No.649816

真・恋姫†無双―二つの呂旗―

ユウヤさん

第二十二話になります。
最終局面まであと2話です。
最終話を今年中に上げたいなぁ。
休みだからやり切れるさ!
じゃ、本編どうぞ~

2013-12-30 11:55:06 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4874   閲覧ユーザー数:3823

真・恋姫†無双―二つの呂旗― 第二十二話「大陸統一」

 

 蜀との決戦、諸葛亮の自害、益州平定は色々な事がありすぎた。俺たちは劉備以下配下を引き連れ益州の統括には一時的に琥珀さん達涼州組に任せ月達が居る洛陽まで帰国した。

 

 一刀「さて、これから君たちはしばらく牢暮らしだ。構わないね?」

 

 劉備「はい・・・」

 

 洛陽につくまで十数日あったが、まだ劉備の顔は優れない物だった。しかしそこに同情してやるつもりはない。

 

 一刀「劉備、沙汰が下るまでには少しは立ち直っておけよ?そんな顔をしてたら正直面と向かう者の気分が悪くなるだけだ。」

 

 魏延「き、貴様!?」

 

 厳顔「やめい、焔耶。呂北の言う通りじゃて。」

 

 魏延「ぐぅ。」

 

 俺の冷たい言葉に激昂した魏延を厳顔が窘める。道中よく目にする光景だがどうやら魏延は劉備にかつての愛紗並みの心酔ぶりを発揮してるようだ。

 

 一刀「さて、星、霞、劉備たちを牢に送ったら謁見の間に集合な。」

 

 二人「御意。」

 

 一刀「他の皆は謁見の間に行こうか。」

 

 こうして俺たちは星、霞以外を引き連れ月の待つ謁見の間に向かって歩き出した。

 

 

 月「皆さんお疲れ様です。」

 

 一刀「月、ただいま。変わり無いかい?」

 

 月「はい、政務、体調、ともに良好です。一刀さんも皆さんも無事に帰ってきてくれてよかったです。」

 

 一刀「ま、劉備の英断のおかげかもな。」

 

 月「英断?」

 

 俺は今回の戦いは長期化する読んでいたが、劉備が決戦を挑んできたことでそれが大幅に短縮された事を話した。

 

 月「そうでしたか。劉備さんはどうですか?」

 

 詠「諸葛亮の自害が相当堪えたみたいよ。まだ意気消沈してるわ。」

 

 月「そうですか・・・」

 

 星「今戻りました。」

 

 霞「もどったで~。劉備たちも大人しいもんやな。」

 

 一刀「それでは今回の戦いの定評に移ろう。」

 

 こうして俺たちは定評を終え、戦後処理に没頭する事になった。だが俺は諸葛亮の自害がどうしても信じられなかった。だが、どうも俺の勘は戦いだけは終わったと告げているんだ。そんな懸念を胸に俺は数カ月の政務に呑まれていった。

 

 

 沙耶視点

 

 此処は許昌、私達の上司である華琳さんの拠点です。お兄ちゃんが益州平定の早馬を出してきてくれたおかげで思いのほか私達の軍の被害は少数にすんだので意外と戦後処理は楽に終わらせることが出来たみたいです。孫呉の方もどうやら豪族の抑え込み(という名の粛清)が完了し、新漢王朝への帰属の準備が整ったと使者の方が今許昌まで来ています。

 

 沙耶「大陸統一・・・これで終わりなの?」

 

 そんな誰に向けたかもわからない言葉を私は発していた。

 

 華琳「終わりよ。」

 

 沙耶「!?か、華琳さん・・・」

 

 そこには華琳さんが一人で居た。いくら街中でも護衛の一人は引き連れてほしいんだけど・・・

 

 華琳「沙耶、あなたはこれで元の時代に戻れるわ。」

 

 沙耶「え?どうしてそう言えるんですか?」

 

 華琳「さあ?自分でもよく分からいんだけど、分かるのよ。何故かしらね。」

 

 沙耶「勘ですか?」

 

 華琳「そうかもね・・・でも、こうも思うの。これが初めてじゃないって。」

 

 沙耶「え?」

 

 華琳「とにかく、覚悟はしておきなさいって事。私は何処か納得した感じがあるからまだ大丈夫だけど・・・他の子は泣くかもね。」

 

 沙耶「・・・ですよね。そう、ですよね・・・」

 

 華琳「・・・ここでの経験が向こうで記憶として残ってる事を祈るわ。」

 

 そう言い残して華琳さんは城に戻って行った。どうやら私を心配して来てくれたみたいだ。本当にうれしい限りだ。

 

 沙耶「結局どうにもならないんだよね。なるようにしかならない。後悔しないように頑張るしかないんだ。」

 

 私はまた誰に問う訳でもない言葉をつぶやいた。日が傾いてきた。帰ろう。今は、私の帰る場所へ・・・

 

 

 一刀視点

 

 政務がひと段落し、洛陽には後の使者が到着していた。事前に来る事を華琳から連絡を受けていた俺たちはすぐに永久、久遠、両名への謁見準備を完了し即日に呉の新漢王朝への帰属を承認した。ここに大陸統一がなされたのだ。だが、その後二人から発せられた言葉は意外な物だった。なんでも皇帝の座をこの機に月に譲ると言ってきたのだ。洛陽勤めの高官達は勿論俺たちも驚いたのだが元々そうするつもりだったらしい。

 

 一刀「それにしても・・・これで良かったのか?永久、久遠。」

 

 俺は後ろにいた二人に声をかけた。

 

 永久「はい、元より漢王朝は落ち目でしたから。」

 

 久遠「次代に任せ私達は普通の女の子に戻るのが一番だ。」

 

 一刀「そうか・・・」

 

 永久「それでお兄様、逝かれるのですか?」

 

 一刀「気付いていたか。」

 

 久遠「これでも兄上の義妹だからな。」

 

 まったく、末恐ろしい義妹達だ。そう思いながらもおそらくほとんどの子達が気付いているんだろうなとも思った。

 

 一刀「いつになるかはわからん。だが・・・そうだな。俺は天の御使いじゃないけど沙耶と静夏母さんと同じ世界の人間だから・・・仕方ないよ。」

 

 永久「そうですか・・・」

 

 久遠「寂しくなるな。」

 

 一刀「二人とも、おいで。」

 

 二人「ん・・・」

 

 俺は二人を抱き寄せ頭をなでてやる。ああ、この瞬間だけはいつも幸せだと思う。それでもどうにもならない事はあるんだ。だから今はこの感情を満喫する事にしよう。

 

 それから永久と久遠は引き継ぎも在りすぐに城に入って行った。俺はいまだ城壁の上から街を見下ろしている。

 

 恋「・・・・一刀?」

 

 一刀「恋?どうしたんだ?ねねと食事に行くって言ってなかったか?」

 

 恋「ねね、仕事に連れてかれた。・・・サボった罰だって。」

 

 一刀「そう言えば恋を理由に結構な数の竹簡を山にしてたな・・・詠がめちゃくちゃ怒ってたの思い出した・・・」

 

 恋「・・・おなか減った。」

 

 一刀「ははは、それじゃあ俺と行くか。ちょうど腹減ってたところだし。」

 

 恋「・・・・(コク)」

 

 こうして俺と恋は久しぶりの食事デートに向かって歩き出した。

 

 

 食堂街に到着するや否や恋の姿を確認した入口の店の従業員は慌てて小さな銅鑼を3度鳴らす。なったと思ったらそれは次の店、また次の店とならされて行く。なんだこれ?警備用の鳴子とは違う物みたいだけど?

 

 恋「これが鳴ると料理がいっぱい出てくる。」

 

 一刀「・・・まさか。」

 

 嫌な予感がして俺は恋に少し待つように言って最初に鳴らした従業員に話を聞くと予想通りの答えが返ってきた。曰く『呂布将軍、許褚将軍用の緊急用銅鑼』だそうだ。え?なに?もはや奇襲扱い?ま、分からんでもないけどね・・・

 

 一刀「恋、ごめん待たせて。さて、何処から入る?」

 

 俺はもう複数回る予定で話しを進める事にした。

 

 恋「・・・まず腹ごしらえにラーメン」

 

 腹ごしらえにラーメン・・・だと?

 

 恋「・・・此処が大盛でおいしい。」

 

 一刀「そうか、ならまずは此処だな。」

 

 そう言ってはいる恋と俺、周囲で『お~』と歓声が上がったのは気のせいだ。

 

 店主「いらっしゃい!呂布将軍、いつものでいいですかい?」

 

 恋「・・・よろしく」

 

 店主「呂北将軍はどうしますかい?」

 

 一刀「・・・これから複数回るから軽くラーメン(小)で。」

 

 店主「あいよ!チャーシュー盛盛爆弾麺替え玉付きもやし大盛ギョーザ20個合わせとラーメン(小)入ったぞ!」

 

 厨房「あいさー!」

 

 ・・・うん、何も聞こえない。何も聞こえない。とんでもない単語が並んだけど聞こえないよ。こうして出てきたラーメンを俺はちびちび食べつつ後から出てきたチャーシュー盛盛以下略を恋が食べ終わる頃に合わせて俺も完食する。

 

 店主「毎度あり~」

 

 俺と恋が出てすぐに客がなだれ込むように店に入って行った。・・・宣伝効果抜群だな。

 

 恋「一刀・・・・次は軽く炒飯食べに行く。」

 

 おう・・・炒飯軽くって言っちゃった?久しぶりに恋の食事に付きあうけど・・・まじぱねぇっす・・・

 

 恋「炒飯は此処がおいしい。」

 

 一刀「へぇ、ここは俺も良く来るよ。おいしいよね此処の炒飯。」

 

 恋「・・・(コク)」

 

 こうして俺達は炒飯を食べに二件目の店に入った。後ろで『次は此処だ!』という声がしたのは気のせいだ。

 

 女将「いらっしゃい。呂布将軍、呂北将軍。逢引かい?お熱いね~。」

 

 一刀「あ、あははは・・・」

 

 俺は苦笑いするしかなかった。食事のみのデートはどうなんだろう・・・

 

 恋「・・・・いつもの。」

 

 女将「あいよ!」

 

 一刀「俺もいつものでいいんだけど多さは小でよろしく。」

 

 女将「分かったよ。鶏豚牛とろとろ煮餡かけ炒飯倍々盛りと白湯、チャーシュー炒飯小盛り一丁!」

 

 厨房「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

 あ、紅母さんの部隊にいた人達だな?・・・・ってスルーする所だったけど恋さん!?軽く炒飯って言ったよね?重いよ!?

 

 女将「あいよ、お待ち~」

 

 俺は一件目と同じパターンで食し始める。そして同じように終わらせてまた次の店へと赴く。

 

 恋「次は・・・・食後の甘味」

 

 一刀「お、甘味か。何処にする?」

 

 恋「ここがいい。」

 

 そこは饅頭屋だった。此処のお勧めは・・・・鶏から揚げ饅だが・・・甘味?

 

 恋「・・・・おじさん。いつもの5個づつ」

 

 5個づつか、控えめだな。

 

 店主「あいよ、肉饅、あん饅、鶏から揚げ饅、角煮饅、桃饅、牛スジ饅5個づつね。」

 

 うん、甘いのは2種類しかないね。

 

 店主「呂北将軍はどうするんだい?」

 

 一刀「あ、桃饅一つ。」

 

 店主「あいよ。・・・はいお待ち。」

 

 こうして俺たちは大量の各種饅頭を持ち食堂街を後にした。

 

 恋「もきゅもきゅ」

 

 一刀「はむはむ」

 

 恋「・・・・一刀消える?」

 

 一刀「・・・たぶんね。」

 

 正直驚かなかった。恋は勘のいい子だから、気付いていたと思う。

 

 恋「・・・・・恋を置いて行く?」

 

 一刀「・・・そうなるな。でも、どうしようもない。恋も分かってるだろ?」

 

 恋「・・・・分かるのと納得は違う。」

 

 一刀「うん、俺も納得はしてないよ。だから・・・今はこの幸せを満喫しておかないとさ。」

 

 俺はこの理不尽を呪うだろう。でもこの出会いに感謝するだろう。この思い出を糧に生きていけるだろう。

 

 恋「一刀を恋は忘れない・・・・」

 

 一刀「俺も忘れないよ・・・」

 

 恋「・・・・・一刀、今日はもうお休み?」

 

 一刀「ああ、仕事は終わらせてたからね。だから暇だよ?」

 

 恋「・・・・・・・・今日はずっと一緒。・・・・閨も・・・」

 

 一刀「・・・うん、分かったよ。」

 

 こうして俺と恋の一日が更けて行った。

 

 

 時はかなり遡り白帝城

 

 諸葛亮「・・・・そ、そんな・・・・桃香様が決戦?どうして・・・そんな事を・・・」

 

 ???「それは仕方ない事じゃないのぉぉぉん。」

 

 諸葛亮「え?はわ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」

 

 ばたーん!

 

 貂蝉「あらぁん、一目見ただけで気絶しちゃうなんてぇ、私の美貌もぉ、つ、み、よ、ねぇぇぇぇん。」

 

 北郷「気持ち悪いよ貂蝉。貂蝉は周囲の兵を食べていいからさっさと消えろ。」

 

 貂蝉「し、しどいわん。でも・・・ご主人様が許可してくれたのなら容赦しないわよぉぉぉん。ぶらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 白帝城兵『ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ』

 

 50万にも及ぶ蜀の兵は貂蝉一人に一人の漏れも出さず掘られたと言う・・・(白帝城に結界を張って一人も外に出さないようにしてました。)

 

 北郷「・・・さて、目を覚ませ諸葛亮。」

 

 諸葛亮「・・・う・・・ば、ばけ・・・もの・・・・」

 

 貂蝉『だぁぁれが見る物すべてを石にするメデューサ能力を持った化け物ですってぇぇぇ』

 

 北郷「そこまで言ってないから集中して掘っとけ!!」

 

 貂蝉『りょぉぉかいよぉぉぉぉ!!』

 

 北郷「・・・寝台奥の小箱の二重底の蓋の隠し本。」

 

 諸葛亮「はわー!それは駄目でしゅ。雛里ちゃんにも秘密の蔵書なのでしゅ!?」

 

 北郷「目が覚めたか?」

 

 諸葛亮「りょ、呂北しゃん!?はわわ、誰か・・・助け・・・」

 

 北郷「別人だ、そっくりさんだ、唯君の敵だ。」

 

 諸葛亮「そうでしゅか?別人でしゅか・・・それはよか・・・でも敵でしゅか!?」

 

 北郷「はあ、噛み過ぎだ。もう分かってると思うが君に選択権は無い。暴走した君に罰を与えに来た。」

 

 諸葛亮「・・・な、何をさせる気でしゅか?」

 

 北郷「なに・・・ある外史でエラーが出てね。君は記憶をリセットしてまた諸葛亮をやってもらう事になる。君への罰は罰とは認識できない事だ。なんせ・・・何もかも忘れるんだから。端から見ると滑稽だぞ?罪人が己の罪を自覚しないで繰り返す様は。理解はしなくていい、君に選択権は無いんだ。じゃ、行ってらっしゃい。」

 

 諸葛亮「え?え?は、はわわ!光ってましゅ!?はわーーーーー!!」

 

 北郷「・・・朱里、君はちゃんとやり直せる。信じているよ?」

 

 貂蝉「ご主人様ぁぁん、終わったわよぉん。」

 

 北郷「早!?50万だぞ?」

 

 貂蝉「良い男はそんなに居なかったわぁん。」

 

 北郷「そ、そうか・・・」

 

 貂蝉「ちなみに、孔明ちゃん達みたいに目覚めた女の子たちが多くいたわぁん。」

 

 北郷「なんて爆弾を用意しやがった・・・ま、いいか。さて帰るか。」

 

 貂蝉「ええ、兵には孔明ちゃんの髪と自害、白帝城を燃やすように言っておいたわん。」

 

 北郷「上等、よし帰ろう。」

 

 貂蝉「ええ、それじゃ御先に。ぶらぁぁぁぁぁぁ!」

 

 北郷「・・・・呂北、最後の瞬間にだれを思うかで結果は変わるぞ?皆は駄目だが・・・一人だけなら・・・な。」

 

 誰も効いてない空間に管理者はそう言い残し光の中に消えて行った。

 

 

 次回

 

 華琳「沙耶、これでお別れね。」

 

 月「一刀さん・・・愛していました。」

 

 蓮華「お兄様、さようなら。」

 

 一刀「・・・・俺は・・・・」

 

 第二十三話『帰還』

 

 少年少女の戦いは終わりを告げる。少年が最後に願うのは・・・

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
40
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択