No.637364

魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? 〜過去に戻った高町なのは〜 【A's】 第八十二話

新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。

任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。

なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!

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2013-11-16 15:42:26 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1984   閲覧ユーザー数:1925

Side:Hayate

 

 

 

 私がなのはちゃんにラグナロクを放ち、その攻撃による煙によってなのはちゃんの姿は見えなくなっていた。煙が晴れるまではどうなっているのか把握しきれないためか、一度シグナム達と集まり、話し合うことにした。

 

「なのはは、はやての攻撃を受けたのか!?」

「分からない。あの煙によって確認することができないから。みんなもそうでしょ?」

 

 ヴィータの質問に、フェイトちゃんは答え、フェイトちゃんの問いにみんなが頷いた。

 このままなのはちゃんが気絶していればいいとは思うが、なぜか胸騒ぎがしていた。どうして胸騒ぎがしたのか私には理解できず、何事も起こらないことを祈っていた。

 

「とにかく、煙が晴れなければどう行動すればいいのか分からない。それまで待つしか――」

「っ!? 煙の中から強力な魔力反応!!」

 

 シグナムが話していると、フェイトちゃんが急激に上昇した魔力反応にすぐさま気づき、その刹那――私たちに向けて炎を纏った紅色の砲撃が私たちへと向かってきていた。フェイトちゃんのおかげですぐに対応ができ、全員その場から回避することができた。

 

「な、なんだ!? さっき使ってた魔力光じゃない!!」

「い、一体何が起こって――っ!? あ、あれは……なの……は?」

 

 砲撃を放ったおかげなのか、煙が一部だけ晴れていき、そこからなのはちゃんらしき人物が見えた。

 しかし、なのはちゃんに似ているというのに髪はツインテールではないし、ショートカットになっていた。眼も青色で、一番違うとこと言えばバリアジャケットが黒紫の色になっていて、なのはちゃんが持っている物の色も違っていた。

 最初はその子がなのはちゃんだと私は勘違いしてしまうが、煙が晴れたことによって本物のなのはちゃんの姿も見えた。しかし、そのことよりも私たちは別の事で驚いていた。

 

「なっ!? なのはだけじゃなくて、私とはやてに似た人がっ!?」

「……一体、何が起こっているんや?」

 

 なのはちゃんだけではなく、私とフェイトちゃんに似た姿をしている人がいて、なのはちゃんを中心にするように囲んでいた。

 フェイトちゃんに似ている方は髪が水色で、先端は青みがかった黒。眼はワインレッドの色でツリ目がかり、リボンは青でスカートは水色、マントは紺色になっていた。フェイトちゃんが持っている物はさほど変わりがないけど、コアの部分が水色になっていた。

 一方の私に似た人は髪が銀色で、前髪以外は先端が黒いメッシュがかかり、髪飾りも紫色で、眼の色は緑だった。私が着ている騎士甲冑も紺色のところが黒となり、黒のところが紫となっていた。シュベルトクロイツに似た物を持っており、金色のところが紫色に変わっていた。

 どうして私たちに似た姿が現れたのかと思っていると、突然となのはが口を開いた。

 

「……闇の書から切断されており、闇の書の奥底に眠っていた永遠結晶エグザミア。闇の書から分断されたことにより、私が眠っていた力を開放したわけだ」

「……テメェは誰だ。なのはではないはずだ!!」

「私はこの子の体を乗っ取った張本人――ナハトヴァール。それくらい、あなたたちなら推測できるのではないか?」

 

 今まで顔も体も動かなかったなのはちゃんが顔を動かし、私たちの方へと顔を向けていた。まるで、ようやくなのはちゃんの体を動かせるようになったかのようで、私自身もそうだったのではないかと思った。

 

「さて、ここからはこの子たちが相手なんだが、その前に一つ面白いものを見てしまってな。君たちにも教えようか」

「面白いこと?」

「私がこの子の体に乗っ取ったようなものだが、乗っ取った影響でこの子の記憶をすべて見ることとなってな。正直ナハトヴァールである私ですら驚かされたわ。この子はとんでもない事を経験していたのだとな」

「とんでもない……経験?」

 

 なぜか、フェイトちゃんはなのはちゃん――ナハトヴァールの言葉を真剣に聞いていた。まるでなのはちゃんのことについて何か気になっていたような雰囲気を出しており、思わず攻撃から守るような構えをやめて聞いていたくらいだった。多分フェイトちゃんは、前からなのはちゃんのことで気になることがあったようで、そのことが聞けるかもしれないと思ったのだろうと私は推測した。そうでなければフェイトちゃんが防御魔法を即座に使えない状態を自分から作るわけがなかった。

 

「……まぁ、この子の記憶については伏せた方がいいだろう。どのみち、私がこの子をこれから先も乗っ取っていくつもりだから、どちらでもいいのだけどな」

「…………」

「唯一つ言っておくのであれば、もし私を倒してこの子を救ったとしても、この子と共にいる限り巻き込まれるのは君たちだ。それでもこの子のそばにいるというのであれば、覚悟しておいた方がいいぞ。まぁ、そんな結末は私がさせないのだがな」

 

 その言葉を最後にして、ナハトヴァールの雰囲気が一変し、私たちに向けて敵意を出していた。私たちもその雰囲気に対して、攻撃が来てもいいようにすぐさま構え、フェイトちゃんもこれ以上聞くことはできないと思い、諦めて私たちと同じように構えていた。

 

「さて、戯言はここまでだ。先ほどのように上手くいくとはおもうなよ」

「テメェを絶対に倒す!! なのはを救うためにも!!」

「ヴィータの言うとおりだ。貴様の思い通りにはさせるつもりはない!!」

「ふん、ヴォルケンリッターが私に勝てると思うなよ」

 

 ヴィータとシグナムはなのはちゃんの体をしているナハトヴァールへと一気に向かい、攻撃を仕掛けようとする。

 しかし、なのはちゃんに似た人がすぐに二人の対応をして、防御魔法で防いでいた。フェイトもそれを見て攻撃をしようとするが、すぐに何者かの気配を背後に感じ、とっさに振り向いて防ぐようにした。その気配はフェイトちゃんに似た人で、いつの間に後ろに回られたことにフェイトちゃんは驚いていた。

 そんな様子をみて、私は何となく察することができ、ため息を吐いた。そしてその察しの通り、私の目の前には私に似た人が目の前にいた。

 

「やっぱり、こうなるんやな……」

『我が主、気を付けてください』

「分かってるって。それではいくで!!」

「マテリアルズ!! 私の周りにいる奴らを殲滅せよ!!」

 

 なのはちゃんに似てる人はヴィータとシグナムと――フェイトちゃんに似ている人はフェイトちゃんと――そして私に似ている人は私と戦うこととなるのだった――

 

 

 

Side:End


 
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