No.660638

義輝記 雷雨の章 その六

いたさん

義輝記の続編です。 また、よろしければ読んでください。 追記ですが、作品にあります『藁人形』の大きさは、『普通の人並み』の大きさと考えて下さい。

2014-02-05 01:22:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2163   閲覧ユーザー数:1900

【 反董卓連合集結の件 】

 

〖汜水関にて〗

 

袁本初、ついに起つ!

 

反董卓連合の発起人『袁本初』が、汜水関より数十里離れた場所に大本営を設立。 他の諸侯の到着を待った………

 

刻が経つに連れ、諸侯が集結していく。 

 

済北の相 鮑信、河内の太守 王匡、冀州の刺史 韓馥等続々と。

 

そして、幽州太守 公孫賛、南陽太守 袁公路 到着。

 

麗羽「これは、これは白蓮さん! よく参加を表明して下さいましたね!」

 

白蓮「私だって漢王朝の臣だ! こういう時こそ、起たずしてどうする!」

 

麗羽「おーほっほっほっ! 流石、白蓮さん、素晴らしい覚悟ですわ! 後で会議を開きますので、連絡させてもらいますから…」

 

白蓮「分かった、自分の陣営内で待っている」タッタッタッ

 

美羽「麗羽姉様、決起されたと言う事で、妾も手伝いに来たたもう!」

 

麗羽「まぁ…美羽さん! 是非、漢王朝に救うため力を発揮して下さい!」

 

美羽(……本家の妾を差し置いて…! このまま功を立てて麗羽より上の官位を賜り、妾の方が上だと言う事を、思い知らせてやるのじゃ!!)

 

麗羽(ふん! 私のために、その兵力、大いに役立ててもらいますわよ!)

 

麗羽、美羽「おーっほっほっほっ」 「うっはっはっはっ」

 

最後に陳留州牧 曹孟徳 到着。

 

麗羽「華琳さん、ようこそ! 準備が出来次第、会議を始めますから、天の御遣いさんと一緒に来て下さいね! 案内人を送りますから……」

 

そう言うと忙しそうに、去って行った。

 

華琳「麗羽があんな話し方する時は、必ず何か企んでるのよ……」ハァー

 

一刀「……………………」

 

★☆☆

 

〖大本営大天幕にて〗

 

麗羽「コホン…。 よくぞ現漢王朝を愁う真の漢王朝の臣達よ! この発起人 渤海太守 袁本初! 礼を言いますわ! 」

 

この後、集まった諸侯達が紹介をする。 

 

───────省略───── 

 

 

麗羽「さて、皆さんの紹介が終わりましたので、最・重・要の盟主の任命ですが……………!!」

 

諸侯が注目するが、目が『お前が成りたいんだろう!』と語っていた。

 

 

 

麗羽「私は……曹孟徳配下の『天の御遣い様』にお願いしたいと思います!」

 

 

───────────────!

 

 

華琳「異論あり! 一刀の『天の御遣い』は、現漢王朝では『不定』されている! それなのに総大将に挙げる事、貴公はどうするかと言う理由を説明していただきましょうか!? 」

 

曹孟徳が、怒りを抑えながら説明を求める。

 

袁本初曰わく、『私達の目標は漢王朝の政権奪還。 しかし、それを阻むのは現皇帝、現皇帝の外戚 大将軍何進、相国 董仲穎。 

 

そして、その方達を裏で操る『天の御遣い』にして『伏竜の軍勢』とその軍師『天城 颯馬』…。 そこは、皆さんはよくお分かりでしょう。

 

ですが、先の賊討伐戦で見せた数々の摩訶不思議な業。 

 

これに対抗出来るのは、私、曹孟徳配下の『天の御遣い様』だけだと考えましたの! 確かに現漢王朝では『不定』されましたが、曹孟徳麾下となり数々の『天の知識』で実績を挙げた本物の『天の御遣い』と聞いております!

 

ならば、あちらの妖術に対抗する術もお持ちだと言う事。こちらの盟主で居るとわかれば、妖術など迂闊に出来ないはずですわ!

 

兵権管理の方は、私と曹孟徳が副将と言う事で御世話をいたしますので、心配はありませんわよ!! おーほっほっほっ! 』

 

諸侯は納得した表情で頷き、次の戦への会議へと移る。

 

華琳( ………何が妖術を防ぐためよ。 

 

本当の目的は、相手が『天の御遣い』だからこちらも『天の御遣い』を立て、『御遣い同士』の代理戦争にして漢王朝の内部抗争と言う恥部を消す事。

 

同時に、万が一負けた場合に、汚名を一刀に着させて私共々処理する。 

 

しかも、この状態に気付いても裏切らないように、一刀を人質に取る……

 

……いつの間に、ここまで考えられるようになったのか………)

 

 

麗羽「さて、次は汜水関の攻略の作戦ですわね? 曹孟徳、貴公に作戦を一任しましょう! 私は、『御遣い様』と共に、後ろで待機していますので……」

 

一刀「いや、盟主の権限で、俺は曹孟徳の傍に居させてもらう。 曹孟徳配下として指揮を取っていた部下や兵達を置いて、自分だけ安全な場所など話しにならない! 俺も出陣させてもらう!!」

 

華琳「待ちなさい! もし、貴方が討たれたらどうするの! そうすれば連合軍は崩壊、私達の負けは確実よ!?」

 

一刀「それなら、この上着を預けておく。 戦の途中で俺が討ち死にしたら、この上着を着て誰かが影武者をしてくれればいい。 戦が終了した後に病死等で死んだ事にすれば大丈夫だ!」

 

麗羽「……『御遣い様』が、そこまで言うのならのなら構いませんわ。 ただ、出来れば生き残って欲しいものですけど…… 」

 

その後、会議で話し合いの上、陣営の配置を決定し終了した。

 

戦は明朝より開始と決まった─────────!

 

★☆☆

 

会議終了後、曹孟徳は、汜水関攻略のため偵察に出かける事になる。

 

偵察…華琳、春蘭、桂花、凪、一刀、愛紗、朱里、雛里、星

 

弓の射程圏を外した数里前より観察する。

 

華琳「あれが『汜水関』………ね」

 

洛陽に唯一入れる通路に造られた関『汜水関』と『虎牢関』………

 

侵入されないように、念には念を入れて造られた関は頑強その物。

 

十数㍍あると思われる高い城壁、分厚い門、迫りくる関より高い切り立った両壁面。 攻撃を遮る遮蔽物が無いように清掃された街道沿い。

 

 

華琳「連合軍合計 約二十万人が集結。 この一月前の情報では、董卓軍は三万人、洛陽が二万人。 こちらが四倍の兵力を保持………か 」

 

桂花「はい。 後、馬寿成に連絡との件、やはり失敗に終わった様子。『我は、天子に弓を引くわけには行かず!』と、返事があったもようで…。

 

また、洛陽に間者を送りましたが、送り出した者全員失敗に終わり戻ってきました。 全員五体満足無事という信じられない結果です!」

 

曹孟徳は、関より棚引く牙門旗を見る。 

 

つられて牙門旗を見た御一同。 それぞれ感想を述べようとしたところ、一刀の叫び声が響いた!!

 

一刀「『毘』に『風林火山』に『⊕』の牙門旗──────!?」

 

華琳「一刀? …あの見たことも無い牙門旗、貴方知っているの?」

 

華琳の横に居た関雲長、諸葛孔明、ホウ士元が一刀に代わりに語る。

 

愛紗「『風林火山』……。 あれは、『伏竜の軍勢』の一人、武田某の牙門旗ですね。 前の討伐戦でご主人様が、そう申されているのを聞いています」

 

朱里「後は………黒の牙門旗『華』とあるのは『華雄』、紫の牙門旗『張』は神速の張文遠。 流石に『毘』と『⊕』は見聞した事もないです!」

 

雛里「…………でも『⊕』は、ご………一刀様の牙門旗と似ていますよ?」

 

桂花「はっ! アンタの知り合いかも「本家…」はっ?」

 

桂花の言葉に反応して、一刀が驚愕の真実を語り出す。

 

一刀「本家だ…。 俺の北郷家は、あの『⊕』の『島津』より別れた家なんだ! 多分、あそこに『鬼』が居る………」ブルブル

 

春蘭「なにぃー!? あの髪の長い椅子に座った女があそこに居るのか!?」

 

一刀の襟を持ってガクガクと前後に揺する────!!

 

華琳「止めなさい! 春蘭!! 」

 

顔が真っ青で失神寸前の一刀は、華琳の一声で救われへたり込む。

 

星「髪の長い椅子に座ったまま動く女性ですかな? 黒い椅子に座りながら見たことも無い裾が長い衣装の…………」

 

春蘭「そうだ! そいつだ!! 私はそいつを倒さなくては!!」ムン!

 

星「ほぅ? その者は『どうせつ様』と言われていたぞ? 」

 

春蘭「その『どうせつ』だ!! 一刀! そいつの名前聞き覚えがあるか!?」

 

一刀「……その方なら、多分居ない。 確かに『鬼道雪』と言われるけど、あそこには別の『鬼』が居る……。 島津家の『鬼』島津義弘が……」

 

春蘭「おぉぉ!! 天にはあんなに強い猛者が沢山いるのか!! ……にしても、一刀はあまり強くないな。 …………腹でも空いてるのか?」

 

………………………………かずとは、なきだした!

 

        パンパン!!

 

華琳「はいはい! 取りあえず汜水関の守将は何名か判明したのは、大きいわ! また、天幕に戻り策を考えましょう!! 」

 

曹孟徳は、手を叩き自らに注目させてから命を下し、天幕に皆を引き連れ戻る。 

 

 

……その中で、ただ一人だけ…少し立ち止まり、顔を汜水関に向けて、その方角を望む……………

 

凪「……………天城様……………………」ボソ

 

その後、何か呟いていた言葉があったが、望む人に届く間もなく、空に消えて無に帰る。 

 

その言葉は、『決意』か『哀愁』か『希望』か…それとも…  

 

◆◇◆

 

【 天の御遣い達の策謀の件 】

 

〖汜水関 内部 董卓軍にて〗

 

義弘「くしゅん!」

 

義久「あ~ら? ひろちゃん風邪? 戦が近いから余り無理しては駄目よ~? そうだ! お姉ちゃんがお粥を作って……」

 

歳久「よしねぇ、颯馬が次の『料理』をと催促をしています! 急いで向かって下さい! ひろねぇは私が見ていますので…!」

 

義久「それじゃ、お願いねぇ~~!」

 

トントントントントントン…………

 

義弘「風邪じゃなーい! ぜっったい誰か私を『鬼島津』って言ったのよ!! なんで、ここまで来て『鬼』なんて呼ばれなきゃならないの!?」

 

歳久「ひろねぇ、それは分かりませんよ? 颯馬が別の事で噂したかもしれませんし……。 それに、この世界でどうすれば、ひろねぇの異名を知られるのですか?」

 

義弘「うっ! ……そうだよね、知るわけないもんね? 私も自意識過剰だな…ははははは……」

 

歳久( 向こうにいる『天の御遣い』が知っている可能性はありますが…ね )

 

★☆☆

 

董卓兵 1「信廉様! こちらの『藁人形』制作出来ました!」

 

董卓兵 2 「こちらも出来ました! 御確認を!!」

 

信廉「ありがとうございます! それでは心棒を通して、この『紙』をはり付けて………っと! うん! 良い出来です!!」

 

董卓兵 3 「これを立てるのですか…………。 こんなに上手く出来たのに、勿体ないですね……………」

 

信廉「仕方ありません。 それが、この『物』の役割ですから。 さぁ! まだまだ数が足りませんから、どんどん作りますよ!」

 

董卓兵「「「  はっ!  」」」

 

 

★★☆

 

家久「はい! 皆、このお手本を見て竹簡に書いてね? 」

 

『 お前の※※を※※※いる! 』

 

董卓兵「これだけを…書けば……いいですか?」

 

家久「そう! これだけ!! 後は将で適当に書くから気楽にね?」

 

董卓兵「はっ!」 「わかりました!」 「了解です!」

 

家久「ふふん! 連合軍め~! いえちゃんの策を思い知るのだ───!」

 

★★★

 

三太夫「おーい! 竹をもっと持ってきてくれ!!!」

 

董卓兵「はい! 只今!!」  ズシャン!!!

 

三太夫「よし! その竹を長いまま縦に割って、円を作る。 大きいやつ、小さいやつっと! それから藁もなー!」

 

董卓兵「三太夫様、これが三太夫様の忍術の元になるのですか?」

 

三太夫「あぁ、『火術 鳳仙花』のな!」

 

☆★★

 

信長「光秀? ここに『コレ』を仕掛けて見ようかと思うが、どうだろう?」

 

光秀「そうですね……悪くないと思います。 あと、あそこに『コレ』を仕掛ければ、敵に甚大な被害が与えられると考えれます………」

 

信長「ははははは!! 流石、光秀よ! 義輝の家臣に収まったのが誠に惜しい!! どうじゃ? 今でも遅くは無いぞ!! 我が家臣に……」

 

光秀「お断りします!」

 

信長「まぁ、是非も無し…だな。 光秀の颯馬への信頼は厚いから仕方無し。私も颯馬を好いているから、よく解る」ウムウム

 

光秀「信長様────────!?」

 

信長「おっと、他の者は駄目だとは言わせんぞ…。 私の他に日の本より来てくれた姫武将や主である月殿も、颯馬を憎からず思っているのは明白だ!!

 

恋焦がれる乙女の辛さ……お主がよく知っていると思うのだがな…………」

 

光秀「………………………………………」

 

信長「さてさて、戯れもここまで…。 次の作業だ、行くぞ光秀!!」

 

◆◇◆

 

【 麗羽の指摘、華琳の意地の件 】

 

〖大本営 袁本初の天幕にて〗

 

兵「申し上げます! 陳留州牧 曹孟徳様がお会い来られました!」

 

麗羽「入ってもらいなさい!」

 

      コッコッコッコッ!

 

華琳「麗羽、失礼する!」

 

麗羽「どうされましたの? 策は決まりまして? 」

 

華琳「………甲羅に閉じこもった亀の首を出すには、餌を出して油断させる事。 これしか、損害を抑えて汜水関攻略は無いと思うわよ?」

 

麗羽「そうですの? わが袁家が単独で攻めれば、時間も掛からず落とす事はできますわよ!!  おーっほっほっほっ─────!」

 

華琳「明日は、関雲長が一人で挑発行為を行い、汜水関の守将の一人『華雄』をおびき寄せる。 そうすれば、門が開きその隙に入れば、攻略は可能よ!」

 

麗羽「大丈夫ですの? あの『天城颯馬』を舐めると、痛い目に合うと思いまけど? 」クスクス

 

華琳「 ? ……えらく『天城』を買うわね麗羽?」ムッ!

 

麗羽「張譲さんの配下の娘が、教えてくれるのですわ。 確か名前が『司馬仲達』と言うそうですのよ」フフフフフ

 

華琳「…で、貴女に決起を促した張譲は、今どこに………?」イラッ

 

麗羽「張譲さんは、決死の覚悟で私に漢王朝内部の情報を送って下さるとの事で洛陽に留まっておいでですわよ! 張譲さんこそ誠の忠臣ですわ!」フン!

 

華琳「証拠は………?」

 

麗羽「……これですわ。 つい、三日前に司馬仲達が預かってきたと」

 

     ーーーーーーーーーーーーーーー

 

華琳「…………………………『天の御遣い』が増えた!?!?」

 

麗羽「そう。 張譲さんはその事に危惧して、このように情報を送ってくれた。 華琳さん……貴女の策で、力で、この戦…勝てまして!?」フッ

 

華琳「勘違いしないで、貴女や他の諸侯の力も使って勝ち戦を掴む! いくら『天の御遣い』達が凄くても、五万と二十万の戦い! 勝ちは見えている!

 

でも、麗羽がそれまで危惧するのであれば、二面作戦で行きましょう。 

 

この汜水関を攻める大軍と別行動を起こす大軍、兵数が少ないのに、どう対応するのか見物だわ………」

 

 

◇◆◇

 

【 現状把握の件 】

 

〖汜水関 内部の部屋にて〗

 

颯馬「う─────ん」

 

見ての通り、俺は悩んでいる。

 

★☆★          ★☆★

 

洛陽側 配置 兵力

 

汜水関………

 

島津義久、義弘、歳久、家久、武田信玄、信廉、山縣昌景、上杉謙信、張文遠、天城颯馬、足利義輝、華雄…約一万五千人

 

 

虎牢関………

 

呂奉先、陳公台、織田信長、明智光秀、本多忠勝、百地三太夫、郭奉孝  …約一万人

       

 

洛陽…………

 

董仲穎、賈文和、三好長慶、十河一存、島左近、風魔小太郎 果心居士…約二万人

 

 

天水…………

 

卑弥呼、華陀、山中鹿介、村上義清、立花宗茂、立花道雪、高橋紹運、程仲徳、程遠志…約五千人

 

 

ちなみに、守将、副将、軍師は、以下の通り。

 

 

汜水関……守将 島津義久「は~い! 頑張りま~す!」

 

     副将 島津歳久「よしねぇでは、些か心配ですので…」

 

     軍師 天城颯馬「対処できる事はした! …後は運のみ!」

 

 

虎牢関……守将 織田信長「ふふふ、三国の将達の実力は如何に…」

 

     副将 明智光秀「承知致しました!」

 

     軍師 郭奉孝「私のような新米軍師にこのような大役…感謝を!」

 

 

天水………守将 立花道雪「私なりに、努めさせていただきます!」

 

     副将 華陀「医者だから相手に危害は加えない。 守るだけだ!」

 

     軍師 程仲徳「……ぐぅ」

 

★☆★          ★☆★

 

 

 

天水の守備補強、洛陽軍の配置、汜水関や虎牢関の数々の策……。

 

見直す事はとても多く、俺一人では無理だったが、仲間の軍師達の力、将達の行動により改善するところは直し尽くしたはずだった。

 

 

後、今回の要の戦術に島津四姉妹が必要な為、天水守備から汜水関方面守備に無理を強いて変更を願った。 戦術は、島津お家芸を使用するため、よく知る姉妹に指示を仰ぎたいためだ。 

 

失敗は許されないため、念には念を入れて…。

 

だが、天水からの強行軍だったため、おなごの身にかなりの負担を掛けてしまった事が非常に悔やまれる。 戦という命のやり取りの中だから、なるべく負担を減らさなくてはならないのに…………。

 

そのため、到着した時に丁重にお礼を述べた。 感謝の意を込めて……。

 

 

『どうしても、君達の力が必要だったんだ! 来てくれてありがとう!!』

 

────────────!!

 

義久「 (//∇//) ど、どういたしましてぇ~  」キャー

 

義弘「う、うん! 大丈夫、大丈夫だから… ///// 」ドキドキ

 

歳久「まったく…だから馬鹿颯馬なのです! ……まったく」チラッ‥

 

家久「ありがとうね! 颯馬お兄ちゃん!」ニコニコ

 

四人とも顔を赤くして、急いで汜水関に入っていった。 

 

 

 

それから、『西涼太守 馬寿成』様も洛陽側に付いて下さる事になり、ホッとしている。

 

馬寿成様が敵になると、天水、洛陽が挟撃される恐れがある。 そんな事になれば、こちらの勝率はかなり下がる事になるからだ…………。

 

やる事はやった。 もう出来る事は無いはずだが、まだ何か足りないのではないかと心配してしまう。 杞憂であればいいと思いつつ…………

 

 

だが………悪い予感が的中する!

 

三太夫配下の忍びが、緊急の報告を俺に伝えてくれた!!

 

汜水関で集結していた連合軍が、二手に別れて一方が天水に向け行軍を開始したそうだ。 汜水関には連合軍約十五万、天水には連合軍別道隊五万!!

 

………本来ならば、敵の大軍を全部汜水関に張り付けて、壊滅させようとしたのだが………敵もさる者、大軍を分けて攻めてきた。

 

天水に向かった皆の事が案じられれる……。 

 

俺は、知らせに来てくれた忍びに、『もし、打開策が浮かばない時は、この袋を開けてくれ!』と言い含め、天水の地に送り出した………。

 

◆◇◆

 

【 更なる思惑の件 】

 

〖とある場所にて〗

 

于吉「…………なかなか面白い状況になりましたね、左慈?」

 

水晶球に浮かぶ映像を見て、于吉が呟きながら左慈を見る。

 

左慈「ふん! これは『アイツら』の卒業試験に丁度良い。 

 

それに、俺達が手を下さず、この外史に影響を与えるあの異邦の鍵である『二人』が、双方死んでくれれば尚好都合だ!! 」

 

『アイツら』‥‥二人が日の本の世界より連れてきた姫武将の二人。 

 

今は姿を見せぬが、何かしらこの大戦の隙に行動を起こすのは間違い無し。

 

于吉「う~ん、左慈は満足そうですが、私としては混沌の具合がまだ足らないような気がしますよ。 これでは、『天城颯馬』の裏がかけませんね……。

 

……仕方ありません。 これは、教え子へ先生からの最後の餞別ですよ! 」

 

       パチン!!

 

于吉が指を鳴らすと、洛陽の周辺に身に付けている物、全部真っ白の『白装束』が何万も現れて、洛陽に向かう!!

 

于吉「ふふふ、さーて、どう捌いてくれますか、非常に楽しみですね!!」

 

于吉が満足気に笑うと、左慈の身体に身を擦り寄せる………!

 

        ゲシィ!!

 

左慈「お前や『久秀』や『順慶』やら、なんで俺の周りには性癖の危ない奴が多いんだ? もう少しマシな相方が欲しいぞ?」バカガ!

 

左慈の足の裏が、于吉の顔を直撃する! ………が、嬉しいそうに笑う。

 

于吉「あは! 左慈の足の裏の感触が! …ですが、先の言葉そのまま貴方にお返しますよ! 」

 

左慈「俺はこんな回りくどいやり方が嫌いなだけだ!! これで、二人を殺せなければ………俺が直接出向いて殺しに行って!」

 

于吉「あっ…それは駄目です。 私達は直接は許可されていませんので…」

 

左慈「……くっ!!」

 

于吉「あの弟子を、信じるしかありませんね。 まだ半端者ですが……」

 

左慈の足から顔を離すと、于吉は優しく水晶球を撫でた………。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

異論は沢山あると思いますが、盟主は一刀になりました。

 

雪風さんの前にコメントいただいて閃いた結果が、こうなりました。

 

役割とか天水の守備もこのようにしました。 当初は、天水の防壁等の強化の意味合いで書いたのですが、雪風様が意味をそう捉えるなら、他の皆さんもそうだろうと思い、変更しました。

 

おかげ様で、戦術の埋もれていたネタが披露できます。 

 

ありがとうございます!

 

 

次回からは、話に出てきた策を利用した戦いに入る予定です。

 

また、よろしければ読んで下さい。

 

 


 
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