No.642616

【真・恋姫†無双】桂花との甘い食事(後編)

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
皆に嫉妬し仲間外れにされた桂花がとった行動とは!?
最後に、稚拙な文章、口調がおかしい所があるかもしれません。
それでも、暇な時間に読んで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

2013-12-04 15:51:35 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11020   閲覧ユーザー数:9152

「貴方が作った麻婆豆腐を桂花を除いた全員に食べさせなさい」

 

「え?食べさせる?俺が?」

 

 

予想外の言葉に俺はオウム返しに答えてしまった。

 

いや、だって、しょうがないだろ。予想の範疇を超えてたんだから。

 

 

「そうよ。これは命令、拒否する選択肢なんてないから。

 ちなみに、一刀は桂花に食べさせた事があるかしら?」

 

「いわゆる『あ~ん』だろ?一度もないな。

 …華琳、何で桂花だけ除外するんだ。仲間外れは可哀想だろ」

 

「聞いてたでしょ、桂花は貴方を何とも想ってないの。

 なら、する必要が無いじゃない」

 

 

華琳は勝ち誇った顔で俺と桂花を見てきた。桂花は今にも、

 

泣きそうな表情を浮かべている。こういう、桂花を見るのは

 

心苦しい、どうにかして、参戦させてあげられないものか。

 

……まてよ

 

 

「…なぁ、華琳に食べさせるって事は

 少なからず俺を想っているのか?」

 

「なっ!?なななな!!!!」

 

 

ふと、俺はそう思い、皆が聞こえない様に華琳に耳打ちした。

 

すると、華琳は見る見るうちに顔を赤らめ…

 

 

「ば、馬鹿な事を言ってないで、急いで準備しなさい!!」

 

「はいーーーーーーっ!!」

 

 

どうやら俺は逆鱗に触れてしまったらしい。

 

…急いで準備に取り掛かろう。…ごめん、桂花。

 

 

 

 

 

俺は皆に料理を食べさせ終えた。顔を赤らめる者、天真爛漫に喜ぶ者。

 

反応は様々だった。俺はその間、桂花が気になったものの、

 

華琳から釘を刺されていた為に、見ることすら叶わなかった。

 

そして、今現在の桂花というと猫耳フードを深々と被っており、

 

小刻みに震えている。

 

 

「桂……」

 

 

掛ける言葉がみつからない。俯いている為、顔色を窺えないが、

 

明らかに落ち込んでいる。自業自得とはいえ、

 

こんな桂花を見るのは初めてだ。華琳も桂花を見て、

 

度が過ぎたと反省している様に見える。

 

空気も相当どんよりとしてる中、その時、桂花が…

 

 

「もう、我慢できない!一刀!私にも『あ~ん』して!!」

 

 

堪忍袋の緒が切れたのだろう。重い空気が雲散し、桂花は俺に食べさせて欲しいと、

 

願望を高らかに宣言してしまった。さらに、その様子は飢えた獣が解き放たれた如く、

 

眼光が鋭い。正直、少しだけ怖く感じる。

 

 

「どうやら、まだ躾が足りないようね。桂花」

 

 

華琳はいつの間にか普段通りの雰囲気を醸し出していた。

 

どうやら、桂花を確認してホッとしたようだ。

 

だが、次の瞬間。

 

 

「華琳様は黙っていて下さい!私は今、一刀と話しているんです!!」

 

 

桂花が華琳に口答えしたのである。これには、俺を含め皆が、

 

あまつさえ言い放った華琳も驚いた。

 

まさに、青天の霹靂とはこの事。只々びっくり。

 

 

「ねぇ。一刀。早く『あ~ん』してよ」

 

「…あ、ああ」

 

 

俺は戸惑いながら麻婆豆腐を散蓮華に装い桂花に食べさせる。

 

 

「……えへへ。凄く美味しい♪」

 

 

今までの事が嘘の様に、桂花は大輪の笑顔を咲かせる。

 

しかし、俺はと言うと、まだ混乱している。

 

うーむ、あの桂花が、華琳に楯突くとは…。

 

 

「食べさせてくれたから、お返しするね、一刀」

 

「…はい?」

 

 

お返しとはなんだろう?と、思っていたら桂花がトコトコと

 

歩いてきて俺の方膝に座ってきた。そして、散蓮華に麻婆豆腐を装い、

 

零れない様に手を添えながら…

 

 

「はい、あ~ん」

 

「…あの、桂花さん。皆の前ですよ?」

 

「そんなのもう関係ない。だから早く、はい、あ~ん」

 

「……あ~ん」

 

 

桂花が枷を外してしまった為、俺は気にせず好意に甘えた。

 

口の中一杯に広がる麻婆豆腐の風味。

 

しかし、辛いものを食しているのに、とてつもなく甘く感じる。

 

まるで、大量の砂糖を口にしている様な感覚。…何故だ。

 

 

「おや、これはこれは、桂花ちゃんはとんだ雌猫になってしまいましたねー。

 というか、お兄さんの膝は風の特等席です。どいて下さいー」

 

「あの、兄様。私も『あ~ん』して、いい…ですか?」

 

「隊長。私も、その、したい…です」

 

「まさか、桂花が私に楯突くとは、貴方はどんな魔法をかけたのよ、一刀」

 

「……ハッ!。け、桂花!!華琳様に向かって何たる物言い!そこへ直れ!!」

 

「落ち着け姉者。とは言え私も驚いたがな」

 

「兄ちゃん、お替りないのー?」

 

「なんや、桂花も一刀を好いとったんか。中々、おもろい事になっとるやんか、一刀~♪」

 

「一刀殿が既に桂花殿を服従させていただなんて。

 きっと、夜な夜な桂花殿を無理矢理にあんな事やこんな事をして………ブハッ!!!!」

 

「うわあ、稟様が鼻血を噴きよったで!!」

 

「衛生兵、衛星兵なの~~~!!」

 

「ちょ、ちょっと!!一刀はちぃのモノなんだから離れなさいよ!!」

 

「みんな、一刀が大好きなんだね~。お姉ちゃんも負けてられないな~」

 

「…桂花さんがここまで様変わりするだなんて。これも種馬の実力かしら」

 

 

一部を除き、驚いて生体活動を停止していた皆が息を吹き返すと、

 

願望や疑問を語気を強めて投げつけてきた。

 

まずい、このままだと矛先が俺に集中してしまう。

 

落ち着け、冷静に対処するんだ。

 

小学生の時の通知表にやれば出来る子と書かれたじゃないか。

 

必ず巧くいく、自分を信じるんだ。

 

 

「お、落ち着いてくれ皆!!桂花も一端離れよう。な?」

 

「…………やだ。離れない」

 

 

その上目遣いは反則だあああああああああぁぁ!!!!

 

 

「一刀!!」

 

「北郷!!」

 

「隊長!!」

 

「兄ちゃん!!」

 

「兄様!!」

 

「お兄さん!!」

 

ふぁじゅほほの(一刀殿)

 

「おおお、落ち着こう!落ち着くんだ!落ち着きたまえ皆の者!!

 そ、そうだ素数、素数を数えよう!!素数は孤独の、って!?

 流琉、凪、二人一遍は無理だから!桂花と風も膝の上で争わない!

 ……あの、春蘭さん。どうして大剣を携えて此方に、うぎゃああああああああ!!」

 

 

 

 

 

こうして俺と桂花の関係が皆に知れ渡ったのだった。

 

そして後日、桂花が…

 

 

「華琳様からのお仕置きがなくて安心したわ。

 これなら、もっと早く皆に伝えれば良かったね」

 

 

と、眉を逆八の字にしながら息を洩らし、胸の前で手をギュッと握りながら、

 

可愛らしく言ったのだった。

 

俺はと言うと、未だに動かぬ身体を見つめながら、力無く同調したのでした。

 

 

最後に謎かけを一句。

 

『ちくしょう』とかけまして『天使の様な人の妬きもち』と解きます。

 

その心は『Holy shit!(聖なる嫉妬)』でしょう。

 

 

……お後がよろしくないと思いつつ、また次回。

 

さようなら~

 

 

 

 

………はぁ、身体が痛え。

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
23
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択