于吉が使用した禁止術・『呪縛術』により凪が『王玉龍破』を放つことができた！

頼む…………

これで終わってくれ！

　　　　 終節　〜離脱〜

凪「喰らえ、響窃!!『王玉龍破』!!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

凪の掌から『王玉龍破』が放たれた

響窃「くっ…………お、おのれ…………

『死の宝玉』!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

響窃は力を振り絞り『王玉龍破』に向かって『死の宝玉』を放ってきた

ｺﾞｵｫｫｫﾝ!!

二つの巨大な玉が衝突し、動かなくなった

凪「くうぅぅぅっ!!!」

響窃「ぬぬぬぬぬっ!!!」

両者の気がぶつかり合う

そして、

凪「はあぁぁっ!!」

少しずつだが凪が押し始めた

響窃「な、何っ!!?」

春蘭「よし！いけーーーっ!!!

凪ーーーっ!!!」

真桜「凪ーーーっ!!!」

沙和「凪ちゃーーーんっ!!!」

于吉「この術はあまり長く保ちません………

凪さん…………早く……して下さい……」

貂蝉「于吉ちゃん！しっかりしなさいよぅ！」

于吉の顔色が悪くなってきていた

汗を流し、立ち膝となった于吉の傍らには貂蝉殿が駆けつけていた

凪「はあぁぁっ!!喰らえ、響窃!!」

響窃「ば、馬鹿な！こ、こんな………事が……!!」

その瞬間

ﾄﾞｵｫｫｫｫﾝｯ!!!!

響窃に『王玉龍破』が直撃し『死の爆轟』の三倍以上の大爆発が起こった

愛紗「くっ!!」

小蓮「うわっ!!?」

雛里「あわわ!??」

左慈「うおっ!?」

翠「どうだ!?響窃!!!」

煙がこの場を支配しているため、響窃の姿を確認出来ない

凪「くっ!?…………うっ………」

凪はその場に立ち膝をして倒れかかっていた

真桜「凪!!」

沙和「凪ちゃん！大丈夫!?」

直ぐさま真桜と沙和は凪の元へ駆けつけた

秋蘭「っ!?いたぞ！響窃だ!!」

恋「っ!」

一気に緊張感が高まり、皆は得物を構えた

秋蘭が見た先には衣服から大量の血が流れ出ていた響窃がいた

見た感じからするとやはり直撃したようだな………

だがそれでも立っていられるのか？　

響窃「はぁ………はぁ………はぁ…

み、見事………だな……」

卑弥呼「……………」

響窃が弱々しく声を出した

響窃「まさか…………この……魔人・響窃に………このような………強烈な一撃を……いれるとは……

甘く………見ていたのが……………仇となったか…………」

華琳「響窃…………まだやる気かしら？」

響窃「当たり前だ………

そしてな………礼を言うぞ……楽進よ………」

凪「な………何……だと………？」

真桜「何を………言うてんねん？」

響窃「はあああぁぁぁぁぁ…………」

響窃は大量の『邪闇気』を放出し始めた

すると……………

ｶｱｱｧｧｯ!!

華佗「っ!!?何だ!?」

冥琳「響窃の………いや、北郷の身体の周りが禍々しい紅色に………」

秋蘭「一体………何が起こっているのだ……？」

秋蘭がそう呟いた瞬間だった

ﾌｫﾝ……………

蓮華「？？『邪闇気』が………消えた？」

雪蓮「っ!!?ちょっと！響窃が落ちてくるわよ!!」

響窃が何故か『空立』が解除され、力無く落下していた

華佗「っ!!違う!!『邪闇気』が感じられない！

あれは御遣い殿だ!!」

愛紗「な、何っ!?

っ!!ご主人様!!!」

私はご主人様が落ちてくるであろう落下地点に走り

ﾄﾞｻｯ!!

落ちてくるご主人様を抱きかかえた

愛紗「ご主人様!!」

蓮華「一刀!!?」

華佗「…………大丈夫だ、生きている……

だが、何故目を覚まさない!?」

ご主人様は眠ったように目を閉じていた

その時………

ｶｱｱｧｧｯ!!

華琳「っ!!これは…………『邪闇気』!!?

しかも……かなり大きいわ……」

貂蝉「これは……もしかしてん!?」

卑弥呼「そのもしかして………かもしれん……」

于吉「まずくないですか………？」

左慈「かなりやべーぞ……」

管理者の面々が焦りの顔色になっていた

管理者の方々は同じ方向を見ていた

そこには赤い煙状の物体が浮かんでいた

そしてその赤い煙は………

愛紗「っ!!?」

人の形に変形し始め

人の体となった

春蘭「何だ、あれは……」

？？「おや…………？

分からぬのか……夏侯惇……」

翠「っ!!?」

突然声が聞こえた

聞こえた先はその煙中からだった

そしてその声は聞きたくもない『あの声』だった………

卑弥呼「響窃…………!!」

愛紗「あれが………響窃？」

その姿は黒き衣に身を包んだおよそ30代程の男

一見そこらの一般市民と同じように見えるが、奴から放出されている『邪闇気』はこの世のものと思えないほどの禍々しさだった………

響窃「久しいな………私の身体よ……

改めて礼を言うぞ………楽進……」

凪「どういう事……だ………？」

左慈「………っ!!そうか……なる程な………畜生!!」

稟「左慈殿、何が分かったのですか!?」

左慈「あいつは自分の身体に『戻れてた』んじゃない

『戻れなかった』んだよ!!」

音々音「？？どういう意味なのですか？

恋殿にも分かるよう説明するです！」

左慈「ようは響窃は北郷の身体に慣れちまったんだ

そのせいで自分の身体に戻ることが出来なくなっちまったんだ

じゃあ、どうすれば戻ることが出来るのか………？

簡単な事さ…………北郷の身体をボロボロにさせ、離脱させやすい様にすればいい訳だ！」

蓮華「っ!!じ、じゃあ……私達にひと月の時間を言い渡し、修行をさせたのは……………」

左慈「俺たちにてめぇの都合の良いように差し向けただけだ!!

この魔人の出来損ないの野郎に『誇り』なんて最初から無かったんだ!!!」

明命「なんて……………卑怯な!!!」

真桜「つまり凪の『王玉龍破』を演技をしてわざと自分から当たりに行った訳か!!?」

響窃「そういう事だ…………

左慈も説明ご苦労だったな………

だが……最後の『出来損ない』は余計だ………」

愛紗「ご主人様!!眼を開けてください!!」

雪蓮「絶対に…………許さないわよ!!!響窃!!!」

華琳「私達を騙すなんてね…………

死んで詫びろ!!響窃!!!」

響窃「おや…………恐ろしい

皆の顔が怒り一色だ…………

さて………そろそろ始めるか………

全ての………終わり……をな……」

　　 第六章‘大陸を賭けた戦い’

　　　　　　　　　　　……終……