。でもね…」

 

悠里「!?」

 

季布さんは一瞬で移動し、あたしの背後をとった。なんて速さ!

 

季布「あたしも速さには自信があるのよ」

 

 

ブォン! ガキィン!

 

 

悠里「あ、危ねー!」

 

あたしは何とか季布さんの攻撃に反応し、防御することができた。

この人強い。ただ速いだけじゃなくて、あたしの攻撃には無い重さもある。

この人は、あたしより強い…

 

悠里「でも、負けるわけにはいかない!」

 

世界の為にも、なにより家族の為にも

 

季布「ふふ、あなた本当に良い子ね。強い信念を感じるわ」

 

悠里「当たり前です!季布さんを倒して、ここの祭壇を壊して、それでみんなでまた笑うんです!」

 

季布「…羨ましいわ。それにとても眩しい。あなたの様な子は好きよ。

張譲なんていう男より、あなたを応援したいくらい」

 

悠里「なら!」

 

季布「でも、あたし達は張譲に恩がある。再びこの世界に戻され、皆と再会する事ができた。

項羽様に、また仕える事ができた。その恩は、しっかり返しておきたいの」

 

季布さんは武器を構え、あたしを見つめる。

そこには、先ほどまでのような変態的な雰囲気はなく、一人の武人としての姿があった

 

季布「あたしは季布。この命、今度こそ項羽様の為に。あなたの名は?」

 

悠里「あたしは張郃!お食事処『晋』の接客担当!

あたしはあたしの家族の為、あなたを倒します!」

 

季布「ふふ、では張郃!見事あたしを倒し、越えて行きなさい!」

 

あたしは再び武器を構えなおす。

すると、あたしの気持ちに反応したかのように、武器が輝きだした

 

 

 

 

 

悠里「行きます!ハァァァー!」

 

私と季布さんは高速で移動し、お互いの武器を振りぬく

 

 

キィンキィン

 

 

瞬きすら許されない程の高速の打ち合い

 

悠里「ヤァァァ!」

 

季布「タァァァ!」

 

 

ガキンガキン!!

 

 

神経が磨り減る。少しでも気を抜けば一気に追い込まれてしまう!

 

季布「甘いわよ張郃!その程度ではあたしを倒すなんてできない!」

 

悠里「クッ…」

 

まずい。あたしは持久戦には向いていない。長く持ち込めば持ち込むほど不利になる

 

季布「ハァァ!」

 

悠里「うっ!」

 

 

ヒュン!

 

 

危なかった。季布さんの攻撃は確実にあたしの頭を狙いに来ていた。

あたしはこれを寸でのところで躱すことができたが…

 

悠里「っ!」

 

先ほどの攻撃の風圧で頬にうっすら傷ができ、血が流れていた

 

悠里「さすがに、強いですね…」

 

季布「あなたもね。私の速度に付いてこれたのはあなたで二人目よ」

 

一人目は恐らく項羽さんだろうな

 

悠里「それは、光栄です」

 

この人に勝つには、この人より速く動くこと

 

悠里「はぁ…はぁ…」

 

それはつまり、自分の限界を超えること

 

悠里「ですが…勝つのはあたしです!」

 

今の自分になら、それができるはずだ

 

悠里「………」

 

あたしは息を整え、静かに力を溜める

 

悠里「想いを力に………フッ!!」

 

 

ヒュン!

 

 

あたしは再び全力で移動した

 

季布「なに!?今までよりも速い!!」

 

風を切りながら、季布さんに間合いを詰める。あたしは鉄棍を強く握り、最速の一撃を放つ

 

 

ガキィン!

 

 

その一撃は受け止めらるものの、あたしはそれにひるまず、

間髪入れず二撃、三撃と打ち込んでいく

 

 

キィン!キィン!キィン!

 

 

季布「っ!!速い!!対処しきれない!」

 

悠里「これでどうだぁぁぁ!!」

 

あたしは全力で攻撃を重ね、季布さんが一瞬ひるんだところで決め手を打ち込む

 

 

ガキィン!!

 

 

その一撃は、季布さんが持っていた鉄棍を上空に吹き飛ばした

 

悠里「はぁ…はぁ…あたしの、勝ちですね!」パシッ

 

あたしは空に上がった季布さんの武器を手に取り、それを季布さんに突き付けた。

すると季布さんは驚いた表情の後、微笑んだ

 

季布「あーあ、ざーんねん。あなたともっと遊びたかったなぁ。でも、あたなの勝ちね」

 

 

 

 

華雄サイド

 

 

 

 

 

 

華雄「ふむ、ここが祭壇で、貴様は何者だ?」

 

私は一目散に東の祭壇を目指した。途中の人形兵はある程度潰してきた。

まぁ、まだまだ数は減らないがな

 

祭壇には、一人の女がいた。そいつは大剣を担ぎ、私をじっと見つめている

 

龍且「我が名は龍且。項羽殿に仕える武人なり」

 

華雄「龍且…か。その武は項羽に匹敵すると聞くが、相違ないか?」

 

龍且「項羽殿が山を抜くのであれば、私は海を割ろう」

 

華雄「ほぅ。その意気、相手にとって不足なし!我が名は華雄!月様を護る守護神なり!」

 

お互い武器を振り上げ、氣を溜め、それを相手に向けて放つ

 

 

ドゴーン!

 

 

巨大な氣の塊はぶつかり合い、相殺され、砂埃を巻き上げた

 

龍且「フッ!」

 

華雄「!!」

 

 

ガキィン!

 

 

その砂埃から、龍且が現れ突撃をしかけてくる。私はこれに驚くも、受け止めることができた

 

 

ガキィンガキィンガキィン!

 

 

打ち合いは数合続いた。防御しては攻撃し、攻撃しては防御し、まさに一進一退だった。

なるほど、確かに強い…

 

華雄「ハァァァー!」

 

私は気合いを込め直し、武器に氣を纏わせ、そのままの状態で斧を振り下ろした

 

 

バキィン

 

 

龍且「っ!?」

 

攻撃は受け止められるも、龍且の顔を歪ませるくらいにはなった

 

華雄「どうした?まだまだ行くぞ!」

 

 

ガキィンガキィンガキィン

 

 

私は龍且に攻撃の隙を作らないかのように猛攻をしかける。

だが、さすがに龍且だ。決定打にはならず、上手く防がれる

 

華雄「さすがに…一筋縄ではいかんか…」

 

龍且「強い…だが、私はもう負けはしない!負けるわけにはいかない!」

 

奴が攻撃を防ぎ、一旦距離をとると、奴からとんでもなく重い氣が発せられる。

その後ろには、氣でできた巨人の姿も確認された。その姿は、まさに阿修羅だった

 

龍且「行くぞ華雄!我が一撃、とくと味わえ!」

 

龍且の攻撃と同時に、氣でできた魔人も攻撃をしてきた

 

 

バァァン!

 

 

華雄「クッ!!」

 

なんて重さだ!なんとか受け切ることはできたが、かなり吹き飛ばされてしまった

 

華雄「だが面白い!私も本気を出そう!」

 

私は氣を全開にする。

以前、龍退治に使った時と同じ様に、奴と同じ様に、氣で魔人を出現させる

 

華雄「ふふふ、今日の私は、ちと負ける理由がなくてな。

この一戦、月様の為にも勝たせてもらう!」

 

 

 

 

私の氣の攻撃と、龍且の氣の攻撃がぶつかり合い、衝撃波を生んだ

 

華雄「ハァァァー!!」

 

龍且「ヌゥゥゥー!!」

 

 

ドーン!ドーン!ドーン!

 

 

攻撃する度、地面が抉れて行く。私が一旦大きく空に飛び上がると、龍且が追撃をしかけてくる

 

龍且「堕ちろ!」

 

龍且は大剣であるにも関わらず、とても滑らかな、それでいて鋭い連撃を放つ

 

 

ガキィンガキィン!シュッ!

 

 

華雄「ぬぅ…防ぎきれんか!」

 

なんとか防ぎ応戦するも、最後の最後で腹に一撃もらってしまった。

幸い、傷は浅いか…

 

華雄「チッ、これほどとは…」

 

龍且「やはり強い…以前の、死ぬ前の私ならば、とうにやられていただろう」

 

そういう龍且の腕にも、痣ができていた。先ほどの攻防で、何とか一撃入れたものだ

 

華雄「ほぅ、古の英傑にそうまで言われるとは、なかなかに栄誉な事だ」

 

龍且「ふふ、死ぬ前の私は、いささか猪突猛進な所があってな。

戦場に出ては熱くなり、周りが見えなくなって、よく部下を死なせてしまったよ。

それが原因で負けることもしばしばだ」

 

それは、かつての私にも言えることだった。

己の力を過信し、無謀な勝負に出ることが多かった。

それが原因で、連合との戦に敗北した…

 

華雄「なるほど、私とお前は、似た者同士なのかもしれないな」

 

お互い目を合わせ、少し笑みを漏らす。それだけで、心を交わすには十分だった。

私たちは似ている。過去の経験から学び、真の強さを学んだ。

私の相手として、この者以上にふさわしい者はいないだろう

 

龍且「死してなお、お主のような武人に会えたことを誇りに思う。

だが、今は戦場。そしてお主は敵。我が主、項羽殿に仕える身として、ここは退きさがれぬ。

だからせめて、言葉ではなく、我が全身全霊を掛けた一撃で、お主に報いるとしよう」

 

華雄「ククッ、確かに、言葉は不要か。我らは武人。なれば、力を示すのみ。

語らうべくは、魂を込めた必殺の一撃のみ!」

 

再び、武器を構えなおす。

すると、戦場であるにも関わらず、その場は静寂に包まれたかのように静かに感じた

 

静止し、お互いを見つめる

 

神経が研ぎ澄まされていくのがわかる

 

対峙する武人はまさに一流

 

お互いの実力は拮抗している

 

だが、私は龍且を超えてみせる

 

月様が平穏に暮らしてもらえる為にも、負けるわけにはいかない

 

どれほどの時が流れたのかはわからない

 

お互い、十分に力を溜め、そして…

 

華雄「参る」

 

龍且「行くぞ」

 

 

 

 

 

 

お互いの剣閃が交差した

 

 

 

 

 

 

龍且「ふふ、誇ってくれ…それが手向けだ……」

 

 

ブシャァァァ

 

 

龍且は鮮血を撒き散らせ、静かに倒れた

 

華雄「貴殿のような強者と戦えたことに、感謝する」

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
11
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択