No.652956

魔法少女リリカルなのはStrikers ダメ人間の覚悟

makeさん

第38話 解放と治療

2014-01-08 21:00:20 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:11769   閲覧ユーザー数:10472

第三者 Side

 

 

白「クックックックックック・・・・・・」

 

突如として現れた透の顔を半分ほど覆う白と黒のラインが入った仮面、そしてそれを装着した状態でニタリと笑っている透・・・ではなく、透の『虚化』であり以前聖王教会で暴れていた白であった。

 

なのは「と・・・・・・透・・・・君?」

 

シャマル「本当に・・・・透君・・なの?」

 

いきなりの事で白以外の人物達(カラミティやアハトも)が驚き言葉も上手く出て来ない中、辛うじて口を開いたなのはとシャマルであった。

 

白はなのは達の質問に答える前に大きく後方へとジャンプしなのは達と距離を取り、そして口を開いた。

 

白「残念ダガ、俺ハ透ジャ無ェ・・・・中村 ハルカ・・・・オ前ナラ俺ガ誰カ・・・分カルヨナ?」

 

すると白はハルカへと目線を移す、他の皆も白の言葉につられてハルカの方を見た。

 

ハルカ「・・・・えぇ分かるわよ・・・・・透の『虚化』の部分でしょ?」

 

白「・・・・マァ正解ニシテオイテヤルカ、オ前モ含メテ・・・・テメェ等全員初メマシテダナ・・・俺ハ一応透カラ『白』ッテ呼バレテンダ・・・・・・アーット、ソーイヤァ若干2名・・・・トイウカ一人ト一匹カ?ソイツラハ久シブリッテトコダナ・・・ナァ?ソコノ嬢チャント嬢チャンノ召喚虫ノ虫野郎」

 

白はルーテシアとガリューを指差した。

 

メガーヌ「え?!ルーとガリューが?!」

 

ルーテシア「えぇウソ?!で、でも私あんな人と会ったことなんて無いよ!?」

 

白「アァ・・・・・ソウ言エバ嬢チャンハ、アン時操ラレテタンダッケナァ・・・・ナラ覚エテネェノモ無理ハ無ェ・・・・ダガソコノ虫野郎ハ覚エテンダロ?」

 

ルーテシア「ガリュー、本当!?」

 

ガリュー「・・・・・」コクッ

 

ルーテシアの質問にガリューは首を縦に振り肯定の意味をあらわした。

 

白「ガリューッツーノカ、久シブリダナァ・・・元気シテタカヨ?」

 

ガリュー「・・・・・」コクッ

 

白「ソウカ・・・」

 

白はガリューに質問をするとガリューはまたも首を縦に振るだけだった、そして白もそれに納得したかのように一言だけ言うだけだった。

 

白「アト、ソッチノ聖王教会ノ女」

 

今度はガリューでは無くシャッハに声を掛けた。

 

シャッハ「わ、私・・・・・ですか・・・・・・」

 

白「ソッチノ面子デ聖王教会ノヤツナンテ、オ前シカイネェダロ・・・・・オ前ノ上司ノアノ女ハ元気ニシテンノカ?」

 

シャッハ「わ、私の上司って・・・・・騎士カリムの事・・・・ですか?し、しかし・・・・何故アナタが騎士カリムの事を・・・・・・」

 

白「正確ニハ俺ジャナクテ透ガ気ニシテタンダヨ、チナミニ俺ハ一切気ニシテネェカラ・・・アノ女ガドウナロォトマジデ知ッタコッチャナインダヨ」

 

ティアナ「す、すごい言い草ね・・・・・」

 

シャッハ「・・・・・あ、あなた方のお陰で・・・・騎士カリムには目立った外傷も見受けられず、現在もお元気です・・・・」

 

白「アー・・・・・・ソレハ本人ニ言ッテヤッテクレ、俺ガ言ッテモ信憑性ガ無ェカラナァ・・・・モウ一回言ウガ、アイツハ本気デ心配シテタンダ・・・・オ前等ノ口カラ言ッテヤレヨ」

 

シャッハ「は・・・・はぁ・・・」

 

そしてそんな中、一人・・・・というか一体だけがかなりの動揺を現していた。

 

カラミティだけだった。

 

カラミティ「ナッ!何故アナタガ・・・・表ニ出テコレタノデスカ!?ソレニ・・・・ドウヤッテ身体ノ自由ヲ?!」

 

白「アァ?・・・・・・・・・・・・・フッ」ニィッ

 

カラミティの質問に白は煩わしい感じに捉えそっけない返事をしようとしたが、途中で止め口の端を上げ小さく笑った。

 

カラミティ「~~~~~ッ!何ガ可笑シクテ笑ッテイルンデスカ!!??」

 

白「イヤイヤ・・・・・何モ知ラネェテメェノ馬鹿ップリガ・・・・チョットナ・・・・・」

 

カラミティ「何モ・・・・ダト・・・・・!?ウルシハドウシタンデスカ!?」

 

白「ダカラテメェハ何モ知ラネェッテ言ッテンダヨ!馬鹿ダロホントニヨォ」

 

カラミティを小馬鹿にしたように白は挑発を繰り返していた、突然のあり得ない人物?の登場により平然とできないカラミティには白の挑発的なセリフはどれも返せなくなってしまっていた。

 

カラミティ「五月蠅イ!!先程ヤツカラモ、アノ3人ハ排除シタシオ前達モ抑エテイルママト報告ヲ受ケタ!ナノニソノ貴様ガ何故表ニ!?」

 

白「ソノ報告ガ、本当ニ『本人カラノ』報告ダッタノカ?」

 

カラミティ「何・・・・・・」

 

白「オ前ガ聞イタノガ、本人ッテイウ証拠ハ何処ニモ無ェ」

 

カラミティ「ソンナハズハ・・・・・アレハ確カニヤツノ声ダッタハズ・・・・・・」

 

白「魔法ッテノハ便利ダヨナァ、『他人ニ化ケラレル』・・・・ナンテヨ」

 

白の言った言葉になのはやハルカ達はおろか、カラミティでさえも意味が分からなかった。

 

カラミティ「他人ニ化ケラレル?イイイ一体何ノ事ヲ・・・・・シ、シカシ今更貴様ガ出テモ遅過ギマスガネ!?」

 

白「??」

 

カラミティ「仮ニウルシガ倒サレタトシマショウ・・・・ダトスレバ!コノ首ニ刺サッテイル装置ガ外レル筈デス!!」

 

白「・・・・アァ~ソウイヤァ久々ノ表ダカラ忘レチマッテタナァ」

 

カラミティ「ナ、何ヲ・・・・」

 

白「ダカラ、テメェガサッキカラ言ッテタ事ダヨ、テメェガ言ッテタノハヨォ・・・・・・・」

 

白はカラミティに喋りながら『何か』をしていた、その『何か』とは・・・・・・・。

 

すると、いきなりアハトが悲鳴を上げた。

 

アハト「ヌガァァァァ!!??キ、貴様ァァ!!」

 

ハルカ「な、何!?」

 

アリシア「いきなりアハトが叫びだした・・・・・・」

 

アハト「キ、貴様・・・・・余カラ魔力ヲォォ・・・!!」

 

白「当タリ前ダロ・・・コイツァ元々透ト『俺ノ』魔力ナンダカラヨォ、キッチリ返シテモラワナイト困ルゼ」

 

『何か』の正体は白がアハトに持っていかれた魔力を逆に吸い取っていたのだ、この現象はスバルたち『写輪眼』を持った者が確認しており白が言った事が本当ということも確認できている。

 

アハト「ナァ?!キ、貴様ノ・・・・・魔力ダトォ?!!」

 

白「俺ハ一応透ノ『精神(なか)』ニ居ルンダ、テメェガ吸イ上ゲタ際俺ノ魔力モ一緒ニ・・・・シカモ勝手ニ持ッテイッタダケノ話ダロ」

 

すると白に逆に吸い取られていたアハトは、見る見るうちに透の身長ほどもある大剣から一気に小剣・・・・・いや、食時に使うナイフくらいにまで縮んでしまった。

 

アハト「貴様!余ノ・・・・余ノ・・・・魔力マデ・・・・・」

 

白「何言ッテヤガル、俺達カラ無断デ魔力ヲ取ッタンダ・・・・利子付ケルノハ当タリ前ダロ・・・・・・ツッテモ、ソンナニ無ェンダナ・・・・・悪カッタナオ前サンノナケナシノ魔力ヲモラッチマッテ・・・・ヨッ!」

 

そう言うと白は小さくなったアハトを自分となのは達の中間の地面に向けて投げた、アハトは小さい悲鳴を上げながら地面に刺さった。

 

白「ジャァ気ヲ取リ直シテット・・・・・サッキ、テメェガ言ッテタノハ・・・・・・」

 

そして白は徐々に魔力を放出していった、すると首の後ろに刺さっていたウルシの本体である装置が”ズッ”っと抜け落ちた、その際に透の首から微量ながらも血が出たがすぐに止まった。

 

地面に落ちたウルシの本体は”カランカラン”と音を立てた、更に白はそんなウルシの本体を右足で踏み潰した。

 

白「コイツノ事ヲ言ッテンノカ?」ぐりぐり

 

踏み潰したウルシを右足ですり潰す様にしながらカラミティに言った。

 

カラミティ「!!!」

 

白「残念ダッタナァ、テメェガ言ッテタ奴ハゴ覧ノトオリ俺ガ粉々ニスリ潰シテヤッタゼ、次ハ「ちょ、ちょっと待って!!」・・・・何ダ?」

 

意気揚々と話していた白、その白の言葉を遮ったのはハルカだった。

 

ハルカ「な、何でアンタがこのタイミングで出てくんのよ!?・・・・透の計画には無かった筈よ!そうでしょヤクモ!?」

 

ハルカは声を荒く上げ、アインスが持っている刀を見た。

 

ヤクモ『・・・・・・・』

 

白「・・・・アァ~成程ナ」

 

ハルカ「成程なって・・・・・何が成程なのよ!?」

 

白「怒ンナッテ・・・・ヤクモ達ガ言ッテナイノモ無理モネェ、透ノ計画ニハナ・・・・別ノ案モアッタンダヨ」

 

アインス「別の案だと?」

 

白「アァ、他ハドウカハ知ラネェガ・・・・アイツハ自分ノ命ニ関ワル事トナルト異様ニ頭ガ回ルカラナ」

 

ハルカ「まぁ・・・・・確かに・・・・」

 

白「ソレデ・・・・・透ノ計画ノ中ニハナ、俺達ヲ解放スル事モ含マレテタンダヨ」

 

ハルカ「解放って・・・・・・アンタ捕まってたの?!」

 

白「インヤ、捕マッテハイネェ・・・・・・イヤマァ俺達ハ事前ニ透ノ精神ノ中ニ隠レテタンダガ、ツッテモ俺達ハ透ニ封印サレテタンダケドナ」

 

フェイト「ふ、封印・・・・・?」

 

白「透ハ自分ガ操ラレル事ヲ予想ハ出来テタ・・・・コノ『カラミティ』ヲ埋メ込マレル前ニ俺達ヲ封印シタンダ、スルトソコニアノ『ウルシ』ッテ蜘蛛女ガ入ッテスグニ自分ノ周囲ニ魔力ノ結界ミテェナモノヲ張リヤガッタ」

 

シャマル「え・・・・じゃ、じゃぁ・・・あなたはそれを破ったの?」

 

ハルカ「ていうか待って、アンタは『虚化』の部分・・・・だったら透の中に入ってるのはアンタだけの筈なのに、どうして『俺達』って言葉を使うのよ!?」

 

白「ウルセェナァサッキカラ、透ノ精神ノ中ニイルノハ俺ヲ含メテ4体・・・・・・俺、九喇嘛、アシュロン・・・・・ソシテ、最近入ッテキタ新人ノ事ダヨ・・・・・透ハ俺ダケジャナク『九喇嘛』ヤ『アシュロン』モ使ワレルノヲ恐レテ、アイツ等ヲ俺ト一緒ニ封印シチマッタンダヨ・・・・・・ト言ッテモ、ソンナ大袈裟ナ封印ジャネェ・・・・封印ツッテモ膜ミタイナモノダカラナァ」

 

アリシア「ま・・・・・・・膜・・・・・え?じゃぁどうやって・・・・」

 

白「簡単ダ、コノ膜ガ破ラレル条件・・・・・ツマリ封印ガ解ケルノハ、ソコノ女共ガ最初ニ『写輪眼』デ精神(なか)ニ入ッテキタ時ダ」

 

ティアナ「・・・・・・それが・・・・・・さっきの・・・・って事?」

 

白「ソウナルナ・・・・1回目ノ発動デ俺達ハ自由、アノ『ウルシ』ガ張ッタ結界ミタイナモノハ壊スマデモナク通リ抜ケテヤッタ・・・・・マァ言ッテミリャァオ前等ガ『外側担当』ダトシタラ、俺達ハ『内側担当』・・・・・・ツマリ精神カラ透ヲ助ケ出ス役割ヲ担ッタ形ニナッタワケダ」

 

白が話し終えるとティアナは肩を震わせて、更には声までも震わせながら発した。

 

ティアナ「・・・・・・・・じゃぁ・・・・」

 

白「ン?」

 

ティアナ「じゃぁ・・・・何?・・・私達が入っていようとなかろうと、まったく意味無かったって事?・・・・・結局はアンタ達を解放するだけの囮って・・・・・何よそれ・・・何の為に頑張って「寝呆ケンナ」・・・・・何よ」

 

ティアナの言葉を遮り、白は頭を下に向けながらヤレヤレという感じに首を振った。

 

白「俺ガコウヤッテ表ニ出テクルノハ・・・・・言ッテミリャァ『保険』ダカラナ、透ハ最初カラオ前等ガ自分ヲ助ケテクレルッテ・・・・・信ジテタンダヨ」

 

スバル「え・・・・・」

 

白「ダガ、ドンナ時モ思イ通リニ事ガ上手ク運ブ訳ジャネェ・・・・・世ノ中ニャァ『念ニハ念ヲ』ッテ言葉ガアル、透ハソレヲシタダケダ・・・・・・ソレニナ、透ハコンナ事モ言ッテタンダヨ」

 

透『アイツ等ならやってくれるって思っとんじゃけど・・・何が起こるんか分からんけぇな・・・・お前等にゃぁアイツ等の事見守っとってほしいんじゃけど・・・仮にアイツ等に何かあったらさ・・・・・・・スマンけど助けちゃってくれん?俺の代わりに』

 

白「ッテナ感ジニ言ッテタゼ、俺達モ透ノ言葉通リニオ前等ニ手ェ貸サナカッタンダケドヨォ・・・・マァ結果ハ、アァナッチマッタカラ俺達デ勝手ニ『ウルシ』ヲブッ飛バシタンダケドヨ」

 

ハルカ「・・・・・・・・そういうことね」

 

ティアナ「・・・・・・・」

 

白の言葉にティアナは未だ納得していないのか、下唇を噛み悔しさを表情に浮かべていた。

 

白「・・・・俺ガ言ッタ事ヲ全部納得シロトハ言ワネェ、タダ透ガ本気デオ前達ノ事ヲ信ジテタ事ダケハ理解シトケ・・・・・・ンデ、後ノ事ハ本人ニ聞ケ」

 

ティアナ「・・・・・」コクッ

 

スバル「ティア・・・・・」

 

白の言葉に納得したのかしていないのか、ティアナは黙って頷いた。

 

白「サテ・・・・・ジャァ気ィ取リ直シテコイツヲ”ダッ!”ッゥオ?」

 

喋りながらなのは達から離れた白、しかしその声は少しだが驚いた声が混じっていた。

 

そしてなのは達から10m以上離れた所で着地した。

 

白「・・・・・アァ、ソウカヨ・・・・・・・・・ソウシテェノカ」

 

白は何かに納得したかのようにして下を向いたが、すぐに顔を上げた。

 

なのは「え・・・・・何で・・・・・私から離れたの!?」

 

白「決マッテンダロ・・・・・・ソンナモン、コウスルカラダヨ!」ガシィッ!

 

白が言い終わるとほぼ同時に、透の身体が動き左肩に付いていたカラミティを掴みだした。

 

なのは「えっ!!??」

 

ハルカ「うそ!?」

 

カラミティ「ナッ?!?!」

 

その行動に白以外の誰もが驚いた、掴まれたカラミティでさえも。

 

ヴィータ「テ、テメェ!!何してんだ!?」

 

すずか「そんなことしたら透君の身体が!?」

 

カラミティ「ソ、ソウデスソウデス!彼女達ノ言ウ通リデスヨ!!ソレニ私ヲ掴ンダトコロデソノ行為ハマッタクノ無意味デス!」

 

白「アァ?何ノコトダ?」

 

カラミティ「私ハ彼ニ寄生シテイマス!ガ、寄生ト言ッテモタダノ寄生デハアリマセン!骨カラ神経、更ニハリンカーコアヤ脳ニ至ルマデ私ノ支配下ニアルノデスヨ?!無理矢理引キ剥ガセバ彼ノ命自体アリマセンヨ!?」

 

シャマル「神経や脳って・・・・・・・」

 

ディアーチェ「あやつ・・・・そんな所までも・・・・・・」

 

シャッハ「しかし、仮に奴の言っている事が本当ならば・・・これでは奴の言う通り井上さんの命の危険が」

 

カラミティ「サァ!如何シマスカ?!」

 

カラミティの実態を聞いたなのは達は驚き、今後の対策を練ろうにも透の本人の命の危険を考えるととても短い時間では案を出すことは出来ずただ尻込みする事しか出来なく、そんななのは達とは対照的に開き直ったカラミティは笑みを浮かべ白を見ていた。

 

白「・・・ヘッ」

 

だが、なのは達とは違い白は驚いたり焦ることはなく、カラミティを馬鹿にするような笑みを浮かべていた。

 

そして透の手はカラミティの言葉を聞いたにもかかわらず、徐々にではあるが透の左肩とカラミティを離し始めていた。

 

カラミティ「ナッ?!何故止メナイノデスカ!?彼ガドウナッテモ本当ニ良イト思ッテイルノデスカ?!」

 

はやて「癪やけど、カラミティの言う通りや!アンタがいくら透君の中に居って、そのアンタがなんぼ表に出てきて透君の身体を動かせる言うてもアンタの判断で透君を危険な目ぇに合わせるんは許さへんで!!」

 

アリシア「はやての言う通りだよ!!早く透の手を動かすのを止めてよ!!」

 

カラミティ「ホ、ホラ・・・彼女達モアァ言ッテルコトデスシ、彼ノ手ヲ「2ツ」・・・・ハイ?」

 

白「2ツ、テメェ等ハ間違ッテル・・・・・マズ1ツ目ハ、俺ガ本当ニ透ノ事ヲドウダッテイイナンテ思ッテンノカ?」

 

アリシア「だ・・・・・・だって・・・」

 

白「俺ダッテコイツニハ死ンデ欲シイナンテ、思ッチャイネェヨ・・・確カニコイツハ俺ノ宿主ダケドヨ、コレデモ俺ハ透ノ事結構気ニ入ッテンダヨ」

 

ハルカ「・・・・・・じゃぁ、2つ目は?」

 

 

 

 

 

 

白「アァ、ソコガ一番言イタカッタトコロナンダケドヨォ・・・・・・・・俺ハモウ『透ヲ動カシチャイネェヨ』」

 

 

 

 

 

 

全員「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

白から聞かされる事実、先程同様白以外の全員が驚きというよりも何言ってんだコイツ?のような感じの声を上げた。

 

白「確カニ俺ガ出テ来タ最初辺リハ俺ガ透ヲ動カシテタ、ダガツイサッキ・・・・・・俺ガオ前等カラ距離ヲ取ッタ時ニハ、俺ハモウ透ヲ動カシチャイナカッタンダヨ」

 

シグナム「で、では・・・・・カラミティが再び・・・いや、それでは奴の行動の理由がつかん・・・・」

 

エリオ「え・・・じゃぁ、今井上さんの身体を動かしてるのって誰なんですか?」

 

キャロ「カラミティでも無くて、あの白さんって人でもない・・・・・・他に誰かいたかな?」

 

白「・・・イルダロ・・・・・・ココニ一人」

 

白がニヤニヤしながら喋っていて、その姿を見たハルカはハッとしたような顔をした。

 

ハルカ「嘘・・・・・・・いや・・・・・でもそうとしか・・・・」

 

ギンガ「ハルカさん?」

 

ハルカ「ま、まさか・・・・透本人!?」

 

白「正解」

 

全員「!!!!」

 

皆が驚いている中、透は徐々にだがカラミティを引きはがそうとしていた。

 

アインス「嘘だ!!!透がそんな事をする筈が無い!!アイツが自分を・・・・・・そんな・・・・・・」

 

ツヴァイ『お姉様・・・・・・』

 

はやて「アインス・・・・」

 

アインスは過去に自分を助けてくれた恩人が自らをそんな危険な目にあわす筈が無い、自分達を悲しませることをするはずがないと思い声を荒げた・・・・が、実際透は今もカラミティを引き剥がそうと左肩に手を置いている。

 

白「・・・・・・ソウ思ウノハ勝手ダケドヨォ、実際俺ハ透ノ身体ヲ動カセネェンダヨ」

 

ハルカ「で、でもそれっておかしくない?だってアンタが表に出てるって事は少なくとも透には身体の主導権は無いって事じゃないの?」

 

白「マァ本来ナラソウナンダガ、俺ト透ハ特殊ダカラナァ・・・・・・ソレニオ前、俺ガ出テル原作知ッテンノカ?」

 

ハルカ「え、えぇ・・・・一応・・・死ぬ前には毎週見てた内の一つだし・・・・・・・」

 

白「ナラ分カルダロ・・・俺ガ表ニ出テルカラッテ、必ズシモ俺ガ主導権ヲ握ッテネェッテ」

 

ハルカ「あ・・・・・・」

 

白「コノ身体ノ持チ主ハ透、アイツガ自分ノ意志デ動カソウト思エバ俺ガ出テイヨウト関係無ェ・・・・・ト言ッテモ、コノ行動ハ俺モ予想外ナ事ダカラ少シ驚イタンダケドナ」

 

そして白が言い終わると同時に、透の右手がカラミティをさっきよりも強く引き剥がそうとしていた。

 

白「マァダガ、俺的ニハコイツノヤロウトシテルコトヲ止メルツモリハネェケドナ、面白ェシ・・・・・・何ヨリ・・・」

 

カラミティ「バ、馬鹿ナッ!!アナタハ彼ガドウナッテモイイッテ言ウノデスカ!!??ソレニ私ガ先程言ッタ事ヲw「忘レテネェヨ馬~鹿」ッ??!!」

 

白「ツーカテメェモ忘レテンノカ?透ハ自分ノ命ニ危険ガアルホド頭ガ回ルッテヨ、サッキテメェガ言ッタ脳ヤラリンカーコアヤラガウンタラカンタラッテ件(くだり)、解決シテルッツーノ」

 

カラミティ「ナァ??!!」

 

白「テメェハ小サイ糸状ノモノヲ透ノ血管ヤラ神経等ヲ通シテ、ソコカラ特殊ナ魔力ノ電気ヲ流シテ透ヲ操ッテタンダロ?ナラ逆ニコッチカラ流シタラ操レネェ・・・・・・ッテ透ハ考エタミテェダガ、ドウヤラ合ッテタミテェダナ」

 

カラミティ「クッ・・・」

 

白「ソレカラ言ッテオイテヤルナラナァ、透ハ基本的ニヤラレタラヤリ返スッテタイプダ・・・・・・『オ前等』ニ絶対ー(ぜってー)仕返シシテヤルッテ感ジデイルカラ用心シトケヨ、俺カラノ親切デ忠告シトイテヤッタゼ」

 

カラミティ「・・・・・・・・・・・」

 

白「アァ、何カシヨウッテンナラ意味無ェゾ、テメェノヤリソウナ事ハモウ分カッテンダヨ、コノ鉄屑「チッ!」アァソレト、俺・・・・・ト言ウヨリ透ガ今カラシソウナ事ハ予想出来ルト思ウケドヨォ、中村・・・・・・コイツノ事頼ムゼ」

 

ハルカ「!?・・・・・・」コクッ

 

ハルカは白が何を言っているのかハルカは即座に理解し頷いた。

 

白「サテト・・・・・・・ット!?」

 

突如白が驚きの声を上げた、理由は簡単だった・・・・・・透がカラミティを本格的に引き剥がそうと左肩から抜こうとしていた。

 

カラミティ「ナァッ!!??ヤ、止メロォォォ!貴様!コイツヲ止メル様ニ言エェェェェ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

白「俺ニコイツヲ止メルナンテコト出来ネェヨ!ンナ事ヨリ、精々コノ後ノコトデモ気ニスルンダナァ!!」ブチブチグチグチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透はカラミティを自身の左肩から無理矢理引き剥がそうとしていたが、その際透の左肩から嫌な音が鳴り響いた・・・・・・・・”グチャグチャ”や”ブチブチ”といった何かが切れたり千切れたりする音。

 

だがそんな揃うような音だけでは無く、”グチ”や”ボキッ”といった骨が折れるような音とかに混じって妙な音までもが聴こえて来た。

 

そんな透の姿を機動六課の面々は7,8割近くは直視出来ず顔を伏せ耳を塞いだ・・・・・・当たり前だ、誰も人の肉が引き千切られるような音や骨が折れる音、ましてや自らを傷付けるような姿を目にしたくないに決まっている。

 

響子「い・・・・・・イヤ・・・・やめて・・・・・・・・・やめてくださいよ・・・・・・」

 

白「ア・・・・・・ダガコレッテ・・・・・カナリ痛イジャ済マネェナ・・・・・モシカシタラ透ノ意識ガ・・・・・・マァソン時ハソン時ダナァ!!!」

 

カラミティ「止メロォォ・・・・・・止メロォォォォォォ!!!!!」

 

白「ハァッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ブチブチブチ・・・ズル・・・・・ブシャァァァ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

そして白の笑い声とカラミティの悲鳴が聴こえる中、透は見事にカラミティを引き抜くことに成功した・・・・・・が、その代償・・・・というよりカラミティを無理矢理引き剥がしたことにより透の左肩から大量の血が噴き出した・・・・・・それも盛大に。

 

更にその所為か、透の顔を半分以上覆っていた仮面が剥がれ落ち、地面に当たる瞬間で塵となって消えた。

 

なのは「・・・・・・・・・」

 

ゼスト「・・・・い、いったい・・・・・どうなったんだ?」

 

ブシャァァと勢いよく噴き出した血と共に、空を見上げている透。

 

しばらくそんな状態が続くかと思われたが、そう長くは続かず・・・・・・透の身体は崩れた。

 

足を肩幅に開いていた透だったが、急に片膝が“ガクッ”と地に付いてしまいそのまま倒れそうになっていた。

 

なのは「透君!!」

 

フェイト「っ!」シュンッ

 

意識があるのか無いのか、透はそのまま地面に倒れそうになったが、結果はそうでは無かった。

 

“ガシッ”

 

倒れそうになった透は誰かに抱き止められていた、その誰かというのは・・・・・フェイト・テスタロッサだった。

 

フェイトは透が膝を折った瞬間、『瞬歩』で透に近付いていた。

 

そして透を正面から抱き止め、透の頭を自分の右肩に乗せるようにしていた。

 

透「フェイ・・・・ト・・・・か・・・・」

 

フェイト「透?!しっかり!!」

 

なんと、表の人格として出ていた白がいなくなり透が表として出て、更に意識も失っていない状態だった・・・・・・が、それも危ない状態には変わりなく透は今では意識があるように思えるが、今もなお大量に出血している状態・・・・このままいくと意識はおろか命も危なくなってしまう。

 

 

が、それでも透はフェイトに向かって喋りだした。

 

透「お前・・・・の・・・・『瞬歩』・・・・・・・・メッ・・・・・チャ・・・速ぉ・・・・・・・・な・・・・・・・・っと・・・・る・・・なぁ・・・・・・・・まぁ・・・・・・・俺・・・・・・・・も・・・・・・・・まだ・・・・・・まだ・・・・・・・・・敗けん・・・・・けど」

 

フェイト「喋らないで透!喋らなくていいから!!ハルカ!!??早く透を!!」

 

フェイトは抱き止めながらハルカを呼んだ、あの状況で透を助けられるのはハルカしかいない事は地球組なら誰もが知っている事だった。

 

透「無理に・・・・担が・・・・・ん・・・で・・・・・・・ええ・・・・・・けぇ・・・・・・・・お前・・・・の・・・・・・白い・・・・・・マント・・・・・・・が・・・・・・俺の・・・・・・・血で・・・・・・・・・汚れる・・・・・・・じゃ・・・・・・ろ」

 

フェイト「無理じゃないよ・・・・・・・ぐすっ・・・・・それに・・・・・透の血が・・・・汚いなんて・・・・そんな事無いよ・・・・っく」

 

透「・・・・・・相・・・・変わ・・・・らず・・・・お前・・・・は・・・・・・・・・優し・・・いのぉ・・・・・そんでもって・・・・泣き虫も・・・・・変わ・・・らんのぉ・・・・・・俺な・・・んかに・・・・・・泣いて・・・・くれて・・・・・・・それ・・・に・・・・・・俺を・・・・・・ホンマに・・・・・・助・・・・けてく・・・れて・・・・・・・・ホンマ・・・・・・見違・・・・・えたわ」

 

フェイト「当たり前だよ・・・・私達・・・・・ずっと・・・・・ずっっっと透を探してたんだよ?透の事を一日だって忘れた事なんて無かったんだよ?それに・・・・・助けるに決まってるもん・・・・・だって・・・・・・だって私は透を!」

 

透「・・・・・お前・・・等に・・・・・・・任せて・・・・ホンマ・・・・・正解・・・・・・・じゃった・・・・・んや・・・・・・・・なぁ」ガクッ

 

フェイト「!?」

 

突然透の身体が傾いた、透には既に立っていられる程の力は残されていなかった。

 

ハルカ「フェイト!透を寝かせて!シャマル!止血と治療を手伝って、私は左腕を治すから」

 

シャマル「分かった!」

 

フェイトはハルカの指示通りに透の身体をゆっくりと降ろして行き、途中でヴァイスやシグナムの手を借りて静かに地面に寝かした。

 

ルーテシア「治すって・・・・本当に出来るんですか?」

 

はやて「・・・・そう言えばアンタ等は見た事無かったんやな、これはハルカちゃんにしかできひんこと、ハルカちゃんのレアスキル『盾舜六花』や」

 

エリオ「何ですか・・・・・それ・・・」

 

はやてはハルカの能力を知らない新人たちやゼスト隊長たちに簡単ながらも説明した。

 

クイント「あったはずの事を無かった事にするって・・・・」

 

ヴァイス「信じらんねぇ・・・・・」

 

はやて「せやけど、ホンマの事なんです・・・・実際それでうちのアインスは助かりましたし」

 

ハルカ「はやてゴメン、ちょっと静かにしてもらえる?こっちも集中しないといけないから」

 

はやて「あ、ごめんな」

 

ハルカ「というか、アンタ達は別の方を「それなら心配あらへんよ」・・・」

 

はやて「もう・・・皆行ったんよ、私等の代わりに」

 

ハルカ「・・・・・そう」

 

 

 

 

 

場所は変わり、白に捨てられる形になったアハト。

 

現在アハトは小さなナイフの形になり地面に突き刺さって身動きが取れない・・・・・・が、持ち手の部分から蜘蛛の脚のようなモノが左右に数本生え、その脚のようなモノが地面に触れるとアハトは刀身が空に向くようにし立ち上がった。

 

アハト「クッ・・・余ガコノヨウナ醜態ヲ晒スコトニナロウトハ・・・・・・」

 

そう、アハトは只の武器型の特殊デバイスでは無く、自立移動可能型のデバイスでもあったのだ。

 

アハト「ココデヤツヲ失ウノハ勿体無イガ、余ガ助カル為ニハ已ムヲ得マイ・・・・ココハアノ研究者共ガ来ルノヲ待ツシカ「待っても意味無ぇよ」!!」

 

突如アハトの背後から声が聴こえて来た、更に言えば複数の気配がアハトの周囲を包囲するかのように・・・・・・要はリンチするかのようにして集まっていた。

 

そしてアハトに向かい喋りかけたのは、ヴィータだった。

 

ヴィータの他にはアルフ、ザフィーラ、アインス、レヴィ、ユーリ、ギンガ、ティーダ、ユーノといった8名がアハトを取り囲んでいた・・・・・・ティーダは透とは関係がないが、ここにいる全員の顔は怒りに満ちていた。

 

アハトはヴィータを含めた9名に囲まれ恐怖した、これから自分に起こることを感じながら・・・・。

 

アハト「余・・・・・余ハ・・・タダカラミティニヨッテ操ラレテイタニ過ギン・・・・・余自体ハアノ者ヲ助ケタイト・・・・」

 

アルフ「・・・・・・・・で?」

 

アハト「余・・・トテ・・・・アノ者カラ力ヲ奪ウコトハ本意デハ無カッタノダ・・・・」

 

ユーリ「・・・・・でもやってましたよね?」

 

ティーダ「とても本意でやりたくなかったって言う感じには見えなかったな」

 

アハト「ソ、ソンナコトハ・・・・・・・」

 

ヴィータ「まぁまずあり得ねェ事だけど、こん中の奴等やはやて達が仮にお前等の事許しても、アタシがお前等をスクラップにしてやるけどな」ガシャッ

 

ヴィータは持っていた自身のデバイス『グラーフアイゼン』を肩に担いだ。

 

レヴィ「ズルいよ、僕だってコイツをぶっ壊したいのに」

 

ユーノ「最近の子は過激だなぁ・・・・・まぁ僕も許さないけどね」

 

ザフィーラ「無論我もだ」ボキボキッ

 

アルフ「粉々にしてやる」ゴキゴキッ

 

アハトを取り囲んでいるヴィータ達は全員、攻撃準備を整え・・・・・いや既に出来ていた。

 

アハト「・・・・ヤ・・・・・・止メテクレ」

 

ヴィータ「透をあんな風にしやがったテメェに、今更そんな事言う資格・・・・無ェンダヨ」

 

アルフ「ていうか・・・・・・モウ口ヲ開クナ」

 

レヴィ「耳障リダカラ」

 

ユーリ「モウ聞キタクアリマセン」

 

アハト「待ッテ・・・・・・・・・」

 

ヴィータ「・・・・・・・・・黙レヨ・・・・・・・・・『ツェアシュテールングス』・・・・」

 

ユーリ「『チャージル』・・・・・・・・」

 

レヴィ「・・・・・『雷刃封殺』・・・・」

 

そして、全員は持っていたデバイスを振り上げ・・・・アハトに向け一気に振り下ろしたり、砲撃を放った。

 

アハト「―――――――」

 

打ち込まれ撃ち込まれたアハトは、悲鳴を上げたのかもしれないが・・・・・・誰にも聞き取れはしなかった。

 

 

 

 

 

そして更に場所は変わり、透により透の左肩から無理矢理引き剥がされたカラミティ。

 

奴もアハト同様自立可能型のデバイス、カラミティも逃げ出そうとするものの、アハトの所と透の所に行かなかったなのは達が取り囲んでいた。

 

もちろん、なのは達・・・・主に地球組とシュテル達やハリベル達孤児院組の眼には光が無い状態で睨み、スバルやティアナ、更にはギンガまでもカラミティを睨んでいた

 

なのは「・・・・・・・・」

 

カラミティ「待ッテ・・・・・待ッテクダサイ・・・」

 

なのは「ダメ・・・・・待テナイヨ・・・・・」

 

フェイト「早ク・・・・オ前ヲ消シ飛バサナイト・・・・・・」

 

アリシア「私達ノ気ガ済マナイ・・・・・」

 

響子「オ前ノ所為デ・・・・・・・・オ前達ノ所為デ・・・・・・透サンガ傷付イタ・・・・・ソレダケデモ万死ニ値スルワヨ・・・・」

 

カラミティに対し、もはや何を言っているのかもわからないなのは達に若干ビビりながらもなのは達に倣い自分達のデバイスを握り締め構えるスバルたち。

 

シグナム「貴様ハ私達ニ対シテ絶対ヤッテハナラナイ事ヲシタノダ」

 

アインス「アイツハ私達ニ復讐ナドスルナト言ウカモシレン・・・・・ガ」

 

ディア「貴様ハ我等ノ」

 

シュテル「大事ナ先生」

 

ハリベル「命ノ恩人」

 

なのは「ソシテ・・・・・・大切ナ人・・・」

 

レン「・・・・・傷付ケタオ前」

 

なのは達はカラミティに自分達の思いを口にしていきながら自身たちの魔力を溜めていった。

 

カラミティ「イ・・・イヤダ・・・・助ケテ・・・・・」

 

クロノ「・・・・残念だが、お前は逆鱗に触れてしまった・・・・・無論彼女たちほどではないが僕やユーノ、ザフィーラもだ・・・・だから同情する事は出来ん」

 

カラミティ「ソ・・・・ソンナ・・・・・・・・」

 

なのは「・・・・・少シ・・・・消エテイヨッカ・・・」

 

なのはが言うと、皆一斉にカラミティを中心に散りデバイスを構え、アインスはカラミティを拘束する為『氷輪丸』で氷漬けにした。

 

カラミティ「ヒッ!?」

 

アインス「コレデ逃ゲラレン・・・・・」

 

カラミティ「ワワワ私ヲ破壊シタトコロデ、研究所ノデータハ手ニ入リマセンヨ!!」

 

ヤクモ『それならご心配なく、マスターは基本やられたらやり返すタイプですのでそう言う事に関しましても抜け目ありませんので・・・・・・あと地中に何か残そうと思っても無意味ですので、私達にはそういうモノを探知する装置がありますので』

 

なのは「・・・・『スターライト』・・・・」

 

フェイト「・・・・『プラズマ』・・・・・・」

 

アリシア「『ザンバー』・・・・・・・」

 

すずか「・・・・『ブラッディ』・・・・・・」

 

シグナム「『月牙』・・・・・」

 

アインス「・・・・・『氷輪丸』・・・・・」

 

響子「『捩花』・・・・・・」

 

スバル「『エル』・・・・・・・・・」

 

ティアナ「(習ってる最中だけど)『スターライト』・・・・・・」

 

ギンガ「・・・・・・・『スクリュー』・・・・・・・・・・・」

 

シュテル「・・・・『ルシフェリオン』・・・・・・」

 

レン「・・・・・・・『雷神』・・・・・・」

 

ディア「・・・・・・『ジャガー』・・・・・・・・・」

 

 

 

 

カラミティ、アハト・・・・・この両デバイスが居た場所にはトンデモなくデカいクレーターがあり、所々捻じれていたり底が見えない程の穴があったという・・・・・・コレを見た一般局員は「何があったんだ?」と思いつつも誰も探ろうとはしなかった。

 

 

 

そして、場所は透を治療しようとしているハルカ達の方へと戻るが、突然カラミティとアハトが居た位置から爆音が聴こえて来た。

 

おそらくあの2体がなのは達によって破壊された音だと思い、安心したハルカは透の左腕の治療を再開しようと『双天帰盾』を発動させた、するとすぐに透の右手がかすかに動いた。

 

ハルカ「・・・・・・透?」

 

透「・・・・・おぉ・・・・・ハルカ・・・・・・それ・・・に・・・・・・シャマ・・・ルも・・・はやて・・・・・も・・・・おるやんけ・・・・・・・・・・」

 

はやて「透君!?」

 

また透の意識が回復した・・・・・だがそれでも声は掠れている状態だが。

 

透「作戦通り・・・・・・・お前が・・・・・治療・・・・・して・・・・・くれる・・・・んやなぁ・・・・・・・・ありがてぇってーの」

 

ハルカ「当たり前じゃない!アンタが居なくなって・・・・・・私は戦闘や勉強だけじゃなく、治療の方に力入れて特訓してたんだから!!いつでもどんな状態のアンタを治療できるようにって・・・・・っ・・・いいから、アンタは喋らないで!」

 

透との久しぶりの会話、いつ以来だっただろうか・・・・・・そんなことがハルカの頭の中に一気に浮かび涙すら出て来そうだったが、ハルカはそれをグッと堪えた。

 

透「嬉・・・・・しい・・・・ねぇ・・・・・・・じゃけど・・・・・あの・・・・・録音を・・・・・・・・聞いとん・・・・・なら・・・・・・・わかっちょると・・・・・思うけ・・・ど、実際・・・・の話・・・・・・俺は・・・・お前等に・・・・・・殺されても・・・・・いや、自分(テメェ)の・・・・・命が無くなっても・・・・・ええって・・・・・思っちょ・・・るんよ・・・・・それで・・・・お前等・・・・・が助かったり・・・・・あの人等を・・・・・・・護る事が・・・・・・出来るん・・・・ならって・・・・・・」

 

ハルカ「ちょ・・・・・・アンタ・・・何言って「じゃけど」・・・・はぁ?」

 

ハルカの言葉を遮った透は右手を自分の顔に当て、顔を覆った。

 

透「どん・・・・・だけ・・・・・死ぬ覚悟・・・・しとっても・・・・・・・恐ぇわ・・・・死ぬのって・・・・・・・・スゲェ・・・・・・・恐ぇ・・・・・・・」

 

シャマル「・・・・・透君・・・・・」

 

見えはしないが、顔を手で覆った透はまるで泣いているようにも見えないでもなかった。

 

透「人の人生や・・・・・命・・・・・・取った俺に・・・・言う権利・・・・・・なんぞ・・・・・無いかもしれん・・・・・・じゃろうけど・・・・・・それでも・・・よ・・・・・・やっぱ・・・・死にたく・・・・・・・ねぇなぁ・・・・・・・せや・・・・・それと・・・ヤクモ・・・らに・・・・言っと・・・・いてや・・・・・情報開・・・示・・・・を許可・・・・する・・・って・・・・お前・・・・ら・・・・・・・もう・・・・関わって・・・しもぉた・・・・・んじゃけぇ・・・・・・隠す・・・・・必・・・・・要・・・・・も・・・無い・・・・・・・・じゃ・・・・・ろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

しかし、そんな透の手が力無く地面にパタンと落ちてしまった。

 

はやて「透君!?」

 

シャマル「まずいわ!?また意識が!」

 

ハルカ「!」

 

再び透の意識が無くなり、呼吸も微弱になっていった。

 

ハルカ「ヤバい・・・・・出血が多過ぎる・・・・・・このままじゃ左腕を治したところで・・・・・・透が・・・・・」

 

はやて「そんな・・・・・・・」

 

ハルカ「・・・・・・・・・でも!」

 

それでもハルカは何かないかを探ろうと『双天帰盾』を展開させていた・・・・・・するとそこに・・・・・・。

 

エリオ「止めてください!今は治療中d「うっせぇ!」榊さん!!緋村さん!!」

 

治療中の透に近付いてくる2つの影・・・・それはカラミティにソッコーで倒された馬鹿二人だった、二人はしばらくして目が覚めたようで肩や首を押さえながら透達に近付いた。

 

緋村「アー・・・・・クッソ!まだ首が痛ぇ・・・・・」

 

榊「軟弱だなテメェは」

 

ヴァイス「オイ、アンタ等喧嘩なら向こうでやれ!こっちは今取り込み中だ!」

 

緋村「黙れよヴァイス!貴様、上官に向かってその態度は何だ?アァ?」

 

ハルカ「なら私の方がアンタ達よりも上の立場よ、命令よ・・・・・・私達の邪魔しないで」

 

榊「何言ってんだよハルカ、何でそんな野郎を助けようとしてんだ?そいつは俺達に向かって攻撃してきたんだ、殺そうとしたんだ・・・・・・そのまま死んでも別に大したことじゃないだろ?」

 

はやて「アンタァ!「止めろ!!」」

 

榊の身勝手な言葉にはやてが食って掛かろうとしたが、その言葉はエリオによって遮られた。

 

エリオ「何でそんな事言うんだ・・・・・その人だって操られてたんだ・・・・けど僕達の事を考えて対処してくれてた・・・・・何も出来なかったお前達なんかが、勝手な事言うなぁぁ!!」

 

キャロ「エリオ君・・・・・」

 

緋村「・・・・・・あんだと?「エリオの言う通りだぜ」あ?」

 

エリオの言葉に同意するようにヴァイスも榊たちに食って掛かった。

 

ヴァイス「それにアンタ等、自分の部隊はどうした?アンタ等は個人で動ける権限は無い筈だぜ?明らかにこれは越権行為、この場でアンタ等を更迭することだって出来るんだぜ?・・・・・・まぁそれとは関係無しに、俺はアンタ等にはこの場から早く消えて欲しいんだけどな」ジャキッ

 

ヴァイスは持っていたデバイスを緋村に向けた。

 

普通ならば自分達の失態がある分引くのが当たり前なのだが、この2人の異常性ならば関係無い。

 

榊「・・・・・・・・黙れよこのシスコン」

 

ヴァイス「っ・・何だとこの“ドゴン”ぐあぁ!?」

 

構えていたヴァイスは『咸卦法』によって強化された榊に殴り飛ばされた、榊はヴァイスにデバイスを向けた。

 

エリオ「ヴァイスさん!「退けクソガキ」“バキッ”あぐっ!」

 

キャロ「エリオ君?!」

 

エリオも緋村に蹴られ倒れてしまった、そんなエリオにキャロは駆け寄った。

 

キャロ「エリオ君大丈夫?・・・・酷い・・・・・酷いじゃないですか!?何でこんなこと?!」

 

緋村「おいおい何言ってんだキャロ、俺様はお前達の為にそのクソ野郎にトドメ刺してやるって言ってんだ、これもお前達を思っての事なんだ」

 

キャロ「だからって・・・・・・・だからってエリオ君を・・・」

 

エリオ「大丈夫キャロ・・・・・僕なら平気だよ」

 

キャロ「エリオ君・・・・・」

 

緋村「・・・・このクソガキ、俺様とキャロの間に割って入んじゃねぇよ!」

 

エリオ キャロ「「!!」」

 

緋村はエリオに向け思い切り足を上げ、踏みつけようとしていた。

 

榊「テメェもしつけえんだよ・・・・・・俺のラグナとよぉ・・・・・」

 

ヴァイス「テメェ・・・・・やっぱアイツと一緒でラグナを・・・テメェにうちのラグナは!!」

 

榊「チッ!あの恭也の野郎みてぇな事言いやがって・・・・・ウゼェ」スッ

 

榊もヴァイスに向け持っていたデバイスを振り上げていた。

 

ハルカ「!?」

 

???「―――」ダッ

 

ハルカもエリオたちを助けようとしたが、治療に専念しなければいけなかったため手を離すことが出来ないでいた・・・・だが、そんな中・・・・何者かが横切るのを確認した。

 

そして・・・・・・・緋村の脚はエリオ目掛け降ろされた・・・・・・・・が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榊「ぐぁ!?」

 

ヴァイス「!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“ガッ!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緋村「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くの所で榊の悲鳴が聴こえて来たかと思いきや・・・・・。

 

緋村の脚は途中、誰かの足の甲で止められていた。

 

そして、ハルカとはやて、そしてシャマル達はその人物を見て固まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャロ「?」

 

エリオ「??・・・・・・・あっ!?」

 

キャロもエリオもいつになっても当たる感触や衝撃が来ない為うっすらと目を開けると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ボタッ・・・・・ボタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

治療していた筈の井上 透が緋村の足を止めていた。

 

そして・・・・・・・・・。

 

緋村「何だ貴様、今更俺様に“バスンッ!”なばっ!!??」ブンッ

 

緋村は透に対し、文句を言おうとしたら透の右ストレートを顔面で受けてしまった。

 

緋村「ぐ・・・・クソォ・・・・この雑魚モブがぁぁぁ!・・・・・・・大人しく死んでやがれ!!」ブンッ

 

しかし、力が入っておらず緋村はすぐに持ち直し透を殴り返してきた。

 

シャマル「透君!!??」

 

シャマルの悲鳴の所為か、はたまた緋村達が来た現状を見たのかは分からないが、なのは達もハルカ達のいる所へと急いで駆け付けようとしていた。

 

ハルカ「緋村ぁぁぁ!!」

 

緋村「何だよハルカ、そんな怖い声出すなって」

 

はやて「アンタは・・・・ホンマどんだけ・・・「あ・・・」どないしたんやエリ・・・・・オ・・・・・・」

 

はやてはエリオの声に反応し、エリオの方を一瞬見た・・・・・がそこには透がエリオとキャロの盾になろうと、庇おうと二人に対し背を向け緋村と向かい合う形になってたっていた。

 

その際・・・・アゴ・指先から血が一滴ずつ滴り落ちていっていた。

 

緋村「・・・・ハ・・・・・ハハハハ・・・・何だこの野郎・・・・何も出来ねェからって、そんな風に突っ立っても意味無ぇんだよ!!」バキッ!!

 

透「―――――」ドサッ

 

透は再度緋村に殴られ、地面に大の字になり倒れた。

 

緋村「ハッ・・・・この出来損ないのクソモブが、さて・・・・コイツは「このクソ義兄ィィィ!!!!!!!!」オォ!響子!お義兄ちゃんに「死ね!!」あい゙んっ!?」

 

緋村は殴り倒した透に近付こうとしたら、響子の・・・・・いや、透の事を知る人の恨みを買ってしまい、近くに居るハルカ達からも・・・・・そして遠くから駆け付けたなのは達からも殺意を買ってしまった。

 

近付こうとした瞬間、響子は『瞬歩』を誰よりも早く使い緋村に接近し、義兄である緋村を槍先で思いっ切り突き飛ばした・・・・・・ちなみに突いた瞬間槍は物凄いコークスクリューが掛かっていた。

 

ちなみに榊は最初に後ろから蹴りを入れ、数十メートル蹴り飛ばしていた。

 

緋村を響子がブッ飛ばしたのを見たハルカは、頭を切り替え透の下へと駆け寄った。

 

ハルカ「透!まったくアンタは・・・・・意識が戻ってもあんな無茶を!」

 

透「・・・・・・・・」

 

ハルカ「・・・・・・・透?」

 

透「・・・・・・・・・・・」

 

ハルカ「・・・・・!!まさか・・・・・」

 

シャマル「ハルカちゃん!?どうしたの?」

 

なのは「ハルカちゃん!何かあったの!?」

 

ハルカ達の方へと駆けつけていたなのは達もすぐに到着すると、ハルカは驚きのあまり目を見開いていた。

 

フェイト「ハルカ?・・・・どうしたの?」

 

ハルカ「・・・・・・コイツ・・・・・・」

 

アリシア「透がどうかした?」

 

ハルカ「コイツ・・・・・・・気絶したまま・・・・立ったり動いたのよ・・・・・・・」

 

全員「え!?」

 

ハルカの言葉に皆驚きの声を上げた、今日だけで何度目の事か分からない。

 

ハルカ「さっきの緋村の一撃、確かに魔力で強化されていたけど・・・・・あんなんじゃぁいくら弱っているからと言っても透だったら気絶したりしないわ・・・・・・けど・・・」

 

ヴァイス「じ、じゃぁ・・・・・俺をさっき助けた時も・・・・・」

 

エリオ「僕達を助けた時も・・・・・・気を失ってた・・・・ですか?」

 

ハルカ「・・・・・・この・・・馬鹿・・・・・・・・意識無いなら・・・・大人しく寝てなさいよ・・・・気を失ってまで・・・・・・護ろうとすんな・・・・・・グスッ・・」

 

ハルカは透に向け、罵倒とも言えない事を言いながら泣いていた。

 

ハルカ「っ・・・絶対に助けてやるんだから!シャマル!」

 

シャマル「分かってるけど・・・・透君のこの出血量じゃぁ・・・・・」

 

はやて「とにかく、鎧を脱がさな!」

 

ティーダ「それは俺とヴァイスが、ヴァイス」

 

ヴァイス「ウイッス」

 

ティーダとヴァイスは透が来ていた鎧を次々と脱がして行った・・・・・しかし、ある意味脱がさない方が良かったのかもしれない・・・・・・そう思うような透の身体状態があった。

 

ゼスト「こ・・・・これは・・・・・・」

 

なのは「酷い・・・・・・・」

 

スバル「・・・・・酷過ぎる・・・・・」

 

鎧を脱がした透の身体は、先日の緋村の部隊の襲撃での傷が未だ消えず・・・・むしろ開いてしまい、そして残っている右腕と手、更には両脚と両脚の甲に何か刺さっていた形跡がありそこから血がドクドクと出ていた。

 

更にヴァイスとティーダが持っていた鎧にも透の血が付着しており、鎧の端から血が一滴一滴落ちていた。

 

しかしそれだけではなく、身体には無数の殴られた痕も残っていた。

 

ティアナ「誰が・・・・・・こんな・・・・・」

 

ティアナが言った事は誰もが思った事だ、誰がこんなひどいことをしたのか・・・・・だがそんなことは考えるまでも無かった、更に言えば今はそんな事を考えている余裕は無かった。

 

ハルカ「・・・・・それよりも、早く透を「待ってハルカちゃん」っ・・・・どうしたのシャマル」

 

治療しようとしたハルカに突然シャマルから待ったが掛かった。

 

シャマル「今の透君の出血量で私が身体中の傷の回復、ハルカちゃんが左腕の再生・・・・これらを同時にやろうとしたら・・・・・・・・透君が持たないのはハルカちゃんも分かるでしょ?」

 

ハルカ「・・・・・・・・」

 

シャマルの指摘にハルカは言い返せないでいた、ハルカはいくら『双天帰盾』を身に付けているからと言って医者や看護と言った医学に精通した職には就いていない・・・この場ではシャマルの指摘通りであり反論する余地は無いことくらい今の透の状態とハルカの頭でも理解出来た。

 

ヴィータ「ど、どう言う事だよシャマル・・・・・」

 

シャマル「・・・・・今は私が透君の身体全体からの出血を押さえてるけど、それも長くは持たない・・・・・だって見ての通り透君の身体中には無数の傷があるわ、私はその治療をしなければいけない・・・・・けどそんな事をしたら止血に回してる魔力が無くなって透君の血が一気に噴き出てしまうわ!・・・・ハルカちゃんだってそう・・・・・元々ハルカちゃんは医務官では無いから一度にそう言う治療は出来ないし、ハルカちゃんも多分透君の左腕を治したところで魔力は尽きてしまうか、良くてギリギリ残る程度・・・・・・これじゃぁどっちに転んでも透君は助からない」

 

アルフ「な・・・・・・何だよそれ・・・・・おかしいじゃねぇかよそれ!?オイハルカ!

アンタのレアスキルで透の腕をチャチャっと治してさぁ、シャマルの手伝いしてやんなよ!それなら出来るだろ?!」

 

シャマル「それは・・・・・・・・・・かなり難しいと思うわ」

 

アルフ「何でだよ!?」

 

ハルカ「・・・・・・私の『双天帰盾』は・・・・・・・万能じゃないの・・・・傷に別のもの・・・・・つまり誰か他人の魔力が混ざって無ければ治療する魔力は少なくて済むけど、あのカラミティやアハトにウルシって奴が透に付いてた・・・・・・・たぶん、透の腕を完全に再生させるには私の魔力を全部使わないと出来ないわ・・・・・」

 

ザフィーラ「・・・・・なんと・・・・」

 

シャマル「・・・・・・・・止血さえ・・・・止血さえ出来れば・・・・・」

 

ハルカとシャマルの言葉に誰もが言葉を無くした、中には簡単な止血が出来る者も何人かいるが、身体全体となるとシャマル程術に長けた人物はいない。

 

しかし、ここでまた意外な人物から声が聴こえて来た。

 

 

 

 

透?「止血ナラ俺ガヤッテヤルゼ」

 

 

 

 

 

全員「!?」

 

全員自身の無力さを痛感し沈み込んでいると、どこからともなく・・・・・・そしてつい先ほど聞いたばかりの声が聴こえて来た。

 

それは先程、透の表の人格として出て来た白だった。

 

ハルカ「ア、アンタ!また出て来たの!?」

 

白「マタトカ・・・・ヒデェナ、俺ハオ前等ニ協力シテヤルッテ言ッテンノニヨ」

 

シュテル「・・・そう言えば、先程止血ならと」

 

シャマル「出来るの!?」

 

白「出来ルニ決マッテンダロ、元々透ノ身体・・・・魔力デノ操作ハオ手ノ物ッテナ」

 

ハルカ「ちょっ待って!「アン?」だったらアンタ、何で『超速再生』しないのよ!?出来るんでしょ!?」

 

シグナム(『超速再生』?)

 

なのは(また私達の知らない単語・・・・・)

 

フェイト(これも後でハルカに聞いてみないと・・・・)

 

白「・・・・出来無ェ事ハ無イ・・・・・「なら!」ダガ出来無ェ・・・・・・理由ハオ前等ト同ジダ、アンナモン使ッタラ透ノ傷付イタ身体ジャァコイツガソッコーデ死ヌ・・・・・ダカラ出来無ェッテ言ウヨリ使エネェッテ言ッタ方ガ正シイナ」

 

ハルカ「・・・・・・・・そう、でも協力してくれるんなら助かるわ!止血、頼めるかしら?」

 

白「言ワレルマデモネェヨ」

 

ユーリ「私も手伝います!『サイフォジオ』!」

 

白とハルカ、そしてシャマルと透から受け取った『ティオ』の回復系の術で手伝ったユーリはほぼ同時に治療と止血を行い始めた。

 

ハルカ「当面の治療はこれでいいとして・・・・・・」

 

はやて「透君を病院に運ばせなアカン・・・・・けど」

 

はやては透を病院に運ばせないといけない事を考えたが、この世界の病院がある方を見た。

 

その病院には透が・・・・・・・・それも違法な研究として置かれていた装置もつい先ほど別働隊の局員が発見したという報告を受けていた。

 

アリシア「この様子じゃぁ、普通の病院に透を運ぶなんて事は出来ないね」

 

フェイト「かと言って、透をこのままに出来ないよ姉さん」

 

ハリベル「それに、透様を狙っている奴等から遠ざける必要もある・・・・・いつまたこんな目に会うか・・・・・・」

 

ゼスト「やはり生半可な所ではダメだな」

 

シュテル「ですが、施設自体もしっかりしていないと」

 

ディア「いつ透の状態が悪化するとも限らんからな」

 

クロノ「うちの艦では・・・少々不足だろうし、透には安静にしてもらいたいしな」

 

クイント「公安連中の目が届かなくて、施設自体も充実してて且つ信頼もある病院・・・・・」

 

ハルカ「・・・・・・・条件厳し過ぎるわね」

 

全員が頭を捻って透をどこに隠そうかを考えているとシャッハがそっと手を挙げた。

 

シャッハ「あ・・・・あの、でしたら我々の『聖王医療院』ではどうでしょう?あそこは我々の独立した病院ですし、設備も整っています・・・・・・・・・・あと、こう言ってはなんですが、騎士カリムの父親と院長は昔からの知り合いで何かと融通が利きますし、局員を通さない事も出来ると思います・・・・・・あぁ!皆さんは別ですが・・・・・」

 

シャッハの提案に誰もが驚いた、だがそれ以上に安心と喜びが込み上げてきた。

 

はやて「確かにあそこなら、管理局の目も手も届かんやろ!」

 

アインス「ならば善は急げだ!」

 

ユーノ「クロノ!」

 

クロノ「分かっている!エイミィ!!」

 

すずか「一応響さんにも声を掛けておくね!」

 

ハルカ「お願い!腕のいい医者が一人でも多くいて欲しいわ」

 

シャマル「それに私でも内臓の方までは治療出来ないわ、手術する必要があるから響ちゃんもいてくれたほうがいいわ!」

 

レヴィ「先生が・・・・・手術・・・・・」

 

アリシア「アリサ達には私が言っておくから!」

 

シグナム「シスターシャッハ、本当に感謝する!」

 

シャッハ「気にしないでください、騎士シグナム・・・・・私も騎士カリムも彼には助けられてますから」

 

ハルカ「皆も運ぶのを手伝って!治療出来るからって言っても、油断できないことに変わりないんだから」

 

なのは「分かった!」

 

フェイト「透が助かるんなら、何でも言って!」

 

なのは達はクロノの艦が来るまで周辺の警戒や緋村・榊の拘束をして待っていた。

 

そして、数分もせずにクロノの乗る艦『クラウディア』が到着し即時に透を聖王医療院へと搬送する運びとなった。

 

ようやく、透が・・・・・・なのは達の下に帰って来た・・・・・・と言えるのかも・・・・しれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

それは、なのは達がクラウディアに乗り込んでいる最中の出来事だった。

 

ティーダ「あれ?あの・・・・ユーリって子と、レンって子が居ないんですけど」

 

はやて「ん??・・・・・・・・・あぁ、あの二人やったらすぐこっちに来るから、気にせんとって」

 

ティーダ「は・・・・・はぁ・・・」

 

はやてにはティーダが聞いてきた意味が理解出来ていた、ユーリとレンが何処にいるのか簡単に想像が出来ていた。

 

 

所変わり緋村の場所、そこには・・・・・・・・ユーリが両手を天に向け立っていた。

 

緋村「ぐ・・・・ぐっそぉ・・・・あのモブ野郎、あんな名前も無いモブ野郎に・・・・・・オリ主の俺様が「よくも・・・・・」あ?おぉ!?ユーリじゃねぇか!俺の事心配してきてくれたのか?やっぱ優しいなぁユーr「よくもヨクも」i・・・・は・・・・」

 

ユーリ「よくもヨクもよくモヨクモヨクモヨクモヨクモヨクモ!!先生ヲ後ロカラ刺シ!更ニ大勢デ寄ッテタカッテ攻撃シテ・・・・・・・本ッッッッ当ニ・・・・・・・・最低ナ人デスネ・・・・・・・・モウ消エテクダサイ・・・・・・・・・・・『チャージル・サイフォドン』!!」

 

この日緋村の目に映った最後の映像は、大剣を持った女神の表情が段々と般若に変わっていき、自身へと剣先が近付いて行くものだった。

 

 

そして榊の所にはレンが・・・・・・・。

 

レン「・・・・・・・・・・消エロ・・・『雷神轟天殺』」ブンッ

 

持っていたデバイスを戦艦程の大きさの剣へと変え、剣に雷の変換資質を纏わせ未だ気絶している榊に向け容赦の欠片も無い一撃を与えた。

 

 

 

余談だが、榊・緋村両名は数日後に自身たちの部下に発見されるまで誰にも見つけられなかった、それどころか局内でも話題にはならなかったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

えぇ~っとですね・・・・とりあえず、皆様・・・・新年明けまして!おめでとうございます!!

 

更新がかぁーーーーなぁーーーーりぃーーーーーーーーーー遅くなってしまったmakeです。

 

遅くなった理由は後に回しまして、今回は前回の後編・・・つまり!透が助かりなのは達の所に戻った話でした!!

 

なんと、カラミティが『虚化』出来なかったのは透が事前に手を打っていたからなんですねぇ、白も言ってますが透は自分の事となると驚くほど頭が回りますねェ。

 

あとヤクモが言っていた「やられたらやり返す」は、あの『半沢』をマネしてではないので・・・・・・ホントですよ!!??

 

そして・・・・・・・私的には見せ場である、白・・・・・・というか透が自分でカラミティを・・・・無理矢理!引き剥がすシーンが凄かったと思いますねェ。

 

いやぁ~・・・・・痛々しいですよねぇ・・・・・って私がそうさせてしまっていますが・・・・・やった本人が何言ってんだって話ですよね。

 

そして・・・・・やっとあの二体、カラミティとアハトがやっと破壊されましたね・・・・・・ただなのは達のキレっぷりがハンパ無かったですけどね・・・・同情できませんが無惨な破壊っぷりですね。

 

後半では・・・・・・透を治療しようと奮闘するハルカとシャマルでしたが、透のあの傷では・・・・・ね、色んな奴に色んな事されてしまってましたから・・・・・・透もなんだか遺言のようになってしまってまいしたし・・・・。

 

しかも透の治療も出血が多過ぎて助からないとされていましたが、ここで救いの手となる人物が二人(?)・・・・・・・・白とユーリですね。

 

白が透の血を止めてくれ、ユーリが『サイフォジオ』を掛けてくれていたお陰で透の生存確率がグッと上がりましたね。

 

ただあの二人がまたいらないことをして、いらない反感を買ったかと思いきや・・・・ヴァイスやエリオを護る為、気を失いながら榊たちに攻撃していましたね・・・気を失ってまで自分の信念を貫くって感じですね。

 

 

オマケではユーリとレンの二人が榊と緋村に対しトドメの一撃を入れてましたね・・・いやぁスカッとしますなぁ!。

 

 

 

さて次回は!入院する羽目になった透、その間にハルカ達は透の過去を知ることに・・・・・・ハルカ達のとる行動とは!?

 

 

それでは次回をお楽しみに!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えぇ、では遅くなった理由をここで・・・・・・まず皆様には大変長くお待たせしてしまいまして、本当に申し訳なく思っております。

 

PCを扱っている私ですが、PCについてはカラッキシでして・・・。簡単に言ってしまえば・・・・・・・PCの調子が悪い・・・・ですね。

 

実を申しますと、私が今まで投稿してきました作品はwordではなく、メモ帳を使ってのことだったのです。

 

Wordを使わなかったことについては特に理由は無くて、ただ単に使ってたって感じです。

 

そのメモ帳の調子も悪く、文章や単語を打っていくと偶に読み込もうとして、リセットされる感じになるんですよね。文字を打とうにも確かに入力モードを『ひらがな』にしたのに、実際打ったら半角英数になってしまっているんです。

 

皆さんのご使用のPCにもおそらくあると思うのですが、大抵右下の方に『あ』や『般』や『IMEパッド』なるものがあると思われますが、さっきのようにリセットされた感じなると『あ』などの部分が□で覆われ、切り替えようにもロックが掛かったような感じなり撃つことが出来ないでいたのです。

 

メモ帳も、そういう風にリセットのようになる時はなんだが「新しく入りました~」みたいな感じで、横からスライドして出てきて訳が分からないんです。

 

まぁ一度、メモの裏・・・・・つまりデスクトップ上の何かにクリックしたり最小化などをしてもう一度メモ帳をやると出来るようになってはいるんですが・・・・・・それが度々あると流石に・・・・ですね、イライラしてきますよね?そんな風に打てなくなると。

 

その他にもネットを開き、調べたい事を打とうとすると・・・・これまた途中で止まるんですよねぇ。

 

例えば『幻想水滸伝』と打とうとしたら『げんそうs』でいきなり読み込み始め、かと思いきや改行を押してもいないのに『げんそうs』で終わっているんですよね、読み込む時下にある『あ』が一瞬半角の『A』になるのが気になるんですがね。

 

そんなこんなで今は諦めてwordを使っているんですが、wordも遅くて困っており、偶にメモ帳のようなことが起こるんで・・・もう遅い遅い。

 

てなことがございまして、投稿が遅くなりました・・・・・・・・言い訳にしかならないですが、もう一度言います・・・・・・・私はPCについてはカラッキシです!すみませんでした!!!

 

正直電気屋に持っていった方がいいのかなと思っているんですよね・・・・・このPCもかれこれ2年半か3年近く使っているので・・・・。

 

インストールしたゲームもBGMがマシンガンのように途切れ途切れだったり、中には音声が部分的にリピートしたり・・・やはり読み込みが遅いということもあり本格的にマズイと思っているんですが・・・・・。

 

じゃぁ修理に出すなりしろよと思われるかもしれませんが、何分・・・・・えと・・・Money的な問題がありまして・・・・・なかなか・・・・・。

 

本当は言ったり打ったりするのではなく直接皆様に見てもらった方が分かり易いんでしょうが、言うだけでは・・・・・これほど自分の文章力の無さを恨んだことはありません・・・・・・もちろんネットに載ってあった情報で最適化やディスクのクリーンアップなどもしたんですが、これも・・・・・・・うまくいかずで・・・・・。

 

 

厚かましいんですが、PCにお詳しい方で何か対策をご存知の方がいらっしゃれば、是非!!教えていただきたいです!!

 

 

新年早々こんなマイナス面スタートで大変申し訳ないのですが、皆様には更新が遅くなり過ぎてしまい・・・・・・あと話の内容も、もしかしたら面白く無かったと思われた方々にもですが、本当に!申し訳ありません!!!

 

このことが起きた時、正直本気で泣きそうになりました!自分の知識の無さ・・・・だけではなく楽しみにしていらしゃった皆様をお待たせしたことに対して本気でマズイ!!やどうしよう!?と思いました。

 

まぁこれらの言い訳をさせていただきましたが、本当に皆様には大変申し訳ありませんが、これからの進行もこのような感じで行ってしまう為、お待ちいただくようになってしまいます。

 

 

 

もう一度になりますが、新年早々このようなスタートで本当に申し訳ありません!作品に関しましては変わらず投稿しようと思っております、ただ投稿のスピードが遅くなるというだけなのですが・・・・・・。

 

 

これからも変わらぬご声援を!!

もちろん、コメント等は受け付けておりますので、どんどんお寄せください!!

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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