No.640380

恋姫じいちゃん無双 その3

白雷さん

とあるユーザー様の期待にこたえて第三弾。

注意 これは一刀の祖父である北郷三が真剣に三国史の世界に挑むシリアスな物語である。

2013-11-27 12:33:44 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4805   閲覧ユーザー数:4123

じいちゃん無双 その3

 

 

 

 

「のぉ~華琳たん。つまらんのぅ・・。」

 

 

 

わしは華琳たんがえっさえっさと部屋で執務をやっているのを承知で話しかける。

 

 

「おじじ様、私はいまとっても忙しいのだけれど」

 

そういって華琳たんが見せるのはとっても不機嫌な顔。ちょっといじりたくなってしまう。

 

 

 

「こんな寂しくしている老人をかまってくれないのかい」

「はぁ、貴方も仕事を見つけなさい」

「わしは、将として仕事をしておるよ。じゃが今は暇なんじゃ」

「確かにおじじ様の腕は見事だわ。兵たちを纏め上げ、しっかりと休むときは休む。兵たちも格段とその腕を上げてきているわね」

「そりゃ、そうじゃろ。」

「でも、暇だからといって私の邪魔をしていいというわけではないと思うのだけれど」

「いや、華琳たん。確かに仕事も大切じゃ。じゃがの、」

 

 

 

そういって、わしは華琳たんの頭のうえに優しく手を乗っける

 

 

 

「おじじ様?」

「最近、仕事続きになって休んでおらんじゃろ。」

 

 

ここで、よいBGMとやらを準備しとくべきじゃったな。

 

「それは、仕方のないことだわ。私は皆をまとめる立場よ。当たり前のことだわ。こんなところで弱音を吐いていたらこれからどうなるか知ったもんじゃない。」

「そうじゃがの、逆に言えばこんなところで倒れられては困るんじゃよ」

「あら、何?おじじ様、珍しく優しいじゃない」

「少しは外の空気をすいにいこうではないか?」

「あら?今度は珍しいお誘いかしら?」

「そうじゃ。少し街にいって気分転換じゃ。そんな疲れた顔をしていたらほかの将たちも心配するじゃろ。」

「・・・。そうね、まぁ、おじじ様がそこまで言うのならば行ってもいいわ。」

「ほぅ!そうか!」

 

 

 

わしの攻略レベルが2上がった。 華琳たん攻略度 2/10

 

 

 

「それで、おじじ様。どこへ行くのかしら?」

 

そういって華琳たんが仕事をやめ、こちらに体をむける。華琳たんは偉そうに足をくんでいた。綺麗な足をしておるの、じゃが・・

 

 

 

 

「・・・はぁ、また白かや」

「お、おじじ様・・。今何か変な言葉が耳に入ったのは私の気のせいかしら?」

「変なことはいっておらんよ。」

 

 

なんじゃ、華琳たんは恥ずかしそうにスカートのを抑えている。その手はなぜかプルプル震えていた。

 

「ま、まぁ、いいわ。それで、どこに行くのかしら」

「ふむ、しかしじゃな。白も良いがそれだけというのはいささか・・」

「何の話をしているのかしら?」

「何って決まっているじゃろう?」

「ふ~ん、決まっているですって?何を話しているのか参考までに聞かせてもらえないかしら?」

 

 

よよよ?華琳たんが怒っている。こんなときは贈り物で、また高感度アップを狙うとするかの。いやしかし、先ほど1上げてしまったしの。こんな短時間でうまくいくものじゃろうか?

 

ま、いいじゃろ。ばちは当たらんしの。

 

「華琳たん。」

「なによ?」

「黒でも買いに“ぶげぇぇほほぉぉっい!!!”」

 

わしはなぜか華琳たんにけりを食らわされた。

 

 

 

 

 

「別に・・わ、私だって、白だけをはいているというわけではないの」

 

薄れゆく意識の中でそう華琳たんがつぶやいた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、なにも覚えとらん」

 

 

 

目を覚ますと、なぜかわしは庭にうつぶせに倒れていた。

 

 

 

 

 

「おお、おじじ様ではないか!」

 

しばし胡坐をかきながら何をしていたのじゃろうかと考えていると泣き虫がやってきた。

 

「おお!泣き虫ではないか!」

「あのおじじ様。」

 

わしがそう声をかけるともじもじしながら泣き虫はわしの真名を呼ぶ。

なんじゃ、泣き虫。いつもは強がっているのに。まっ、まさか!いや、しかしのいくらなんでも早すぎではないじゃろうか。わしの頭の中では

泣き虫攻略度 1/10 のはずなんじゃが・・。

いきなりここでエンディングなのかや! まてぃ!だめじゃ、だめじゃ。攻略途中のエンディングはすべてバットエンドと一刀はいっていた。じゃから、

 

 

 

「すまん、泣き虫」

「おじじ様?」

 

 

わしがそういうと、泣き虫は寂しそうな顔をする。

 

つらい、わしだってこんなことはしたくないんじゃ。じゃが・・。

 

 

「泣き虫の気持ちよくわかった。じゃが、まだ早すぎると思うんじゃよ」

「早すぎる・・。わたしでは、私ではだめなのか?おじじ様?」

 

やはり、そうじゃったか泣き虫よ。 いやはや、あの一言と表情で相手の感情を読み取ってしまうとは。わしも恐ろしい人間になったもんじゃ。

 

「そういうわけではない、決してないぞ。じゃがな。時期というものがあるのじゃ。」

「時期?」

「そうじゃ、じゃから、すまん。泣き虫・・」

「そう、なのか。しかしっ、その、時期が来ればいいんだな?」

「そうじゃな、そのときが来たらの」

「そうか、おじじ様!じゃあ、私はそれまでがんばる!」

「おっ、おう」

 

 

さすがのわしでも、あんなふうに元気に返されたら返事が変になるではないか・・?返事が変? 変事?なんちっての。

 

 

 

 

「おとこにゃ~~やらんきゃいけんときが~~」

 

わしはそんな風に歌いながらその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、後には春蘭が残った。

 

「そうか!時期か!私もがんばらなきゃな!もっといいあだ名をおじじ様からもらえるように!!」

 

その日から、春蘭はものすごい真剣に鍛錬に励んでいるという噂が流れたとさ。

 

 

 

 

 

 

「わしも、いろいろと考えなきゃの。真剣に」

 

 

 

わしは、泣き虫と別れ城の中を歩いていた。そうじゃ、泣き虫とはいっても彼女は真剣だった。しかし、彼女の思いに答えられなかったのも事実じゃ。意外に、難儀なものじゃの。

 

そんなふうに悩みながら歩いていると、

 

 

 

 

「ひぃっっ!」

 

という声が聞こえてきた。 周りを見渡すが誰もいない。しかし、よくみると、柱の後ろに誰か隠れていた。

 

 

 

「なんじゃ、ねこぺたか。」

「なっ!何なのよ!その失礼な名前は!!」

 

わしがため息をついていると、その柱の後ろからねこぺたが飛び出してきた。

 

「わ、私はあんたにあげたくもない真名をあげたのに、そんな名前で呼ぶなんて!変態!」

「真名を一回呼ぼうとしたら、叫び始めた奴が何をいっておるか。」

「当たり前じゃないの!あんたなんかに呼ばれたら妊娠しちゃうわよ!」

「おぬし、おつむがいかれておるの」

「あ、あ、あああ・・・」

「ああ? 変な声だすじゃない。ここは公衆の面前じゃ」

「出してないわよ!あんたにそんなこといわれたくないわよっていおうとしただけよ!」

「もういいや、ねこぺたは。」

「もういいやってなんなのよ!そ、それにねこぺたってなんなのよ!」

「はぁ・・・。疲れたの。風呂にでもつかりにいくか」

「ちょっと、無視しないでよ!」

「そのまえに、飯にでもするか。」

「ちょっと!」

「今日の飯はなんじゃろうな~」

「ちょっと、ちょっとってば。もうねこぺたでもなんでもいいから話しし聞きなさいよ・・・」

 

 

 

うるさかったので無視し続けてたら涙声になってしまった。

 

 

 

 

 

「じ~んせ~いらくありゃく~もあ~るさっ、ほいっほいっっと。飯、楽しみじゃな」

 

わしはどこからかのいい香りに誘われてステップ気味にその場を離れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「桂花ちゃんどうしたのですか~?」

 

風が廊下を歩いていると隅っこでひざを抱えてぼそぼそいっている猫耳軍師様を発見した。

 

「あの~?」

「私はねこぺた、私はねこぺた、ねこぺた、ねこぺた、ねこ・・ぺたぺた」

「どうしちゃったのでようかね~、つんつんしても何の反応もありません~」

「つんつんぺたぺた、つんぺた・・・」

「この、廊下、つるつるしてますね~」

「つるつるぺ・・・はっ!?って風!名に言わせるのよ!」

「元に戻っちゃいましたか~じゃあ、風はこれで~」

「もう、なんなのよ~っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ、あのねこぺた。めんどくさいにも程がある。今攻略度0/10で下がりようもないのに下げたくなってしまうのはわがままじゃろうか。

 

まあ、なんとかなるじゃろ。

 

そう考えながらわしは食堂に到着した。

 

 

 

「お、あきあきではないかや~」

 

なんとうれしいことか。あきあきはいい子じゃからの。癒されるワイ。

 

 

「おじじ様。ちょうど良かった、この前教えてもらった料理をつくってみたのですよ」

 

そういいながら、あきあきはうれしそうに料理をもってくる。はぁ~、いいこじゃの~。娘にでもしたいくらいじゃ・・。いやそうなるとあの一刀が婿かえ。いかんいかん。こんないいコをあんな奴に渡すわけにはいかん。

 

「いや、しかしおじじ様は珍しい食べ物をしっておりますね。ご飯の上に揚げた豚の肉をのせさらに、卵も加えるとは」

「ほぉ!見事なものじゃのあきあき。正直ここまでおぬしがやるとは思いもせんかった。」

「その、食べてみてはくださらぬか?」

「もちろんじゃよ。」

 

そうしてわしは一口、口にする。とてもおいしかったのでつい、感想もいわずにすべて平らげてしまった。さすがあきあきじゃ。

 

 

 

「おじじ様、それでどう、でしたか?」

「いや、すばらしい。見事じゃあきあき。おぬしは立派なお嫁さんになれるじゃろう」

「お嫁さんか・・。」

「なんじゃ?そんな暗い顔をして?」

「いえ、おじじ様にそういってもらえるのはうれしいのですが、私は将の一人。この戦いの世に身をおく中で嫁に行くうなどとは考えつかないゆえ・・」

「そんなことはないぞ。」

「おじじ様?」

「わしも戦乱がすこしでもおさまるよう協力するのじゃ。じゃから、きっとなれるじゃろう」

「おじじ様、感謝しますっ!」

 

 

 

あきあき攻略度 3/10

 

 

 

やっぱり、一刀に渡すくらいなら、わしが攻略をすすめちゃうもん

 

「それにしても、おじじ様。この食べ物はなんというんですか?」

「おお、これはの、カツどんじゃ。」

「か、かつドゥーン・・なんとも、いい響きですね」

「いや、カツどんじゃ。」

「か、カァツドゥーン」

「カツどんなんじゃが・・」

「カァッツドゥーム、なかなかに趣の深い言葉です。感服いたしました」

「ま、いいじゃろそれで・・」

 

 

 

今日も、忙しい日じゃったの。でも、これからはもっと忙しくなるんじゃ。黄巾の乱がもうそろそろ始まるころじゃしの。ヒロインが増えなければいいんじゃがの・・・

 

 

 

 

 

 

 

白雷です。 とあるユーザー様からメッセージを頂き、ついつい書いてしまった第3弾。

これから、応援があれば続けていくかもしれません・・・

 

ではではーー!


 
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