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真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三爸爸†無双』 其の五十 

雷起さん

なんとか年内に間に合いました(*´∀`*)

得票数40の管輅のお話です。
おまけ壱 『北郷二刃奮闘記』其の十五 リクエスト:炙叉    8票
おまけ弐 『聖刀くんの日常』其の十四 リクエスト:北郷親衛隊とその子供達 8票

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2013-12-27 04:53:15 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3093   閲覧ユーザー数:2383

第二章  『三爸爸†無双』 其の五十

 

 

【管輅turn】

 

 私は外史の管理者として『造られた存在』。

 

 『管輅』の名を与えられ、数多の外史でその始まりを告げてきた。

 時には正史の『管輅』の様に占いを行い、外史の行く末に関わる事もある。

 

 けれど今私が関わっているこの外史は、今までと違う関わり方をしている。

 それはこの外史の始まりを感じた時から予感していた。

 

 “予言”では無く“予感”

 

 一刀くんが三人も現れてしまう外史という事でいつもより興味を惹かれた。

 初めはそれだけだと思っていた。

 私は『管理者』の中で『観測者』の役割を担う者。

 貂蝉ちゃんや卑弥呼ちゃんの様な『導き手』では無く。

 左慈くんや于吉くんの様な『破壊者』でも無い。

 この外史に始まりを告げて廻った後、いつもの様に『外』から観測をしていた。

 そして一刀くんの子供が産まれた時、私の中に突然変化が起こった。

 造られた存在である私に、何故か子供の頃の記憶がフラッシュバックしたのだ。

 私のこの肉体は私を造った存在が用意した物。

 誰かのコピーだと思われる。

 この記憶は肉体のコピー時に付随してきた物だと私は判断していた。

 その記憶は借り物なのかもしれないが、私に安らぎと郷愁を与えてくれた。

 幼い私。優しい父と母。楽しい姉妹。

 はっきりとした映像では無かったけれど、その時の感情は私の心を捕えて離さなかった。

 そして私は不意に一刀くんの子供が産みたいと思ってしまった。

 これまで数多くの外史で一刀くんを見てきてこんな事を考えた事は一度も無い。

 何故こんな事を考えてしまったのか。

 一刀くんを想う気持ちの方が勝り、まともな自己分析が出来ずに時だけが流れていく。

 そんな時にひとつの情報が私に与えられた。

 一刀くんの妹の二刃ちゃんがこの外史に現れるという事を。

 私はこの外史に再び足を踏み入れるチャンスを得た。

 

「ついでにこの外史で暫くは休んでいくつもりよ。」

 

 今まで休暇無しで働いて来たんですもの、しっかりと有給を消化させて貰うわ。

 自主的にだけど♪

 貂蝉ちゃんと卑弥呼ちゃんにそう告げると、私が一刀くんを誘惑しないと約束させられてしまった。

 私が誘惑しなければいいのだから、相手が一刀くんならいくらでもやり様は有る。

 向こうは体が三つも有るし、長い時間一刀くんを見てきた私にはチャンスを掴む自信がある!

 少し自分がストーカーの様な気がしないでもないけど…………。

 

 

 一刀くんたちに二刃ちゃんの降臨を予言してひと月。

 一刀くんたちの警戒心も無くなり、好感度も上がってきた手応えも有る。

 このひと月の間、一刀くんたちとみんなの前で私も一刀くんの子供が欲しいと事あるごとに口にした。

 私の肉体自体もこの外史に慣れ排卵もあった。

 さて、そろそろ動き始めますか♪

 貂蝉ちゃん、卑弥呼ちゃん、私が凄腕の占い師の力を与えられて居る事を迂闊にも忘れているみたいね。

 占い師の約束事として自分を占う事は出来ないけれど、一刀くんたちの行動は占えるのよ♪

 荀彧ちゃんが六女の荀淑ちゃんを産んだ翌日。

 緑一刀くんがひとりで夜の廊下を歩いていた。

 今日のお相手が急用で呼び出され、寸前でオアズケにされてしまった所だ。

 私は占いでここまでの展開を読んでいた。

 

 ここからが勝負だ!

 

 私は“占い”というロジックを逆利用して、占わない事で白紙の未来を作り出した。

 誰が今夜、緑一刀くんのお相手をするのかが今なら決まっていない。

 みんなの嗅覚ならば直ぐにこの事を嗅ぎつけるのは明白!

 その前に私が緑一刀くんの懐に飛び込めば向こうから誘って来る!

 曹沖ちゃんが生まれて六年、一刀くんたちの行動を見続けてきた私には確信が在った!

 

 

 そして私は最初の勝負に見事勝利した♪

 

 

 破瓜の痛みは想像以上で驚いたけど、それも自分が“生きている”と実感出来て嬉しかった。

 子供は出来なかったけど、一度成功すれば二回目以降も実行出来る自信が着いた。

 焦らずチャンスを物にしていけば必ず懐妊出来るに違いない。

 

 

 

 

本城 占術の間                  (時報:桂花七人目 妊娠五ヶ月) 

【管輅turn】

 

 テーブルの上に置いた水晶玉に映る映像を私は見ていた。

「向こうの外史は相変わらず大変そうね………閉じ込められる前に逃げ出せて本当に良かったわ。

左慈くんと于吉くんはあそこから出られても暫くは回復に専念する必要が有るでしょうね。」

 溜息と共に水晶玉からの映像を消して椅子の背もたれに体を預けた。

 

 丁度その時に部屋の入口のカーテンが開かれ炙叉ちゃんが入って来る。

「どうしたの、管輅?朝から何を占ってたの?」

 

「この外史に脅威が来ないか見張ってたのよ♪」

 炙叉ちゃんの能力でも他の外史を覗く事は出来ない。

 これは私にしか出来ない仕事だ。

 

「ご苦労様でした。で、結果は………大丈夫そうね♪」

「あら?何でそう言い切れるのかしら?」

「脅威が迫る気配が有るなら、そんなに落ち着いていないでしょ。」

 笑って言う炙叉ちゃんはとても艶っぽい。

 子供を産んだ女の余裕かしら?

 この外史で初めて会った時はまだ少女らしさが残っていたのに……十年も経てば変わるのは当たり前か。

 

「問題が無いなら早く医務室に行きましょう。天和達は先に行ってるわよ。」

 医務室…………ああ!今日は定期検診の日だったわ!

「ごめんごめん!直ぐに行きましょう!」

 私は急いで立ち上がり、炙叉ちゃんと医務室に向かった。

 

 

「みんなから子宝飴の注文が減ってしまったのよねぇ。」

 廊下を歩きながら私が愚痴をこぼすと炙叉ちゃんは笑い出した。

「作った本人が懐妊しないってみんな気付いたのよ♪飴に念を込めたって多寡が知れてるでしょ。」

「こういうのは気持ちの問題なんだけどなぁ………私が懐妊したら注文が一気に増えるかしら?」

「一気に増えるとは思えないけど、少しは信憑性が回復するんじゃないの?」

 

 こんな下らない会話も実に愉しい♪

 やっぱりここに来て良かったわ♪

 

 医務室のドアを開けると張三姉妹と二刃ちゃん、凪ちゃん、華佗くんが居た。

 天和ちゃん、地和ちゃん、人和ちゃんは先に診断を終えている。

 この三人を見たら、以前見たあっちの外史の映像を思い出して少し目眩がした。

 あの張角達の映像を見せたらこの子達は泡吹いて倒れるんじゃないかしら?

 

「どうしたんですか、管輅さん?顔色悪いですよ。」

 

 二刃ちゃんが心配して手を取ってくれたけど、本当の事は言えないわね。

「あはは、もしかしてつわりかなぁ~?」

 冗談を言うと二刃ちゃんも笑ってくれた。

 考えてみたらこの子は毎日の様に実の兄の情事の結果を調べてるみたいな物よね。

 二刃ちゃんの性格考えると羞恥プレイ並みの責め苦なんじゃないかしら。

 

 私と二刃ちゃんが笑ってる所に、凪ちゃんが神妙な顔で話し掛けてきた。

「あの、管輅さん………本当につわりかも知れませんよ。」

 

「「「「「「は?」」」」」」

 

 凪ちゃんと華佗くん以外の六人声がハモった。

 

「管輅さんは間違いなく懐妊しています。」

 

 凪ちゃんの言葉に逸早く反応したのは地和ちゃんだった。

「ちょ、ちょっと、凪!まだ胎児恵光をしてないのに何で分かるのよ!?」

「管輅さんのお腹から強い氣を感じるんです。私も華佗師匠も管輅さんの姿を見た瞬間に気が付きました。」

 華佗くんも頷いている。

 

「これだけ強い氣を持った胎児だと母体に影響が、つわりが有っても不思議じゃないな。」

 

 私自身には何の自覚も無いので困ってしまうけど、凪ちゃんと華佗くんの顔は真剣だ。

 こんな不意打ちの様に懐妊を告知されるとは………それでも念願の懐妊が出来たのだ。

 

 じわじわと喜びが心を満たしていく。

 

 一刀くんたちに報告しにいかなくちゃ♪

 

 

 

 

本城 皇帝執務室

【緑一刀turn】

 

 俺たちの前に管輅が静かに立っている。

 黒い服を着ているので陰影がはっきりしないけど、大きく開いた胸元から覗く谷間がその豊満さを主張していた。

 半年前に初めて出会った時はフードまで被っていて見える肌は口元だけだったのに、

真夏の時に暑いからと袖とフードが無くなり、胸元が開いて、スカートにスリットまで入り、

白い肌を顕にしていった。

 その白い肌は黒い服と黒髪によって引き立てられ、金色の瞳と相まって神秘的な美しさを醸し出していた。

 けれど話をしてみるとかなり俗っぽい人だった。良い意味で。

 そんな魅力的な女性に好きだと言われ続けて来たのだ。

 オアズケ状態の時に目の前に現れ、俺は制御が効かなくなり………。

 みんなから溜息は吐かれるわ、イヤミは言われるわ、愛紗から延々とお説教されるわ。

 それでもみんなが管輅を受け入れてくれたのでホッとした。

 

 そして今。

 管輅が懐妊の報告をしてくれた。

 

「「「ありがとう、管輅。元気な赤ちゃんを産んでくれ。」」」

「はい、一刀くん♪」

 

 子供の様な笑顔で答える管輅。

 またひとつ彼女の魅力を見付けたな。

 管輅に椅子を勧めて俺たちはいつも思っていた事を口にした。

 

「「「管輅は『管理者』なのにこんなに外史に関わって大丈夫なのか?」」」

 

「ふふふ♪今の私は休暇中なの。だから問題無しよ♪」

 その“休暇中”と云うのがどれだけの意味を持つのか俺たちには解らない。

「「「その休暇って………いつまでなんだ?」」」

 休暇が終わればここから去る事になるんじゃないのか?

 こうして子供まで出来たんだ。

 俺たちの頭の中に紫が見た夢、華琳が眞琳を身篭った時に見た夢の話がよぎった。

 

「この体が死ぬまで。そうねぇ、希望としては大往生ね♪」

 

「「「それって…………」」」

「突然消えて居なくなったりしないから。この子をしっかり育てたいもの。」

 優しい顔で自分のお腹に手を当てていた。

「今の私の体はこの外史の住人と同じなの。斬られれば死ぬし、病気でも死ぬわ。

だから………」

 管輅は俺たちの目を真っ直ぐに見つめる。

 

「守ってね。この子と私を。」

 

 金色の瞳が湛えた信頼。

「「「ああ、約束する!」」」

 俺たちは力を込めて答えた。

 

「ふふふ♪何だか私、乙女ゲーの主人公になった気分だわ♪今からエンディングが始まりそう♪」

「「「やめてくれよ、エンディングなんて縁起でも無い。」」」

「一刀くんたちにしたら、私はエロゲー攻略ヒロインの隠れキャラかしら?」

「「「例えでもゲームだなんて思った事は無いよ。」」」

 そうだ。

 俺が何度外史を繰り返そうとも、俺にとってはゲームじゃ無い。

「「「子育てだって育成ゲームじゃないんだ。ひとりひとり真剣に取り組んでる。」」」

 

「それはちゃんと見てたわ。だからこそ一刀くんたちの子供が欲しいと思ったのだしね♪

この子の真名は何にしようかしら♪」

 

「「「え?もう決めるの!?いくら何でも早すぎじゃないか?」」」

 管輅も炙叉と同じ宮廷占術師だから自分で占えるんだろうけど………ん?待てよ。

 

「「「その子の真名も大事だけど…管輅って真名を持ってるのか?」」」

 

「無いわよ。」

 

 俺たちの質問に即答が返って来た。

「私達管理者は造られた存在だもの。私は『管輅』の役の為に造られた。

真名とはその人の生き様を表す物でしょ。そう云う意味では『管輅』が私の真名と言っても良いわね。」

「「「『管輅』が真名か……貂蝉と卑弥呼も………………いや、アレは完全にミスマッチだな。

でも、それってこの世界で生きて行くのに色々大変じゃないか?」」」

「あのねぇ、そう言う自分も真名が無いじゃない。」

「「「……………それもそうだな………う~~ん………」」」

「そんなに気にする事ないわよ♪」

「「「いや、でもさ。子供が物心ついた時に自分の母親だけ真名が無いと判ったら傷つかないかな?」」」

「………そう…かしら?」

「「「眞琳達上の子を見てると、俺たちと二刃は天の国から来たからって納得してるな。

でも管輅は『天の遣い』じゃないし、『管理者』の話を教える訳にもいかない。

自分の子にまで真名を教えないってのは外部にだっていつか伝わっておかしいと思われ始めるぞ。」

「確かに余計な波風は起こしたく無いわね………」

 管輅は手を顎に当てて考え始めた。

「「「そこでだ!管輅に名前を贈りたいんだけど、どうかな?」」」

 

「私に…名前を?」

 

「「「二刃がここに来た時に俺たちは管輅の事を幸福と繁栄を告げに来た『吉祥天』みたいだって思った。

だから『吉祥』の名を贈りたい。」

 

「吉祥天なんて………私は占いで人の死期も見る事が出来るのよ。告げるのは幸福だけでは無いわ………」

「「「管輅は人の死期を占いたいの?」」」

 

「そんな事あるわけ無いじゃないっ!華琳ちゃん達の死期なんて絶対に知りたくない!」

 

 悲痛な表情で訴える管輅に、俺たちは微笑んだ。

「「「管輅はそう言ってくれると思ってたよ♪だからさ、管輅が幸せで楽しい占いが出来る様にって願いも込めて、

『吉祥』の名を君に贈る。」」」

 

 管輅は俺たちの言葉を聞いて呆然となってしまった。

 だけど次第に金色の瞳に涙を溜めて…………俺たちの胸に飛び込んできた。

「もう…………本当に口説き上手なんだから………」

「「「それじゃあ……」」」

 

「ええ、『吉祥』の名。この外史での真名として使わせてもらうわ♪」

 

 俺たちの顔を見上げた頬に、一筋の涙を流しながら管輅…いや、吉祥は笑っていた。

 

 

 

 

本城 廊下

【管輅turn】

 

 私は華琳ちゃん、桃香ちゃん、蓮華ちゃんに報告する為に相国執務室に向かう。

 一刀くんたちも一緒に行くと言ったけれど、

 

「女同士の本気の会話だから、聞かない方が良いと思うわよ♪」

 

 って、言ったら冷や汗を流して、先に後宮で待っていると言ってくれた。

 うんうん♪賢明でよろしい♪

 さて、桃香ちゃんは手放しで喜んでくれるでしょうけど、

華琳ちゃんと蓮華ちゃんはどういう反応を見せてくれるかしら?

 

 相国執務室に到着する前に、廊下を走って近付いて来る音が聞こえて来た。

 

「「管輅っ!」ちゃんっ!」

 

 予想通り、貂蝉ちゃんと卑弥呼ちゃんだった。

「私の懐妊が耳に届いたみたいね♪」

 

「管輅ちゃん!ご主人さまを誘惑しないって約束したじゃないのよっ!!」

「ふんぬううう!おぬし、反故にしよったかっ!!」

 

 もう、涙まで流しちゃって………。

「私から誘惑はしていないわよ。一刀くんから言い寄られたの♪」

 

「ぬわんですってえええええええ!」

「謀ったな!管輅!」

 

 覚悟はしてたけど凄いオーラね。

「それよりも聞いてくれる?私、一刀くんたちに『吉祥』っていう名前まで貰ったの♪

この外史で真名として使うから、二人もこれからはそう呼んでね♪」

 

「しょ、しょんな………」

「な、名前………だと!?」

 

「せっかくだから貂蝉ちゃんと卑弥呼ちゃんも一刀くんたちに付けて貰ったら?

一刀くんたちは今、後宮に向かっているから…」

 

「逝くうぇあよ!卑弥呼!!」

「私達も素敵な名前を付けて貰うのだっ!貂蝉!!」

 

 二人は走りかけた所で振り向いた。

「懐妊おめでとう♪吉祥ちゃん♪」

「元気な子を産むが良い♪がっはっはっはっは♪」

 二人は優しく微笑んだ後、あっと言う間に走り去って行った。

 

「一刀くんたち、後はよろしくね♪」

 

 

 

本城 後宮

【緑一刀turn】

 

「ぐおっ主人さまぁ~ん♪わたしにも素敵でカワイ~イお名前つ・け・て♥」

「私は強くカッコヨイ名前が良いのぉ~♥」

 

 いきなり現れて何言ってんだこいつら?

 大方、管輅から吉祥って名前を贈った事を聞いたんだろうけど。

 面倒臭い奴らだな。

 

「「「それじゃあ貂蝉は『デカチュー』で卑弥呼は『後方不敗』な。」」」

 

「あらぁ~♪何だか黄色くって電気をビリビリ出すマスコットみたいで素敵だわぁん♪」

「うむ♪実に良い名前を頂いたぞ♪」

 

 昔読んだマンガから適当に付けたんだけど、気に入られてしまった…………。

 

 

 

 

五ヶ月後

本城 医務室                   (時報:桂花七人目 妊娠十ヶ月)

【管輅turn】

 

 華琳ちゃんが無事に出産を終えた。

 生まれたのが男の子と云う事で大騒ぎになったけど、今は華琳ちゃんを休ませる為にみんなが後宮に戻っている。

 今頃はお祝いの準備で大騒ぎしているんじゃないかしら。

 春蘭ちゃんだけは護衛として隣の部屋に控えているけど。

 

 私はひとりで華琳ちゃんの横になっている寝台の隣に座った。

「ご出産おめでとう♪」

「ありがとう、管……吉祥。貴女の予言通りになったわね。」

 華琳ちゃんが私の事を吉祥と呼んでくれたのが嬉しかった。

「まだまだこれからよ。この王子様が世界を賑わすのは………」

 華琳ちゃんの横で寝ている生まれたばかりの輝琳ちゃんの顔を見た瞬間にまたあれが起こった。

 

 記憶のフラッシュバック。

 

 私には兄が居た。兄と遊んだ。兄と勉強をした。兄を占った。

 

「どうしたの、吉祥?」

 華琳ちゃんの声で我に返る。

「え、ええ…………つい見とれちゃったわ♪私も早く産みたいな♪」

「後五ヶ月よ。それまでゆっくり待ちなさい♪」

 大きくなってきた私のお腹に華琳ちゃんが手を伸ばして摩ってくれた。

 その優しい手の温かさに私は落ち着いて行く。

 

「この子の真名って辯天(べんてん)だったわね。また大それた真名にしたわね。」

 

 辯とは言語・才能の事。その頂点に立つ者と捉えられる。

 華琳ちゃんは知らない事だけど、日本の弁財天の元は『辯才天』だ。

 それはヒンドゥー教のサラスヴァティーの漢訳で仏教にも取り入れられている。

 この時代ではまだ仏教自体が広まっていないのでそこまで知らないのだ。

 

「輝琳ちゃんをしっかり補佐出来る子に育てるから期待していてね♪」

 

 私と華琳ちゃんは少しの間、笑って未来の夢を語り合った。

 

 

 

 

六年後

管輅の娘 管辰(かんしん) 真名:辯天(べんてん)五歳

本城 後宮中庭

【緑一刀turn】

 

 雪の積もった中庭で子供達がはしゃぎ回っている。

 走り回ったり、雪合戦をしたり、小山を滑って遊んでいるのも居れば、雪だるまを作っている子も居た。

 その中で中心になっているのは聖刀だった。

 姉達に呼ばれてあっちに行ったり、こっちに行ったりと忙しそうだが本人が楽しそうなので口を挟むのは止めておく。

 そんな聖刀の後ろをチョコチョコとついて行くのがひとり。

 吉祥の娘の辯天だ。

 聖刀もそんな妹の面倒をしっかり見ていた。

 

 談話室の前で眺めていた俺たちの横に吉祥がやって来た。

 黒一色のスキーウェアの様な防寒着を着ていて、子供達と遊ぶ気満々といった感じだ。

「みんな元気ね♪」

 眩しそうに見つめる吉祥の笑顔も輝いていた。

「「「辯天も聖刀の後ろにくっついて楽しそうだぞ。」」」

 

「そうそう、こんな雪の日にお兄ちゃんの後を追っかけて遊んだっけ♪」

 

「「「ん?吉祥にも兄がいたのか?」」」

 そんな話は聞いた事が無かった。

 吉祥は真面目な顔で俺たちを見上げる。

「一刀くん、私は最近になって漸く気が付いた事が有るの。」

 俺たちは黙って頷いた。

 

「辯天は私なのよ。」

 

「「「はあ?」」」

 言ってる意味が分からず変な声を上げてしまった。

 

「詳しく言うと、あの子の魂は『管輅』の一部。あの子が天寿を全うしてこの地を去ると、

その魂は『管輅』の中に還るわ。辯天として生きた記憶と共に。

私の中には辯天として生きた記憶の断片が有る。

『管輅』の本体と言える魂は今も外史の外で数多の外史を観測しているの。

私は言わばその端末みたいな者なの。

本体の在る場所は時間という概念が存在しない世界。

だから未来の記憶も私は持つ事が出来るし、予言だって行える。」

 

「「「ちょっと待ってくれ………俺の想像力が追いつかないぞ。」」」

 

「簡単に言うとあの子は『管理者』になるのよ。」

 

 俺たちを見つめる金色の眼差し。

 その中には不安の色が混じっていた。

 

「「「『管理者』に“なる”って事は、今はまだ違うんだろ?」」」

 

「え?ええ………あの子は…辯天はまだ独立した個体として存在しているわ。」

「「「なら辯天は俺たちと吉祥の娘だ。他の子供達と何も変わらない。

楽しい思い出をたくさん作ってあげて、立派な大人になれるように育てて行く。

それだけだよ♪」」」

 

 そう、俺たちが子供にしてあげられる事は守り、育てるだけ。

 吉祥と辯天の関係はむしろ羨ましいと思う。

 

 愛する我が子とこれほど深く分かり合える事は無いのだから。

 

 

【管輅turn】

 私は自分の事を何も解っていなかった。

 私は『造られた存在』として外史を観測する者。

 私を造った存在を敢えて『神』と呼ぶなら、『神』は私に全てを教えてくれていたわけでは無いのだ。

 でもそれは他の人達と変わらない。

 人は世界の全てを知る事は出来ないのだから。

 

 私と辯天の関係は吉祥天と弁財天によく似ている。

 この二柱の女神は同一視される事が多いから。

 

 一刀くんたちが私に付けてくれた吉祥の名と、

 私が娘に贈った辯天と言う真名。

 あの時はここまで深く考えていなかった。

 『辯天』の名を占いで導き出した事を今になって納得出来た。

 

 一刀くんたちの笑顔がとても眩しい。

 

 私は目を閉じて頷いた。

 そして目を開いて辯天を見る。

 姉妹と兄と一緒に遊んで楽しそうな我が子を。

 

「私も一緒に遊ぶわよー♪」

 

 私は真っ白な雪の積もった庭に駆け出した。

 

 

 

 

 

おまけ壱

『北郷二刃奮闘記』其の十五

リクエスト:『炙叉』    8票

 

本城 廊下                    (時報:桂花七人目 妊娠五ヶ月)

【二刃turn】

 

 私は炙叉さんと一緒に後宮に管輅さんの懐妊を伝えに向かっている。

 医務室で一緒だったシスターズの三人は次の公演に向けてのリハーサルが有るので、

あの場でお別れとなってしまった。

 炙叉さんと二人きりって初めてだな。

 

「二刃ちゃん、ごめんね。付き合ってもらっちゃって。」

「い、いえ!付き合ってもらってるのはあたしの方じゃないですか!ありがとうございます♪」

「いやぁ、華佗と二人きりになれる所を引き離しちゃったからさ♪」

 

 ウィンクしながらそんな事を言われてしまった。

「べ、別にあたしは………」

「実を言うと二刃ちゃんと話がしたかったのよね。お詫びに後で色々と占ってあげる♪」

「占いですか?」

 炙叉さんって管輅さんと同じ宮廷占術師だった。

 見た目がワイルドだし、普段はシスターズの手伝いに行ってるから、つい忘れちゃうんだよね。

「私の恋占いは管輅のより評判良いのよ♪」

 

「恋占いっ!?それじゃあ!」

 駕医さんとの仲を進展させるアドバイスも貰える!

 

「そうそう♪北郷親衛隊のお嫁さんを見つけて、結婚まで持って行った実績が有るのよ。

任せて頂戴♪」

 拳を握ってガッツポーズをする炙叉さんがスゴク頼もしい。

「よろしくお願いします!占いでも得手不得手って有るんですね。」

「私は敦煌で女性客相手に鍛え上げたからね。管輅は商売気無いからよくお客が怒り出してたわねぇ。」

「炙叉さんは管輅さんとそんな前からお知り合いだったんですか?」

「あれ?話して無かったっけ?あいつが敦煌に現れたのは御子様たちが降臨される一年位前で、

半年したらまた旅に出ちゃってさ。

後で判ったけど、その時は御子様降臨の予言を各地にして回りに行ってたのよ。

さっきの客が怒り出すって話。朱里ちゃんと雛里ちゃんの所でもやらかしたらしいわ♪」

「あの二人が怒るんですか?想像できない………」

「何でも、運命の人を占ったらしいんだけど、肝心の部分をぼかして話す上に出てくる結果が同じじゃない。そりゃあの二人だって怒るわよ。」

 

 管輅さんは朱里さんと雛里さんに何を言ったんだろ?

 

 

 

 後宮に着いたあたしと炙叉さんは桂花さんに管輅さんの懐妊を伝えた後、あたしの部屋に炙叉さんを招いた。

 お茶を淹れてテーブルに着く。

「さあ♪早速始めよっか♪」

 炙叉さんがテーブルの上に取り出したのは………。

「これってタロットカードですか!?」

「お♪さすが二刃ちゃん。この札の事知ってるんだ。」

 嬉しそうにシャッフルする手つきはとても慣れていて、炙叉さんが熟練者だと素人のあたしにも分かった。

「敦煌に居た頃に西域から来た人に弟子入りしたの。珍しい占いだから女の子に人気が出たわ♪

それじゃあ視るわよ。」

 並べ終わったカードをめくり始める。

 うぅ、ドキドキするなぁ………。

 一枚、二枚とめくる炙叉さんの顔は真剣だった。

 そしてその表情が次第に険しくなってくる………なんか嫌な予感が………。

 

「………予想はしてたけど、相当手ごわいわね………」

 

「あ、あの………」

「ちょっと待って……………先に結果から言うと望みは有るわ。」

「微妙な言い方ですね………」

「現状では華佗が二刃ちゃんに惹かれ始めてるのは間違いないわ。」

 

「え!ホントですか♪」

 

 うわぁ~~♪そ、それならこのまま駕医さんについて行けば……。

 

「でも、ここに華佗の気持ちを妨げる大きな壁が有るの。」

「か、壁!?」

「『皇帝』の札。これはまんま御子様たちの事だわ。」

 

「に、兄さんたちが邪魔してるんですかっ!!」

 

 思わず立ち上がってしまった。

「まあまあ、落ち着いて。ほら座って頂戴、話を続けるから。」

「は、はい。」

 あたしは気を落ち着けて椅子に座り直した。

「華佗にとって二刃ちゃんは、親友の妹であり弟子でもある。

ここまでならまだ華佗も一歩踏み出せたと思う。」

 炙叉さんは言葉を区切ってあたしの顔を真剣な表情で見つめる。

 

「それ以上に二刃ちゃんが『皇帝の妹』だから踏み込んで来ないのよ。」

 

 え?それって“身分”って事!?

「ちょ、ちょっと待って下さい!それはあたしがこの世界に来たからそうなっただけで、

元々あたしは一般市民ですよ!!」

 

 テーブルに身を乗り出して抗議をしたけど、炙叉さんはそれを苦笑いで受け止めた。

「二刃ちゃんはそう言うと思ったわ。御子様たちも同じだったから。」

「兄さんたちも同じ?」

「御子様たちは偉くなりたくて戦をしていた訳じゃないわ。

守るべき人達の為に戦って最終的に偉くなった。

本人たちが偉くなった事の意味をなかなか理解しないモンだから、周りは苦労したけどね。

で、二刃ちゃんの居た世界じゃどうか分からないけど、

この世界では偉くなった人間の身内は一緒に偉くなるの。

そうしなければ拐われたり襲われたりするでしょ。」

 

 そうか………兄さんたちを精神的に揺さぶる為に……あたしも狙われる対象なんだ。

 

「そして皇帝の妹となると、漢王朝の頃なら政略結婚をするのが当然だったから、

華佗が気にしているのはむしろこっちでしょうね。」

「せ、政略結婚っ!?」

「安心して。二刃ちゃんにそんな事をさせるつもりの人間は私達の中に一人も居ないし、

そんな事を言い出す部下が居たら即刻叩き出すから。

まあ、政略結婚でここに居る私が言うのも何だけどね♪」

「炙叉さん………政略結婚なんですか?…………」

「私は羌で、御子様たちに戦で負けた立場だったからね。

私が戦に反対してた人間でも、羌の大王になったからにはその責任を取らなくちゃいけないし。

最も私はその立場を利用した戦略結婚って言う方が合ってるけどね♪」

 イタズラっぽく笑う炙叉さん。

 そこまでして兄さんたちと結婚したかったって事なんだ。

 この強かさは見習うべきなのかなぁ?

 

「それで解決方法なんだけど。」

「は、はい!」

 

「ここは御子様たちに協力してもらうのが一番だと思うわ。」

 

「………………………はい?」

 

 兄サンタチニ協力シテモラウ

 

「そ、それは兄さんたちにあたしが駕医さんを好きになったって打ち明けるって事ですよねっ!?

む、むむ、無理です!は、恥ずかしいじゃないですかっ!!」

 

 必死に否定すると炙叉さんに笑われた。

「あはは♪真っ赤になって可愛いわねぇ♪でも………」

 炙叉さんがまた真剣な顔つきになった。

 

「華佗の事が本気で好きになったのなら腹を括りなさい!

利用できる物は実の兄だろうと使って手に入れる!

それぐらいの覚悟が無きゃ華佗は落とせないわよっ!!」

 

 駕医さんの事が本気で好き…………あたしは……………。

 

「………分かりました。兄さんたちに相談しますっ!」

 あたしが力強く答えると、炙叉さんは笑顔で頷いてくれた。

 

「うん♪決断してくれて良かったわ。何しろ焦れて本当の最終手段を計画してるのも出始めたからね。」

「さ、最終手段?」

 聞き返すと炙叉さんは両手を使って……言葉に出来ないサインをして見せた………。

 それってもしかして前に蓮華さんが言ってた、雪蓮さんならやりかねないってやつ………。

 あたしと駕医さんをお風呂場に閉じ込めるって話だったけど、本格的にやられたらきっと怪しげな薬まで一服盛って来るに違いない。

 

「す、直ぐに兄さんたちの所に行かなきゃっ!!」

「待って待って!今頃御子様たちは管輅と話をしてる最中だよ!」

 

 あっ!!そうだった!!ど、どうしよう!?

「待ってれば御子様たちは管輅と一緒にここに来るから、その時に話しましょう。

その前に華琳様、桃香様、蓮華様に話しておいた方が良いかな。

それで強行派の動きは止められると思うわ。」

 

「そ、それじゃあ直ぐに相国執務室に行ってきます!!」

 

 あたしは立ち上がって目的地に向かう。

「私も一緒に行くから慌てないで!」

 

 

 

 華琳さん達に話をした後、あたしはまた後宮に戻って兄さんたちを待った。

 管輅さんには申し訳ないけど、後宮に来た兄さんたちをあたしの部屋に引っ張り込んだ。

 

 だけど………いざ兄さんたちを前にすると照れくさくなってしまった。

 

 ええい!!ここで迷ってどうする!あたしっ!!

 

「兄さんっ!!あたし駕医さんの事が好きなのっ!!」

 

 思い切って口にした。

 兄さんたちがどんな反応をするかドキドキする。

 

「「「そうか………判った。」」」

 う…反応が薄い………と思ったけど、その顔は優しく微笑んでいた。

 兄さんたちは言葉通り判ってくれたんだ。

 

「「「それで、駕医の方はどうなんだ?」」」

 

 いきなりそんな事を言われた!?

「ど、どうって、それは…………」

「「「あいつの事だ。いつまでも態度が変わらないんだろ?

それでお前の方からも告白出来ないんじゃないか?」」」

「何でそこまで判るの!?」

「「「あのなぁ………月から聞いてないか?何年も駕医の嫁さんを探してたって、

それを俺たちも協力してたんだよ。何人玉砕した女の子を見てきたと思ってる。」」」

 

 そうだ、すっかり忘れてた…………。

 

「「「二刃!俺たちがなんとかしてやる!」」」

 

 兄さんたちは明るい顔で膝を叩いた。

「あ、あの………兄さんたち…命令で無理矢理なんてのは止めてよ?」

 

「「「当たり前だ、バカ。駕医の奴だってお前の事を気にしてるんだ。

俺たちはあいつの背中を押してやるだけだ。」

 

 三人にバカとハモられたのはムカついたけど…………駕医さんもあたしを気にしてる!?

「…………駕医さん………そうなの?」

「「「あ~………気が付いて無かったのか………あいつもあれでポーカーフェイスが上手いからなぁ。

俺たちは駕医の親友だと自負してるし、あいつが何考えてるかも解るつもりだ。」」」

 

 う!ちょっと悔しい!

「兄さんたちには負けないんだから!」

 

「「「朱里と雛里みたいな事考えてないだろうな?」」」

 

 

 

二日後

【緑一刀turn】

 昨日は吉祥とのデートの為、駕医に会う事が出来なかった。

 少しくらいの時間なら作れただろうが、この事を片手間みたいにするのは嫌だったので、

二刃にも今日話すと言ってある。

 俺たちは医務室に駕医を訪ねていた。

 人払いもしてあるので、この部屋に居るのは俺たちと駕医だけだ。

 

「「「今日は折り行って話が有る。」」」

 

「人払いまでして、えらい念の入れようだな。永久素龍涎香(エクスりゅうぜんこう)なら材料が無いと作れないぞ♪」

「「「それは残念…じゃなくて!」」」

 

 いかんいかん。駕医の奴がいつも通りなもんだから、つい乗せられてしまった。

 

「「「今日は二刃の事で話をしに来たんだ。」」」

 

 俺たちの言葉に駕医は珍しく困った顔になった。

「「「流石にお前だって気が付いているんだろう?二刃がお前を男として見ている事に。」」」

 

 駕医は返事をしなかったが、苦悩の表情は変わらない。

 この男が患者の治療方法以外でここまで悩むのを初めて見た。

 

「「「俺たちは駕医にその気が無いなら諦めさせる………けど、お前も二刃の事が気になってるんだろ?」」」

 

 駕医は目を見開いて驚いた。

「一刀…………お前たちは自分の事に鈍いのに、他人の事には敏感なんだな………」

 

「「「お互い様だっ!!」」」

 

 どうせ俺たちは鈍感だよ!

「「「そんな事よりもだ。お前は二刃が俺たちの妹だから、皇帝の妹だからって身を引こうと思ってただろ!」」」

 

「……そこまで解ってたのか………」

「「「ったく、もう十年来の付き合いだぞ。見くびるなよ。」」」

 俺たちが笑うと、駕医も漸く表情を緩めた。

 

「「「なあ、駕医。俺たちは二刃がこの世界に来た時から、兄として二刃の幸せを見守らなきゃいけないと心に決めている。

親父とお袋が居ないこの世界で、俺たちが両親の代わりに見届ける義務があると言ってもいい。

 

駕医………お前になら二刃を任せられる。

 

向こうの世界じゃ結婚には早い歳だが、璃々と同い年だからな。

俺たちにはその点をどうこう言う資格が無い。

 

二刃を………………幸せにしてやってくれ。」」」

 

 俺たちは揃って駕医に頭を下げた。

 

「そこまで言ってくれて、正直身に余る光栄だと思ってる…………だが、俺は二刃に隠し事が有るだろう………」

 

 駕医の隠し事………それは。

「「「『仮面』の事か。」」」

 

 駕医も仮面の戦士『見捨てない人』として日夜悪人を更生して回っていた。

 駕医が真剣な面持ちで頷くのを、俺たちは笑って言ってやる。

「「「それこそ二刃を見くびらないでくれ。二刃は必ず受け入れるさ。

むしろあいつは積極的に協力すると思うぞ。

それにな………これは華蝶連者の長官としての勘なんだが、

きっと二刃の下にも仮面はやって来る。」」」

 

「そんな………まさか………」

 

 口では否定していても、駕医は僅かに期待もしていた。

「「「仮面はその資格を有した者の前に必ず現れる。璃々の時に俺たちは確信したんだ。

だから駕医!二刃をお前の相棒としてしっかり指導してやってくれ!」」」

 

「分かった!一刀!!俺は二刃を預かる!いや!!貰い受けるぞっ!!」

 

 駕医の瞳に炎が燃え上がった!

 やはりこの男は熱くないとな。

 正直に言うと兄として寂しいが、二刃を幸せに出来るのはこいつしか居ない。

 

「「「宜しく頼むぞ!駕医っ!!」」」

 

「応っ!!」

 

 さて、今度は駕医が二刃に告白する舞台を準備をしなくちゃな!

 

 

 

 

 

おまけ弐

『聖刀くんの日常』其の十四

リクエスト:『北郷親衛隊とその子供達』 8票

61)北郷聖刀 真名:輝琳  六歳

インテリ⇒劉封 嫁⇒孟達 息子⇒孟興 真名:昴(こう) 三歳

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら) 六歳

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 六歳

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 六歳

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 六歳

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ) 六歳

 

北郷学園 校門

【聖刀turn】

 

 いよいよ北郷学園の試験運用開始だ。

 今日は新しくこの学園に入る子の為の入学式が行われる。

 ぼくは風紀委員長として警備の為に見回りをしていた。

 

「若様はそろそろ式場に向かわれた方がよろしいのでは?」

 父上の親衛隊隊長。父上が『董の兄ぃ』と呼んでいる牛輔さんが声を掛けてくれた。

「いえ、母上から入学する子の顔を覚える様に言われてます。

それに北郷親衛隊のお仕事も見られて、風紀委員の仕事の勉強になります。」

「左様でしたか。それでは我ら北郷親衛隊の働きを篤とご覧になってください。

まあ、我らが活躍しない事が一番なのですけどね♪」

 牛輔さんが笑って言ったのは、前に真桜媽媽と沙和媽媽に教えられたのと同じ意味だ。

 そこに居るだけで悪事を起こさせないという存在感。

 それは実績が有って初めて出来る事。

 今のぼくは時間を掛けて経験を積む事が一番重要だ。

 烈夏お姉ちゃん、愛羅お姉ちゃん、濤お姉ちゃん、藍華お姉ちゃんの強さはもう世間に知れ渡ってるけど、風紀委員には新たに加わった仲間達がいる。

 北郷親衛隊を父親に持つ五人の新入生。

 彼女達と一緒にぼくは経験を積んで行くんだ。

 紹介されたのは昨日だけど、いつかきっと父上たちと北郷親衛隊みたいな強い絆で結ばれる様になりたい。

 

「和了ちゃん、珊瑚ちゃん、朔ちゃん、朱雀ちゃん、白虎ちゃん!

これからよろしくねっ♪」

 

「「「「「はい!聖刀さま♪」」」」」

 

 みんなお父さんに良い所を見せたいのかスゴク張り切ってる。

 牛輔さんを含めたお父さん達は涙を流して我が子の成長を喜んでいた。

 

「覚悟はしてたっスけど、六歳で嫁に出す事になるなんて…………」

「言うな!追っかけ!若様になら………若様なら納得出来るじゃないかっ!!」

「若様なら娘を幸せにしてくれると思うぞ!なあ、弟者!」

「俺もそう思うぞ、兄者!」

「そうだ!陛下たちやインテリの毒牙にかかるのを防いだと思えば………」

 

「うちの人がご心配をおかけして………本当に申し訳ございません………」

 

 孟達さんが牛輔さん達に頭を下げてるけどどうしたんだろう?

 それに劉封さんの姿も見えないし。

「孟達さん。劉封さんはどうしたの?いつも一緒にいるのに。」

「わ、若様!あいつは今地下牢…いえ、城内で簀巻…いえ、特殊警戒の任に着いております!」

 劉封さんは特別な任務に着いてるのか。

「流石、劉封さんですね。孟達さんも北郷親衛隊で活躍してるし…あ、昴くんの所にはぼくも出来るだけ顔を出しているので、心配しないでお仕事頑張って下さい♪」

 お姉ちゃん達から劉封さんに助けられた話をよく聞くんだよね。

 お二人の息子の昴くんは祉狼と一緒にお城の北郷学園幼年部に通ってるから一緒に遊んであげているんだ。

 

「あ、ありがとうございます、若様。」

 

 孟達さんの笑顔が少し引きつってる気がするけど、どうしたのかな?

 

「聖刀さま!新入生が登校してきます!こちらへどうぞ!」

 

 朱雀ちゃんに呼ばれてぼくは新入生の子を出迎える為に校門の外を見た。

 あ!あれは♪

 

「黄乱ちゃん!おはよう♪ちゃんと来てくれたんだね♪」

 

「うわっ!ほ、北郷聖刀!?なんで入口で待ち構えている!?しかもそんな多勢で!!」

 

 黄乱ちゃんは『正義の解放団』の事を気にしてるのかな?

 あれはぼくと媽媽達だけの秘密にして、お姉ちゃん達には言わないって約束したのに。

 

「新入生を出迎えてるだけ…」

「きさまっ!何者か知らんが、帝国唯一の皇子にして我らが主!

北郷聖刀さまに対し呼び捨ての上、その口の利き方!

許せん!そこへ直れっ!!」

 

 え?朱雀ちゃん?

 

「おい、北郷聖刀。お前にこんな家臣が居たのか?初めて見たぞ?」

「ぼくも昨日初めて会って…」

 

「きさまは徐蓋の聞いていなかった様だな。

度重なる聖刀さまへの無礼な口の利き様。

張郃が一子、張雄がその性根を叩き直してやる!」

 

 今度は白虎ちゃんが!

 

「ふん!家臣風情がでかい態度じゃないか。

わたしは山越の姫!黄乱だ!お前らごとき下郎の指図は受けん!!」

 

 黄乱ちゃん!?一昨日いじめられたくないって泣いてたのに、そんな態度じゃ仲良くなれないよ!

 

「山越は帝に恭順したのだから、あなたも家臣と変わらないのよ、黄乱。」

「げっ!!おまえは張昭の孫の張休!!」

「あら?あなたも私の事は調べているのね。」

 

 顔見知りって訳じゃないのか。

 黄乱ちゃんはぼくとはじめて会った時も、事前に調査してたみたいだもんな。

 珊瑚ちゃんの御祖母さまは孫呉の重臣だから珊瑚ちゃんの事も知ってたんだろう。

 

「この楊豹も徐蓋、張雄、張休と同意見です。」

「朔もですわ。聖刀さまを蔑ろにする態度は許せません。」

 

「朱雀ちゃん!白虎ちゃん!珊瑚ちゃん!和了ちゃん!朔ちゃん!落ち着いて!

黄乱ちゃんはもうぼくの友達なんだ!友達なら呼び捨てにしてても問題は無いだろ?」

 ぼくは黄乱ちゃんを背中に庇って五人と対峙した。

 五人は驚いた顔をしたけど、朔ちゃんが顎に手を当てて考え出した。

 

「『お友達』ですか………」

 朔ちゃんの言葉に他の四人はポンと手を叩いた。

 

「「「「なるほど、『お友達』ならしょうがありませんね♪」」」」

 

「わかってくれたんだ♪」

 みんなが仲良くなれば争い事が無くなる。

 これがぼくの目指す風紀委員の答えのひとつだ!

 

「はい。朔達は昨日聖刀さまに真名をお預け致しました。

それはつまり身も心も全て聖刀さまに捧げる忠誠の証。

我ら『聖刀さま♥親衛隊』は聖刀さまのご意向に沿う事こそが勤めでございます。」

 

 恭しく頭を下げる朔ちゃん。

 それに倣って他の四人も頭を下げた。

「へ?みんなは風紀委員でぼくの部下ではあるけど、親衛隊っていつの間に………」

 

「おい!」

 

 黄乱ちゃんが真っ赤な顔でぼくを睨んでいた。

「わ、わたしの真名は『明兎(みんと)』だっ!!預けるからありがたく受け取れっ!!」

 

「う、うん…じゃあ、ぼくの真名も預けるよ。ぼくの真名は輝琳って言うんだ。」

 突然真名を預けられて驚いたけど、預けられた以上はちゃんとお返ししないとね。

 

「よろしくね、明兎ちゃん♪」

「よ、よろしく………輝琳…」

 

 明兎ちゃんがモジモジしてる。きっと真名の交換に慣れてないんだな。

 と、思ったら顔を上げて朔ちゃん達を指差した。

 

「これでわたしは『ただのお友達』じゃ無いぞ!『真名を交換したお友達』だっ!!」

 

「きさま!なんとういう強引な!!」

「和了達だって恥ずかしくて聖刀さまを真名で呼べないのに!」

 

「ふんだ!お前らなんかに絶対負けないからな!」

 

 睨み合いを始めちゃったよ…………何で仲良く出来ないのかなぁ…………。

 

 

 

「「「「「俺達は一体どうしたらいいんだ………」」」」」

「昴が男の子で本当に良かった…………」

 

 

 

 

 

おまけ参

リクエスト:『一刀さんの一日執事』7票

 

本城 相国執務室                (時報:桂花 十人目 妊娠四ヶ月)

【桃香turn】

 

 わたし達が仕事を一段落してお茶を楽しんでいる時だった。

 何かを切っ掛けに思い出話になった時、蓮華さんがクスクス笑って話してくれました。

 

「赤一刀が突然、私の事を『お嬢様』って呼び出してね♪

『今日の俺は蓮華の執事だ』って言って、お茶を淹れたり肩を揉み始めたりしたのよ♪」

 

「一刀たちは突然妙な事を始めるわよね。

紫一刀も似た様な事が有ったけど、お茶の淹れ方がてんで為って無くて私が教える羽目になったわ。」

 

 華琳さんの口調は呆れた感じだけど、その顔はとても楽しそうだった。

 振り返ってみて緑のご主人さまはどうだったかな?

 ご主人さまが仕事を抜け出したお詫びにってお茶とお菓子を用意してくれた事はよく有ったっけ♪

 それからわたしが風邪を引いた時も優しくしてくれたなぁ…………その後で……。

 

「ちょっと、桃香……何をにやけているの?」

「え!?…あはは♪何でも無いですよ♪ええと………ご主人さまたちの言う執事ってどんなのかなぁって想像してたら………」

 ふう、これで誤魔化せたかな?

 

「そうねぇ……私は二刃に訊いた事があるのだけど、メイドの男性版だと言っていたわ。

でもメイド隊の仕事を見てると、一刀がしたかった事は少し違った気がするわね。」

 蓮華さんの言葉に華琳さんの目が光った。

 

「それなら実際にやらせてみましょう♪」

 

「…いいのかな?ご主人さまたちの仕事に支障が出ない?」

「天の国の文化を知る勉強って事にしておけば問題無いでしょ。それに………」

「「それに?」」

 

「久々に一刀たちで遊んでみたいじゃない♪」

 

 わたしと蓮華さんは思わず頷いてしまった。

 

 

 

皇帝執務室

 

「「「なに?執事の事が知りたい?」」」

 

 わたし達はご主人さまたちの所に来て、早速話を持ち出した。

「メイドさんの男性版って事らしいけど、蓮華さんは少し違う感じがするって言うから気になっちゃって♪」

 

「「「ふっふっふっ………遂にこの時が来たか!ちょっと待っててくれ!直ぐに着替えてくる!」」」

 

 そう言ってご主人さまたちは執務室を飛び出して行った。

「「服………用意してたのね………」」

 華琳さんと蓮華さんは少し呆れてた。

 わたしは……ちょっと予想してたかな。

 月ちゃんと詠ちゃんのメイド服も記憶が戻る前から用意してたもんなぁ。

 

「「「お待たせっ!これが執事の姿だっ!!」」」

 

「「「早っ!!」」」

 さっき出て行ったばっかりなのに、もう着替えて戻って来た!

 いつもの白い上着では無く黒い上着に白い衬衫(ちぇんしゃん)(ワイシャツ)になっている。

 髪も綺麗に後ろに向かって固めていた。

 

「「「それでは奥様方。こちらでお寛ぎ下さい。」」」

 

 椅子を勧められてわたし達は卓に着いた。

 正直、あまりくつろげない。

 

「「「それでは只今お茶をご用意致しますので少々お待ちを。」」」

 

 そう言ってまた部屋を出て行った。

「あれが執事というものなの?」

 華琳さんもあまり居心地が良くないみたい。

「以前よりも口調や物腰が丁寧になっているわ………」

「蓮華さんがそう言うって事は、ご主人さまたち練習してたのかな?」

「でしょうね……あの手の言葉遣いは慣れない者がすると慇懃無礼に聞こえるもの。

やらせた私が言うのも何だけど、皇帝が使用人の練習をするというのはどうなのかしら?」

 

「「「お待たせしました、奥様方。」」」

 

 戻って来たご主人さまたちはそれぞれ台車を押していた。

 緑のご主人さまは五段の棚に色々なお菓子を載せた台車を卓の横に着けて、一度頭を下げた。

「お好きなお菓子を仰って下さい。お取り致します。」

「うわぁ、どれも美味しそう♪わたしこれがいいな♪」

 白い生クリームの上に苺がたくさん載っている♪

 

「苺のショートケーキですね。柔らかく甘い処が奥様とよく似ていますよ♪」

 

 お皿を卓の上に置く時に、耳元でそっと囁かれる。

 思わず振り向いたら、爽やかな笑顔が離れていく所だった。

 

「私はこちらを貰おうかしら………」

 

 蓮華さんはわたしを見ていたからか、少し赤い顔をしていた。

「ラズベリーのタルトですね。少し固めの生地と甘酸っぱさが奥様の様ですね♪」

 赤のご主人さまが蓮華さんの耳元で囁いた。

 さっきのわたしって傍から見るとこんな感じだったんだ。

 これは恥ずかしいよぉ………。

 

「私にはこれを貰えるかしら?」

 

 華琳さんは……楽しそう。

「モンブランでございますね。栗のクリームが奥様の黄金の髪の様ではないですか♪」

「あら、ありがとう♪でも私はこんなに甘くは無いでしょう?」

「いえいえ、子供達を見る時の奥様の笑顔に比べれば、ケーキの甘さなど足元にも及びません♪」

 紫のご主人さまの爽やかな笑顔に華琳さんも顔を赤くして何も言えなくなってしまった。

 

 

 白磁の茶器と銀の食器、芳醇な香りのお茶をと甘いお菓子で素敵な時間を過ごした。

 でも………。

「わたしはやっぱりご主人さまにしてあげる方が性に合ってるな………」

「「「桃香は気に入らなかったか?」」」

「ご主人さまに優しくしてもらうのは嬉しいけど、もっとご主人さまらしく振舞ってくれた方が嬉しい♪」

「私もそうね。やっぱり落ち着かないわ。」

 蓮華さんは結構、執事姿のご主人さまが気に入ってる様に見えたけどな。

 

「まあ、余興ですもの。たまにはいいじゃない♪城外の者には見せられない姿だけどね♪」

 

 華琳さんは充分楽しんだみたい♪

「所でさっきのお菓子だけど、あれって朱里と雛里が二刃から聞いて作ってる試作品では無いの?」

 あ、そうだったんだ。朱里ちゃんと雛里ちゃんが作ったお菓子なら美味しいのも頷けるね♪

「「「流石華琳だな。見破られたか♪」」」

「貴方たち、二人に黙って持って来た訳では無いでしょうね?」

 

「「「そんな事しないって。ちゃんと頼んで分けて貰ったぞ。

今度、この格好で二人に付き合う約束はさせられたけど。」」」

 

 それは………大丈夫なのかな?

 

「なら良いわ…………所で一刀。折角だからお願いが有るのだけど……」

 言いながら華琳さんはわたしと蓮華さんに目配せをして来た。

 

「「「ん?何だ?」」」

 

「その執事姿を今夜もう一度見せてくれるかしら?」

 

 

 

 この後どうなったかは、みなさんのご想像におまかせします♪

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

『本編』

無印で貂蝉が言っていた

『造られた存在』というのを軸に考えてみました。

管輅は神秘的な存在なので登場させた頃から

逆に出来るだけ俗っぽい性格の人にしました。

ただのロボットみたいな人にしたく無かったもので。

 

『デカチュー』と『後方不敗』の元ネタは

安永航一郎氏の迷作『超感覚ANALマン』から。

電撃大王で六年連載したのに第一巻しか出版されなかったのが悔やまれます。

いつか全話読める日が来ると信じています。

 

 

『北郷二刃奮闘記』

二刃と華佗の仲が大進展!

次回は華佗の告白シーンを書く事が出来そうです!

 

 

『聖刀くんの日常』

北郷親衛隊の面々の名前決着です。

むしろ奥さんの名前の方が凄い事になってますがw

これでおまけ参の北郷親衛隊の結婚生活がかなり楽しみになりましたw

お見合い辺りからやりたいですね。

 

インテリの息子の昴くんですが真名のネタはアレです。

成長したら「小学生は最高だぜ!」とか言い出すかもしれませんwww

 

『おまけ参:一刀さんの一日執事』

今回の中で一番短い話ですが

桃香と蓮華の甘いイチャイチャが書けて満足しています♪

この夜どうなったかはみなさんのご想像通りですw

 

 

この後黒外史の執筆に入ります

……………………嫌な年末年始になりそうです。

 

《次回のお話》

 

☆鈴々②  40票

 

という事で、次回は鈴々②に決定致しました。

 

【北郷二刃奮闘記】

貧乳党『バストアップ大作戦』(失敗w) 7票

【聖刀くんの日常】

祉狼   6票

【おまけ参】

里帰り&お墓参り[曹魏組] 14票

 

※『里帰り』は累計得票数なので一回置きにやりたいと思います。

※『天の国講座』は『里帰り』終了後に続けます。

以上も次回にお送り致します。

 

 

《現在の得票数》

璃々②  34票

華琳③  33票 (華琳「が」イチャコラしちゃう話)

愛紗②  31票

翠②   30票

雪蓮②  28票

小蓮②  24票

ニャン蛮②23票

音々音② 23票

秋蘭②  17票

桃香②  9票

音々②  9票

蓮華②  8票

冥琳②  8票

季衣②  6票

月②   6票

風②   5票

炙叉②  5票

桂花③  3票

真桜②  3票

凪②   2票

星②   2票

紫苑③  2票

詠②   1票

沙和②  1票

 

【北郷二刃奮闘記】

斗詩+白蓮(苦労人同士) 7票

スーパーメンマタイム(おまけ弐、参、含む)5票

蜀の子供とお風呂 5票

呉の子供とお風呂 5票

華蝶連者 5票

真桜のからくり話其の二 3票

いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 3票

璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク 2票

妹―ク 1票

 

【聖刀くんの日常】

桂花   5票

いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 3票

眞琳   3票

螢    2票

魏のメンツで魚釣り 1票

黄乱   1票

炙叉   1票

 

【おまけ参】

里帰り&お墓参り[袁家組] 14票

天の国講座 9票

北郷親衛隊の結婚生活(個別)7票

流琉母娘他による料理教室 6票

騎乗訓練その後 5票

親子鍛錬(五虎将編)5票

超英雄大戦(華蝶連者×サン・アルジオン×見捨てない人)5票

紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り 3票

いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 3票

眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 1票

「男装喫茶」へようこそ 1票

 

リクエスト参戦順番→冥琳② 紫苑② 鈴々② 風② 雪蓮② 凪② 小蓮② 翠② ニャン蛮族② 音々音② 月② 星② 璃々② 菅輅 華琳③ 詠② 愛紗② 沙和② 秋蘭② 桃香② 蓮華② 音々② 季衣② 炙叉② 桂花③ 真桜②

 

おまけ壱リクエスト参戦順番→炙叉 孫三姉妹 スーパーメンマタイム 蜀の子供とお風呂 呉の子供とお風呂 華蝶連者 斗詩+白蓮 真桜のからくり話其の二 いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク

 

おまけ弐リクエスト参戦順番→桂花 眞琳 正義の解放団 祉狼 北郷親衛隊 いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 魏のメンツで魚釣 黄乱 螢 炙叉

 

おまけ参リクエスト参戦順番→里帰り&お墓参り 一刀さんの一日執事 天の国講座 料理教室 騎乗訓練その後 親子鍛錬(五虎将編) 北郷親衛隊の結婚生活  超英雄大戦 紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 「男装喫茶」へようこそ

 

 

子供達一覧

1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)

2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)

3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)

4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)

5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)

6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)

7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)

8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)

9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)

10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)

11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)

12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)

13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)

14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)

15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)

16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)

17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)

18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)

19)七乃の長女 張路(ちょうろ) 八倻(やや)

20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)

21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)

22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)

23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)

24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)

25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)

26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)

27)美以の長女 孟節(もうせつ) 花鬘(かまん)

28)トラの長女 ベンガル

29)ミケの長女 マンクス

30)シャムの長女 ペルシャ

31)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)

32)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん)龍里(るり)

33)雛里の長女 龐宏(ほうこう)藍里(あいり)

34)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん) 

35)焔耶の長女 魏覚(ぎがく) 焔香(えんか)

36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)

37)星の長女 趙統(ちょうとう) 螢(けい)

38)大喬の長女 喬櫂(きょうかい) 愛(あい)

39)小喬の長女 喬順(きょうじゅん) 華(か)

40)亞莎の長女 呂琮(りょそう) 茜(ちぇん)

41)明命の長女 周邵(しゅうしょう) 藍華(らんふぁ)

42)華雄の長女 華剛(かごう) 树莓(しゅうめい)

43)桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)

44)霞の長女 張虎(ちょうこ) 雰(ふぇん)

45)沙和の長女 于圭(うけい) 紗那(さな)

46)斗詩の長女 顔教(がんきょう) 升謌(しょうか)

47)真桜の長女 李禎(りてい) 真梫(ましん)

48)桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)

49)猪々子の長女 文獬(ぶんかい) 虎々(ふーふー)

50)稟の長女  郭奕(かくえき) 貞(てい)

51)穏の長女  陸延(りくえん) 毬(ちう)

52)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)

53)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)

54)桂花の五女 荀粲(じゅんさん) 黄梅(おうめい)

55)小蓮の長女 孫仁(そんじん) 蕾蓮(らいれん)

56)音々音の長女 陳守(ちんじゅ) 音音(ねおん)

57)季衣の長女 許儀(きょぎ) 華衣(かい)

58)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)

59)桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)

60)音々の次女 陳修(ちんしゅう) 音肆(おとよ)

61)華琳の長男 北郷聖刀(まさと) 輝琳(きりん)

62)桂花の七女 荀倹(じゅんけん) 柊(しゅう)

63)璃々の長女 黄慮(こうりょ) 牡丹(ぼたん)

64)思春の次女 甘瓌(かんかい) 燃秋(ぜんしゅう)

65)紫苑の四女 黄薛(こうせつ) 紅葉(もみじ)

66)管輅の長女 管辰(かんしん) 辯天(べんてん)

A)桂花の八女 荀靖(じゅんせい) 茉莉花(まりふぁ)

B)桂花の九女 荀燾(じゅんとう) 寿丹(じゅたん)

C)桂花の十女 荀爽(じゅんそう) 秦翹(しんぎょう)

D)桂花の十一女 荀粛(じゅんしゅく) 金鐘(きんしょう)

E)桂花の十二女 荀旉(じゅんふ) 橄欖(かんらん)

 

引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。

1・メインヒロインとなるキャラをご応募下さい。

2・『北郷二刃奮闘記』で二刃と絡むキャラを募集しています。

 例:「二刃視点で貧乳党」  という感じでお願いします。

3・『聖刀くんの日常』で聖刀と絡むキャラを募集しています。

 例:「聖刀視点で三羽烏」  という感じでお願いします。

4・おまけ参でのメインとなる子供達を募集しています。

 シチュエーションのリクエストも大歓迎です。

以上の四点にリクエストの集計(TINAMI、Pixiv双方の合計)を振り分けますので、

よろしくお願いいたします。

今まで通り、リクエストに制限は決めてありません。

何回でも、一度に何人でもご応募いただいて大丈夫です。

 

ここで絵師の皆様へ

この小説『三人の天の御遣い』の挿絵に皆様のイラストを是非お願い致します!

新たに描かれた作品、過去に描かれた作品を問いません。

TINAMI上で挿絵として使用しても良いという方はショートメールにてご連絡下さい。

また、こちらから使用許諾のお願いをさせて頂く事も有ると思いますので、その時はよろしくお願い致します。

お願いしたいイラストは恋姫達は勿論ですが

成長したちびっ子組やオリキャラ達

立ち絵、シーンイラストを問いません。

重ねてお願い致しますm(_ _)m

 

 

ご意見、ご感想、ご指摘などもご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。

誤字脱字は雷起の反省を促す為、修正後も抜粋して晒しますw

 

 

 

 

 


 
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