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真・恋姫†無双~赤龍伝~第126話「王允の忠告」

さん

あけましておめでとうございます。
主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきますので、オリジナルキャラクターが苦手な方はご注意ください。

2014-01-10 03:59:55 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2501   閲覧ユーザー数:2317

真・恋姫†無双~赤龍伝~第126話「王允の忠告」

 

 

嶺上「赤斗っ!! 無事か!?」

 

張暗の屋敷に蜀の兵士を引きつれて、嶺上と焔耶たちが駆けつけた。

 

赤斗「嶺上、魏延さん。なんとか無事だよ――痛っ!」

 

嶺上「怪我しているじゃないか」

 

赤斗「ちょっとね。油断しちゃった」

 

嶺上「それで敵はどこだ!?」

 

赤斗「……逃げられちゃった」

 

雪蓮「何だ逃げられちゃったのー?」

 

少し遅れて雪蓮が姿を現す。

 

赤斗「ごめん」

 

雪蓮「逃げられちゃったのなら、しょうがないわね。城に戻りましょう」

 

赤斗「そうだね。でも司馬懿の居場所なら分かったよ」

 

雪蓮「ほんと?」

 

赤斗「本当だよ。詳しくは城に戻ってから――」

 

白虎との戦いのダメージのせいで、赤斗の身体はふらつく。

 

焔耶「おっと!」

 

焔耶が赤斗の身体を支えた。

 

焔耶「まったく、世話のかかる奴だな」

 

赤斗「すみません魏延さん」

 

焔耶「別に気にしなくていいさ。それよりも私のことをいつまで魏延と呼ぶな」

 

赤斗「え? だって魏延さんでしょう?」

 

焔耶「私のことは焔耶でいい」

 

赤斗「いいんですか?」

 

焔耶「ああ」

 

赤斗「本当に?」

 

焔耶「本当だ。しつこい奴だな!」

 

赤斗「だって、これぐらい確認しておかないと後が怖いもの」

 

焔耶「……お前は私を何だと思っているんだ」

 

赤斗「ははは…冗談ですよ。では焔耶さん。城に戻りましょう」

 

 

赤斗が焔耶に肩を借り、広間から出ようとした時、その異変は起こった。

 

赤斗「…焔耶さん?」

 

急に焔耶が動きを止めた。赤斗が呼びかけても返事はない。

 

赤斗「これは…」

 

焔耶はまるで石像のごとく動かなくなっていた。

 

否、焔耶だけでなく、雪蓮に嶺上、そして兵士たち、広間にいる誰もが石像のように動かなくなっていた。

 

赤斗「雪蓮!嶺上!」

 

赤斗が叫び、雪蓮たちの身体を揺するも返事はない。

 

赤斗「なんなんだ…これ」

 

?「無駄なことはしないことだな」

 

聞き覚えのない声が聞こえた。

 

赤斗「誰だ!?」

 

声のした方に赤斗は振り向く。するとそこには一人の老人が立っていた。

 

老人「風見赤斗だな?」

 

赤斗「……あなたは?」

 

老人「私の名は…王允」

 

赤斗「王允って、あの…連環の計の王允か?」

 

王允「まあ、お前の世界ではそうなるな」

 

赤斗「これはあなたの仕業か? みんなに何をしたんだ!?」

 

王允「騒ぐな。お前以外の時間を止めただけだ」

 

赤斗「時間を止めた?」

 

王允「そうだ。だが、そんなに長くは止められない。すぐに元通りになるから安心しろ」

 

赤斗「ふーーん。で、時間を止めてまで、いったい何の用だ?」

 

王允「ちょっとした忠告をしたかっただけだ」

 

赤斗「忠告?」

 

王允「今のお前たちでは仲達には勝てん。これ以上、奴に手を出すのはやめろ」

 

赤斗「何、どういう事だ?」

 

王允「実際、以前にお前は仲達に敗れたな。あの時は運良く悪夢の牢獄から抜け出せたようだが、次もそうなるとはかぎらんぞ」

 

赤斗「もしかして…あなたは王宮の抜け道に居たっていう世捨て人?」

 

王允「ああ、そうだ」

 

赤斗「そうでしたか。あなたにはお礼を言っておくべきですね。お陰様であの悪夢から目覚めることが出来たのだから…」

 

王允「礼などはいらん。お前を助かったのは、あの小娘たちのお陰なのだからな」

 

赤斗「もちろん二人にも感謝していますけど、あなたが居なければ、僕はきっと…」

 

王允「そう思うのなら、仲達には手を出すな」

 

赤斗「いや、あなたには感謝するが、それとこれとは話が別だ。司馬懿を放って置けば、この世界が滅びてしまうんだぞ!!」

 

王允「だが、手を出さなければ、その分長く生きることができる」

 

赤斗「なっ!? 世界が滅びるのをただ待てというのか?」

 

王允「……その通りだ」

 

赤斗「ふざけるなっ! そんなこと出来るか!!」

 

王允「ふぅー。やはりこうなるか」

 

赤斗「ん?」

 

王允「ならば好きしろ。一応、この外史の管理者として忠告はしたぞ」

 

赤斗「管理者? もしかして、貂蝉の仲間か?」

 

三国志演義では、貂蝉は王允の養女という事になっている。関係がないとは思えなかった。

 

王允「……さらばだ」

 

そう言うと王允の姿は消えてしまった。

 

赤斗「待てっ!」

 

王允が姿を消すと同時に再び時間が動き出した。

 

雪蓮「どうしたの赤斗? 急に大声なんか出して」

 

赤斗「雪蓮、元に戻ったのか?」

 

雪蓮「何のこと?」

 

赤斗「ごめん……何でもない」

 

雪蓮「変な赤斗。何かあったの?」

 

赤斗「…………」

 

貂蝉「どうやら、王允ちゃんが来たようね」

 

赤斗が王允のことを皆に伝えるべきか悩んでいると、突如貂蝉が姿を現した。

 

赤斗・雪蓮「貂蝉っ!!」

 

嶺上「ば、化け物か!」

 

貂蝉「喝ーーーーーーーー誰が化け物ですってーーー!!」

 

嶺上「うぅ…」

 

貂蝉の迫力にさすがの嶺上もたじろぐ。

 

赤斗「お前、こちらの世界には来れないのではなかったのか?」

 

貂蝉「それは赤斗ちゃんのおかげで、来れるようになったわ。ありがと♪」

 

赤斗「そうか。でも、ちょうど良かった。お前に聞きたいことがある」

 

いつも以上に真剣な顔で赤斗は貂蝉に睨んだ。

 

貂蝉「……………しかたがないでしょうね」

 

 

 

つづく


 
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