No.640703

司馬日記41

hujisaiさん

その後の、とある文官の日記です。
司馬日記は皆様のコメントや三次創作のお蔭様で続いております。
宜しければ今後も御笑覧下さいませ。

2013-11-28 18:51:27 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12317   閲覧ユーザー数:7512

3月13日

亞莎、凪と飲んだ。

凪は最近遠慮しなくなってくれてきたせいかたまに飲みながら愚痴る事がある。

「亞莎は立派です…こんなに可愛らしいのに、あんなに、あんなにえっちで可愛くって…それに引き換え私はいまだにこう…なす術ないと言いますか、隊長に手の上で転がして貰うばっかりで…。いい加減ですね、たまには『今日は私に任せて下さい』とか『如何でしたか隊長』みたいな事を言えるようになりたいんですよね…」

などと言って深酒をしてしまったので家まで送ってやった。

 

3月15日

以前例の酒楼で一刀様に対する態度について注意を与えた逢紀と言う店員が新しく後宮に入る事となったため、彼女に後宮での住居等についての事務説明を行った。

また彼女は当面民間勤務を望んだ為、文烈様の事例に沿って認められた旨の連絡も行った。

後宮入りにあたっては相応の自覚を持って行動下さいと念を押すと、以前とはうって変わって神妙な態度であったので今後は問題無いだろう。

 

3月16日

妹の季達、顕達が入庁試験に合格し内定を得たと報告してきた。

目出度い事であり、祝いの言葉に加えて今後は職務を通じて一刀様の為に尽くすようにと訓示を与えると、今後は公私にわたって忠勤に励みますという。

どういうことかと聞いてみたところ、二人は既に一刀様のお手つきとなっており今回の就職でようやく大手を振って後宮を歩けるようになったと言い、一発合格でもあり私事にかまけて公の勤めを疎かにした訳でもないのだが唖然とせざるを得ない。

一体何時の間に…

 

3月17日

まさかとは思ったが六女、七女の恵達、雅達に個人的に一刀様へ御奉仕を差し上げてはいないかと多少婉曲に聞いてみたところ、いずれもまだであると言い多少安堵した。しかし

「孫子も『兵は拙速を尊ぶ』と言っています。女には慎みも必要とは思いますが、ここぞという時さえあれば迷わず飛び込んでいく心構えは常に持っております」

とも述べた。一刀様は特段に年若き者をお召しになることをその者の健全な育成上好ましく思われていない為、一刀様の御指導に従っておのが身の取り扱いを行うようにと意見したが、二人は次は自分達の番だと言わんばかりの態度であった。

一刀様のお心を悩ませるようなことにならなければ良いが…。

 

3月18日

三国塾の指導要領の見直しを行う教育委員会において、太史慈殿らの例もあったので将来の一刀様の寵姫の為に最低限の知識を持たせる性教育を授業に含めるよう提案した。すると全員がなんとも言えない様な目で私を見ていたが、曹操様が

「正直貴女にだけは言われたくないって思ってる人が殆どだろうけどそれ自体はいい提案ね。専門部会で詳細を検討することにしましょう」

と言われた。

最近はそこまで言われるほど初心でもないと思っているのだが…。

 

3月19日

劉備様の執務室へ決裁書類をお持ちしたところ、今日は特ににこやかであったのでどうされたのかと思っていると、ばあ!と言いながらかつらを外し、現れたのは劉備様の服を着た張角殿であった。

わからなかったでしょー、と張角殿は楽しげではあったがなぜこの様なことをと伺うと劉備様の御提案だったとのことだ。決裁書類に「これに桃香って書けばいいのー?」と聞かれたが流石に代理決裁はまずいと思ったため止めて頂いた。

そこへ関羽殿が来られ、張角殿と共に事情を話すと「(仕事をさぼって)逃げましたね」と凄愴な笑顔で出て行かれた。

劉備様は他の国王に比べ民とのふれあいを重視し書類仕事は苦手としていると聞いてはいたが、逃げ出してしまうというようなことがあるのだろうか。

 

3月20日

三国塾専門部会に出席している子敬によると、性教育の内容について意見がまとまらず施行が先送りとなりそうだという。

曰く、各委員が夫々の性癖を色濃く反映させようとするために対立しており、裁定に入られた一刀様が性教育の前に倫理教育について実施出来る様策定を進めるようにと指示されたとのことだ。

でも一刀様、それ具体的に方針を示しとかないとえらい事になるって気づいてないんじゃないかしらねぇ、と子敬が言うので「基本的には業務でも後宮でも一刀様の為に御奉仕するよう指導する方針とすれば大きな問題はないだろう、一刀様がわざわざお考えになる程の事でもないのではないか」と答えると、二人は「ほらぁ」「ねー」等と生暖かくにやついていた。

 

3月21日

執務中の快適性を向上する為、今夏導入予定であった新制服の制定が中止となり昨年までと同様とすることとなった。

基本意匠は一刀様が行ったが、女性のみの部署から快適性を向上するためとして当該部署のみ布地をかなり減らしたものにしたいと提案があった一方、男性も居る職場からは別の意図は明らかであり不公平であると強い反対があり折合いがつかなかった為だ。

個人的には現状のままでも特段の不快を感じないが。

 

3月22日

総務室で執務を行っていたところ、詠様が首をかしげられながら「これ今年度も入ってるんだけどなんの経費か分かる?」と支出明細を私に見せられた。一刀様の事務雑費としてと記載されており、一刀様の御決裁がされていたので問題ないと思い特段疑問を持っていなかったが確かに内容は把握していなかったので一刀様に伺ってみた。

一刀様は中々思い出せないようで暫く首を捻っておられたが、張勲殿からその書類を受け取って決裁したと仰ったのでそのように詠様に御報告すると、再び首をかしげられて考え込まれた。するとはっと思い出されたように七乃の所属を確認してと指示された。

張勲殿はいつだったか法令の精査をして頂いた事があるので恐らくは魏の所属なのではと思ったが…

 

3月23日

今回の新人研修事務局を担当している元直から礼儀作法の講師の依頼があり、一応社会人として一通りの事は知っているつもりではあるので受けることとした。

講義は二班に分かれて行いもう一班の講師は月様との事で、元直によると「固くしかやれない子も柔らかくしか出来ない子もいるだろうから、一応硬軟両方用意した方がいいかと思って」との事だ。

主に上司や窓口、他国の事務担当者との応対の指導をして欲しいと言われたのでそれは承知したが、一刀様への接し方の指導も行った方が良いだろうかと提案してみたところ言下にあんたにそれは期待してないからと却下された。

 

まあ新人にはまだ早い事ではあろうが、それが最も大事な礼儀作法と思ったのだが…。

 

3月24日

張勲殿の所属は魏に無く、呉・蜀と総務室にも照会したがどこにも所属の記録が無かった。不思議に思い本人に問い合わせたところ、

「あ、私ですかぁ?私確かにどこにも所属してませんよ、だってどこも雇ってくれませんでしたしー。しょうがないから一刀さんと直に派遣契約して、都度魏や呉や蜀とかに派遣されて仕事してるんですよ。で魏で働いたらその分魏から総務室に支払われて、総務室から私あてに一刀さんの経費として支払われてるんですよ」

との事であった。それを詠様に御報告すると、眉を跳ね上げて一刀様の執務室へ行かれ派遣契約書を探し出して読まれるや顔を引き攣らせ、

「なんて契約してんのよこの馬鹿ち〇こ!あんた一番目の『報酬は派遣先の給与基準、成績評価に準じて支払うものとする』ってとこだけ読んで署名したでしょ!?こっちの小っさい字の附則の方を見なさいよ、同意無く長期出張させない、契約は無期限、双方の同意なく解除出来ない、契約の代理人交渉は認めないとかあのアマ、いざとなったらあんた以外の言う事一切聞かない気満々じゃないのよ!おまけにこれは何?『月に1日以上乙は甲に業務報告を二人きりで行う。但し日時及び場所は乙が指定するものとする』とか、あんた七乃に当番の他にこんな枠確保させてたのっ!?」

と一刀様に詰め寄られていた。ただ各派遣先での張勲殿の仕事の出来は好評と聞いており、また業務の報告は他の方々もされていると思うのだが。

 

3月25日

家で夕食を皆と摂っていると、士載が4月で出向から帰ってくると報告してきた。

蜀でよく御指導を受けたかと聞いたところ、殊に鄧芝殿に御懇意にして頂き懇切丁寧に御指導頂いたという。聞いていた士季と

「だよねー、あんた鄧芝さんとは相性ホント良さそうだし私も教えてもらおっかなー…でも私口もいいけど中の方がやっぱ好きなんだよねー」

「う…ん、わ、私も中好きだけど、最近は一度飲ませて頂いてから『さあ始めるぞ』って感じがして」

等と酒の話なのかいまいち分からない話をしていた。

 

3月26日

三国一に行ってみたが、例の落書き帳の「今日の一刀様について語る章」の進みが速い。特に通り名「年」氏の書き込みが多く、非常に詳細に一刀様を見られているのが伝わるが攻撃的な書き込みも多少見られ、匿名と言うのも良し悪しと思われた。

とりあえず本日の会議で一刀様が眠そうにされながらも懸命にこらえておられ、その様が不敬な表現かもしれないが可愛らしかった事を書き込んだ。

 

3月28日

先に依頼された新人研修で礼儀作法の講師を務めた。

依頼された内容は一通り終えたところで多少時間が余った為、一刀様に接遇する際の心構え、礼の仕方や挙措について指導を始めたところ元直が会議室へ飛び込んで来て「それはやるなって言ったでしょぉぉぉぉぉぉ!?何時までやってる気なのよ会議室が予約してるのに使えないって苦情がこっちに来てんのよ、はいはいおしまいすぐおしまい!」と言って全員追い出された。講義は午後の前半までの予定であったがいつの間にか夜になっており、つい指導に熱を入れすぎてしまっていたようだ。

 


 
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