No.661797

真・恋姫✝無双~獅子を支える者~凪√16

karasuさん

過度な期待はせずに、生暖かい目で読んでください。。。

<●><●>

2014-02-09 01:50:51 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5551   閲覧ユーザー数:4603

この作品はキャラ設定が崩壊しております、原作重視の方はご注意ください。

 

一刀くんがチートな強さです。時代背景などがめちゃくちゃです。

 

オリジナルキャラが登場します。

 

それでも構わないというかたはどうぞ・・・・

 

前回のあらすじ

 

涼州攻略を命じられた一刀たちは、馬騰、馬超、馬岱率いる涼州連合を退け、涼州の制圧に成功した。しかし、涼州攻略と同時進行するはずであった孫呉攻略は、元許貢の部下であった者たちの、孫策暗殺計画が発覚し中止。苛立ちを隠せない華琳への手土産として一刀は馬騰と華琳を引き合わせた。

その裏では、左慈、于吉、鴉が着実に動いていた……

 

 

~凪side・始~

 

一刀さんが涼州攻めへ向かってしまい、私は孫呉攻めへと参加する予定だったのだが……

 

「左翼! 動きが遅いぞ! また走らされたいのか!」

 

軍に組み入れた許貢の残党たちが孫策の暗殺を計画していたことが判明し、華琳様はすぐに孫呉攻略を中止、曹魏の名立たる将が代わる代わる鍛錬を行っている

 

連日行われる地獄のような鍛錬には、正直同情してしまう。特に春蘭様、秋蘭様、桂花様の御三方が行う鍛錬は……

 

真桜「ほらほら、そんなんじゃいつまでたっても終わらんでー。もっと気合い入れやー!」

 

沙和「お前らそれでもついてるものついてるのかー!」

 

私、沙和、真桜の三人が行う鍛錬は比較的軽いものであり、地獄の中でも少しは休めるものであったのだが、今日はいつもと様子が違っていた

 

なぜなら……

 

一刀「大丈夫、お腹が痛くなろうと、胸が苦しくなろうと、足は動くから。分かったら動こうね」

 

私たちの鍛錬を笑顔で見ながら、時折激を飛ばす一刀さんがいるからである

 

私はもちろんのこと、沙和と真桜、一刀さんが私たちの部隊の隊長として率いていた頃から、所属していた兵士たちまで目の色が違って見えるほど気合いが入っていた

 

沙和と真桜は、一刀さんが涼州のお土産として持ってきた服と工具目当てではあると思うが……

 

許貢の残党たちには少なからず動揺が見えた。他の地獄に比べれば幾分楽なはずの鍛錬が、いつも通りの地獄に変わってしまっているのだから、仕方ないことなのだろう

 

「よし、私たちの鍛錬はここまでだ! 昼食をとり次第、夏候惇将軍の鍛錬だ!」

 

私のこの言葉に何人かの心が折れていたような気がする

 

沙和と真桜は早速一刀さんに駆け寄り、お土産を受け取っているようだ。私も今すぐ駆け寄りたいところだが、先に後片付けをしなければ……もどかしい…

 

後片付けを迅速に済ませると、私も三人に合流し、そのまま昼食を取りに街へと向かった

 

道中、真桜は一刀さんから受け取った工具の中に入っていた紙をずっと見ていた。どうやら新しい発明品に関わるもののようで…時折涎を垂らして不気味に笑いながら紙を一心に見続けるその姿は、間違いなく変質者であった

 

沙和は沙和で一刀さんから貰った服を早速着ているようだ。さきほどから警邏の最中では見せることがないような、上機嫌な足取りで私たちを先導している

 

肝心の一刀さんはそんな二人を見て、嬉しそうな笑顔を浮かべている。まるで喜ぶ子供を見守る父親のような表情だ

 

私の視線に気が付いたのか、一刀さんの顔がこちらを向く。私は咄嗟に視線を反らしてしまう

 

以前、呉への使者として一刀さんと一緒にいた時以来、私は一刀さんを過剰に意識するようになっていた。自分の気持ちに正直になればなるほど、一刀さんに惹かれ、一刀さんのことを考えてしまうようになっていた

 

真桜「むふふ~。凪はかわええなぁ」

 

沙和「一刀さんのこと意識しまくりなのー」

 

そんな私の心を見透かしている親友二人は、一刀さんの目の前でも容赦なく、私のことをいじってくる。

 

「な、ななな!!///」

 

二人の言葉に顔が熱くなり、頬が赤く染まるのが分かる

 

真桜「な、隊長もそう思うやろ?」

 

一刀「あぁ、確かに凪はかわいいぞ」

 

「……っ!///」

 

真桜の問いかけに対する一刀さんの一言で、今度は体中が熱くなり、熱でもあるのかと思うほどに、体がふわふわとした感覚に襲われた

 

見れば、真桜と沙和もそんな一刀さんの反応が予想外だったのか言葉を失っているようであった

 

私たちの反応をみて、一刀さんは小さく笑うと何も言わずに歩き出してしまう

 

真桜「ちょ、待ってーな隊長」

 

沙和「今の一言はどういうことなの」

 

一刀さんの後を追うように真桜と沙和が歩き出し、私もそれに続くが、その後私がどうやって昼食をとったのかも、どんな会話をしたのかも、あまり記憶に残っていない

 

 

 

 

 

街の警邏と新兵の訓練を行う日々が続く中、いつの間にか一刀さんは涼州へと戻っていた。一刀さんが、一言もなく行ってしまったことに寂しさを感じながらも、慌ただしい日々を過ごしていた私たちに召集がかかる

 

蜀・呉同盟との決戦

 

予想外の出来事により、同盟軍に戦争体制を整えさせてしまったことは痛手だが、同じように私たちも十分に準備を行うことができた

 

赤壁と呼ばれる地に陣を展開する同盟軍。慣れない水上戦に戸惑う将兵が居る中、華琳様は堂々とその正面に陣を展開した

 

私、沙和、真桜の三人は輜重隊を率いて少し遅れての到着となった

 

 

「呉の黄蓋が寝返った!?」

 

現状を兵士から聞いた真桜からの報告に私は驚きの声をあげた

 

真桜「なーんか、怪しいで……これ」

 

沙和「んー。でも華琳様が認めた以上、私たちには何も言えないのー」

 

沙和の言う通り、華琳様が一度決めたことを覆すとは思えない。おそらく何か策があっての寝返りだったとしても、その策ごと蜀・呉同盟を叩くつもりなのだろう。だとしたら……

 

「沙和、真桜。黄蓋と黄蓋の連れてきた兵から目を離さないようにしよう。僅かな異変でも桂花様達に報告しよう」

 

真桜「あいよ」

 

沙和「了解なの」

 

黄蓋が連れてきた兵を見抜くことは、私たちだけでなく兵士たちにとっても簡単なことであった。決戦の遅れによって起こったあの地獄のような鍛錬の日々が、こんな形で役に立つとは考えてもいなかったが……

 

真桜「さてと、ウチは大将に少し用があるから」

 

沙和「もしかして、新しい発明?」

 

真桜「ふっふっふ。それは見てのお楽しみっちゅうもんや」

 

上機嫌のままその場をあとにする真桜。そんな真桜の後ろ姿を見ていると少しばかり不安に襲われるが

 

「そろそろ日が暮れるな……」

 

沙和「それじゃあ、糞虫どもに飯をやらないと」

 

「……糞虫かどうかは別として、交代させながら夕飯としよう」

 

徐々に沈んでいく太陽を見ながら、私は兵士たちに指示を出した

 

 

それから数日。黄蓋の策によって船同士を鎖で繋げることによって船の揺れを少なくすることが出来た。兵士たちの顔にも随分と余裕が伺えるようになり、両軍共に決戦への準備を進めていた

 

 

 

黄蓋の監視を続ける私たちは、見たことのない兵が出入りしていることや、しきりに船の配置を確認していることなど、どんな些細なことであっても桂花様たちに報告をしていた

 

桂花「そう……どう思う?」

 

私からの報告を受けた桂花様が残り二人の軍師へと視線を向ける。稟様は小さなため息を吐きながら首を振り、風様は

 

風「……zzz」

 

寝ていた

 

稟「もはや確実に裏切る。と言っていいかと。そう考えるとこの船同士を鎖で繋ぐ策も……」

 

桂花「恐らく……そしてそこから考えられるのは」

 

風「あれでしょうねー」

 

三人の中で同じ考えが浮かんだのか、お互いの顔を見て頷き合うと

 

桂花「ご苦労だったわね、凪。引き続き頼むわ」

 

凪「はい」

 

余計な言葉は発さず、私を労う言葉だけの残してその場を後にした桂花様。どこに鼠が居るかわからない以上、口に出すことは避けたのだろう。なら私は言われた通り、監視を続けるだけだ

 

そう決意を新たに私は稟様と風様に会釈をすると、自分の天幕へと戻ることにした……

 

 

~凪side・終~

 

 

華琳「そう、なら……」

 

顎に手を当ててそう呟いた華琳に目の前の影が頷く

 

隠密「はい。今晩、間違いなく東南の風が吹くかと」

 

桂花「華琳様!」

 

そんな二人の後ろから慌てて駆け寄ってきた桂花が、そのまま言葉を繋げようとするのを華琳が手で制した

 

華琳「大丈夫よ桂花。何が言いたいのかは分かっているわ」

 

少し息を切らしている桂花に微笑みを返した華琳は、すぐに表情を厳しいものにすると

 

華琳「今すぐ皆に伝えて頂戴。今夜、蜀・呉同盟の息の根を止めると……」

 

桂花「は、はい!」

 

華琳からの命令を受けた桂花は踵を返すと、すぐに近くの兵士を呼び寄せる

 

華琳「ほんと、一刀もその部下も……優秀すぎて恐ろしいくらいね」

 

いつの間にか居なくなった影と、懐から取り出した紙に書かれている字を見つめながらそう呟いた華琳

 

その紙にはただ一文字、『火』と書かれていた

 

 

華琳の言葉が黄蓋率いる部隊以外に広まったころ、まるで時を待っていたかの如く東南の風が吹き始める

 

兵士「報告!! 同盟軍に動きあり! 火船を先頭にこちらの陣へと突撃してきます! また、陣内でも火の手が上がっております!」

 

桂花「火への対処は手筈通りよ! 前衛の船は捨てても構わないわ!」

 

兵士「御意!」

 

秋蘭「船と船を繋げている鎖は簡単に外せるようになっている。慌てる必要はない!」

 

桂花と秋蘭が冷静に兵士たちへと指示を出し、同盟軍の火計は迅速に鎮圧されていく

 

稟「華琳様、やはり黄蓋が裏切っているようです」

 

後から掛けてきた兵士から受けた報告を稟が華琳へと報告すると、華琳は少し残念そうな表情を浮かべながら

 

華琳「そう、なら私が直々に向かいましょう」

 

春蘭「華琳様!? それなら私も!」

 

華琳の発言に慌てて手を挙げながら一歩前へと進み出る春蘭、それに華琳の親衛隊隊長でもある季衣、流琉と秋蘭の三人も続く

 

四人に頷き返し、残りの者にその場を託すと華琳たちは黄蓋のもとへと向かった

 

そんな華琳たちと入れ違いに、一際息を切らした兵士が桂花の前へと駆け込んだ

 

その兵士からの報告を受けた桂花の表情に、一瞬驚愕の色が浮かぶ。しかし、すぐに気持ちを切り替えると、桂花は再び華琳に任された、この場の指揮へと集中した

 

 

~凪side・始~

 

黄蓋「どうやらここまでのようじゃな……」

 

そう呟く黄蓋の後ろには暗い大河が広がり、黄蓋率いる部隊は黄蓋本人を除いて壊滅していた

 

孫策「祭!!」

 

燃え広がる炎を挟んみ、孫策率いる呉の将たちが黄蓋に叫ぶ。しかし、その呼びかけに声を出すでもなく静かに首を振った黄蓋は

 

黄蓋「撃て、夏侯淵よ!!」

 

秋蘭「っ!!」

 

秋蘭様が華琳様のほうを見ると、華琳様はただ黙って頷いた。それを合図に秋蘭様が弓を構え……

 

黄蓋「ぐぅっ! 策殿……冥琳、皆。呉を…頼んだぞ」

 

深々と左胸に突き刺さった矢を掴みながら孫策たちへと語りかける黄蓋。炎の音に消え入りそうなほど小さなその声は、確かに孫策たちへと届いていたようであった

 

孫策「祭ーーーーーー!!!」

 

甘寧「貴様らー!!」

 

怒りに我を忘れ、今にも飛び出しそうになっていた呉の武将たちを止めたのは、周瑜と呉の後方からやってきた蜀の面々であった

 

私には何を話しているのか聞こえないが、呉の面々の表情からは葛藤が伺えた。仲間を目の前で殺された仇を討ちたいという心と、今突撃すれば、間違いなく蜀、呉の両国が滅ぶという現実

 

この戦いで私たち魏に痛手を与えることができなかった蜀・呉同盟に、どれだけの余力があるかは分からないが、大局は決まったように思えた

 

 

 

すでに撤退を始めていた同盟軍。おそらく華琳様はその撤退先で本当の決戦を行うつもりなのだろう……

 

「一刀さん……」

 

終わりの見えてきた乱世に気の引き締めながらも、思い浮かんだのは一刀さんの顔であった

 

この乱世が終わった後も……私は一刀さんの傍に居ることが出来るのであろうか……

 

私は、船の沈下作業などを行いながら、不謹慎にもそんなことを考えていた

 

 

~凪side・終~

 

 

同盟軍が撤退を行う最中、赤壁から少し離れたところに一刀ともう一人の男、華佗の姿があった

 

一刀「っ! 華佗、こっちだ!」

 

そう叫んだ一刀は一目散に川へと飛び込むと、一人の女性を抱え河から上がってきた

 

華佗「まだ死んでない……これなら十分助かるぞ」

 

そう一刀に言いながら、静かに針を構え女性の体を見つめる華佗

 

そして……

 

華佗「元気になれーーーーーーーーーーー!!」

 

叫び声と共に振り下ろされた針が女性の体に刺さると同時に、大気が揺れ、女性の体が大きく跳ねた

 

華佗「ふぅ……しばらくすれば他の者たちと同じように意識を取り戻すだろう」

 

そう言って振り返った華佗の背後には治療を行ったであろう兵士たちが、ずらりと横になっていた

 

一刀「あぁ。ありがとうな、華佗」

 

華佗「いや、俺は医者として当然のことをしたまでだ」

 

頭を下げた一刀に対して、華佗は清々しい笑みを浮かべてそう言い切った

 

一刀「さてと、そろそろこの人たちを安全なところまで運ぶとしますか」

 

そう呟いた一刀が手を挙げると、それまで兵士の看病や救出作業に従事していた兵士たちが集まってくる

 

華佗「安全な場所というと、近くの邑か?」

 

一刀「いや、少し遠くに運ぼうと思ってる。この辺りの邑は直接ではないにしろ、この大戦の被害者だ、そんな人たちのもとにその大戦を行っていた兵士たちを連れていきたくはないからな」

 

華佗の言葉に首を振った一刀の言葉に、華佗は深々と首を縦に振り、納得したような表情を浮かべた

 

一刀「ちなみに俺たちは北のほうへ向かうつもりなんだが、華佗はどうするつもりなんだ?」

 

華佗「俺は西のほうにある邑へ行くつもりだ。そこで病魔が流行っているという噂を聞いたからな」

 

一刀「そうか、気をつけてな」

 

華佗「あぁ、お互いにな」

 

二人の会話が終わるのを待っていたかのように、一刀の部下が二人に近づき移動の準備が出来たことを告げた

 

そして、二人は別れの挨拶を済ませるとそれぞれの道を進み始めた

 

 

 

黄蓋「――ん? ここは……」

 

ゆっくりと目を開き、まだ起ききらない頭で、黄蓋は見慣れない部屋を見渡した

 

黄蓋「確か儂は……」

 

一刀「秋蘭…夏侯淵に弓で射られて河に落ちたところを俺が助けて、ここ…涼州の城まで運んで来たのさ」

 

目覚めた黄蓋を見ながら優しい声色で話しかける一刀。寝台横の小さな机に一刀がお茶を置くと、それを黄蓋へとすすめる

 

黄蓋は未だに現状が把握できていないのか、どこか戸惑いながらもすすめられるままにお茶を飲み一息つく

 

黄蓋「ふぅ、ようやく落ち着いてきたわ」

 

そう言って手に持っていた杯を机に置くと、服の隙間から覗く包帯を黄蓋はそっと撫でた

 

黄蓋「さて、命を助けて貰ってこんなことを聞くのはなんだが……なぜ助けた?」

 

呉の将として名高い黄蓋。そんな人物が死ねば呉の損失は計り知れないもの。にもかかわらず自分を助けた一刀の考えが、黄蓋には分からずにいた

 

一刀「説明してもいいけど、後悔するかもしれないよ?」

 

相変わらず優しい声色のまま黄蓋に話しかける一刀、しかし黄蓋にはその優しい声色が不気味に思えた

 

黄蓋「ふん、勿体ぶらずにさっさと言わんか」

 

一刀「黄蓋さんには手伝って欲しいことがあるんだ……」

 

一刀の話を聞き終えた後、黄蓋の顔には驚きの色が濃く浮かび上がっていた

 

 

どうもkarasuです。

いかがだったでしょうか、楽しんでいただけたでしょうか?

近いうちに最終話となりますが、いつ頃になるのでしょうね。はは……頑張りませんとw

しかし、そろそろ花粉の季節が見え隠れしてきましたからね。辛いです。。。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

これからもほそぼそと続けさせていただきます。

 

 

 


 
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