No.660456

リリカルなのは~翡翠の戦士と七つの才牙~

第二十話シグナム対剣也

2014-02-04 15:18:34 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3820   閲覧ユーザー数:3620

~アリサ視点~

 

「はぁ~…負けちゃったわ」

 

「仕方がありませんよ…今まではイメージトレーニングか素振りだったんですから」

 

私は観戦室に向かいながら華炎と話をしていた

 

「でもやっぱり悔しいわ」

 

「いや…あれだけ戦えれば十分ですから」

 

華炎にそう突っ込みを入れられた

 

そして観戦室に着いた

 

「お疲れさm「アリサ凄いよ!!」…」

 

観戦室に入った途端、フェイトが興奮しながら言って来た

 

「バニングス、今度私とも模擬戦をしないか?」

 

シグナムさんも期待した風に誘って来た

 

「は、はい…良いですけど…」

 

「うむ、楽しみにしている」

 

シグナムさんは嬉しそうにして訓練室へと向かった

 

その後私はシグナムさんが訓練室に着くまで質問されたのだった…

 

~アリサ視点終了~

 

 

「待たせたな」

 

「それほど待っていませんよ」

 

シグナムが騎士装束を展開して入って来た

 

「貴女とは剣技では本気で闘いたい…なので剣の中でも得意のものを使わせていただきます…ウィル」

 

「はい…ソードフォーム、モードダブル」

 

剣也はウィルを己の剣技では最も得意なもの…

 

剣の中で最も馴染みの深いもの…

 

双剣に変えた

 

「ほう…二刀流か」

 

シグナムさんは興味深くしていながらも自分のデバイス、レヴァンテインを構えた

 

剣也も構えた

 

「準備はいいか?」

 

「こちらはいつでも」

 

お互いに頷き合うと構える

 

そして互いに微動だにせぬまま数秒、数十秒と時間が過ぎ…

 

合図も出されていないのに剣也とシグナムは同時に駆け出し、互いに距離を詰め剣を交わし、双剣と一降りの剣という武器 で剣舞を始めた

 

「うおおおお!!」

 

「ハァァァァ!!」

 

双剣でシグナムの剣と剣舞を繰り広げる剣也

 

そんな剣也と、その相手であるシグナムは、 互いに似た笑みを浮かべている

 

この戦いが楽しくて、この闘いが愉しくて仕方がない 、共通の笑み

 

そして、剣也は双剣をクロスさせた状態で、シグナムはその間に剣を入れる形で鍔迫り合いになった時のことだった

 

「俺は今、貴女と…」

 

「私は今、お前と…」

 

「「闘っていることを…誇りに思う!!」」

 

ギイン!!と高い金属音を立てた後、二人は一度距離を取る

 

それは互いの技……魔法が最大の威力が出せる距離

 

「レヴァンティン」

 

「エクスプロージョン」

 

ガシャンと音を立て、シグナムのデバイス…… レヴァンティンから一発の薬莢が排出され、 その刃が炎に包まれる

 

「ウィル」

 

「はい」

 

剣也の持つ双剣の刃が氷に包まれる

 

炎の剣、氷の双剣…相反するお互いの属性に二人は更に笑みを深くした

 

「受けてみろ!!これが古代ベルカの騎士の基礎にして奥義!!」

 

「だったらそっちも受けてみろ!!俺の十八番の双剣技!!」

 

シグナムは剣をしっかりと両手で握り締め、 刃を地面と水平に、右向きにして構える

 

剣也は両手を広げて構え、体をかがめる

 

「紫電……っ!!」

 

「氷河……っ!!」

 

獰猛な笑みを浮かべながら二人は互いに向かって跳躍する

 

そして、シグナムの炎が

 

剣也の氷が

 

最大までその力を引き上げた

 

「一閃!!」

 

「双刃!!」

 

シグナムの炎を纏った綺麗な横一文字と、剣也の氷を纏った×字の斬撃が衝突する。

 

瞬間、二人を中心に魔力による爆発が起きた

 

 

「っ!?エイミイ!煙の中の様子を此方に回せるか!?」

 

「ちょっと待ってクロノ君!うん、いける!映像を回すよ!?」

 

「頼む!!」

 

クロノがエイミィに指示を出した

 

「凄すぎやろ、剣也君…」

 

はやては余りの凄さに冷や汗をかいていた

 

「今思うと、剣也君と互角のアリサちゃんって…」

 

なのはがそう言いながらアリサのほうを見たがアリサは画面に夢中だった

 

「なのは…それは言わない方が良いよ…」

 

フェイトが諦める様に言う

 

「どっち勝ったのかな?」

 

すずかが心配そうに言う

 

「まだ終わらないようです」

 

華炎がそう答えた

 

画面に映ったのは…

 

「……………嘘!?」

 

煙の中でボロボロになりながらも戦い続ける二人の姿だった

 

 

~剣也視点~

 

さっきのぶつけ合いでは決着が付かなかった

 

それはつまり、まだシグナムと戦えるということだ

 

「まだ貴様と戦える!!これほど嬉しいことはない!!」

 

「敢えて言わせてもらう!!同感だ!!」

 

さっきの衝突で互いに大きなダメージを負った

 

シグナムのバリアジャケットはところどころボロボロだし、俺も似たようなものだ

 

しかし、そんなことでは俺達は止まらない

 

「オラァ!!」

 

「ハァッ!!」

 

右の剣を右上から左下に振るう

 

シグナムはその刃に沿うように体を回転させてかわし、遠心力を用いた右側からの横一閃を繰り出す

 

俺は体を後方に反らしてかわし、両手の剣で連続突きを行う

 

シグナムはそれを数回かわした後に後ろに跳躍し、距離を取り剣を鞘に納める

 

「飛竜……一閃!!」

 

シグナムが剣を居合いのように引き抜いた瞬間、まるで鞭のように刀身が伸びてきた

 

連結刃……蛇腹剣とも言うな

 

「サイガ式、ミッド式、古代ベルカ式展開!!」

 

「了解!!」

 

俺の指示により、ウィルはそれぞれの魔方陣を展開した

 

「カウカウプリウェンペ(荒くれものの雹)、アイス・シューター、フリジットダガー」

 

サイガ式から無数の氷の弾丸、ミッド式から冷気を纏った魔力弾、古代ベルカ式から氷の短剣を出した

 

「撃て!!」

 

そして、俺の掛け声で一斉に飛んだ

 

「温い!!ハァッ!!」

 

シグナムは蛇腹剣を操り、円の形を作って全て破壊する

 

しかし、俺はもう既にシグナムの懐の中だ

 

なんてこたぁない、刃の形が円になった瞬間に速度強化魔法と剃を使い、円の中心を跳んだだ けだ

 

「ソードフォーム、モードダガー…固定確認」

 

ウィルは直ぐに短剣になり、腰の鞘に入れた

 

「燃え盛れ!!」

 

そして胸から火の玉を出しながら両手に宿して形を作った

 

その両手にあるものは

 

右には神々しく輝く短剣が、左には禍々しく輝く短剣が握られていた

 

恵みと滅び、二つの顔を持つ力…火

 

その力を表現した剣也の持つ火の才牙

 

「天火双剣(ファイアダブル)!!」

 

名前を言いながら攻撃の構えをとる

 

「くっ!!」

 

「くらいな!!…双火円舞!!」

 

「ああああっ!!」

 

シグナムに火を纏う双剣の乱舞を喰らわせた

 

乱舞を喰らったシグナムは体を 回転させながら、壁まで吹き飛んだ

 

シグナムは……意識はあるがダメージとキリモミ回転による三半規管の異常により、動けない

 

「それまで!!勝者剣也君!!」

 

訓練室にエイミィさんの声が響くのだった

 

 

シグナムに案内されながら剣也は観戦室に入った

 

「剣也お疲れ~」

 

アイがそう言いながら歩いてきた

 

「剣也君凄すぎやろ…シグナムも凄かったで」

 

「有り難う御座います、主はやて」

 

はやてが感想を言い、シグナム

を労い、シグナムはそれに答えた

 

「今回は良い経験になった、機会があればまたやろう」

 

「お手柔らかに」

 

シグナムは嬉しそうにしていた

 

「ね、ねぇ剣也、私とも今度やらない?」

 

フェイトがそう聞いてきた

 

「いいよ、また今度な」

 

剣也の答えにフェイトも嬉しそうだ

 

「シグナムに勝つとは…是非とも管理局に欲しい人材だな」

 

そう言いながら剣也に近づくクロノ

 

「どうだろう?管理局に入ってみないか?」

 

「……すまんが俺は入る気はない…ローズの事があるし」

 

「?ローズちゃんが?」

 

剣也の言葉にリンディが不思議そうに言う

 

「………プロジェクトGear」

 

「!!!!??」

 

「?」

 

アイの言葉にリンディ、クロノ、エイミィが驚いた顔をしたがなのは達は不思議そうな顔をしていた

 

 

その後色々な話をしていたがそろそろ遅くなるので皆帰ったのだった

 

 

 

 

 

「「ママ~」」

 

「な~に~?」

 

剣也の家、ローズと杏樹は母親に甘えていた

 

「「ねむい~」」

 

「いいよ~おいで~」

 

 

 

( ̄q ̄)zzz×2

 

「ふふっ」

 

ローズと杏樹の幸せそうな寝顔を見て母親は嬉しそうだったが……

 

あるものを見てつらそうな顔をした

 

「プロジェクトGear……許せない」

 

その視線の先は……

 

 

 

 

 

 

 

禍々しい炎の火傷のようなものが入った…

 

 

 

 

 

ローズの右手だった


 
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