No.650183

天馬†行空 阿蘇阿蘇特別増刊号本日発売!

赤糸さん

 真・恋姫†無双の二次創作小説で、処女作です。
 のんびりなペースで投稿しています。

 一話目からこちら、閲覧頂き有り難う御座います。 
 皆様から頂ける支援、コメントが作品の力となっております。

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2013-12-31 18:28:41 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:8033   閲覧ユーザー数:5707

 

 

「やっと発売なのーーー!!!!」

 

 多くの人で賑わう陳留の往来で雄叫びを上げる少女が一人。

 雀斑の浮いた顔に満面の笑みを浮かべて、一冊の本を天に掲げてくるくると回る眼鏡の少女――于禁こと沙和は周りの喧騒に負けないくらいの黄色い声を上げ続ける。

 その余りに大きな声を聞きつけ、近くを巡回していた彼女の同僚で無骨な手甲を両手に嵌めた傷だらけの少女――楽進こと凪は人混みの中に友人の姿を見つけて柳眉を釣り上げてつかつかと歩み寄った。

 

「沙和っ! 天下の往来でそんな大声」「今の沙和は誰にも止められないのーー!!!!!」「うわっ!?」

 

 仕事をサボった上に公共の迷惑を考えない友人に一言物申そうと近寄る凪だったが、疾風の如く横を通り過ぎた沙和に驚き、その後姿を見送――

 

「沙和! 警邏もせずにどこへ行くつもりだ!」

 

 ――る筈も無く、猛追し始める。

 

「凪ぃー……沙和ぁー……お~い、って聞こえとらんかぁ」

 

 凪と警邏をしていた真桜は、嵐の過ぎ去った後に一人残されて溜め息を吐いていた。

 

「アレ追いかけるんか? はぁ……しんどいなぁ」

 

 

 

 

 

 一刻(約十五分)後。

 

「う~……凪ちゃん、ぶつなんて酷いの~」

 

「お前に付き合って街を一周させられたんだ。これくらいは当然だ!」

 

「まあまあ凪、そんくらいにしとき。ほんで……沙和は何をそないに騒いどったん?」

 

「あ、そうそう! これ! これなの!」

 

 凪に(軽めに)ぶたれた頭を撫でつつ、沙和は真桜の問いに白い表紙の本を取り出して示す。

 真っ白なその本には、表紙に黒い十字の装丁が施されていた。

 そして、右下に小さな文字で”阿蘇阿蘇特別増刊号”と書かれている。

 

「なんや、いつもの雑誌かいな」

 

 提示された本を見て、真桜は特別騒ぐほどでもないだろう? といった風に肩を竦めた。

 凪もまた真桜と同じで、興味無さそうにその本を眺めている。

 

「ちっちっ……甘い、真桜ちゃんも凪ちゃんも甘々なの!」

 

 白けた二人を見て、沙和は立てた人差し指を左右に振ってニヤリと笑みを浮かべた。

 

「聞いて驚けなの! 今回の阿蘇阿蘇はなんと! 天の御遣い様特集号なのー!!!」

 

 どうだ! とばかりに二人の目の前で表紙をめくる沙和。

 沙和の口から出てきたその名前にぽかんとする二人。

 一拍置いて二人の目に飛び込んで来たのは、

 

「「!」」

 

「どうだ! なのっ!」

 

 凪と真桜に向かって穏やかな表情を見せる”天の御遣い”北郷一刀の絵姿だった。

 

「なんや……コレ……まるで本人の姿をそっくりそのまま写したみたいな……」

 

 ただ普通の絵と違うのは、掲載されている一刀の絵がこの世界では三人の人間しか知らない”写真”であると言う点なのだが。

 どこかの城壁と青空を背景に撮られているその写真を見て、真桜は大きく目を見開いて凝視する。

 

「…………」

 

 一方、凪は絵姿を凝視したまま硬直していた。

 

 

 

 

 

 あの日、洛陽の城壁に燦然と輝いていた人。

 自分と同じくらいの歳の少年の凛とした立ち居振る舞いは、凪の瞳に強く焼きついた。

 その彼が放ったあの言葉。

 自身を誇らず、かと言って皇帝や董卓、諸侯らを賛美するのではなく民こそが勝者と言い切った、あの火が着くような檄は凪の魂を芯から震わせた。

 親友二人と義勇軍を興し、主君である華琳と出会った時でさえここまで心は震えなかったのだ。

 上に立つ者がより良く民を導き、民は彼らが布いた治世の下で生きる。

 腐り切った王朝の役人や刺史と華琳とでは天と地ほども器の差があった。

 華琳が治める陳留の民は華琳の治世の下、大きな不満も無く過ごしている。

 それは良い、極めて理想的な政の姿だ――――いや、その筈だった。

 だが反董卓連合収束後、凪達が逗留していた頃に見た洛陽の民の姿は彼女の認識を根底から揺さぶったのだ。

 あんなにも生き生きと仕事に励む人々の、しかも喜びに満ちている顔を見た事など無い。

 子供から老人まで、歳の別なく生きることを謳歌している姿など見た事は無い。

 

(御遣い――北郷、一刀様)

 

 知らず、胸に添えていた指をそっとなぞる。

 

 ――今でも覚えている(あの方の御声を)

 

 ――今でも夢に見る(あの方の御姿を)

 

 あの時から――そして今でも、心はざわめいたままだ。

 

 今、紙面に写る少年の姿を見た凪は林檎の様に頬が真っ赤に染まり、心臓の鼓動はどんどん大きくなって行く。

 

(直接じゃないけど、また御姿を拝見出来た……)

 

 暖かいものがじんわりと胸の奥から溢れ出して来るような感覚に凪が浸りそうになっていると、

 

「あーーーーーーっ!!!!!」

 

「うわああっ!!?」

 

「おわあっ!? な、なんや沙和!? 行き成りそないな大声出したら吃驚するやろ!?」

 

 不意に、耳を劈く親友の叫びが彼女を現実へと引き戻した。

 見ると、沙和は雑誌の真ん中に付いている小さな封のようなものを開封している。

 その中には、手の平ほどの大きさの紙片が入っていた。

 

 

 

 

 

「ん?」

 

 汝南の街を散策中に孫仲謀こと蓮華は、商店や飯店が軒を連ねる大通りの一角でふと足を止める。

 何故それが気になったのかは解らないが、視界の端に映る、白地に黒い十字が描かれたその本はひどく蓮華の興味を引いた。

 書店の入り口付近にある、長机の上に平積みにされたその本を手に取り、蓮華は何気なく頁を捲って見る。

 

(――っ!!?)

 

 瞬間、目に飛び込んで来た『彼』の姿に、蓮華の頭は沸騰した。

 まるで全身の血が顔に集まって来たかのように、頬や耳が熱い。

 心の臓はバクバクと五月蝿く脈打ち始め、近くを通る人の耳にも聞こえそうな程だ。

 けれど、目は『彼』の姿を捉えて離れない――離れてくれない。

 蒼穹を映したような彼女の瞳に映るのは、あの時から蓮華の胸の内に住み着いて輝きを失わない、魂を震わせた少年の姿。

 

(天の御遣い。……北郷、一刀)

 

 類稀なる武勇と母親譲りの覇気を持つ姉――孫伯符こと雪蓮。

 母である孫文台が劉表との戦で落命した後、瓦解しそうになる軍を必死に纏めて袁術の傘下に入り、良いように使われる身分になろうとも風雲の志を失わない強い姉。

 そんな姉の姿を見て来た蓮華は、何れ来るかも知れない孫家の次代を継ぐ者としての自分の信念を未だ見定められていないままもがいていた。

 母や姉のように武に秀でている訳ではない、かと言って姉の親友のような戦略眼を持ち合わせてもいる訳でもない。

 妹のように楽観的な思考も出来ない、孫家の十八番とも言える水軍に関しても穏や思春のような運用手腕は無い。

 

 ……無い無い尽くしだ。

 

 孫堅の死、袁術の下での日々、黄巾の乱、反董卓連合。

 物心が付き、剣を握り書が読める齢になってからここまで、蓮華は「自身を半端者」だと思う日々を送って来た。

 そんな弱い思考に陥る自分を叱咤するように思春に武を、冥琳や穏に知を師事する。

 が、それは反って自信の才能の無さ(と蓮華は思い込んだ)と彼女達との差を思い知らされるだけだった。

 それでも諦めず蓮華は修練に励んだ。ただ、我武者羅に。

 思ったように成果を出せず、自身は孫家に連なる者としてあまりにも非力なのだ、と人知れず涙を流す日々。

 それがあの日、あの時に転機を迎えたのだ。

 この乱世にあって何よりも弱く、守るべき存在と信じて疑わなかった民。

 彼らの魂を『彼』は震わせた――自身を誇るのではなく、彼ら一人一人の力こそが都での動乱を終結させたのだと……そう断じたのだ。

 あの時の、城門に立つ少年の姿はその身に纏う白い衣と相まって蓮華の目に強く、強く焼きついた。

 あの時の言葉、立ち姿、民の熱狂――その場に居ながら、蓮華はまるで違う世界の出来事を垣間見ている気分に陥ったのだ。

 そして、酩酊にも似た高揚感が治まった後に残ったのは強い羨望の念。

 

(会いたい。会って、話をしてみたい)

 

『彼』と話す事が出来たら、自分は未だ知らぬ自身の可能性を見つける事が出来るかもしれない。

 いつの間にかぎゅっと閉じていた目をゆっくりと見開く――途端、『彼』の穏やかな瞳と目が合った。

 

「――っ! ?」

 

 再び顔に血が上って来るのを感じ、ぶんぶんと頭を振った蓮華はふと本を捲る指に違和感を覚え”それ”を見る。

 そこには、小さな封のようなものがあった。

 

 

 

 

 

「あっ!? ね、ねえねえ、愛紗ちゃん、これ!」

 

「桃香様? 如何され……なっ!?」

 

 徐州は小沛の街中。

 街の様子を巡察していた桃香と愛紗はとある書店の前で立ち止まり、積まれていた本を驚愕の声を上げながら手にしていた。

 

「わぁ……!」

 

「か、一刀殿!?」

 

 紙面に写る、盟友にして今や天下に名が知れ渡る『天の御遣い』たる少年の姿を目にして、桃香は目を輝かせ、愛紗は一瞬で顔が真っ赤になる。

 二人――特に愛紗にとって――穏やかな笑みを浮かべてこちらを見る少年は特別な存在だった。

 義勇軍を立ち上げた最初期に出会い、数ヶ月を共に戦った戦友であるこの少年は、思えば当初から不思議な存在だった、と愛紗は当時を思い返す。

”天の御遣い”であるにも拘らず、少年は民と共に開墾や城壁の補修作業に精を出していた。

 かと思えば、朱里や雛里のように軍学を学んでいる訳でもないのに、人や物の動きを見て賊徒を討伐する策を練る。

 ……自分達が白蓮の元から旅立つ時、「近辺の黄巾賊退治の助けになれば」と少年から渡された竹簡。

 そこには、幽州や冀州、兗州を巡る行商人達から聞きこんだ情報を元にした分析結果が書かれていた。

 兵糧、馬、矢などの武器や具足――そういった物の流れが”平時とは異なった場所に集まっている”のを調べ上げ、そういった”怪しい箇所”を地図付きで記してあったのだ。

 朱里と雛里を仲間に加え、意気揚々と出発した一行は水鏡塾出身で深い見識を持つ彼女達の言を元にして初めに攻めるべき賊の集結場所を選んだのだが、その場所は彼が記したものと一致していた。

 朱里たちの話を聞いた主が「そういえば一刀さんからコレを貰ってたんだっけ」と取り出した竹簡に記されていたその内容を見た小さな軍師達が「この人も一緒に来て欲しかったでしゅ」と零していたのを愛紗は憶えている。

 

 尤も、愛紗が初めて少年の存在を強く意識したのはこれよりも前だ。

 北平から出発する前、下準備をしていた頃の事。

 北平の城、あの廊下で聞いた、

 

『いやいや、未熟なのは本当のことだよ……俺はまだ、この国の中心を見てないし』

『だからこそ、かな』

『だからこそ見てみたい。……街が、人が、どんな風になっているのか……どんな暮らしを送っているのか』

『悪評が流れるからこそ、そこで懸命に頑張ってる人も居ると思うんだ……だから、そんな人達に会ってみたいかな、ってね』

 

(一刀殿……。ああ、貴方はあのときから既に心を決めておられたのですね)

 

 廊下の先を真っ直ぐに見据えたまま放たれた言葉を、愛紗は憶えている。

 そして、洛陽の城門で民を鼓舞したあの言葉も。

 自身の力を、牙を持たぬ民の為に振るう事を教えてくれた桃香。

 乱世という時代の波に虐げられる民。彼等の、平和を願う意志こそが動乱を鎮める原動力なのだと言った一刀。

 

 ――心優しき主は、黒髪の武人の心に天道を示した。あの時の熱は今でも愛紗の深奥に宿っている。

 

 ――白き光を纏った少年は、民に活きる力を取り戻させた。徐州へと移る前、洛陽で見た民の姿は今でも愛紗の心に残っている。

 

「愛紗ちゃん」

 

「え? ――は、はい!」

 

「私達も、頑張ろう」

 

「はい!!」

 

 思いに沈む愛紗に掛けられた、優しく、しかし強い意思を感じさせる桃香の声。

 

(一刀殿、また何時か――貴方に)

 

 それに力強く頷き返し、愛紗は遠く南の空を見上げる。

 

「……あれ?」

 

「? 桃香様、どうされました?」

 

「これ、何か入ってるみたい」

 

 怪訝そうな声の桃香が見る視線の先、雑誌の真ん中の辺りには小さな封筒の様な物が有った。

 

 

 

 

 

「お、柚子じゃないか。まだ仕事中か?」

 

「……」

 

「ん? おーい、柚子?」

 

「…………」

 

 幽州は北平の城内。昼食時に中庭の東屋でなにやら熱心に本を読んでいる部下を見つけた白蓮は声を掛けるが、柚子は視線を卓に落としたままで気付いた様子は無い。

 

「……聞こえてないのか? お~い?」

 

「――ひぅっ!? ぱ、白蓮様、何時からそこに!?」

 

「いや、さっきから呼んでたんだが」

 

 さながら怯える子兎か何かのように身を震わせ、涙目でこちらに向き直った小柄な少女の姿を見てどことなく罪悪感を覚える白蓮。

 

「でも、流石は柚子だな。周りの音が耳に入らないくらいに集中して……」

 

 とそこまで言いながら東屋に入った白蓮は卓上に置かれた冊子に目を落とした。

 

「……へぇ、柚子がこういった本を読んでるとか珍しいな」

 

「あ、いえ、そのですね」

 

「もし良かったら私にも見せてくれないか? 柚子がどんな趣味、を」

 

 真っ赤な顔であたふたする柚子を見て微笑ましい気分になった白蓮は、軽い気持ちで紙面に目を遣り――そのまま硬直する。

 

「ほ、ほほほ北郷!?」

 

 続いて、紙面に写る想い人の姿を見て盛大に動揺を露にした。

 

「どどどどうして!? なななんで!?」

 

「はぁ……一刀様ぁ~」

 

「……この状況は一体?」

 

「何となく予想は付きますが」

 

 狼狽する白蓮、うっとりとした様子で紙面を見詰める柚子。

 近くを通りかかった斎姫は首を捻るが、著莪は得心行った様子で卓上の冊子を覗き込んだ。

 

「ちょっと失礼。ほう、予想通り――とは言え、これは少しばかり驚きましたね」

 

「軍師殿?」

 

「斎姫さん、これを」

 

 そう言って著莪が指差す先には阿蘇阿蘇特別増刊号があり、開かれた頁には”天の御遣い”を象徴する白く輝く衣の上を纏い、肩に黒い羽織を掛けた少年が真剣な表情で真っ直ぐこちらを見詰めている姿が有った。

 

(――!)

 

 紙面の中の少年と、ばっちり目が合って斎姫は思わず頬を染める。

 指差した著莪もまた、僅かに頬を紅潮させていた。

 

(……おや? これは?)

 

「柚子さん。これ、中に何か入っているようですが」

 

 赤面したまま、著莪は雑誌中央に挟まれた封筒に気が付き、未だ熱に浮かされている柚子の袖を引いた。

 

 

 

 

 

「で? 姉上、誰から何が届いたの?」

 

「長沙太守韓玄殿から阿蘇阿蘇の最新号が届けられたようですね」

 

「お、やっと発売されたんだ? 前から随分と間が空いたから心配してたんだけど」

 

 交趾の城、士燮こと灯の執務室で士壱こと宵は”御遣い様の関係者様方へ”と書かれた包みを開けていた。

 中には七冊の書物が入っており、それぞれに宛名が書かれている。

 名前は士燮と士壱、黄乱に郝昭、薛綜、馬鈞、そして程秉。

 宵は自分の名札が貼られている一冊を取り、

 

「お? おおー!? 一刀が載ってる!」

 

 頁を捲ってすぐに驚きの声を上げた。

 

「あら本当」

 

「姉上! 私、今からこれ皆に届けてくる!」

 

 灯がゆっくりと頁を捲るのと同時に、宵が残りの五冊を抱えて部屋を飛び出す。

 

「ふふ、宵も嬉しそうですね」

 

 文字通り飛ぶような勢いで駆けて行った妹を微笑ましく思いながら、灯は雑誌に目を戻す。

 

「……私も嬉しいですよ、一刀君」

 

 穏やかな微笑を浮かべ、灯は窓から見える青空を見上げた。

 

 

 

 

 

 ◆――

 

 

 

 

 

「で、長沙のぐうたら太守から荷物が送られて来た訳だけど」

 

 荊南は武陵、城内玉座の間に集まった董卓軍の面々の前で、詠はそれなりに重量のある木箱に胡乱気な視線を送っていた。

 

「送り主が送り主ですからね……」

 

「嫌な予感しかしないのですぞ」

 

 側面には無駄に達筆な字で「董卓様ならびに麾下の方々へ」と書かれている。

 朱色の墨で大きく書かれているその字を見て、月季とねねは胡散臭げに眉根を寄せた。

 

「…………食べ物?」

 

 一人、じぃっと箱を見詰める恋。

 

「取り敢えず、私が開けてみます。月様、宜しいでしょうか?」

 

「お願いします、香円さん」

 

 箱を遠巻きに見詰めたまま誰も手を出そうとしない為、香円は月に許可を得ると一歩前に出て蓋に手を掛ける。

 

「よ、っと。……これは本、ですか。それにしては全部同じ物のようですが」

 

 割と確り閉めてあった蓋を取り外した香円は、箱の中に詰めてあった雑誌を取り出した。

 冊数は六冊。この場に居る人数と同じ数である。

 それらを取り出した香円は、全て同じものである事に首を傾げた。

 

「本、ねぇ…………ああ、確か韓玄は阿蘇阿蘇って雑誌を発刊してたわね。多分それよ」

 

「服飾関係の物でしたね。……しかし、態々このようにしてまで送りつけてくるものでしょうか?」

 

「月季殿、”あの”韓玄ならやりかねないですぞ」

 

「食べ物じゃない…………」

 

 詠はその雑誌に心当たりがあったようだが、興味無さ気な様子。

 月季は市井で出回る本を何故州牧たる主に送り付けたのかが解らず首を捻り、ねねは肩を竦めて頭を振る。

 恋は中身が食べ物で無いと判り、しゅんとしていた。

 

「月様、一応中身を確認しますが?」

 

「あ、はい」

 

「…………なんと!?」

 

「ちょ、どうしたのよ香円!?」

 

「香円さん?」

 

 冊子の一冊を手にし、ぱらぱらと頁を捲った香円の指はすぐに止まり、大きく目を見開き驚愕の声を上げる。

 普段から沈着冷静な香円らしくも無いその様子を見た詠と月は、一声発したっきり立ち尽くす香円へ心配そうに声を掛けた。

 

「あ! こ、これは失礼致しました!」

 

「……香円殿、一体何が書かれていたのですか?」

 

 二人の声で我に返った香円に、月季は彼女を驚愕させた物の正体を突き止めんと尋ねる。

 

「私が説明するよりも、実際に御覧になった方が早いかと」

 

 いつも通りの冷静な物腰に戻り――但し、声だけは僅かに震えたままで――香円は残りの五冊を各自に手渡した。

 

「ってこれ一刀じゃ……ええっ!?」

 

「へうっ!?」

 

「ちょ!? これ一刀殿そのままじゃないですか! どんなに上手い絵でもここまで精巧には書けませんよ!?」

 

「一刀お薦めの飯店特集…………四十五頁。一刀、ずるい……恋も一緒に行きたかった」

 

(言えない! 以前政務の事で一刀殿に相談した時、ここに書かれている飯店に連れて行って貰った事は恋殿には言えないのですぞ!)

 

「何気に武陵や交趾だけでなく、雲南に洛陽、北平のお店も挙げられていますね。しかも一つのお店について一頁近く記事があるとは……」

 

 全員が一斉に頁を捲り、詠と月、月季が一刀の写真に驚く。

 恋は目次から食べ物関連の記事を素早く読み取って頁を捲りつつ僅かに唇を尖らせ、ねねはその隣で冷や汗を流す。

 そして初めの驚きがようやく冷めた香円は恋と同じ頁を捲り、意外と詳細に書かれている特集内容に目を白黒させていた。

 

「…………」

 

「詠ちゃん?」

 

「はっ!? ちちち違うわよ月! あああいつに見惚れたりなんてしてないんだから! 別に何時もと違って戦装束っぽい格好も好いな、なんて思ってないんだから!」

 

「詠ちゃん、思ってる事全部口に出てるよ?」(へぅ……でも私も詠ちゃんと同じかも……)

 

 親友同士はお互いに(程度の差こそあれ)赤面し、

 

「武陵…………五軒。ねね、お昼にここ行く」

 

「り、了解なのです!」(って一件目はあの飯店!? 確かここの店主殿はお喋りな方だったのです! こ、これは不味いのですぞ!!)

 

 飛将がお腹を鳴らし、従者の冷や汗は脂汗に変わり、

 

「……あの”くっきぃ”なるお菓子の作り方も載っているとは」

 

「ああ、月季殿がたまに東屋で食べておられるアレですか」

 

「! 香円殿、何故それをっ!?」

 

「いえ……以前、中庭から鼻歌が聞こえてきた時に東屋を覗いて見たんですが。その、栗鼠のように頬一杯に」

 

「っ――きゃああああああああああっ!!!!??」

 

 止めとばかり、玉座の間に月季の悲鳴が響き渡った。

 すわ一大事かと城中の警備兵が玉座の間に詰め掛けるのはこの後すぐ。

 

「……へぅ?」

 

 混乱の最中、月は雑誌の真ん中に挟まれていた封筒の様な物を手に取った。

 

 

 

 

 

 ◆――

 

 

 

 

 

「一刀が?」

 

「そーなんだよ想夏! これ! ほらここ!」

 

 さながら突風の如く城の書庫にやって来た士壱を迎えた程秉こと想夏は、渡された白地に黒十字の表装の本をゆっくりと開く。

 

「はあ、確かに一刀ですね」

 

「ん? うん……って想夏、なんか反応薄くない?」

 

 十数頁に渡って紙面を飾る一刀の姿を、想夏は取り立てて驚く事も無く空色の瞳に映していた。

 その姿を見た宵が怪訝そうな顔になる。

 

「そうですか?」

 

「いや、私はもちっとこう……想夏が嬉しそうな顔するかなぁ? とか思ったんだけど」

 

 拍子抜けした宵に、想夏は小首を傾げると、

 

「いえ、一刀なら何れまた会えますし。それに、私はこの本の一刀以外にもあの夜…………な、なんでもないです!」

 

 さも不思議そうに答え、途中から顔を真っ赤にして言葉を濁した。

 

「……うわぁい……また惚気ですよこの天然娘は」

 

 真っ赤になって俯く想夏を見た宵は、生温かい目になって虚空を見詰める。

 

「ちくせう……なんか私、今なら砂糖吐けそうだわ」

 

 宵のぼやく声が書庫に空しく響いた。

 

 

 

 

 

「董承」

 

「はっ」

 

「これは、この一冊だけか?」

 

「いえ、陛下。保存用、観賞用に各一冊、回覧用にと三冊確保してあります」

 

「褒めて遣わす」

 

「お褒めに預かり恐悦至極」

 

 洛陽の宮殿。質素な執務室には部屋の主たる劉伯和こと愛蓮と、忠臣たる董承の姿があった。

 

(わ、わわっ!? か、一刀様の絵姿だ! で、でもこれ一刀様に似過ぎて――ううん、そのものだよ!)

 

 董承曰く、知人から贈り物が届いたのでお持ち致しましたと言われたのが先程の事。

 丁寧に梱包された包みに入っていたのは阿蘇阿蘇なる市井の書だった。

 政務で忙しい愛蓮は、後で読むからと言ったのだが董承は今御覧になって下さいませ、と何時になく強引に勧めてくる。

 常とは違い興奮した様子の董承に圧倒された愛蓮が頁を捲ってみると、そこに在ったのは憧れのあの人の姿。

 

(ど、どうやって描いたんだろう? ……って、きゃああああああ!!? しょ、正面からの一刀様!? 白いお召し物と黒い羽織がとっても好いです!! 描いた方は読者の心をよく解ってます!!)

 

 阿蘇阿蘇特別増刊号を食い入るように見詰める愛蓮の姿を、董承は穏やかに微笑んで見守っていた。

 

(それにしても、原稿が間に合わなかったのは残念ですね。折角我等が業界に、ほー†めい☆氏なる期待の新人が現れたというのに……)

 

 ……どこぞの、男性と間違われる北の軍師とかからすれば、聞き捨てならない事を心中呟きながら。

 

「……董承。今何か、邪な気配を感じたのだが」

 

「気の所為で御座いましょう」

 

 えもいわれぬ悪寒を感じてぞくりと身を震わせた愛蓮に、董承はにこやかに笑いながら応じた。

 

(おっと危ない危ない。私が業界四天王の一角たる”図書”である事は誰にも知られぬようにしなければ……フフ腐)

 

 権力を欲した十常侍や外戚が排斥されても尚、宮中には闇が残る。

 

 そして、この闇は信奉者(主に年若い女性)を増やしつつ、密やかに広がって行くのである…………多分。

 

 

 

 

 

 ◆――

 

 

 

 

 

「あ、董承様。お疲れ様です」

 

「おや、司馬懿殿。丁度良かった、これを」

 

「はい? これは?」

 

 政務に一区切りが付きお昼休憩にしようと廊下に出た司馬懿に、にこやかに挨拶した董承は一冊の雑誌を手渡して去って行く。

 小首を傾げながらも、白に黒の十字が描かれた表紙を捲った司馬懿はそこに映った少年の姿を見た。

 

「――――ッッ!!!」

 

 瞬間、司馬懿は喉から迸りそうになった雄叫び、に似た何かを押し殺す。

 雑誌を持つ両手――いや、手だけでなく全身がわなわなと震えている。

 唇が触れそうに成る程に雑誌を顔に近付けて、司馬懿は少年の姿を凝視していた。

 

「これは……この方が、天の御遣い!?」

 

 震える声で司馬懿は呟く。

 まるで、全身の血が全て頬に集まってきたかのような感覚。

 目は少年の白い姿だけを写し、本を持つ自分の指すら見えていない。

 この時、司馬懿の脳内ではある一つの思考が目まぐるしく展開していた。

 

(これが、と言うかこの方が御遣い様!? うわ不味い凄く好みだどうしよどうしよういや待て慌て慌てるなおお落ち着け私。……ひっひっふーひっひっふー……よよ良し落ち着いた落ち着いたぞこの上も無く私は冷静だうん、ででではここ今後の展開を決めなければ取り敢えずさっさと乱世を終わらせてしまって御遣い様が都へ気軽においでになれるようにしなければ。袁紹や劉表討伐に私も出られるように進言して出来れば劉表討伐にそうすれば御遣い様とお会い出来るかも……そそそれでひょっとしたら見初められたりなんかしたりしてきゃーきゃー!」

 

「仲達」

 

「そんでもって御遣い様が都へ御越しになったら策を巡らせて身の回りの御世話とかの御役目を勝ち取ってふふふふ今から夢が広がり」

 

「司馬仲達」

 

「ああもう誰ですか! 私が”仲達ちゃんの輝かしい未来計画☆”を詰めていると言う……のに……?」

 

「随分とおかしな事を口走っていたようですが?」

 

「はぁっ!!? り、りり劉協様ぁ!?」

 

 黒。

 

「くすくす……仲達は本当に見ていて飽きないですね……さあ仲達、先程のお話の続きを聞かせて……ね?」

 

 何故か黒い靄のような物が掛かって顔が見えなくなった愛蓮が、いつの間にか仲達の背後に立っていた。

 

(…………お、終わった。で、でも!)

「劉協様、せめて一言だけ言葉を発する許可を頂けますでしょうか?」

 

「くす、仲達はおかしな事を言いますね。私は続きを聞かせて、と言いましたよ?」

 

 口元を袖口で隠しながら黒い瘴気のような物を纏う主にガクブルしながらも、仲達は自身を奮い立たせるべく頬をぴしゃりと叩いて活を入れ、

 

「御遣い様は私のむ――」

「くす」

 

 そのまま、視界が暗転するのをぼんやりとした意識の中で感じていた。

 その一刻後、中庭の木に逆さ吊りにされ、額に『成敗!!』と書かれていた司馬仲達さん(十九歳)が同僚の鍾士季さん(十七歳)に発見される事になるが……完全な余談である。

 

 

 

 

 

 所変わって益州は成都。

 城の中庭に集まった一同はつい先程編集長から貰った阿蘇阿蘇を読んでいた。

 そして、全員がほぼ同時に雑誌付属の封筒を開封する。

 

「おー、お兄さんの”しゃしん”ですかー」

 

「うむ、しかし良く撮れとるのう」

 

「あら、全部が同じ物ではないのね?」

 

 中から出て来た写真を見て、風はいつも通りの間延びした――付き合いの長い者が見れば弾んだ――声を上げた。

『朝靄の漂う城壁に立ち、こちらに視線を向ける少年の写真』を見る桔梗の手元を覗き込み、紫苑は自分の手の中にある『夕闇の中、黒い羽織を風に靡かせ、遠くを見詰める少年を横から写した写真』と友人の物とを見比べる。

 

「私は桔梗さんのと同じですね。蓬命ちゃんは?」

 

「……へ?! あ、ご、ごめん輝森。……なんだったっけ?」

 

 友人達と写真を見せ合おうとする輝森と”お薦め飯店特集”に見入っていて話を聞いていなかった蓬命。

 

「にゃー! しえんしえん! この”おこのみやき”とかいうのおいしそうにゃー!」

 

「しえんさまつくってにゃん!」「つくってにゃー!」「つくってにゃん」

 

「ん…………そだな、これならオレでも出来そうだ。蛍、夕、手伝い頼めるか?」

 

「ああ、解った」「はい!」

 

「こっちは食い気が勝ってるね……あ、夕、私は野菜多めで」

 

「孟達殿も人の事は言えないがね……あ、拙者は肉多めで」

 

「李厳殿も人の事は言えないと思います……あと鷹様、御遣い様の姿絵はいつでも見られますので今はこちらの手伝いをお願いします」

 

「あー!? もっとゆっくり見せてくれても良いじゃない張翼ー!」

 

 そして花(?)より団子な方達。

 

「…………」

 

「お姉様完全に固まっちゃってるし」

 

「なんじゃ情けない。寿成の娘なら”しゃしん”よりも近くに居る実物を押し倒すくらいはせんか! 無論、蒲公英もじゃ」

 

「「出来るかぁー!!!?」」

 

 首まで真っ赤っかになって写真に見入る翠に呆れる蒲公英だが、韓遂の放った一言に二人揃って突っ込む。

 

「んー……どうやらこの”しゃしん”、全部で三種類有るみたいやね」

 

「むう……厳顔と程昱、李恢と猫部隊で一つ目、黄忠と私、張任と張翼に孟達が二つ目、残りが三つ目か」

 

 霞と華雄は互いの写真を手に、その場に居る全員を見渡して頷き合っていた。

 

「ん? ってそういや誰か足りんような? ああ稟と星と……竜胆やったかな、三人ほど――――って稟!?」

 

 見渡す中に足りない者が居る事に気づいた霞が何気なく視線を下に向けると、そこにはうつぶせになって倒れ伏し、顔の周りの地面を真っ赤に染めている稟の姿が。

 

「郭嘉! しっかりしろ郭……」

 

「か、一刀殿……な、なんというお姿を……ぶほっ」

 

 慌てて抱き起こした華雄の腕の中、鼻から命の雫を垂れ流す稟はうへへ、と乙女らしからぬ呻き声を漏らしていた。

 

「なんや、いつものアレかいな――」「――だがその原因となったのはなかなかに衝撃的な物だった」「ぅおわああああっ!!?」

 

 いつもの鼻血に呆れつつ、額に手を遣った霞の眼前に突然にゅっ、と下から現れる竜胆こと張嶷。

 

「取り敢えず見てみるんだ姐さん」

 

 思い切り不意を衝かれて絶叫する霞に、竜胆は手にしていた写真を見せる。

 

「こ、この――! 竜胆ドアホ! びっくりしたやない……か……」

 

「感想は?」

 

 我に返り、竜胆を怒鳴りつけようとした霞の視線が一点に吸い込まれ、

 

「……ぅ……ぁ……ちょ……こ、これあかんて……」

 

 瞬時に顔や耳、首までが真っ赤に染まった。

 

「ちなみにこれは私のに入ってたヤツだ。稟も同じのを引いたみたいだな」

 

「? どれ、私にも見せてみろ…………!?」

 

「む、華雄の姐さんも固まってしまったか」

 

 いつもの豪快さが鳴りを潜め、真っ赤になって俯き、もじもじと指先をつつき合わせる霞。

 一方、まるで石と化したかの如く、完全に固まってしまった華雄。

 竜胆は呟くと、『どう考えても着替え中に乱入して撮影したとしか考えられない、上半身裸で慌てる一刀の写真』を懐に仕舞った。

 

 

 

 

 

「あれ? そう言えば一刀殿と星殿は?」

 

「夕、その質問は野暮ってもんだぜ?」

 

「……? ……!!」

 

 何かに気付き、赤面してあたふたと両手をばたつかせる夕に苦笑した獅炎は、

 

(星、上手くやるんだぜ?)

 

 城門の上を仰ぎ見ると口元に微かな笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 という訳でま た せ た な ! 阿蘇阿蘇特別増刊号の発売だ!

 誤字訂正や諸々の作業に大分時間が掛かりました……編集長、もう少し解り易い文章を書いて下さい。

 固い事を言うなオウサンサン! 禿げるぞ?

 禿げませんっ! 失礼なこと言わないで下さいっ!!

 しかしなんだな……今回の話、大分改定されてないか?

 スルーですか……。まあ、今回は『御遣い様に対して特に顕著な反応があった方達のみ』に限定して文章を選出しましたので。

 それ以外の方達の”こめんと”も含めるとかなり雑多な話になりますよ?

 むう……とは言え、面白い反応もあったではないか。そういったのまで削除するのは惜しいぞ?

 ではどうします? 全部入れるとかなり多くなりますが……。

 むむむ…………よし、こうするぞ!! ちなみに”こめんと”を頂いた方達は”ぷらいばしー”保護の為、仮名を使わせて貰っているぞ!!

 

 

 

 

 

 超絶小話:取り上げられなかった方達の一言

 

 赤毛の小さな大食漢さん。

「ご飯のとこ読んでたらお腹減ってきたのだ! 一刀お兄ちゃんばっかりおいしいもの食べててずるいのだー!!」

 

 小豆色の学生服を着た腐じ……もとい婦女さん。

「はわわっ! 雛里ちゃん、この絵姿があれば更にイイ作品が書けるよ!」

 

 つば広の三角帽を被った腐人もとい婦人さん。

「あわわ……そ、そうだね朱里ちゃん」

 

 ドリル髪の金髪こびと(ブシャア) ドリルさん

「!?」(な、なんで裸なのよ!!?)←綴じ込みの写真、半裸バージョンを見ての一言(その後、ドリルさんは写真を懐に仕舞いました)

 

 おでこ広めさん

「むう……陳留のお薦め飯店がどこにも載っていないな……」

 

 おでこ広め大好きさん

「姉者……御遣い殿は陳留には来ておらんのだ」

 

 猫耳ふーどさん

(……ここに紹介されてる服、どれも胸が有るヤツが着るの前提じゃない……っ!)

 

 春巻き大食漢さん

「もぐもぐも……ねえねえ流琉、次はこの”くっきぃ”ってやつ作ってー!!」

 

 料理の鉄人(サイズ:小)さん

「もう! 季衣、食べ物を口に入れたまま喋らないの!!」

 

 現在酒断ち中さん

「なんでお酒特集は無いの! ……あ、でも今そんなの見たら飲みたくなっちゃうか……」

 

 胃痛眼鏡さん

「絵の背景……小さいが城門に”成都”の字が見て取れるな。ふむ、御遣い率いる軍は劉璋を降したか」

 

 パンダ連れの貧乳党メンバー(予定)さん

 ※本編未出場の為、こめんとを省かせて頂きました。「ちょっとー!! シャオのでーばーんー!!」

 

 本中毒さん

「あらら~御遣い様は読書も趣味なんですね~…………うふふふふ~」

 

 ふんどし(ザッシュ) 鈴の隊長さん

「店主、この雑誌を二つ頼む」(蓮華様、何故同じ本を二つも……?)

 

 猫好きさん

「雲南お猫様特集……だと……!? こ、この著者”りんどぅ~†”という御方は一体!?」

 

 最古参(且つアル中二号)さん

「ほう、交趾には旨い酒を出す店も有るのか……この記事、策殿には見せられんな……」

 

 片眼鏡さん

「交趾…………徳枢さん、元気にしてるかな?」

 

 名家(笑)さん

 ※未読の為、こめんとはありません。

 

 くせ毛さん

 ※未読の為、こめんとはありません。

 

 名家唯一の良心さん

(はぁ……私も御遣い様の所に行きたいなぁ……)

 

 蜂蜜姫さま

「はちみつ飴の作り方が載っていたのじゃ!!」

 

 お嬢様大好きさん

「あらあらー、お嬢様良かったですねー」

 

 出番の少ない長女さん

「わっ! これが御遣い様かぁ。結構好みかも……アレ? でも北郷さんってどこかで聞いた名前のような……?」

 

 実況の面白さに目覚めた次女さん

「うん……確かにどっかで聞いたんだよね~」

 

 影の薄い三女さん

「交趾の祭りに参加した時に聞いた筈。観客席の人達が『北郷爆発しろ!』って叫んでた」

 

 原作では影の薄い白蓮さん

「いや私は本文で”こめんと”してただろ! っていうか名前欄名前欄!!」

 

 おやっさん

「オウ、北坊も立派になったもんだな」

 

 おかみさん

「んー……北坊、ウチの子に出来ないかなぁ……」

 

 補修まにあさん

「――ちょ!!」(なんで北郷裸なん!!?)←ドリルさんと同じ状況、ちなみにその後の展開も同じ。

 

 瓶底眼鏡さん

「…………」(写真を見た瞬間固まってしまった模様)

 

 私塾の先生さん

「おや、これはなかなかいい物を貰ったね。士壱殿や韓玄殿には感謝しないと」

 

 麺食人さん

「流石は御遣い殿、美味いラーメンのお店も取り上げておられる」

 

 胃痛眼鏡二号さん

「一刀殿の為にも胃薬は常備しておきましょうかねい……」

 

 ぺたん(シャキーン)黒衣の将軍さん

「…………」←無言で頬を染める

 

 酒断ち二号さん

 ※酒断ちが続いている為、床に臥せっておりこめんと出来ないとの事。

 

 ガクブル師匠さん

「ん……改めてじっくり見ると……好い殿方ねぇ」

 

 闇夜の暗殺者さん

「…………また花火作って」

 

 

 

 

 

 以上だ! ちなみに半裸写真が封入されている確率は百分の一!!

 その割には、引いてらっしゃる方が多いですね。と言うか編集長、あれどうやって撮ったんですか?

 うむ、強行撮影に踏み切った!!

 ちょ!?

 その後簀巻きにされたがな!

 胸張らないで下さいよ!!

 ではこれにて失礼するぞ! 次回からはここも作者が戻ってくる筈だしな!

 編集長割と本気で殴ってたじゃないですか……大丈夫かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、皆様良いお年を。以上、阿蘇阿蘇記者の王粲でしたっ。

 

 

 

 

 

 


 
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