No.638854

『蒼海燃ゆ』サンプル

藤居義将さん

DLサイトで販売しています。
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HP[ふじさんの漫画研究所」http://book.geocities.jp/hujisam88/index.html
現代の独立戦隊戦艦伊勢の奮闘記。尖閣要塞の大漢軍は、南の島、城壁島を侵略した。「平成維新の風」のサブストーリー。伊勢の艦長・山口少聞中将は、単艦で大漢の東海軍と戦い勝利するストーリーだ。
このあと、さらわれた城壁市長を取り戻すため、伊勢は大漢領の島、東引島に乗り込む。そこで大漢のヘリ空母2隻を含めた東海艦隊と大海戦をし殲滅する。さらに北朝人民共和国の東倉里(トンチャンリ)の核ミサイルを破壊するため派遣される。そこで、南朝民国と連合した「統一朝鮮軍」と会戦する。

2013-11-22 11:35:18 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:767   閲覧ユーザー数:764

『蒼海燃ゆ』サンプル

太平洋機動部隊、独立戦隊戦艦伊勢戦記

 

1)敵、野営地を殲滅せん!

鄭はよろよろと接収した小学校の校舎から出た。

「……」

真っ赤に目の前の戦車が燃えている。次々と何か砲弾のようなものが落ちてくる。

「な、なんだ?」

すると、上空に何機もの飛行機が飛んできた。

サーチライトがようやくつき、上空を照らした。16機ほどの編隊だ。攻撃隊の春嵐、彗星21型の混成隊だ。全てフロート付きだ。

「ば、ばかな・・・ここは絶海の孤島だぞ・・・」

鄭は信じられなかった。自軍以外で飛んでくることはない距離だ。沖縄の米軍以外には考えられない。しかし、今、鷲山の安保放棄で、ここに来るわけないのだ。しかし、伊勢の攻撃機は全てフロート付きの水上機だ。どこの海からでも発進できる。海は滑走路だった。このクラシックな機体たちこそ、活躍できる場だった。機体は簡易レーダーで現代改修されている。

飛行機が次々と爆弾を落としていく。

「うわっ!」

爆撃でおもわず吹っ飛びそうになった鄭だ。

「何をやっとる!はやく我が軍の援軍を呼ばんか!」

ようやく鄭は軍人らしいことを言った。あれだけいた日本人の女たちはどこかへ行ってしまった。

「ええいっ!対空陣地!何やっとる!」

鄭は怒り心頭だ。

「酒で動けません!」

全将兵は宴会の真っ最中だった。

艦砲は止まない。

 

伊勢のCICで山口が吠えていた。

「撃て撃て!奴らの兵器を潰してしまえ!」

「艦砲とは効果的ですね。」

工藤弘美は言った。35.6サンチ砲が唸る。次々と地上の装甲車、戦車を動けないまま破壊する。8問の主砲は絶え間なく砲弾を撃ち込んでいく。

「これが戦艦の使い方だ!もう少しで、奴等の兵器は役に立たなくなる!西住隊と綾小路隊はどうか?」

「侵攻は順調です。西住隊は間もなく着岸します。」

艦砲を援護として、上陸部隊が向かっていたのだ。この大混乱に敵は全く気付いていなかった。

 

2)五式戦車吠える!

バンバンッ

軽い発砲の音がした。

「左より発砲炎2つ」

「日本軍か?」

最初の初弾で1両が火を噴いた。

5式戦車は自動装てんではない。装てん手が次弾を装てんする。

「先頭をやりました!」

「こちら、西表山猫1。OK!奴等をひきつけるぞ!」

西住涼子は各車に指示を出した。

一方の孙は

「日帝軍は74式か?90式か?ともかく、間を詰める!」

そう言って農道を向きを変えてきた。

「上面を晒した!距離800。撃て撃て!」

西住涼子は発砲指示した。

「先頭大破!4台目、擱座の模様!」

「これが戦車戦よ!」

涼子は吠えた。

「日帝軍はどこだ!」

孙は日本軍を探した。サトウキビ畑で見えないのだ。

「発砲炎に打ち込みます。」

大漢軍もようやく反撃に出た。

「恐らく敵は2台です。形式名は不明です。」

「不明だと?」

孙は意味がわからなかった。それなりに日本軍の装備を見てきたのだ。

「シルエット見えました。・・・やはりわかりません。」

満月で、風でサトウキビがたなびいた。シルエットをみても、それを判別できない。それは五式が現代の戦車ではないからだ。

「こちら西表山猫1。敵は見つけたようだ。敵をひきつける!移動開始!」

至近弾が来るようになったので、涼子は移動を指示した。

「逃がすな!日帝軍を殺せっ!」

孙は2台の逃げる戦車を追った。

「反撃しろっ!」

五式戦車はスラローム射撃を行う。ジグザグに移動しながら発砲するのだ。その精度は世界一だ。

「ば、バカな!移動しながら撃つだと?日帝軍の新型か?」

「さらに一両大破っ!」

大漢の戦車隊は悲鳴を上げていた。新型なのではない。太平洋戦争の戦車だ。

五式戦車に敵の105ミリが当たった。

「しまった・・・こちら、西表山猫3。救援を請う!」

涼子は僚車の救出を指示する。

「西表山猫1、了解した!」

その様子を見た孙は

「身の程を知れ!殺せ!」

たった2両の戦車をなぶり殺すことに神経がいっていた。すると・・・

バンッ

また一台火を噴いた。前の戦車ではない。

「何処からだっ!」

孙は怒鳴った。

「後ろです。」

「何?」

孙は青くなった。まさか、他にまだいようとは・・・。二手で分かれるなど、別に特別な作戦ではないが、この城壁島を掌握したおごりで、見る気が無かったのだ。

「こちら、西表山猫2。バックより攻める。」

この瞬間挟み撃ちとなった大漢軍は、窮地に陥り、慌てふためいた。

「前だっ!・・・いや後ろだっ!うわっ!」

とうとう、孙の車両に弾が当たった。操縦席が吹っ飛んだ。

 


 
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