No.64779

三羽烏戦その後

呂布さん

前回の続きです。
それと、前回書き忘れてたのですが鋼牙が使っていたのは、『金剛暗器』という『烈火の炎』っていう漫画に出て来るものです。
原作のものとは、所々変えますので、ご容赦を…
読みにくい作品で申し訳ございません。

2009-03-23 00:14:49 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3704   閲覧ユーザー数:3228

楽進達との戦いに強制的に終止符を打った鋼牙達。

現在はその帰路についているところ。

「…兄上?」

「なんだ?」

そっけなく答える鋼牙に、心配そうに大河が尋ねてきた。

「よろしかったのですか?伝令兵を逃してしまって…」

実は先程曹魏の伝令が駿馬で走り去って行ったのだ。

それをみた大河は、止めようとしたのだが、鋼牙がそれを遮った。

「問題無かろう。それより、楽進達の事だが…」

「あぁ、彼女達なら本陣に送った直後に念のため縄で拘束しておきました。」

「ほぉ。流石大河だな」

「いえいえ、それほどでも…っと、天幕に着きましたね。」

「………。」

天幕に入った途端、鋼牙が硬直してしまった。

「どうか致しましたか、兄上?」

「…いや…その…なんだ…つまり…」

鋼牙がなにやら言い淀んでいると、

「「「んー!んー!」」」

…ん?なにやら騒がしいですね?

「…なぁ、大河?」

「はい?」

「…その縛り方は一体?」

そう言って、鋼牙は拘束されている楽進将軍達を指差した。

「これですか?亀甲縛りというのですよ。ついでに、猿轡はオプションです。」

「いや、そうではなく…何故そんな縛り方を?」

「…?僕の趣味ですが?」

そう答えると、鋼牙は呆れ気味に、

「…そうか。」

とだけ言いました。

「「「んー!んー!」」」

「おっと、すっかり忘れてました。はいはい、少々お待ちを…」

そう言って、大河は猿轡だけをはずしました。

「貴様らぁぁ!」

「こんな事してただですむと思うななのぉ!」

「そうや!」

「…まったく、口の減らないお嬢さん達ですね。…では」

そう言って、大河は懐から『液体』を取り出しました。

そして、それを楽進将軍達の口に…

「…せやっ!」

「「「むぐっ!?」」」

…無理矢理突っ込んだ。

その途端――――!

「ん…あっ…ぅん」

「ぅあ…くふ…」

「…あっ…き、貴さ…ぅん…!な…にを…はぁあん…!」

突如、三人が艶しく喘ぎ始めた。

ついでに、上から于禁、李典、楽進の順である。

「お、おい、大河!御主今なにを飲ませたんだ?」

「クフフ…実は、先程飲ませたのは、僕特製の媚薬なんですよ。しかも、かなり強力な。少なくとも、あと二刻はこの状態ですよ。…と、忘れるところでした。」

そう言って大河が取り出したのは…

「…ビデオカメラか?」

「それと、媚薬の解毒剤です。」

言いながら大河は、カメラを起動し撮影を開始しました。

勿論、モデルは楽進将軍達。

「…ぅん…ぁふ…ひ…しゃま…なん…ら…しょ…れあ…?」

呂律のまわらない喋り方で、目をトロンとさせながら、楽進将軍が聞いて来た。

「これについては後ほど…。そして、」

そう言うと、大河はおもむろに小瓶を三つ取り出し、

「これの中身は、今飲ませた薬の解毒剤です。」

そう告げた。途端、

「「「ッ!?」」」

三人の目の色が変わった。

まぁ、敵にこんな無様な姿を長時間曝すなんて普通は嫌なものだ。

「クフフ…これが欲しいのですか?」

そう言って大河は三人の前で小瓶をチラつかせる。

「…はや…く…よ…こせ…!」

楽進将軍が苛立ちながら話し掛けて来た。

「良いですよ?ただし…貴女達三人が僕達に降伏するのならばね。」

大河がそう言うと、

「…たかが…媚薬…ごときで…我らが…降伏…など…!」

「ん?…あぁ。なんだ、もう二刻経ったのですか、道理で。では…そうですね。于禁将軍。解毒剤を飲ませますので口を開いてください。」

そう言って大河は于禁の方へ行き、于禁の頭を自分の太腿へ持って行った(ひざ枕を想像してくれ)。

「ふぇ?!で、でも媚薬はもう切れて――「せやっ!」――むぐっ?!」

大河は于禁に有無を言わせず解毒剤を飲ませた。

「ケホッ、ケホッ!いきなり何を…」

噎せながらも、何かを言おうとした于禁だが、

「…え?」

目の前の光景を見て絶句した。なんせ…

「う…ぐぁ…く…るし…かはっ…!」

「ハァ…ハァ…なん…やねん…体…が…アツい…!」

友二人が、苦しそうにもがいていたのだから…

「凪ちゃん?!真桜ちゃん?!」

フラつきながらも、苦しんでいる友のもとへと駆け出した于禁。

「なんで…どうして…!」

楽進達を抱き抱えながら、于禁は泣き崩れた。その時…

「言い忘れてましたが…」

大河が于禁に近づき耳元で囁いた。

「先程飲ませた媚薬にはですね…毒薬が混ざっていたのですよ。クフフ…」

「―――――ッ?!」于禁が振り向いた先に居たのは、黒い笑みを浮かべていた大河だった。

「おい、大河!なにも、そこまでせんでも――「兄上は黙っててください。」――ッ!?」

鋼牙の説得も聞き入れず、大河は于禁に向き直る。

「さて、于禁将軍?選択権は貴女にあります。誇りの為に友を見捨てるか、それとも、友の為に誇りを棄てるか?」

于禁は怒りで肩を震わせていた。

「沙和…私…たちは…大丈夫…だ…」

「…ッ!?」

「そう…やで…ウチらの…ことは…気にせんで…えぇから…な…」

「凪ちゃん…真桜ちゃん…グスッ…ヒク…」

大粒の涙をこぼしながら、于禁は大河を見据えた。

「わたしは…」

苦しんでいる友二人に言われた于禁の出した答えは――――

「…友達を助ける」

友を救う。

迷い無く于禁はこの答えを選んだ。

「仲間を…友達を見捨てるなんて、わたしにはできない。」

「「沙和…」」

「わかりました。貴女ならばそう言ってくれると思っていましたよ。」

そう言うと、大河は持っていた解毒剤を楽進達に飲ませた。

途端―――――ッ!

「うぁ…」

「くふ…」

奇声をあげ、楽進と李典が気絶した。

「凪ちゃん!?真桜ちゃん!?」

そう叫ぶ于禁に大河は笑顔を向けた。

先程とは違う、穏やかな笑顔を…

「さてと。念のために…『再』!」

そう言うと、楽進達の苦痛に歪んだ表情が、幾分か柔らかくなった。

「これで大丈夫。あとは、安静にしていれば…直に…目覚める…かと…」

ドサッ…

そこまで言うと、大河はその場に倒れ込んだ。

「大河!」

途端に鋼牙が大河のもとに駆け寄り、抱き抱えた。

「馬鹿者め…」

「申し訳…ありません…兄上。」

「まったく…少しは自分の身を考えろ。」

「ハハッ…肝に銘じます。」

そんなやり取りをしていると…

「たっだいま〜!今帰ったで〜!」

「只今戻った。」

「……ただいま。」

「ただいま戻りました。」

「…フンッ!」

董卓軍−1が帰ってきた。

何故『−1』なのかと言うと、実は董卓軍にはもう一人居た様なのだ。

尤も、現在そいつは蜀に帰っているらしい。

「霞様ッ!?」

「ん?おぉ、沙和やんか!元気にしとったか?」

そう言って、于禁の肩をバシバシ叩く張遼。

「そや!凪と真桜はどうしとるん?」

そう言った途端、于禁が辛そうな顔になった。

「凪ちゃん達は…そいつに毒を飲まされたの…」

そう言って、于禁は大河を指差した。

「「「んなっ!?」」」

「「――ッ!?」」

その場に居た鋼牙を除く全員が大河を見た。

「…えぇ。事実です。ですが…解毒…と…治癒は…施してあるので…問題…ありま…せん。」

大河は、息切れ切れに答えた。

「それと兄上…楽進将軍達の…縄なんですが…切っておいてください。」

ガクッ…

そこまで言って、大河は気を失った。

「やれやれ…」

そう言いながらも、鋼牙は先の戦いで使っていた武器を取り出した。

「行くぞ、『金剛暗器』よ…」

そう言って鋼牙は、たった数秒で武器の型を変えた。

「三の型、極。大ばさみ!」

できたのは、文字通り、大きなハサミだった。

「よっ!ほっ!」

チャキンチャキン!

鋼牙はそれで楽進達の縄を切った。

「…于禁将軍。」

「…なんなの?」

于禁が訝しげに答えると、

「すまなかった。」

突然鋼牙が土下座をした。

「…え?」

「今回、大河がやったことは決して許されることではない。だが、あやつは楽進達を殺したくてやった訳ではないのだ。だから、あいつを…許せとは言わぬが、せめて信じてほしい。」

それから四、五分経った。

「…わかった。あなた達の言葉を信じるの。」

「…!真か、于禁将軍!」

そう聞く鋼牙に、于禁はゆっくりと頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、魏の三羽烏こと楽文謙、李曼成、于文則の三人が軍下に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから、鋼牙達はどうなるのか―――

次に起こる、戦いとは――――――――

一刀には会うことがるのか――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回に続け!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
20
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択